通訳の仕事・会議、一般、放送など

政治、ビジネス、学術等
国際会議の仕事
会議通訳者
専門分野における相互交流と
国際理解の促進を支える
会議通訳者とは?
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会議通訳者(Conference Interpreter)
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一般に「同時通訳者」とも呼ばれる
同時通訳の技術を習得している
主に国際会議で通訳を務める
通訳技術そのものを提供することが仕事
大部分はフリーで活躍している
エージェントによるランク分けがある
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Aランク:どんな専門分野でもこなせる同時通訳者
Bランク:全分野で逐次、一般的内容の同時通訳
C(一般通訳):経験年数が浅く、同時は得意分野で
会議通訳者の仕事
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企業
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学術関連の国際会議
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記者会見、商談、記念式典、新製品発表会、
研修、VIP付き、社内会議
学会、講演会、シンポジウム
来日著名人の講演会
ビジネス関係のシンポジウム、セミナー
パーティー、祝賀会、懇親会
国際会議場
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大規模な国際会議場
ホテルなどの大会議室を使うこともある
同時通訳ブース
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同時通訳装置の置かれた常設ブース
ブースから会場を見る
同時通訳制御装置
(ブース外)
同時通訳受信装置
通訳ブース(仮設)
通訳装置一式(ブース内)
会議通訳者になるには
資格制度はない
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通訳スクールで学ぶことが会議通訳者への近道
OJTの紹介を受け、簡単な仕事から開始
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見本市ブース付き、商談通訳、通訳コンパニオン、随行通訳
など一般通訳の仕事から開始する
主に半年以上在籍している成績優秀者を講師が推薦
最上級クラス進級
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誰でもなれる。問題は仕事がとれるかどうか。
講師や先輩と一緒に会議デビュー
順調にいけば会議デビュー後5年ほどで中堅通訳者
通訳スクール受講レベル
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英語の例(TOEIC)
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中国語の例(中国語検定)
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入門レベル:750点~
基礎レベル:800点~
本科レベル:900点~
同時通訳訓練:950点~
入門レベル:二級~
基礎レベル:準一級~
本科レベル:一級以上
OJTは基礎レベル以上の受講者にアサイン
通訳者としてデビューする
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会社勤め・無職 → フリー通訳者へ
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大学卒業と同時に通訳開業:非常に少ない
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レベル、知識、マナー、通訳技術などの問題
経験者優遇(経験三年以上という条件)
一般的に会社に勤めながら通訳スクールで勉強
女性は子育ての時期に
OJTで経験を積み、いよいよ開業へ
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通訳派遣エージェントに登録
税務署に個人事業主開業届け出(青色申告)
最初は一般通訳の仕事から徐々に会議通訳へ
国際会議通訳業務の流れ
資料の受け取り
エージェントから依頼
資料読み、調べ物
<事前準備>
打ち合わせ
会議本番
終了報告
会議通訳者の収入
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日当
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年収ベースで見ると個人差が非常に大きい
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一日40,000~80,000円
半日20,000~40,000円
通訳者のランク、クライアント、エージェントにより異なる
若手通訳者、新規参入業者のダンピングが問題
100万円未満~1000万円超まで
英語以外の会議通訳者では通訳の収入だけで生活で
きる人はほとんどいない。収入は非常に不安定。非英
語会議通訳者はほとんどが他の仕事と兼業。
研修、随行、交渉の仕事
一般通訳
産業や経済の国際交流を支える
一般通訳とは?
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同時通訳は原則として行わない(まれにウィスパリング
が求められる程度)
求められるのは通訳技術の提供だけではない
会議通訳者と異なり一人で働くことが多い
業務の内容は多岐にわたるが、主に研修通訳や随行、
簡単なビジネス・ミーティングを行う
通訳内容は専門性の低いものが多い
特に研修通訳は政府の外郭団体である国際交流協力
センターが長期間にわたって主催することが多く、非英
語一般通訳者の業務を多く提供している
一般通訳の仕事
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日常レベルでのコミュニケーションを主とする
一般通訳のレベル分け
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あいさつ、日程説明、会食、買い物の世話、会場案内、
エスコート、国際見本市など → 駆け出し
専門性・技術性の低い商談、交渉、随行、宴会、工場
見学など → 経験2年程度~
技術研修通訳、視察団随行、一般的な講演、複雑な
企業ミーティング → 経験5年程度~
一般通訳の仕事が順調なら会議通訳者は目指
さない人がほとんど。
一般通訳の収入
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日当 (およそ会議通訳者の半分)
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年収ベース(個人差が非常に大きいが上限が低い)
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一日20,000~40,000円 半日10,000~20,000円
通訳内容、クライアント、エージェントにより差がある。
若手通訳者、新規参入業者のダンピングが問題
100万円未満~500万円程度
英語以外は通訳の収入だけで生活できる人はほとんど
いない。翻訳と兼業の場合が多い。長期の出張業務が
継続的に入れば生活は安定。途中から社内通訳者な
ど専属の仕事を手に入れる人も多い。
JICE、AOTSなどへの登録は収入安定につながる
JICE 日本国際協力センター
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「研修監理員」という名称で募集
