SSTVer全国大会 in 函館 - Ham-net

1999年6月27日
祝
第9回全国SSTVミーティング
函館大会
カラー画像通信を楽しむ
(SSTVの歴史)
JA6OAC 中村正仁
HF帯でテレビ交信がしたい
 これがSSTVの原点
 1958年(昭和33年)VE1BELグ
ループが検討
問題点
帯域が狭い!!
 標準方式(NTSC)テレビでは帯
域が6MHz (4.5MHz) 必要
 SSB送信機の帯域はは約3K
Hzしかない
 このままではHF帯での使用は
無理
帯域圧縮
約2000分の1に圧縮
走査線
525本
→ 120本
水平走査周波数 15.75KHz → 15Hz
フレーム画像数 1秒間に30枚→8秒に1枚
これで3KHz以内の帯域でOK
 動画の送信が出来ない → 静止画のみ

画像表示
1枚の画像を8秒で通信
→ 普通のブラウン管では輝線のみを表示
 超残光型ブラウン管が必要
→ レーダー用のCRTを利用
 残光を利用の為
「暗い部屋」が必要になる

残光表示サンプルOM-7
アスペクト比(画面の縦と横の比)

当時比較的入手が可能だったのはレーダー
用の丸形CRT → 「1:1」になる
参考:TV放送 4:3 ハイビジョン 16:9
 こうしてモノクロ方式SSTVがやっと完成

日本のSSTVは...
 昭和46年4月(1971年)、24局にSSTV
の免許
 ほとんどが残光ブラウン管を使って自
作(P7系蛍光塗料)
 サンプリング方式やBBDを使ったカメ
ラが発表
メーカー製品
米国のロボットリサーチ社がモデル70を発表
 日本では東京電子からSS721C/Mを発売
 さらに改良型のSS727C(カメラ¥150,000)
SS727M(モニタ¥164,000)を発売
 廉価版のOM-7でも¥199,800
 この頃が第一期のSSTVブーム
(残光型の時代)

部屋を暗くして運用
スキャンコンバータの登場
ロボットリサーチ社がモデル400を発表
 SSTV画像をICメモリーに記録
 記憶した画像をNTSC方式で読み出し表示
「明るい部屋」で運用が可能になる
128画素X128画素 16階調の表示
 日本ではJASTAからSC-77、アルインコから
EC710/720が発売

法改正
法改正で初級局も運用許可
昭和57年7月13日に政令第195号が公布
 2級局以上の限定が解除
電信・電話級(現在の3級、4級局)にも
SSTV が許可
 一気に第二次SSTVブームとなる
(スキャンコンバータの時代)

SSTVの進化
カラー化へチャレンジ
日本や米国でRGB順次やコンポジット方式で
盛んに実験
手動同期で色合成に苦労
 高画質化
128X128以上の高画質を実験
情報量増加に伴い通信時間も増加
128X128から256X256になると通信時間は
4倍、カラー化するとさらに3倍

低迷期へ
高画質化がさらに進み兄弟モードのFAXへ
とブームが移る
 この間しばらくSSTVの低迷期となる

フルカラー化でSSTVが復活
ロボットリサーチ社が1200Cを発表 1983年
頃?
・モノクロ
モードとコンパチ
・通信を
完全自動化するVISを採用
・アス
ペクト比が4:3にな
る
・高画質256X
240モード(ロボット36/72)を採用
・26
万色カラー
 しかし輸入価格は25万円以上と超高価!!

国産カラーS/C続々登場
1987年JASTAがA3版基板キットのSC-87を
発表
 1988年に奈良泉州SSTVグループがA4版サ
イズのNS-88を発表 これにてカラー化が加
速、基板は約10万で完成
 国内のカラー化が加速し、第三期SSTV
ブームになる(カラーS/Cの時代)
 その後、NS91(\160,000),TS94,NS950な
どが次々発売

