分散分析

分散分析
~3つ以上の母集団の比較~
M1 青山正志
検定は使えない?
EX)母集団A、B、Cのうち、少なくともひとつの組み合わせ
に差があるかどうか
=1-(A、B、Cいずれの組み合わせにも差が出ない確率)
各組み合わせにおいて・・・
(差が出ない確率)=(全体の確率)ー(差が出る確率)
1
0.05
検定は使えない?
EX)母集団A、B、Cのうち、少なくともひとつの組み合わせ
に差があるかどうか
AvsB
BvsC
AvsC
=1-(1-0.05)×(1-0.05)×(1-0.05)
=1-0.95×0.95×0.95
=1-0.857
=0.143
勝手に確率が高くなる
やってみよう!分散分析
EX)印旛沼、手賀沼、実験水槽で飼育したカメの背甲
印旛沼
手賀沼 実験水槽
長に差があるか
実験)各条件のカメ4歳個体を20
匹ずつ用意して背甲長を計測
標本平均 標準偏差
印旛沼
84.00
5.39
手賀沼
79.50
5.45
実験水槽 88.15
5.34
全体
83.88
6.45
帰無仮説・・・3条件のカメの背甲長
の平均に差はない
80
75
80
90
95
80
80
85
85
80
90
80
75
90
85
85
90
90
85
80
75
70
80
85
90
75
85
80
80
75
80
75
70
85
80
75
80
80
90
80
80
80
80
90
95
85
95
90
85
90
95
85
98
95
85
85
90
90
85
85
分散分析(一元配置)の仕組み
全体の平均
手賀沼
印旛沼
実験水槽
84.00
88.15
83.88
79.50
分散分析(一元配置)の仕組み
全体の平均
手賀沼
印旛沼
実験水槽
84.00
88.15
群内のズレ 群間のズレ
83.88
79.50
各データについて・・・
全体の平均からのズレ=(群間のズレ)+(群内のズレ)
分散分析(一元配置)の仕組み
全体の平均からのズレ=(群間のズレ)+(群内のズレ)
(群間のズレ)と(群内のズレ)を比較する
(群内のズレ)に比べて(群間のズレ)が大きい
母集団の平均に差がある
(群内のズレ)に比べて(群間のズレ)が小さい
母集団の平均に差がない
ズレ・・・平方和
やってみよう!分散分析
<分散分析表>
群間
群内
全体
平方和
748.63
1745.55
2494.18
自由度
2
57
59
平均平方
374.32
30.62
F
12.22
(群間の自由度)=(群の数)ー1
(群内の自由度)=(群1のサンプルサイズー1)
+(群2のサンプルサイズー1)
+(群3のサンプルサイズー1)
(平均平方)=(平方和)÷(自由度)
F=(群間の平均平方)÷(群内の平均平方)
やってみよう!分散分析
群間
群内
全体
平方和
748.63
1745.55
2494.18
自由度
2
57
59
平均平方
374.32
30.62
F
12.22
<F分布表を参照する>
有意水準1%の場合・・・
本実験のF値=12.22
棄却域の境界 F=4.98
少なくとも一つの組み合わせにおいて差がある
2元配置分散分析
<要因と水準>
観測データに影響を与える原因のことを要因といい、
要因の中の条件を水準という。
要因が二つある分散分析を2元配置分散分析という。
EX)印旛沼、手賀沼、実験水槽で飼育したカメの背甲長
に差があるか
1元配置分散分析
2元配置分散分析
EX)印旛沼と手賀沼で、クサガメのオス・メス間に背甲長
の違いはあるか?
要因1
要因2
印旛沼
オス
メス
手賀沼
オス
メス
実験)各条件のカメ4歳個体を15匹ずつ用意して背甲長を
計測
2元配置分散分析
印旛沼
オス
メス
65
65
85
70
75
80
85
75
75
70
80
60
90
65
75
70
85
85
65
60
75
65
85
75
80
70
85
80
90
75
手賀沼
オス
メス
70
70
65
70
85
85
80
80
75
65
65
75
75
65
60
85
85
80
65
60
75
70
70
75
65
70
80
80
75
85
1元配置分散分析のときは・・・
全体の平均
手賀沼
印旛沼
実験水槽
84.00
88.15
群内のズレ 群間のズレ
83.88
79.50
全体の平均からのズレ=(群間のズレ)+(群内のズレ)
2元配置分散分析
全体の平均からのズレ=(要因1によるズレ)
+(要因2によるズレ)
+(要因の相互作用によるズレ)
+(残りのズレ:残差)
1元配置でいう(郡内のズレ)
帰無仮説
要因1による差がなく、要因2による差もなく、
交互作用による差もない
2元配置分散分析
<帰無仮説を検証するための組み合わせ>
・要因1の効果だけが有意
・要因2の効果だけが有意
・交互作用だけが有意
・要因1の効果と要因2の効果が有意
・要因1の効果と交互作用が有意
・要因2の効果と交互作用が有意
・もう全部有意
じゃあさっそく分散分析表
平方和
要因1
50.42
要因2
183.75
交互作用
400.42
残差
3370.00
全体
4004.58
F分布表を参照すると・・・
自由度
1.00
1.00
1.00
56.00
59.00
平均平方
50.42
183.75
400.42
60.18
F
0.84
3.05
6.65
要因1、要因2は棄却域に入らない(それぞれ5%有意水準でF=
4.00、1%有意水準でF=7.08)が、交互作用が5%有意水
準で棄却域に入る。
有意水準5%で、交互作用による背甲長の差がある
結果の解釈
・要因1、要因2に有意差が出なかった
各要因単独の効果はない
<各群の平均>
オス
メス
印旛沼
79.67
71
手賀沼
72.67
74.33
要因1(印旛沼か手賀沼か)の効果も要因2(オスかメス
か)の効果もないが、印旛沼ではオスのほうが大きく、
手賀沼ではメスのほうが大きい。
組み合わされる要因によって効果の現れ方が異なる
分散分析
~3つ以上の母集団の比較~
M1 青山正志