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自民党政調・生活保護に関する
プロジェクトチーム勉強会
生活保護の現状・問題点と
今後の在り方について
学習院大学 経済学部 教授
鈴木 亘
0.0
2011(暦年)
2010
2009
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
200.0
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
生活保護受給者(被保護世帯、被保護実人員)
の推移
万世帯、万人
250.0
被保護世帯数
被保護実人員
150.0
100.0
50.0
生活保護費(国・地方計)の推移
億円
38,000
36,056
36,000
34,630
34,000
32,501
32,000
30,000
28,264
29,365
28,683
28,589
2006
2007
28,000
26,000
24,000
22,000
20,000
2005
2008
2009
2010(見込み) 2011(予測)
年度
急増の背景
• 2009年ごろから急増を始めた生活保護率。
• 2008年ごろまで安定していた予算からは、
8000億程度上昇している。
• この背景として厚労省は、リーマンショックによ
って景気が急落・低迷していることを挙げる。
• しかし、その説明には無理がある。なぜならば、
リーマンショック後、3年以上が経過、震災前ま
で景気はずっと回復していたにも関わらず、生
活保護は前にもまして急増しているからである。
世帯類型別の生活保護受給世帯の前年比伸び率
2006年度
2007年度
2008年度
2009年度
2010年度
2011年(暦年)
総世帯数
3.3%
2.7%
3.9%
10.9%
10.7%
7.2%
うち高齢者世帯
4.8%
5.0%
5.3%
7.5%
7.2%
5.7%
うち障害者世帯・傷病者世帯
1.9%
0.9%
1.5%
7.1%
6.8%
5.4%
うち母子世帯
2.3%
0.3%
0.5%
6.6%
9.2%
5.6%
うちその他の世帯
2.4%
1.3%
9.2%
41.5%
32.2%
15.2%
注)厚生労働省大臣官房統計情報部「社会福祉行政業務報告」(福祉行政報告例)より。
急増の原因
• 急増の直接の原因は、厚労省の政策変更。
• きっかけは、2008年末の年越し派遣村。
• 派遣切りより多かった若いホームレスなどに
、異例の基準で、即座に生活保護を認めた。
• それが前例となり、後追い的に厚労省が出し
た通達によって、従来は生活保護を認められ
なかった若く働ける層(稼働層)に生活保護
受給が拡大。統計上は、その他世帯が多い。
生活保護行政に関する近年の主要事項
の年表
年月
出来事
1998年4月頃から
ホームレスの急増と、病院退院者・施設退所者に対する敷金支給などの運用開始
2003年8月~2004年12月 社会保障審議会福祉部会「生活保護制度の在り方に関する専門委員会」
2005年4月から12月
2006年3月
2008年12月
2009年3月
生活保護費及び児童扶養手当に関する関係者協議会、協議会終了後の生活保護適
正化に関する確認書
「生活保護行政を適正に運営するための手引について」厚生労働省社会・援護局
保護課長通知 社援保発第0330001号
「暴力団員に対する生活保護の適用について(通知)」厚生労働省社会・援護局
保護課長通知 社援保発第0330002号
年越派遣村設営
「職や住まいを失った方々への支援の徹底について」厚生労働省社会・援護局保
護課長通知 社援保発第0318001号
「現下の雇用情勢を踏まえた取組について」厚生労働省社会・援護局地域福祉課
長通知 社援地発第0318001号
2009年10月
