10月2日講義分

生体分子解析学
機器分析
分光学
X線結晶構造解析
質量分析
熱分析
その他機器分析
電磁波(光)について
電磁波とは?
波長 10-12 10-11 10-10
γ線
10-9 10-8 10-7 10-6 10-5 10-4 10-3 10-2 10-1 100 (m)
X線
真空紫外
波長
10
200
赤外線
紫外線
マイクロ
ラジオ波
波
可視光線
紫藍青緑黄橙赤
400
800 (nm)
(電場と磁場の相互作用により)媒体無しに空間を伝播する波
γ線からラジオ波までの電磁波は単に波長が異なるだけ!
電磁波(光)の特徴
波動(波)の特性を表すパラメーター
波長 (λ (ラムダ)と表す)
波の進行速度
sin波(正弦波)
振幅
振動数(周波数):1秒あたりの波の通過数。単位はHzまたはs-1。
電磁波は典型的なsin波(正弦波)
電磁波(光)の特徴(1)
波動(波)の特性を表すパラメーター
真空中の速度: 3.0 × 108 ms-1 (すべての電磁波!!!)
= (可視光の)真空中の光速 (cと表す)
波長 (λ (ラムダ)と表す。単位は m。)
振動数 (別名: 周波数。ν (ニュー)で表す。単位は Hz 又は s-1。)
波数 ( ν で表す。単位は cm-1。1 cmの中に含まれる波の数)
光子のエネルギー E = hν (ただしhは プランク定数)
電磁波(光)の特徴(2)
真空中の速度: 3.0 × 108 ms-1 (すべての電磁波!!!)
= 真空中の光速 (cと表す)
波長 (λ (ラムダ)と表す)
電磁波は1秒間に3.0 × 108 m 進む。
3.0 × 108 ms-1 = c
A
1秒間に点Aを通過する波の数(振動数ν)は光速cを波長で割れば良い。
c (ms-1)
振動数 ν (Hz) =
λ (m)
重要
電磁波(光)の特徴(3)
波数 ( ν で表す。単位は cm-1。1 cmの中に含まれる波の数)
波長 (λ (ラムダ)と表す)
1.0 cm
1 cmの中に含まれる波の数(波数 ν )は1 cmを波長(cm)で割れば良い。
ただし、波長の単位をcmに換算して割り算すること。
波数 ν
(cm-1)
1
=
λ (cm)
重要
電磁波(光)のまとめ
高
E (光子のエネルギー;単位: J)
高
ν (波数; 単位: cm-1)
低
高
ν (振動数(周波数); 単位: Hz)
低
波長 短 10-12 10-11 10-10
γ線
10-9 10-8 10-7 10-6 10-5 10-4 10-3 10-2 10-1 100 (m) 長
X線
真空紫外
波長
低
10
200
赤外線
紫外線
マイクロ
ラジオ波
波
可視光線
紫藍青緑黄橙赤
400
800 (nm)
演習&宿題
下記の表の空欄を埋めなさい。真空中の光速 c = 3.0 × 108 ms-1、
プランク定数 h = 6.63 × 10-34 Js とする。
λ (m)
ν (Hz)
ν (cm-1)
10 m
3 × 109
1000
500 nm
250 nm
3 × 1018
E (J)
電磁波の種類
演習&宿題
下記の表の空欄を埋めなさい。真空中の光速 c = 3.0 × 108 ms-1、
プランク定数 h = 6.63 × 10-34 Js とする。
λ (m)
ν (Hz)
ν (cm-1)
10 m
3 × 107
1 × 10-3 1.99 × 10-26
ラジオ波
10 cm
3 × 109
1
1.99 × 10-24
マイクロ波
10 μm
3 × 1013
1000
1.99 × 10-20
赤外線
500 nm
6 × 1014
2 × 104
3.98 × 10-19
可視光線
250 nm
12 × 1014
4 × 104
7.96 × 10-19
紫外線
0.1 nm
3 × 1018
1 × 108
1.99 × 10-15
X線
E (J)
電磁波の種類
電磁波(光)が引き起こす物理現象
高
E (光子のエネルギー;単位: J)
波長 短 10-12 10-11 10-10
γ線
物理現象
低
10-9 10-8 10-7 10-6 10-5 10-4 10-3 10-2 10-1 100 (m) 長
X線
電子による
X線の弾性散乱
紫
外
線
可
視
光
線
電子遷移
赤外線
マイクロ
ラジオ波
波
分子振動
分子の 核スピンの
回転運動
反転
電磁波(光)を利用した測定法
高
波長 短 10-12 10-11 10-10
γ線
物理現象
測定法
低
E (光子のエネルギー;単位: J)
10-9 10-8 10-7 10-6 10-5 10-4 10-3 10-2 10-1 100 (m) 長
X線
電子による
X線の弾性散乱
X線結晶構造
解析
回折法
紫
外
線
可
視
光
線
電子遷移
赤外線
マイクロ
ラジオ波
波
分子振動
分子の 核スピンの
回転運動
反転
紫外可視
赤外分光法
分光法
蛍光
ラマン
分光法
分光法
CD, ORD
旋光度
回転
分光法
ESR
分光法
分光法
NMR
分光法
可視吸収と色
反射光の色
(入射光)
白色光
全波長の可視光
(反射光)
黄色系(青の補色)
青色が抜けた可視光
リボフラビン
黄色
青色を吸収
リボフラビン
透過光の色
補色関係
色相環
(入射光) リボフラビン
(透過光)
黄色系(青の補色)
白色光
青色が抜けた可視光
全波長の可視光
色の吸収を定量的に見ることはできないか?
