平成17年度重点配分特別経費成果発表会

平成17年度 岐阜工業高等専門学校
重点配分特別経費成果発表会
表面自由エネルギーの温度依存性を利用した
表面状態評価技術の検討
(2006/7/12 15:50~16:00)
電気情報工学科 所 哲郎
岐阜工業高等専門学校
目 的
岐阜工業高等専門学校重点配分特別経費の目的は、
文部科学省科学研究費への採択
であると、経費費目設立時から明示されており、校長からも再三・再四教員会議等
で確認されている。その成果として岐阜高専は平成16年度までは
4年連続、全国高専科研費採択数1位を維持していた。
また、この目的のため、本校では以下の施策が実施・提供されてきた。






教職員向けの科学研究費採択に向けた講習会の開催(年1回)
科研費への全員応募の奨励(教員会議にて校長より)
不採択者への本重点配分特別経費の援助
科学技術相談室による科研申請書へのアドバイス(17年度実施)
研究協力係によるサポート
その他
現 状
 文部科学省科学研究費採択を教員全員の最重点課題として、平成17年度も
全国高専科研採択数No.1の5連覇を目指し、全員応募を啓蒙したが、実際
の応募は40件程度と、教員数の半分にも満たないものであった。
 ただし、一部教員の、より規模の大きなプロジェクトへの応募や、基盤研究と
萌芽研究とのダブル採択など、発展も見られた。
 ところで、全国高専4連覇の実績がすばらしいものかというと、実際には岐阜
大学工学部の平均採択率にも満たない程度のものであった。
 確かに、教員数と科研の平均採択率を考えると、80人の1/4の20件は平均
値と認識すべき目標で、17年度の14件の採択は大した数字ではないことは、
大学と同等(以上)の採択数獲得を目指した成果としては心もとないもので
あった。
 すなわち、大学と同等の「研究枠」に加えて「高専枠」「教育枠」も利用できる可
能性のある高専の実績として、決して満足すべき採択数(と率)ではなかった。
課 題
 この疑問点を解明・改善するため、「科学技術相談室によ
る科研費申請書へのアドバイス」を平成17年度に新たに
実施した。これは従来の研究協力係による文言や数値の
修正というサポートを超えた、FD活動であり、研究主事と科
学技術相談室長の英断によるものであった。
 一部教員からは、知的財産権に関わる教員の研究ノウハウ
や戦略を、第三者にのぞき見されることに強い抵抗を感ず
るとの指摘もあったが、相談室員は特許審査等、守秘義務
を伴う業務に就いており、その延長として守秘義務を守っ
て活動すると言うことで、一応の了解を得た。
 この科研費申請書査読活動は相談室員の所が実施し、問
題となる(と所が感ずる)基本的確認事項を申請者全員に
文章で提示した。
指摘した事項の例
1.記入すべき全てのページを基本的には埋めること。
2.校費では買えない(まかなえない)ので敢えて申請することを意識する。
3.旅費や謝金、その他がないのもおかしい。各項目は必要だから計上できる。
4.赤明朝は見えにくい。ゴチックフォントとするか、かつ、色を変えるかする。
5.審査結果は開示にする。開示する必要のないものは最初から検討対象外。
6.表題と研究目的は特に吟味して検討する。
7.研究業績は絶対に必要なので、連名でいいので何でも増やしておく。
8.ここで申請する研究は必要なのだけれども、今までやられていなかった。
申請者にはこれだけのスキルがありこの予算があれば実行できると書く。
その他、あまりにも当たり前のことを書きました。しかしながらこれらが満足に
書けていない申請書がほとんどで、良く書けているなというのは、やはり採択
常連の方々のみでした。
岐阜高専の
科研採択率アップに向けて
科学研究費申請数を増やすことは重要であるが、無駄なことは
すべきではない(する余裕があまり無い)ので、
1. 科研申請書ブラッシュアップを制度的に確立する。
2. FD活動として、最も重点を置くべきものとする。成果も数値と
して明白である。
3. 学科間に競争意識を与える。
4. 校務・業績評価項目の一つとして、優先順位が業績ポイント
以上に高いことを全教職員に意識させる。
以上により、全国高専第一位を獲得する。
学会活動
研究等の成果 その1
電 気 学 会 調 査 専 門 委 員 会 で の 活 動
電気学会の、ポリマーがいし材料表面の放電特
性評価と劣化現象調査専門委員会の幹事として
委員会の開催、研究会の開催、全国大会シンポジ
ウムの開催、若手セミナーの実施等を行った 。
・・・研究組織の不備や情報収集能力等の不足
は学会活動で補えており、幹事としての活動が研
究業績や研究組織・研究の必要性を後押しする。
成果発表
研究等の成果 その2
 電気学会誘電・絶縁材料研究会の合同研究
会にて、本研究の成果を発表した。
 国際会議CEIDP2005等での発表。
 若手セミナーでの大学院生に混じっての専
攻科生の発表の実施。
・・・企業発表者等から専攻科生への大変好意的な評
価を頂けた。
科研獲得
研究等の成果 その3
 科学研究費の獲得
1.
平成18年度 基盤研究B・(2)一般、230万円・最終年度
表面深さ分解能を有する誘電計測による高分子電気絶縁材料の劣化診断技術の開発
2.
3.
平成18年度 萌芽研究、 130万円・新規獲得
表面自由エネルギーの温度依存性を利用した表面状態評価技術の検討
平成18年度 基盤研究C・(2)一般、 80万円・電気情報工学科稲葉教授に
共同研究者参加
工業高等専門学校におけるデザイン能力養成のための系統的な創成教育プログラムの開発
4.
5.
平成18年度 基盤研究C・(2)一般、170万円・一般科英語清水晃教授に共
同研究者参加・新規獲得
電気・電子工学系研究室における会話の英語教材化に関する研究
平成18年度 基盤研究C・(2)一般、 万円・豊田高専西澤一教授に共同
研究者参加
基礎数学における三表現の相互関係に注目した、学習者理解度深化法の研究
岐阜高専は何でNo.1を目指すのか。(維持するのか)
教職員は何を重点目標とすべきか。
科学研究費
JABEE
マルチメディア教育
情報ネットワーク
ものづくり
地域連携
教育連携
・・・