「緊急雇用対策」における貧困・困窮者支援のために生活保護制度の運用改善に
ついて」厚生労働省社会・援護局保護課長通知 社援保発1030第4号
2009年12月
「失業等により生活に困窮する方々への支援の留意事項について」厚生労働省社
会・援護局保護課長通知 社援保発第1225第1号
いつまでこの状況は続くのか
水際作戦
ダ
ム
受給長期化
不正受給
詐欺事件
• ワーキングプアは、2009年の厚労省研究班の
調査では650万人、ほぼ生活保護受給世帯の
3倍いる。
• 「捕捉率」が低い状況を支えていたのが、生活
保護受給の要件で一種のダムの役割を果たし
ていた。特に、稼働能力要件は主観も入る厳
しい基準で、その中には、水際作戦など批判さ
れたような行き過ぎもあった。
• この堰を切ったことで、急増している稼働能力
層は、景気が良くなっても減ることはなく、政策
変更なければダム湖が尽きるまで続く。
• 底流にある高齢化もこれからますます進む。
問題の所在
• ただ、2009年末時点では、生活保護に代わる
制度がなかったから、「緊急時の救済策」とし
ての緩和通達は正しかったと評価できる。
• 問題は、第二のセーフティーネットが整備され
たり、景気が回復したという状況変化にも関
わらず、泥縄式の対策を継続していること。
• 法律変更ではなく、通達行政なので、ケース
ワーカーの整備や自立支援策などが適切に
予算措置されず、現場が大混乱に。
• 特に都市部では、ケースワーカー1人あたり
のケース数が100を超えており、2、3か月に1
度の訪問では、不正の摘発や、自立に向けて
のケースワーキングなど不能(計算ワーカー
化)。不正受給の横行や、生活保護長期化の
背景には、こうした供給体制の量的ほころび。
• 手間のかかる住居支援できず、都市部では、
ネットカフェ難民から、ネットカフェ生活保護。
• また、デフレ下、賃金が減少する中で、10年
以上もまったく保護費が減らないために、相
対的に不公平感・労働意欲減。旨味多いので
貧困ビジネスが入り込む余地も大きくなる。
• 生活保護を増やすなら増やすで、体制整備と
自立に向けたプログラムやインセンティブを用
意すべきであり、戦後50年変わらない生活保
護法の改正を行ってきちんと予算措置をすべ
きである。
• あるいは、第二のセーフティーネットや給付付
税額控除(EITC)のような形で、生活保護に
至る前の段階で稼働層を自立させるというの
も一つの考え方。しかし、第二のセーフティー
ネット自体も自立に向かないバラマキと化し、
第二の生活保護に。EITCも全く進まず。
• 方針を決め、なし崩しはやめるべき。
稼働層の自立をどう進めるか
• 今後の稼働能力層については、安易な生活
保護はなるべく早期にやめるべき。生活保護
は最後の砦で、自立させる仕組みが乏しい。
その代り、(きちんと機能する)第二のセーフ
ティーネットや就労支援、給付付税額控除で
対処してゆくことが望ましい。
• 一方、生活保護に既に大量の稼働能力層が
いることは事実であり、その自立促進の仕組
みも合わせて整備してゆく。
• 方策は、アメとムチの両方が必要。
• ムチ・・・自立支援プログラムによる就労義務を
課す、有期制の導入(アメリカは5年、だが
EITCがあって初めて機能する)、現在の就労
促進の強化、ケースワーカーの訪問指導強化
・・・だが、既にやっていることには限界。
• アメこそが必要。「馬を川に連れて行っても、飲
ませなければ意味がない」。
• アメ・・・働いた分は働いた分だけ減らされてし
まう現行制度(正確には勤労控除で一部経費
認められる)では、保護費が相対的に高いこと
もあり、働かないのは当然。
• 保護費は、まずある程度のカットの必要あり。
少なくとも10年間のデフレ分はすぐにカット。
• 就労収入(勤労控除拡大)については、ワーキ
