第5章 大学図書館における情報収集 1.情報収集の概念と必要性を学 ぶ。 2.大学における図書館の利用法を 身につける. 1.情報収集とその必要性 文献調査と事項調査 受動的(高校までの授業) 能動的(大学) 例:課題としてのレポート「卒業論文」→ 自分で課題を探して、調べ、結論付けなければなりません。 自分が知らないことは、自分で調べなければならないので す。 • レポートや論文には「事実」と「意見」が必要 です。あなたのレポートや論文を読んだ人を、「な るほど」と納得させる内容でなければならないの です。そして、相手を納得させるためには、自分 の「意見」が正しいことを証明しなければなりませ ん.そのためには、資料から得られた客観的な材 料を利用します.この客観的な材料のことを情報 と呼びます。情報は、図書や新聞はもちろんのこ と、一般雑誌やインターネットのホームページか らも得られます。また、自然科学の分野では、実 験を行ってその結果を情報として活用しますし、 アンケート調査やインタビューなど社会調査を 行って情報を得る場合もあります。 • ・文献調査 • ・事項調査 • しかし、情報はそれを手にした人によって 価値が違います。情報収集とは、自分に とって必要な材料を集めるということなの です.さらにこのような情報収集のための調 査は、知りたい内容によって次の二つに分 けて考えることができます。 「最近のコンピュータ産業の動向 について知りたい」というような 場合は、事項調査になります。そ して、「コンピュータ産業について 書かれた本を探す」となると、文 献調査になります。また、このよ うな調査を行うためには、次の二 つの手段を使うことが考えられま す。 ・コンピュータ(主としてインター ネット)を使って調べる ・図書館に行って調べる 2.情報の信頼性と鮮度 図書館では、図書のほか、新聞や学 術雑誌などの 資料から、情報を得ることができます。 また、コンピュータを使うと、インター ネットのホームページから情報を得るこ ともできます。それらの情報を情報の鮮 度(=新しさ)という観点から見ると、下 のようになります。 つまり、最も新しい情報源は、ホーム ページ、次に新聞、学術雑誌、図書 のじゅんばんとなるわけです。。ホー ムページは、政府・公共機関、教育・ 研究機関、企業、個人など、誰でも 自由に開設できます。 学校図書とは • 学校図書や公共図書館での利用の多くは、 読みたい本を借りる、あるいは自習をする という利用方法が大半だったのではないで しょうか.大学図書は、それらの機能の加え て、さまざまなサービスが、用意されていま す。きのうをまとめてみると、次のようにな ります。 図書の閲覧 • 閲覧とは、図書館内で資料を利用することで、館 内利用とも言われています。図書館の閲覧方式 には次の2種類があります。 • ・開架式 • ・閉架式 • 開架式の場合なら、自分で書架まで行って資料 を手にとることができます。また、閉架式の場合 には、蔵書目録(カードやコンピュータ)で自分が 求めてる資料を確認してから図書館員にいらい して出納してもらいます。閲覧するとその場で自 分が必要としている情報なのかどうかということ が判断できます。 図書の貸し出し 貸し出しとは、図書館資料を一定期間、館外利用 できるサービスです。 貸し出しのサービスが受けられる人は、その地域 の住民あるいはそこで勤務する人であるのが原 則です。それに対して大学図書館の利用者資格 は、学生もしくは教職員であるということです。 図書館の蔵書で現在貸し出し中のものや、図書館 に所蔵されていない場合は、[予約・リクエスト サービス」というシステムを利用します。貸し出し 中の図書を予約しておくと、返却され次第優先的 に借りることができます。 レファレンス・サービス • 図書館とは[資料]を提供するところですが、「情 報」を提供するところでもあります。例えば、 • 文献をどう探せば良いのか分からないとき • どのような参考図書(レファレンス・ブック)を利用 すれば問題が解決するのかが分からない時 • など、図書館員に質問をすれば、その回答が得 られます。 • このような「質問回答サービス」のことをレファレ ンス・サービスと呼んでいます。 複写サービス • これは、一定条件のもとで図書館資料の一部を 複写できることです。このサービスの特徴は・複 写したものが利用者の私有物になる点で、それ が前述の閲覧や貸し出しとは大きく違います。 • しかし、図書館資料には著作権があります。 • 「著作権」著作者の利用を保護する著作権法と いう法律によって定められています。 • そこでは、著作物を次のように定義しています。 思想または感情を創作的に表現したものであるの で、文芸、学術、美術または音楽の範囲に属す るもの。 • 先ほど、複写サービスは「一定の条件」のもとで、 資料が複写できると説明しましたが、この「一定 の条件]とは著作者の許諾を得ずに複写できる 用件のことで、おおむね次のように規定されてい ます。 1.利用者の求めに応じ、初めて複写するもので あること 2.利用者の調査/研究のためであること 3.公表された著作物であること 4.著作物の一部分であること 5.一人につき一部であること 相互貸借 • 相互貸借は、図書館どうしの協力があって 成立することです。探している図書が自分 の大学図書館では見つからなかった場合 他大学の付属図書館や公立図書館、国会 図書館などが所蔵していれば、それを貸し 出ししてもらえるシステムがあります.これ が相互貸借です。 資料の種類と分類 一次資料と二次資料 • 一次資料とは、さまざまな学問分野の調査・研究 活動の過程で生まれる資料のことです。図書/雑 誌/新聞/論文など、探している資料そのも のです。 • 二次資料とは一次資料に到達するための資料 のことです。いわば、[本を探すための本] です。事典/年鑑/索引/蔵書目録などの目録、出 版情報を記した冊子類なども二次資料です。 • 〔二次資料の例〕 • • • • • ・『日本書籍総目録』 ・『出版年間』 ・『日本の参考図書』 ・『雑誌記事索引』 ・『経済学文献速報』など 大学図書館を利用した事項調査 資料の種類 ・参考図書 参考図書とは、何かを調べるために 利用する図書です。レファレンス・ ブックとも言われます。参考図書に は、次のようなものがあります。 ・辞書 ・事典 ・百科事典 ・年鑑、統計資料、白書 新聞 • 次のように分類することができます。 ・一般紙 =全国紙 =地方紙 ・専門誌・業界紙 ・スポーツ・レジャー紙 ・機関紙・広報誌 また、これらは上の分類にかかわらず、次のよう な特徴があります。 ・新鮮な情報を得ることができる ・その分類における、その時々の状態が読み取 れる 学術雑誌 • 『学術雑誌』とは、定期的に発行される学 問雑誌のことです。他の文献と比較した場 合には、次のような特徴があります。 ・新聞の次に新しい情報が得られる ・特定分野の現状について詳しい情報が 得られる CD-ROM • CD-ROMを使う場合接続時間や接続時間 にとらわれることなく、情報を検索すること ができるため検索方法を基礎から学ぶこと ができる利点もあります。 まとめ • 1・情報収集の必要性とその種類 – 情報収集とは、自分にとって必要なもの • 2・大学図書館のサービス – – – – – 1.閲覧 2.貸し出し 3.レファレンスサービス 4.複写サービス 5.相互貸借 • 3・主な図書館資料 – – – – – 1.参考図書 2.図書 3.新聞 4.学術雑誌 5.視聴覚資料
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