通信モードの変遷

1200C用のシステムROMのグレードアップで相次い
で新モード登場
・
Ver2.0 旧西ドイツのWrasse SC-1モード ・
Ver3.6 (GM3SBC)スコッティモード(S1~S4
DX)
・Ver3.7 (GM3SBC)DXESP
・Ver4.0 (G3OQD)マーチンモー
ド(M1~M4) ・Ver4.2 (G3OQD)AVTモード
AVT90/94/188)_________SC-2
Ver3.6は秀逸品
メニューのマウス操作
任意色ペイントの簡易画像補正
カットアンドペーストなどの画像加工
画像処理でラインノイズを一発消去
連続受信で多数決画像処理
などを512のPROM1個で実現
 現在でもまだ引けを取らないすばらしいソフト

実際は熾烈なソフト開発の戦い
Ver2.0,2.2
・・・・・ G3OQD
 Ver3.3,3.5,3.6
・・・・・ GM3SBC
 Ver4.0
・・・・・ G3OQD
 Ver3.6A,3.7
・・・・・ GM3SBC
 Ver4.1,4.2,4.2A,4.3 ・・・ G3OQD
 GM3SBCは高画質化をめざし、G3OQDは
多種の通信モードをサポート

ROM
幻に終わったJAモード
1200C用ROM価格が高価
会員11000~15000円 新規約30000円
スコッティ、マーチンなど主要モードが非公開
→ 自作が困難
 第4回富山大会で提
案
・フォーマットを公開
し格安で頒布を計画
・ロボット24秒
モードをベースに4回送信
 TSC用は完成したがロボット用が未完成

SSTVの進化:DSP処理S/C
第2回SSTV全国ミーティング奈良大会(1992
年6月28日)でJA6UHL西村さんが世界初(?)パ
ソコンI/O型DSPワンボードSSTVシステム
(SSTV-202)を発表
ビデオキャプチャー機能もサポート
 後にタスコ電機からTSC98B(\98,000)として発
売

タスコ電機から続々発表
さらにTSC-100(\59,000)が発売され低価
格化が進む
 続いてTSC300の後,TSC-70超破格値の
¥39,800で発売
 この価格設定が決定的となり第4期SSTV
ブームになる
(第二期カラーS/C時代)

究極の一体型SSTVマシン
ケンウッドが昨年発売したVC-H1
(\69,800) カメラ、液晶モニタ迄内蔵
 10ページメモリーで完璧なポータブル
運用が簡単に出来る
 高速FMモードは14秒通信が可能
 どの無線機とも接続可能で変形スピー
カーマイクとして使える
 ハンディ機との組み合わせがベストマッ
チ

パソコンソフト型S/C
パソコンソフトとインターフェースで構成
 ハード型S/Cに比べ格安(無料からある)
 簡単にバージョンアップが可能
 それなりの機能のパソコンが必要
 ビデオ入力機能は無し
ビデオやデジカメなどを利用

ソフト型S/Cの種類
 信号処理の方法で分
類 ・I/Oボード
型
・
I/Oアダプター
型
・完全
ソフト型
I/Oボード型
特徴
受信の信号処理のほとんどをインター
フェース側で処理
パソコンに負荷が少ない
ソフト型初期に多い
 対応ソフト
・
ViewPortVGA、TSC-98B,ROY1

I/Oアダプター型
特徴
オペアンプ1個などの簡易型インターフェース
ほとんどがDOS/V環境で動作
(旧型パソコンでも動作可)
 対応ソフト
JV-FAX,MSCAN,GSH-PCなど

完全ソフト型 (現在の主流の方式)
特徴
ソフトだけでSSTV動作 (簡単に機能アッ
プが可能)
サウンドカードでSSTV信号入出力
MAC用のソフトも有り
 対応ソフト
Win-SSTV, WinSkan, ChoromaPIX,
JVComm32,WinPixPro など

ソフトの入手は
海外のソフトも国内で申し込み可能
 ソフト問い合わせ先
Win-SSTV(フリーソフト) ・・・・ JG1HYH
WinPixPro、WinPix32 ・・・・JA2BWH/1
ChromaPix、W95SSTV ・・・・JG1VEM
WinSkan,JVComm32,など ・・・・JA4HM
 各ソフトとも デモ版有り

SSTVの将来
 スキャンコンバータは?
 デジタルSSTVは?
午後のフォーラムを
お楽しみに!!
SSTVの歴史
画像通信は
SSBと共存して楽しみましょう
おしまい
構成
PP作成
JA6OAC中村
JR6FQF山下