ングプアとの不公平が生じることから、議論が
長い間暗礁に。
• 一つの解決策は、「凍結貯蓄」方式。就労収入
は福祉事務所が預かり、就労自立後に返却。
自立後の初期資金としても重要。
• もう一つは、「最低賃金の適用除外」(障害者
の制度)。民主党になって100円近く上昇。東
京840円。大阪780円は彼らには高すぎる。
• 若い被保護者の希望職種や希望業界の求人
も出やすくなり、マッチングが進む。
• 見習いからスタートならば、就労のプレッシャ
ーも低い。
• ずっと見習いは困るので、3年ぐらいの期間を
かけて市場賃金にして一定期間雇用する義務
を適用企業には課す。
• 最低賃金を下回っても、生活保護費の上乗せ
があるので問題がない。
• 効果の乏しいハローワークとケースワーカー
の連携、役人OB活用よりも、成功報酬で民間
就労支援にアウトソーシング(ブレア改革)。
医療扶助の問題について
• 現在、生活保護費の半分を占める医療扶助。
他国では、そもそも医療扶助は生活保護費に
入らない。異常な状況。
• 医療扶助が大きくなる理由は、そもそも病気で
医療保険から脱退した貧困者が多いこと、保
険者(特に国保)にも放置して生活保護にする
モラルハザードが起きる、自己負担がないこと
から患者のモラルハザードが起きること、医療
機関側にも過剰診療のモラルハザードが起き
ることの4点。
保護費の構図
(平成20年度予算ベース)
保護費の総額及び扶助の種別等の構成
総額:2兆6,888億円
生活扶助
8,557億円
32.6%
住宅扶助
3,700億円
14.1%
医療扶助
1兆3,063億円
49.8%
介護 そ
扶助 の
他
624 281
億 億
円 円
2.4% 1.1%
※国庫負担額は上記の3/4である。
11
• これに対して1割の自己負担を課すべき、あ
るいは少額の自己負担を課すべきとの見方。
• まず、簡単な方法は国保に入れ、保険料と自
己負担を保護費で払うこと。介護扶助が同じ
やり方。
• ただ、自己負担1割を課すことは実際上は難
しい。生活保護の金銭管理能力は低い。せい
ぜい、自己負担(あるいはその一部)は償還
払いにするということぐらいか。
• 一方、自己負担がない医療制度はアクセスコ
ントロールをするのが、常識である。
• 被保護者は基本的に登録制の家庭医(ゲート
キーパー)に緊急時以外はかかる制度とする
。家庭医は一定の補助金をもとに、自立支援
プログラムを作成して患者に寄り添う。
• 緊急時や専門医療機関にかかる必要がある
際にも、セカンドオピニオンやチェック役をして
、過剰診療や過剰投薬を防ぐ役割を課す。家
庭医のチェックは、保健所の保険医が行う。
貧困ビジネスをどう防ぐか
• 貧困ビジネスで特に深刻な問題は、①無料
定額宿泊所(の実は一部)や無届宿泊所、
• ②行路病院をはじめとする医療機関の貧困
ビジネス。
無料低額宿泊所とは何か
• 生活保護を受けて路上生活から脱した(広義の)
ホームレス達が、アパートなどの一般居宅に移る前
に、まず一時的に入所し、社会復帰を目指して集団
で生活している「下宿」。第二種社会福祉事業。
• 最近は、野宿生活に至る前のホームレス予備軍や、
病院や介護施設から退所した生活保護受給者の受
け皿としても機能。
• 建物は、学生下宿や社員寮、簡易宿泊所、旅館、
古いアパート、文化住宅などを改装したものが多い。
• 施設側は、居住スペースを提供するほかに、食事
や様々なケアを提供したり、自立に向けた就労支
援・生活支援を行なっており、生活保護費の中から
食費や雑費、施設利用料を徴収して運営を行なう。
山谷のNPOふるさとの会の各施設
NPOエスエスエスの各施設
加熱する貧困ビジネス報道
• FISに端を発した2009年、2010年の毎日、朝日新
聞の無料低額宿泊所貧困ビジネス報道の過熱化。
• 宿泊所バッシングや排除論の台頭。一般居宅と入
