語彙 1)語彙:語の集合である。ある基準や観点によって限 られた一定の範囲内に存在する語の総体。 一まとまり。 万葉集の語彙、幼児の使用語彙、 日本語の語彙。 *使用語彙(表現語彙、理解語彙) 語彙の量的側面 • 計量語彙論;語彙の量を統計的な手法で明 らかにする語彙論の分野。 • 語彙調査;語彙の量的な構成を調査すること。 • 調査方法: 1)全数調査:すべての対象語を調査。 2)サンプリング調査:母集団を抽出される標本調査。 • 調査単位をどうするかの問題:調査の目的によるのがよい。 • • • • • シャボン玉/ とん/だ/ 屋根/まで/とん/だ/ 屋根/まで/とん/で/ こわれ/て/消え/た/ シャボン玉/ 消え/た/ 飛ば/ず/に/消え/た/ うまれ/て/すぐ/に/ こわれ/て/消え/た/ 風/風/ 吹く/な/ シャボン玉/ とば/そ/ • • • • シャボン玉/とん/だ/屋根/まで/で/こわれ/消え/ 飛ば/ず/に/うまれ/すぐ/風/ 吹く/な/そ/ 述べ語数:38個 異なり語数:17個 基本語彙と基礎語彙 • 基本語彙:言語教育において使用頻度数の 多い語のグループ。語の重要性によって決ま る。 • 基礎語彙:言語生活を営む上に必要不可欠 な語のグループ。主観的、演繹的に選ばれる。 語彙の分類 • 意味による分類: 1.類義関係:類義の関係にある語彙。 例)辞書:辞典。美しい:きれい。(同義語) 2.対義関係:ある面で対立した関係 1)相補関係:例)男:女。表:裏。ある:ない 2)相対関係:例)高い:低い。広い:狭い。 3)視点に基づく対義関係: 例)①上り坂:下り坂。入り口:出口。 ②親:子。先生:生徒 3。包摂関係:上位語と下位語(木と松) 出自による分類 • 語種:語彙をその出自によって分類したもの 1.和語(固有語、大和言葉) 例)馬、梅、寺、島 2.借用語(漢語ー中国から借用、また字音語) 例)①大根、火事、出張 ②神経、哲学、地球(翻訳語) 3.外来語:西洋語から借用された語: 例)タバコ、ガラス(ポルトガル、スペイン語) *和製英語:マイホーム、ハンドル 4.混種語:和語+漢語(相手+役)、胃カメラ *湯桶読み:場所(訓+音) *重箱読み:親身(音+訓)、試合 語構成による分類 語構成とは、語彙を構成する個々の語に付いて、それ以上意味を 有する部分に分けられるかどうか、分けられる場合にはどのような 性格の構成要素に分けることができるのか、といった類の問題を いう。それについて考える分野を語構成論と呼ぶ。 (例) 山、川、走る、歩く : それ以上意味を有する部分に分けることのできないもの。 山裾、走り回る、汗ばむ、小高い、うれしさ : 意味を有するより小さい部分に分けられるもの。 語構成論においては、語の構成要素を一般に形態素と呼ぶ。 (例) 「山‐裾」「小‐高い」「うれし‐さ」 :ハイフンで区切られた部分が形態素。 形態素は、語を構成する際の働きに従って、語基と接辞とに 大きく分けられる。 語基というのは、語を構成する際に意味的な基幹部分となるもの。 接辞というのは、語基の前や後に付いて語基の意味を補佐したり、 文法的な機能を担ったりするもの。また、接辞は語基の前に付く 接頭辞と後ろに付く接尾辞とに大きく分けられ、接頭辞は語基に 補助的な意味を添えるのが主な役割であるが、接尾辞は意味と ともに語基の品詞性を決定する役割をも担うことがある。 例) 深‐さ、深‐み、寒‐がる、高‐まる、高‐める 語構成による分類 単純語(語基) : 海、山、川、食べる、飲む、まだ、もう、すぐ など。 語 派生語(語基+接辞) : 合成語 素-顔、お‐水、こ‐ぎれい、友‐達、 酒‐屋、春‐めく 複合語(語基+語基) : 紙‐ヤスリ、焼き‐そば、花‐見、飛び‐出す、立ち‐読み
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