学会誌講座連載について 核融合データ処理検討作業会 核融合研 中西秀哉 平成16年5月27日(木) 核融合データ処理検討作業会 1 章立て第1案(取下げ) 核融合実験のデータ処理分野には,現在,幾つかの重要課題が存在しているが,紙面の制約 と,講座記事という位置づけ・要請もあり,今回は最初の企画案に沿って「中小規模の実験装 置のデータ処理系を構築するには,どういうことを検討すべきで,どんな選択肢があって,何が 実現できるか」という基本的・実践的問題に的を絞った集中講義的な内容とする. データ処理分野の最近の重点対応課題 ・定常データ収集処理 ・遠隔実験参加 ・大量データの取扱い技術 については,是非,別に機会を設けて(小)特集などで連載させていただきたい.今回の講座記 事では,関連する各章・節で,諸問題について提起,簡単に触れるにとどめたい. 章立て原案としては以下のように考えられる. 1.プラズマの計測器とデータ 1) 多種多様な計測センサーと生成データ 2) データ収集システム(の構築) 3) プログラムの開発(環境) 2.計測と制御 1) 機器の運転と監視 2) ネットワーク利用と分散処理 3) フィードバック制御 3.データの利用方法 1) データの保存・参照と共有方法 2) データの解析・可視化手法と各種ツール 平成16年5月27日(木) 核融合データ処理検討作業会 2 第1案への編集委員会コメント 2章のフィードバック制御を、中小規模のプラズマ実験システムに適用した 具体例がありえるのだろうか?(高温プラズマ実験では、大型装置でない と難しいのでは) (特に2章の部分は)7年前の講座と非常に近い内容ではないだろうか? 1章と2章をより膨らませて、研究室レベルの実験に対する「講座」として の性格を強調してはどうか。 現在は、2次元データ(画像・アレイ)をどう扱うかが大事では。 具体的なデータをイメージしないと、何を書いていただけるか、今ひとつ はっきりしない。 中小規模実験を念頭に、研究室レベルでのknow how的なものにしては どうか。 執筆候補者として大学で実験を行っている人もよいのでは。 内容がもう少しわかるような形で再提案してほしい。 平成16年5月27日(木) 核融合データ処理検討作業会 3 第1案への編集委員会コメント 編集委員会で出ました意見は、提案書を読んでも、内容がわからない。 それぞれの章のつながりが、はっきりしないという意見に集約されると思います。 (執筆者はわかるのでしょうが、編集委員にはわからない。) 2章の監視、フィードバックというのが、(中小型よりは)大型装置をイメージさ せ、前回とあまり、かわらないという印象を与えたのだと、思います。 これは、各章節の内容を、もう少し説明する文章をつけてもらえれば、 クリアすることだと思います。 もうひとつは、詳細説明のなかに、定常処理等はいれないようにすると 書かれたことが(執筆者に対する配慮だとは思いますが)、 編集委員にとっては、かえって混乱したのだと思います。 今回は小規模の研究室で、たとえば、計測器とPCだけ購入し、 いざデータ収集を行おうとして、どうすればよいかというような視点から まとめていただけると、よいのではないかと思います。 平成16年5月27日(木) 核融合データ処理検討作業会 4 第1案への編集委員会コメント 具体的なデータのイメージとしては、1回目の提案書にもありました カメラ等の2次元データ(時間を含めれば3次元)の取り扱い等を念頭に その取り込み、処理、可視化の具体的な手法、その後の解析処理の例等を教 えていただけるのがよいと思います。 たとえば、計測器を買うと、最近は、使いやすい解析ソフトもついていますが、 少し前までは、なかなか、使いたいようなところまで、ソフトが整備されていなく、 その制作を、メーカーに依頼すれば、とんでもない金額を要求されたりしますし、 結局は、自分でつくらないといけないこともあったと思います。 そこで、マニュアルを読んで、データ保存形式がどうとかよんでも、 バイナリ形式で、何バイトずつでどうならんでとかかかれていますが、 それになれないうちは、さっぱりわからないということも、ありました。 簡単な、取り込みサンプルを例として、出してもらえればよいと思います。 最近は、Webのブラウザを用いて、制御・処理や結果の表示等が行えると思い ますが、それができる(自分で構築できる)ようにいざなってもらうというのも、よ いのではないでしょうか。 平成16年5月27日(木) 核融合データ処理検討作業会 5 小型実験のデータ収集をする... 研究室ベースで運用している小型の実験 装置で,大学院学生が新たにデータ収集 処理系を構築する場合を想定 「小型実験で先ずデータが取れればいい んだ」という目標のもとに,システム構築 を進める手順を分析してみると... 平成16年5月27日(木) 核融合データ処理検討作業会 6 講座の筋書き 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10. 先ず,計測したい信号の種類を分析する. 計測信号に見合ったデジタイザを準備する. 計測器・データ収集デジタイザの制御(運転)用コン ピュータを導入する. 計測器を制御するシステムを構築する. データ収集デジタイザを制御するシステムを構築する. 実際にデジタイザを運転し,データを生成・転送する. データを保存する. データを他ユーザと共有する. データを表示する. データを解析する. 