process - HAOCAN 中国法律相談所

飲食会社・店舗出店の
プロセス
担当:郝燦
所属;上海天尚弁護士事務所
飲食店出店
中国で飲食店を設立するに あたっては、まず「飲食会社」を設立し、以後、
その「諸許可」を取得し、 店舗としての機能も持たせるパターンで設立する
ことができます。
「飲食会社 」を設立しただけでは、飲食店として経営を行うことはできませ
ん。これに対して、「飲食会社」とは、店舗を有し、管理と経営の両方の機能
を持つことのできる会社のことを指します。多店舗展開している外資系企業の
飲食店 設立においては、「店舗設立場所の選定、内装に時間を掛けることが
できる」、「飲食会社を設立することで、飲食会社の資本金より、店舗内装費
を支払うことができる(中国では、内装会社に事前に費用を支払わないと作業
に取り掛かってくれないケースが一般的です)。
飲食店設立におけるポイントの一つとしては、「衛生、環境 、消防面での
許認可取得」が挙げられます。店舗の内装が終わった後に、各 関連当局より
これらの許認可を取得する必要があります。
飲食会社・店舗出店のプ
ロセス
店舗内装
立地確保
各種登記
衛生、消防、環境面
での
許可証取得
会社予定名称
の仮登記
両証取得
批准証書取得
経営範囲に
「店舗経営」を追加
出資検査
三証取得
人民元基本口座
開設
外貨登記、
資本金口座開設、
資本金振込
会社設立
立地確保
実際に店舗を開く場所を借りる必要があり
ます。上海市内で登記する場合には、飲食
店可能な物件を、不動産業者などに依頼、
その物件が、飲食店として法人登記できる
か確認します。確認後問題なければ、契約
書を結んで、不動産を借ります。
現地法人設立予定地の不動産に
関する契約を行います。現地法人はまだ
設立されていませんので、
投資者名義で仮契約を行い、
設立後に現地法人名義に変更します。
●不動産賃貸借契約書類
●「不動産権利証」のコピー
会社設立
会社予定名称
の仮登記
工商行政管理局に、設立予定の会社名称(商号)の仮登記申請書を提出しま
す。登記名称は必ず中国語(漢字)で登録しなければなりません。工商行政管理
局にルートがあれば、あらかじめ重複する名称の企業がないかを電話などで問
い合わせ、コンピューターで検索することもできますが、一般的には正式な申
請書を提出しなければ許可不許可の回答が出ません。工商行政管理局管内にお
いて、同一業種で既に同類の名称が存在する(一般に漢字 2 字まで重複すると
登録拒否されます)場合に備えて、申請書には会社名称の候補を第 1 希望から
順に第 4 希望まで記入します。
会社名のフォーマット:
下記の会社名を参考にお話をすると、
上海(※1)桃太郎(※2)飲食管理(※3)有限公司 と一つの会社名で3つの要素が
入っています。
※1:所在地域名、※2:会社名称、※3:業種名となります
●名称仮登記認可申請書
●認証済出資法人資格証明書・翻訳
会社設立
批准書取得
プロジェクト申請書(項目建議書)は会社を設立するため
の研究と検討を行うことについて当局に許可を求めるとい
う主旨ですが、その作成に当たって営業範囲の設定が大変
重要です。プロジェクト申請書は投資者の概要、設立しよ
うとする新会社の概要、プロジェクトの採算性、スケジュ
ールなどを記して、所管の対外経済貿易委員会に提出しま
す。 プロジェクト申請書(項目建議書)に対して、当地の
対外経済貿易委員会などが「項目建議申請に対する回答(
批復)」という文書で批准するとの回答を発行します。一
般に、この文書に記載された内容のうち、主要項目(総投
資額、資本金、出資比率、営業範囲など)は、会社設立申
請の際、変更ができません。変更する場合は、プロジェク
ト申請書を再提出する必要があります。
●会社設立プロジェクト批准申請書
●フィージビリティスタディ(F/S)、定款
●プロジェクト申請書(中国語では「項目建議書」)に対する回答書(批復)
●名称仮登記通知書
●会社所在地の土地使用権購入仮契約書もしくは建屋賃貸借契約書
●出資者の登記簿謄本
●出資者の取引銀行の信用証明
●出資者の法定代表者のパスポートコピー
●董事派遣書(指定フォーム無し)
会社設立
三証合一
三証を申請します。中国では2015年より経済活性化及び手続き合理化の
改革の一部として、「三証合一」という制度改革が推進されています。
「三証合一」改革とは営業証明書、法人コード証明、税務登記証の三つの
証明に対して工商行政管理部門、品質監督部門、国税又は地方税担当部