居支援を標準モデルとすべきとの見方。
• 民主党政権のリードで、厚労省「無料低額宿泊所等
のあり方に関する検討チーム」
• 議員立法の動き(抱き合わせ取引事業、食事は希
望制、[食事とサービス提供に関しては生活保護費
の生活扶助の5割までという上限]、金銭管理は原
則禁止、情報公開、優良施設に対する国などの支
援[対象は2種のみ])
宿泊所バッシング、排除は現実的か
• 宿泊所の果たしてきた役割の大きさは再認識
すべき。
• 実際に数量的な問題として、非常に大きな役
割を現在も担っている。野宿者以外の広義の
ホームレス層、介護施設不足や社会的入院退
所者の受け皿など新たな役割も。
• 対して、一般居宅・入居支援モデルは優れた
面があることは確かだが、採算性や数量的に
限界があり、代替することは困難である。あく
まで補完的関係。
• 介護における無届施設同様、排除することで
は何も解決しない。規制強化により、宿泊所
の看板を下げ、アンダーグラウンドにもぐる可
能性も(現にそのような施設も存在)。
• また、入所者の行き先が無ければ再路上化と
いう最悪の事態も。
• したがって、宿泊所をどう生かすか、どう変え
てゆくかという視点からの対策が重要。
• 問題は、どのように貧困ビジネスとされる劣悪
施設を排除し、宿泊所全体としても質を底上
げしてゆくかということ。
宿泊所が抱える制度的問題点
• 現実に、生活支援等、様々なケアが必要である
にもかかわらず、住宅扶助からしかその人件費
代を捻出できない点。貧困ビジネスと線引きが
難しいグレーゾーン。
• 高齢化に伴い要介護者が増加し、実質的な「終
の棲家」となりつつあるにもかかわらず、介護保
険が使えない(規制改革会議で要望中であった
が全く進まなかった)。
• 東京都の「自立援助ホーム」の取り組みも、無届
施設の形で、住宅扶助を1.3倍の特例で出すと
いうやり方では、制度的・法的に極めて惰弱。
ふるさとの会ホテル三晃
ふるさと東駒形荘
どのような対策・政策が必要か
• 本来は、CWが劣悪な施設を把握・判断し、
住宅扶助を認めないことで防げる点も多い
(最近の大阪市のケース)。しかし、CW不足
や「借り」が出来やすい構造、入所施設不足
で監視能力・交渉力が低くなっている。
• そのために、ガイドラインの法的拘束力を高
め(例えば、省令・政令)、一定の質を担保し
た施設以外には住宅扶助の支出を認めない
措置を講じる必要がある。
• それと供に、一定のケア人員配置や設備に対
して、住宅扶助からではなく、ケアコストとして
の補助金を支給する基準を設け、質の高い施
設の採算性を増す(ケア・支援補助金)。このこ
とが住宅扶助という不透明な制度からケア費
用を明示的に切り出し、貧困ビジネスが起き
にくい構造とする。
• ケア・支援補助金は、一般居宅・居宅支援モ
デルや中間施設のアフターフォローの採算性
を増す意味でも重要な施策。
• 住宅扶助については、むしろ、住宅の質の良
し悪しで金額が変化する基準を設け、質の悪
いところも良いところも住宅扶助の上限に家
賃が張り付く状況を改善すべき。これは、一
般居宅の場合も同様に当てはまる。
• 施設整備補助金、ケア・支援補助金を受ける
代わりに、宿泊所には事業や収支の情報公
開や、施設評価(第三者評価、福祉施設評価
等)の義務化を行なう。また、自治体による定
期の立ち入り検査を実施することも認めさせ
る。
病院の貧困ビジネス
• 2008年6月に奈良県大和郡山市で、診療報
酬詐欺事件として摘発された医療法人雄山
会「山本病院」の事件。
• 架空診療報酬を請求。必要のない手術を行っ
て患者を死亡させた業務上過失致死事件。
• 食い物にされた人々の多くは、元ホームレス
の人々や高齢の日雇労働者で、現在は生活
保護受給者となっている患者達。
• そうした患者達に対して不必要で膨大な検査・
手術を繰り返し行なったり、長期入院患者の診
