検査の受け方 - 爬虫類・両生類の臨床と病理のための研究会

カエルのツボカビ
検査の受け方
(愛好家の方へ)
麻布大学病理学研究室
爬虫類と両生類の臨床と病理の研究会
国立環境研究所
環境リスク研究センター
一般飼育家からの検査依頼は無料です。
検査を無料で受けられるカエルは次のとおりです。
1.ツボカビ感染を疑うカエル※
2.ツボカビ感染を疑うカエルと一緒に飼われていたカエル
3.ツボカビ症のカエルと一緒に飼われていたカエル
※ ツボカビ感染を疑うカエルとは、ツボカビ症解説書に書かれている症状を
示すカエルは、もちろんのこと。いつもとカエルの様子が違うと感じたら(おかしいと
思ったら)、近くの獣医師に相談してください。
注意
1)検査:検査を受けて陰性と診断された後でも、異常を感じたら、相談してください。
検査は、検査を受けたその時、検査用材料をとった部分にツボカビがいないというこ
とを示しています。
2)飼い主の方へのお願い:検査依頼書の作成にご協力ください。
3)アフリカツメガエル:この種類のカエルについては、別の検査法を検討しています。
もし、この種類のカエルに異常が見られたら、[email protected]へ「アフリカツメ
ガエルの検査について」とご連絡ください。
無断転載、転用を慎んでください。本マニュアルの著作権は麻布大学病理学研究室にあります。
ツボカビ検査について
・疑わしいカエルがいたり、他のカエルがツボカビ症で死亡した場合には迷わ
ず検査を受けましょう。
・検査は、カエルを傷つけたり弱らせたりする恐れのない安全な検査です。
・検査は、病気が疑われるカエルなどを対象とします(表紙を見てください)。
・飼育して少なくとも2ヶ月以上元気に生きているカエルについては、そのまま
病気に気を付けて、飼育を続けて下さい。むやみに病院に連れていくことは、
カエルにストレスを与えることになります。
・検査費用は無料です。送料は、原則飼い主負担です。
・ツボカビ検査は当面、緊急措置として国立環境研究所および麻布大学が研
究活動の一環として行いますが、逐次、検査体制の変更を行う場合があり
ますことを、予めご了承下さい(恒久的ではありません)。
・ツボカビ検査はツボカビ感染状況を把握することを目的とする調査活動で
す。検査結果を目的外に使用して生じた損害については国立環境研究所お
よび麻布大学病理学研究室は一切の責任を負いません。
ツボカビ検査の受付先は・・・
・一般の飼育者から直接の検査依頼はできませんので、最寄りの動物病院に
相談してください。
・全国各地に、ツボカビ対策に熟知したコア獣医師が配置されています。
・もしお近くにコア獣医師がいない場合、コア獣医師リストを持参して最寄りの
動物病院に相談してください。最寄りの動物病院の獣医師がツボカビの実
情をご存知でない場合もありますが、コア獣医師リストを示して、連絡をとり
あって対処方法を聞くように依頼してください。コア獣医師から最寄りの獣医
師に対して、対策情報の資料が送られます。
・動物を動物病院に持ち込む前に必ず予約をとり、受け入れ可能かどうか確
認してください。
・疑わしい動物を不適切な方法で移動したり、中途半端な治療を受けることに
よって、ツボカビの拡散へと事態の悪化が加速します。獣医師にかかる時
は、必ずコア獣医師に直接か、コア獣医師と連絡のとれる最寄りの獣医師
に対応してもらいましょう。
・検査結果は、検査機関が検体を受け取ってから7日程度かかります。結果
は、検査依頼書を作成した獣医師のもとに連絡がいきますので、獣医師に
検査結果を問い合わせてください。
ツボカビ検査の結果・・・
・ツボカビ感染が確認された場合にはコア獣医師の指導に従って、緊急対処
を行ってください。
・治療を受けることができます。ただし、治療をする場合には、獣医師の指導
のもと、感染動物の個別管理と消毒を徹底できる場合に限られます。飼育
水を消毒もせずに下水に流しながら世話をするようでは、感染動物を延命
することはできません。
・必ずコア獣医師と最寄りの獣医師との連携によって治療を受けるようにして
ください。観賞魚の治療薬などを使用しても完全な効果は得られませんので、
事態の悪化を招く恐れのある独自の治療はしないようにしてください。
・ツボカビ感染が確認された動物をどうしても飼いたくない場合は、引き取るこ
とが可能です。コア獣医師または最寄りの動物病院に相談してください。
・感染動物は決して野外に放たないでください。
ツボカビ検査の流れ
愛好家
疑惑個体
検査結果
疑惑個体
ツボカビ陰性:そのまま飼育
ツボカビ陽性:治療、引き取り
獣医師
(最寄りの動物病院)
疑惑個体
検査結果
検査結果
コア獣医師
検査材料
検査依頼書
検査結果
検査機関
○ 国立環境研究所:遺伝子検査
○ 麻布大学:病理検査、データ管理
問い合わせ窓口
一人ひとりが
カエルを守ろう!
自然を守ろう!