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http://www.jice.org/cdn/index.html
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JICA(国際協力事業団)が国内で実施する研修コースにおいて、通訳や各
種調整業務を担当。研修コースの開始から終了まで、研修員を支え、研修の
円滑な実施に向けたコーディネーションを行う重要な業務。
随時登録試験を実施している言語
ヴィエトナム語(ベトナム語)、インドネシア語、タイ語、マレイ語(マレー語)、
カンボディア語(カンボジア語)、ラオス語、ペルシア語(ペルシャ語)、トルコ
語、ミャンマー語
定期募集のみ行っている言語:英語 、中国語 、スペイン語 、フランス語 、ロ
シア語 、ポルトガル語 、ネパール語 、シンハリ語 、ディベヒ語 、セルボ・ク
ロアチア語 、ポーランド語 、ブルガリア語 、ルーマニア語 、イタリア語 、チェ
コ語 、スロヴァキア語 、アラビア語 、 モンゴル語 、韓国語 、スワヒリ語 、イ
タリア語
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テレビ二カ国語放送の仕事
放送通訳者
海外のニュースをいち早く伝える
放送通訳の方法
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時差通訳
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半生(セミ)同通
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外国語ニュースを事前に翻訳し、放送時にはオリジ
ナルの音声と同時に翻訳原稿を読み上げる(ボイス・
オーバー)
翻訳する時間がなく、一回か二回、ビデオに録画した
ニュースを見てすぐにオンエアー
生同通
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突発的な事故など速報性を要求されるニュースでは
ぶっつけ本番で同時通訳をおこなう
放送通訳の言語的特徴
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テレビの視聴者という不特定多数に向けて発信
するマスメディアの仕事である
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耳で聞いてわかりやすい日本語
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誤解を招く語彙は使わない(同音異義語など)
難しい漢語はさけて和語を使う
なじみのない略語には補足説明
複雑な構文はさけて短い文で
映像にあわせて日本語訳を編集
アナウンサー並みの明瞭な発音、発声
放送通訳者の資質
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ジャーナリスト
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アナウンサー
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聞きやすい発音、発声、速度、正しいアクセント、抑揚
通訳者
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世界の出来事に関心があり、時事問題に敏感
同時通訳にも対応できる通訳技術
翻訳者
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時差通訳における読み原稿作成
スポーツ、エンターテイメントの
仕事
スポーツ、芸能通訳
歌手、俳優、スポーツ選手の
コミュニケーションを助ける通訳者
仕事の内容
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芸能通訳
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来日したアーティストの記者会見、インタビュー、テレビ出演お
よびその打ち合わせ、日常生活の世話、スケジュール管理、芝
居の稽古やリハーサルの通訳など多岐にわたる
スポーツの通訳
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国内外で開催されるスポーツ大会などイベントでの通訳(選手
団付き、事務局付き、VIP付き、プレス、インフォメーション、連
絡など)
プロスポーツ(野球、サッカー、格闘技など)の選手付き、インタ
ビュー、練習、スタッフ、他の選手とのコミュニケーション、生活
全般の世話
仕事の始め方と収入
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芸能関係
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一般通訳や会議通訳とは異なり通訳エージェントからの派遣はき
わめて少ない
音楽プロモーター、映画配給会社に直接連絡して自分でルートを
作ること。
実際には芸能関連の会社に勤務していた人、字幕翻訳家、もと俳
優・演出家・脚本家などが多い
スポーツ・イベント
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通訳エージェント経由で募集、一般通訳と同じルート
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プロスポーツ選手付き
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口コミ、コネによる紹介がほとんど
収入
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一般通訳と会議通訳のあいだくらい。一日20,000~80,000円
芸能・スポーツ通訳者の資質
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自分が通訳を行うジャンルに関する幅広く深い
知識が必要
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舞台度胸が必要
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映画、演劇、音楽などに関する知識
スポーツのルール、周辺的情報(選手、記録、チームの勝敗な
どなど)
テレビ出演や記者会見など人前に出て通訳する
ホスピタリティーが必要
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アーティストやスポーツ選手と長時間ともに行動するため、世
話好きな性格が望ましい
通訳の仕事に関する参考図書
『一度はやってみたい こんな仕事 通訳・翻訳』 すばる舎
『通訳者・翻訳者になる本』 イカロス出版
『通訳事典』 アルク
『映像翻訳・放送通訳 完全ガイド』 イカロス出版
通訳の仕事に関する参考図書
『通訳席から世界が見える A message after 22 years』 筑摩書房
『入門 通訳を仕事にしたい人の本』 中経出版
『マスコミの通訳者・翻訳者になる本 』
『通訳の現場から』 朝日出版社
イカロス出版
政府機関、地方自治体
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職員として団体や財団法人あるいは都道府県庁
の国際課などに勤務し、国際交流業務を行う。
通訳業務は本来業務の付帯的なものとして扱わ
れる場合が多い。
仕事の内容
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海外との連絡(翻訳業務を含む)
外国訪問の手配、随行、通訳
来日訪問団の受け入れ、接待、見学や訪問のアレン
ジ、随行通訳など