門が共管でコードを付与し、申請者に三つの証明書の機能と三つのコー
ド番号が含まれる証明書を発行します。具体的には一つの受理部門が一
括して申請書及び申請資料を受理し、工商行政管理部門、品質監督部門
、国税又は地方税担当部門が共同で審査した上、一つの受理部門より一
度に「一証三コード」式証明書を作成し申請者に発行することになる。。
「三証合一」による登記制度の改革実施後、新設企業は「一つの窓口で
の受理、相互連絡、情報の共有」の方針に従って、窓口を工商行政管理
部門 1か所に集中し、「営業許可証」の発行を受けるのみで登記が完了
し、当該営業許可証には法人コード及びその他組織の信用コード(以下
、「統一コード」と略称)の情報が記載されています。
●三証合一登記申請書2部(工商行政管理局の指定フォーム有り)
●会社名称仮登記完了通知書正本、コピー
●批准証書正本と副本1部、両方のコピー
●定款、フィージビリティスタディ(F/S)及びその回答書(批復)
●出資者の取引銀行の信用証明コピー(中国語に訳す必要有り)
●董事派遣書(工商行政局の指定フォーム有り)
●董事の身分証明書コピー
●住所(経営場所)使用証明書2部(工商行政管理局の指定フォーム有り)
●建屋賃貸借契約書のコピー(賃貸の場合は賃貸協議書正本、コピー)
会社設立
会社設立の諸手続きのまとめ
(1)企業登記開始申請→工商行政管理局
(2)外資企業登記(批准証書)証申請→地域商務委員会
(3)三証の申請→工商行政管理局
(4)企業印鑑の作成と申請→地域公安局
(5)外貨登記証の申請→外貨管理局
(6)口座(資本金、人民元)開設→地元銀行(産業関連の銀行)
(7)資本検査(験資)報告書作成→公認会計士事務所
(8)正式営業許可書発行 →工商行政管理局
(9)財務登記証の申請→財務局
(10)労働申請→労働局
(11)社会保険登記証の申請→社会保険局
(12)統計局への申請→統計局
会社設立
提出用諸書類のまとめ
● 設立申請書
●会社設立プロジェクト批准申請書
●フィージビリティスタディ(F/S)、定款
●取締会のリスト
●役員の履歴書とパスポ-トコピ
●プロジェクト申請書(中国語では「項目建議書」)に対する回答書(批復)
●名称仮登記通知書
●会社所在地の土地使用権購入仮契約書もしくは建屋賃貸借契約書
●出資者の登記簿謄本
●出資者(親会社)の過去3年の決算書
●出資者の取引銀行の信用証明
●出資者(親会社)の定款
●出資者の法定代表者のパスポートコピー
●董事派遣書(指定フォーム無し)
●現地社長の写真2枚
●設立申請を代理する場合、手続きに係る、日本親会社 、法人代表者からの「指定委任状」
F/S報告書とは
フィージビリティ・スタディの略称で、日本では「事業化調査報告書」または「企業化調査」など、いくつかの
呼称があります。企業の設立申請を行う際に、認可機関に提出することが必要であり、進出検討の判断材料とし
ても重要です。「市場」、「立地計画」、「設備」、「環境保護」、「生産」、「販売」、「収益」等から検討
され、社内検討用に使用する詳細なF/Sと、企業設立申請用に使用するF/Sとに分けて作成するケースもあります
。
定款とは
外国出資者が中国に設立する企業の基本的な規則を制定するもので、同時に中国政府に対して「このような企業
を作り、その経営実行に当たってはこのように進めます」ということを宣言するものです。
飲食店
飲食店設立の諸許可
飲食店開業に必要な手続きとしては
まず、出店場所を貸借契約(もしく
は購入契約)を結ばなければいけま
せん。次に「環境保護許可」「公共
場所衛生許可」「消防安全許可」「
飲食サービス許可証」などの取得や
申請が必要です。提出された書類の
審査だけでなく、現場での実地審査
もあり、そこで設備(排水、空調、
厨房など)の改善を求められること
があります。また、飲食店で酒類を
販売するのであれば、「酒類販売許
可証」も必要です。それぞれ、指定
の申請フォームがあります。
許可名称
主要内容
衛生許可
●使用面積
●従業員衛生資格 な
ど
消防許可
●緊急用非常口
●厨房面接 など
環境許可
●排水、排煙など
連絡先
●住所:上海市浦東新区福山路458号同盛大厦5楼E-F座(地下鉄4号線1号口)
●電話:(+8621) 38722022 38722021 (内線8006)
●FAX:(+8621) 38722021
●担当:郝燦(ハオツァン)
●メールアドレス : [email protected]