療報酬が制度的に引き下がってしまうために、
同種の病院ネットワークを使い、患者を短期間
で繰り返し転院させて診療報酬を荒稼ぎしたと
される。
• また、患者の意思や病状を無視し、診療報酬
が高いが危険な心臓カテーテル手術を、月20
件のノルマを掲げて実施していた。
• その中には相当数の不必要な手術、死亡例が
存在しているとみられる。
山本病院は氷山の一角
• 実は山本病院は、こうした病院ネットワークの
「下流」、いわば場末の病院。
• はるかに実入りの良い貧困ビジネスは、「上
流」の大阪市とその周辺にある病院が行なっ
ている。
• こうした病院ネットワークは、「行路病院(行旅
病院ともいう)」と呼ばれる種類の病院が多い。
• ホームレスの人々や高齢の日雇労働者が、
心筋梗塞や脳梗塞などで路上で倒れた場合
に、救急搬送先となる。
• その場合、「急迫保護」といって直ぐに生活保
護にかけ、生活保護費から医療費(医療扶
助)を支出できるようにする。
• こうした生活保護受給者の患者のほとんどは、
こうした病院の転院ネットワークの中でたらい
まわしにされ、その一生を終えてしまう。
なぜ行路病院問題が起きるのか
• 4つの要因。
• 第一に、ホームレスの人々や、高齢で仕事が
なくなった日雇労働者に対する診療の利益幅
が非常に大きい。
• ホームレスの人々、高齢の日雇労働者は、長
年、路上生活や不安定な生活を続ける中で、
糖尿病や高血圧、肝臓病などの慢性疾患を
患っている一方、医療保険証を既に所有せず、
持病を長年放置。
• 救急搬送された場合には、手術や検査などで
多額の診療報酬を請求できる重篤な病状。
• その後も検査で新たな病気を発見して治療を
する余地はいくらでもあるため、過剰な検査・
治療を行なうことの名目が立ちやすい。
• このため、最初に救急搬送される病院以外に
も、第二、第三の転院先でも、十分に検査や
治療を行なうことができ、十分な実入りを確保
出来る。
• 第二に、生活保護制度は、患者自己負担が全
く発生しないために、モラルハザード(患者、医
療機関の双方)が起きやすい。
• 医療扶助は自己負担がないため、過剰な検
査や手術に、本人、家族が文句を言わない。
• 患者側も、病気が原因で生活保護にかかって
いるため、たらいまわしを拒否した場合、病院
から追い出されるだけではなく、生活保護も同
時に打ち切られる可能性が高い。
• このため、過剰な検査、手術に苦しみながらも、
それに甘んじざるを得ない。
• 第三の背景は、行政側の診療報酬請求に対
するチェック体制の不備。
• 電子化されたレセプト情報を個人ごとに過去
から繋いでチェック(縦覧点検)ができない現
状。
• 生活保護行政を行なうケースワーカーには、
専門知識のある医療関係者がほとんどおら
ず、なかなか診療内容にまで立ち入る検査が
出来ないという問題。
• 第四に、行政と行路病院のもたれあいの構造。
抜本的対策をどうするか
• まず第一に、レセプトの電子化をすすめ、
チェック体制を強化。生活保護受給者の比率
が高い病院への立ち入り検査を強化し、必ず
医療関係者を伴って厳重にチェックをする。
• 第二に、行政側も、行路病院などの特定の病
院だけに、ホームレスや日雇労働者の治療を
任せるという方針を改め、一般の病院がこうし
た人々を受入れやすい体制を作るべき。
• この点で、お手本になるのが川崎市の事例。
• 特定非営利活動法人・川崎水曜パトロールの
会を中心に、「協力謝金」という制度が創設。
• また、ホームレスが裏口から入れるように、裏
口にシャワー室を設置し、その設置費に補助
金がおりる制度も整備。
• 第三に、ホームレスの人々や高齢の日雇労
働者に対する医療機関アクセスの改善。
• 「無料低額診療所」の増設。
• そして、より根本的には、被保護者の国保加
入や医療扶助改革といったことが重要。