Uni Directional Link Routing 片方向通信路に於ける経路制御 Mikiyo Nishida [email protected] 片方向通信路(UDL) • UniDirectional Link • 一方向にしか通信しない(できない)通信路 – 衛星回線・ケーブルTV回線など 片方向通信路のトポロジー 片方向通信路(UDL) • 従来の通信路との特異点 – データの流れが一方向 – 往路と復路の経路が異なる 衛星通信路 • 送受信1.5Mbps – T1回線相当のIP接続性 • 受信のみ32Mbps(?) – デジタル衛星放送のチューナーとPCを接続し て、受信のみのIP接続性を提供 衛星通信路とUDL • 衛星の発信設備は、コストが高い – 電波の発射には、様々な免許が必要 – 静止軌道まで電波を打ち上げるため、大規模 な設備が必要 • 受信設備は、コストが低い – デジタル衛星放送の受信設備 – 電波の受信には、免許不要 衛星通信路とUDL • 帯域が有限である – 1つの周波数帯で確保できる帯域には限界がある。 ▼ – 多数の局が発信すると、帯域がすぐ一杯になる。 ▼ – 双方向通信路として用いると、大規模性に乏しい。 衛星通信路とUDL • と、いうわけで、一般家庭などに衛星回線 を繋ぐには、片方向通信路として接続する 方が有利 ▼ • 少数の発信局に対して非常に多数の受信 局が存在するトポロジーになる。 衛星通信路とUDL インターネットの経路制御 • パケットには、 – 宛先 (Destination Address) – 発信元 (Source Address) が書かれている。 • アドレスは、ルータの「足」に1つつく。 • インターネット上のルータは、常に経路情 報を流している。 インターネットの経路制御 • 経路制御 – お互いに、存在することを伝えあう – パケットの宛先と、「誰がどの方向に存在する か」情報を元に、一番近い道を決める – その方向に向けてパケットを投げる ▼ • そのうち目的地に辿り着く インターネットの経路制御 • 相互に通信 – – – – パケットを受け取ったら、その発信元を見る 発信元を宛先にする パケットを送り出す あとは、他人任せ 片方向通信路の問題 • 経路制御の問題 – 通常の経路制御は、双方向通信路上で相互 に経路情報を配布する – 片方向通信路では、終点から始点に経路情 報を配布できない ▼ • 通常の経路制御では、片方向通信路が使 用されない 解決への様々なアプローチ • IPトンネリングを使う方法 – IETF UDLR-WG におけるWIDEの提案 • 経路制御プロトコルに変更を加える方法 – IETF UDLR-WG におけるINRIA の提案 • NATを使う方法 IPトンネリングを使う方法 • IPトンネリングを使って、仮想的な衛星回 線の帰路を張る。 ▼ • 経路情報を流す • どんなプロトコルでも使える • 大量の受信局がいる場合、トンネリングの 設定が大変 IPトンネリングを使う方法 経路制御プロトコルを変更する方法 • インターネット上の各ルータの経路制御を、 UDLを含むネットワーク上で正しく経路制 御ができるように改造する。 • インターネット上のすべてのルータで、変 更した経路制御が動いている必要がある。 • プロトコルを1つ1つ改造する必要がある。 経路制御プロトコルを変更する方法 NATを使う方法 • パケットの発信元アドレスを、地上回線→衛 星回線へ書き換える。 • 相手は、発信元に対して返信する。 ▼ • 衛星回線が使われる。 NATを使う方法 NATを使う方法 • 受信側1台を変更するだけでOK – すぐ使える・大規模性がある • 衛星回線/地上回線の経由を自由に制御 可能 – 帯域の面でもスケールする NATの実装 と、いうわけで • 西田(west)のNAT+IP Masqは、現在試 験実装並びに評価中 – 原理的に動作することを確認 Misc • こんな人は相談してください – 思わず無線の免許をとって電波を飛ばしてみ たくなった – はからずも衛星回線に興味を持ってしまった – 実は隠れWindows使い
© Copyright 2024 ExpyDoc