平成16年5月27日(木) 核融合データ処理検討作業会 7 各節の素案と章立て 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10. 先ず,計測したい信号の種類を分析する. 計測信号に見合ったデジタイザを準備する. 計測器・データ収集デジタイザの制御(運転)用コン ピュータを導入する. 計測器を制御するシステムを構築する. データ収集デジタイザを制御するシステムを構築する. 実際にデジタイザを運転し,データを生成・転送する. データを保存する. データを他ユーザと共有する. データを表示する. データを解析する. 平成16年5月27日(木) 核融合データ処理検討作業会 8 内容の詳細について 1節(第1章 システムを選ぼう) 先ず,計測したい信号の種類を分析す る. コンピュータシステムの構築には要求分析 が欠かせない.分析・モデル化ツール センサーの種類とコントローラの形態 揺動波形・積分波形・画像計測 平成16年5月27日(木) 核融合データ処理検討作業会 9 2節(第1章 システムを選ぼう) 計測信号に見合ったデジタイザを準備 する. 必要な性能は?サンプリング速度と上限サ ンプル数,チャネル数. カメラ計測の場合は,ビット分解能,画素数 とフレームレート. データ生成率と収集(転送)速度 バッチ(一括)収集か実時間収集か 平成16年5月27日(木) 核融合データ処理検討作業会 10 3節(第1章 システムを選ぼう) 計測器・データ収集デジタイザの制御 (運転)用コンピュータを導入する. Linux vs. Windows.ドライバの有無が全て. 実時間制御の必要性の有無 各種の開発環境.プログラミング言語とビ ジュアル開発ツール(LabVIEW,MATLAB など) 平成16年5月27日(木) 核融合データ処理検討作業会 11 4節(第2章 システムの開発と運用) 計測器を制御するシステムを構築する. 計測器を制御する ...RS-232C,GP-IB, USB,Ethernetなど 遠隔監視と操作.ネットワーク化.ログ採取 ネットワーク分散制御カーネルCOACK 平成16年5月27日(木) 核融合データ処理検討作業会 12 5節(第2章 システムの開発と運用) データ収集デジタイザを制御するシステ ムを構築する. デジタイザとの結線.電気的絶縁の要不要 動作(運転)パラメータの保存 平成16年5月27日(木) 核融合データ処理検討作業会 13 6節(第2章 システムの開発と運用) 実際にデジタイザを運転し,データを生 成・転送する. デジタイザに動作タイミング信号を与える. トリガー/クロックとシーケンス同期. データを収集(転送)する.リアルタイムな連 続処理か一括処理か. 多チャネル/多モジュールの同時処理... マルチタスク・マルチスレッド処理 平成16年5月27日(木) 核融合データ処理検討作業会 14 7節(第2章 システムの開発と運用) データを保存する. データの保存先...ファイル&ファイルシス テム,DBMS利用. データ保存装置の種類と規模.HDDアレイ (RAID),ライブラリ装置... データの圧縮.1次元(波形)データと2次元 (画像)データに各々適した圧縮法. 平成16年5月27日(木) 核融合データ処理検討作業会 15 8節(第3章 データ利用と共有) データを他ユーザと共有する. データファイルの共有か,データ取出しI/F の公開か? 共有・公開の方法:共有ファイルシステム, 分散型仮想ボリューム,API公開. FTP,Samba/SMB,WebDAV... 平成16年5月27日(木) 核融合データ処理検討作業会 16 9節(第3章 データ利用と共有) データを表示する. データ取出し技術.データを転送するか,表 示を転送するか. 可視化ツールの利用. 表示結果のWeb公開とファイル保存.ナ レッジ・マネージメント・ツールなど. 平成16年5月27日(木) 核融合データ処理検討作業会 17 10節(第3章 データ利用と共有) データを解析する. 解析プログラムの作成.プログラミング言 語?対話的データ処理ツール? 数値演算ライブラリの利用. データ・マイニング(採掘). 11節として「では論文に仕上げよう」は 要るか?LaTeXの話は既出!? 平成16年5月27日(木) 核融合データ処理検討作業会 18 執筆分担の形態について 大学研究室の研究者が適任か(若手?) 1. 2. 3. 網羅的な情報提供は必要=経験者の参加 章を細かく分けるのは困難 ⇒ 各章を節ごとに執筆分担か システムを選ぼう(要求分析,デジタイザ, 計算機、機器の制御) 板倉先生+分担者 データを集めよう(収集,保存、ネットワーク 共有) 中西+分担者 データを解析しよう(表示,解析) 米田先生(奥村先生),大舘さん、ほか 平成16年5月27日(木) 核融合データ処理検討作業会 19 メモ NIFS…江本,大舘,南,後藤、稲垣、高橋,(山本), 中西,… JAERI…及川先生,小関先生+計測担当諸氏 九大:長谷川先生,近木先生 京大:岡田先生,… 東大:?,(CCD制御なら,門先生) 筑波大:板倉先生,… 三重大:奥村先生 能開大:寺町先生 大阪府大:宝珍先生 平成16年5月27日(木) 核融合データ処理検討作業会 20
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