客観的かつ定量的な色の吸収の測定
可視光/紫外光の吸収等を測定する機器分析
方法論:紫外可視分光法
装置:紫外可視吸光光度計
スペクトル:紫外可視吸収スペクトル
吸光度
吸光度が大きいほど
その波長の光をたくさん吸収
紫外可視吸収スペクトル
(nm)
波長
紫外可視吸収スペクトル = 波長-吸光度プロット
紫外光
可視光
吸光度
吸光度が大きいほど
その波長の光をたくさん吸収
紫外可視吸収スペクトル
(nm)
波長
紫外可視吸収スペクトル = 波長-吸光度プロット
分光って何?
分光とは
光を波長ごとに分けること
有名な例:プリズムによる可視光の分離
分光法って何?
分光法とは
波長ごとに分けられた光に対する
物質の応答を調べる方法
光に対する物質の応答
光の吸収:吸収スペクトル
光の放出:発光スペクトル
(蛍光、リン光)
再掲:色の吸収を調べる方法は?
反射光の色
(入射光)
白色光
全波長の可視光
(反射光)
黄色系(青の補色)
青色が抜けた可視光
リボフラビン
黄色
青色を吸収
リボフラビン
青色(可視光の一部)の吸収を調べる方法
紫外可視分光法
(紫外可視吸収スペクトル)
吸光度
吸光度が大きいほど
その波長の光をたくさん吸収
紫外可視吸収スペクトル
(nm)
分光された光の波長
吸光度
吸光度が大きいほど
その波長の光をたくさん吸収
紫外可視吸収スペクトル
450 nmの光が化合
物に照射されたとき
の吸光度が0.3
(nm)
分光された光の波長
吸光度
吸光度が大きいほど
その波長の光をたくさん吸収
紫外可視吸収スペクトル
450 nmの光が化合
物に照射されたとき
の吸光度が0.3
(nm)
分光された光の波長
白色光ランプの光から特定の波長の光のみを取り出している
単色化
リボフラビン
黄色
吸光度
吸光度が大きいほど
その波長の光をたくさん吸収
紫外可視吸収スペクトル
波長
紫
緑
青色
補色関係
色相環
(nm)
リボフラビン
黄色
吸光度
吸光度が大きいほど
その波長の光をたくさん吸収
紫外可視吸収スペクトル
波長
紫
緑
青色
青色を吸収
白色光
全波長の可視光
黄色系(青の補色)
青色が抜けた可視光
リボフラビン
補色関係
色相環
(nm)
紫外可視吸収の化学的背景
エテン (エチレン)
p軌道
p軌道
π結合
sp2混成
σ結合
紫外可視吸収の化学的背景
エテンの分子軌道
エテン (エチレン)
•••
励起前
結合: 6個
結合性軌道: 6個
πz*
反結合
性軌道
πz
結合性
軌道
分子軌道
(σ結合)
紫外可視吸収の化学的背景
エテンの分子軌道
•••
励起前
πz*
反結合
性軌道
πz
結合性
軌道
電子励起
結合: 6個
結合性軌道: 6個
励起後
分子軌道
(σ結合)
•••
エテン (エチレン)
紫外可視吸収の化学的背景
エテンの分子軌道
•••
励起前
πz*
電子励起
結合: 6個
πz
励起後
反結合
性軌道
結合性
軌道
•••
エテン (エチレン)
E = hν
= h(c/λ)
λ = 165 nm
結合性軌道: 6個
分子軌道
(σ結合)
に相当する
エネルギー
演習
1. 下記の文章の空欄に入る言葉を書き入れなさい.
紫外光および可視光の吸収は
によって引き起こ
される。二重結合を有する化合物で起こる遷移には、
遷移と
遷移と呼ばれる遷移がある。軌道間のエネ
ルギー準位の差分に相当するエネルギーを
の波長領域の光を吸収することで得る。
演習
1. 下記の文章の空欄に入る言葉を書き入れなさい.
紫外光および可視光の吸収は
電子遷移
によって引き起こ
される。二重結合を有する化合物で起こる遷移には、 π→π*
遷移と
n→π*
遷移と呼ばれる遷移がある。軌道間のエネ
ルギー準位の差分に相当するエネルギーを 紫外光または可視光
の波長領域の光を吸収することで得る。
宿題(予習項目)
1. 透過度の定義を調べなさい.
2. 透過度と吸光度の関係を式で表しなさい.
3. 化合物の濃度および光が通過するサンプルの層長(光路長)に
比例するのは透過度か吸光度か.
予習項目がかわらなかったら、教科書P4からP5に書かれている
内容を要約すること。