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研究室紹介2009
~エンタテインメントとしての研究~
電気通信大学 梶本研究室
http://kaji-lab.jp
今日と今後
今日
梶本の話(45分)
梶本への質問(15分)
来週以降(12/14(月)-21(月))
希望の可能性のある人は個別面談に来て下さい.
皆さんの話
相談があれば何でも
今日の話
研究の概要(20分)
4年生の1年(10分)
進学と就職(5分)
求める人物像(5分)
研究分野:ヒューマンインタフェース
Human 人の
Interface境界
インタフェース=境界
われわれは境界を介して,
認識と行動を行っている.
ヒューマンインタフェースの研究とは,
認識と行動の研究に他ならない.
梶本研の研究方法①
1. 未来を想像する
2. 課題を見つける
~多くの会社・大学研究はここまで与えられている~
3.課題を解決する
因数分解,技術調査,アイデア,実現
~多くの会社,大学研究はここを鍛える~
しかしこれはスキルに過ぎない.
1.未来を想像
 欲求の観察
 他人を観察
 自分を見つめる
× 道徳的な「役に立つ」
○ 背徳的な「欲しい」
インタフェース研究は自分がいちばんのサンプル
 他人の想像力・分析力を借りる
 漫画,ゲームは消化の良い「おじや」
必要とされること:
 想像のタガを外す
 妄想を昇華する
2.妄想から研究へ
 どんな技術が必要か
 やられていないか
 99%誰かがやっている.
 しかし捨てる必要はない.
その考えに自力で至った=準備完了
その時だけ進めるもう一歩
研究=世界で唯一
50億人で唯一?
 はじめに調べ,研究課題を見つけると,
「すきま」しか見つからない.
⇒つまらない研究
 はじめに考え,そのあと調べる
⇒棚の構造がわかっているから,
棚の上が全部空いている事に気づく
(例)虫How(学生プロジェクト)
「虫が腕をはった感じが気持ち悪い」
⇒ぜひやろう
虫How
(学生プロジェクト)
虫How(学生プロジェクト)
(例)切られる感覚
「斬られてみたい」
⇒ぜひやろう
切られる感覚
(例)速度増強
「ものすごいスピード感が欲しい」
⇒ぜひやろう
(例)速度増強
「ものすごいスピード感が欲しい」
⇒ぜひやろう
耳牽引型ナビ
「耳を引っ張られたらどんな感じがするんだろう」
⇒ぜひやろう
スローモーション=超リアリティ
「スローモーションの感動は触覚でも?」
⇒ぜひやろう
研究方法①まとめ
妄想
コンテンツ
梶本研の研究方法②
1. 最新の技術を聞きつける.
2. インタフェースという切り口で応用を考える.
(例)小型三次元カメラが出来た!⇒何かに使えないか
特にインタフェースは,パッケージングのし直しが
強い価値を持ちうる分野.
むしろオーソドックスな研究方法.
他の研究者もいるからスピード要求.
⇒開発競争に堕する危険
これを回避するのは,日頃の妄想ネタのストック量.
(例)笑いの増幅
笑い検出技術があるらしい!
↓
インタフェースとして使えないか
笑いの増幅
てのひら触覚
Acceleration sensor inside
Pressure
sensor
Speaker
1. Holding softly
Y. Hashimoto A Novel Interface to Present Emotional Tactile
Sensation to a Palm using Air Pressure, CHI2008
音響スピーカによる超高品位触覚
2. Squeezing strongl
妄想との融合
「さわれるSkypeが必要だ!」
⇒ぜひやろう
てのひら触覚:
真の “Skin-Skin” コミュニケーション
(例)気配の研究
気配の正体は「音の影」らしい!
(関善一他:盲人の障害物知覚における障害物の遮音効果の影響,
日本音響学会誌,Vol.50,no.5,pp.382-385,1994)
↓
インタフェースとして使えないか.
雑音源をあらかじめ準備
8方向からの環境雑音を録音する
録音
システム構成
PSD距離センサ
ステレオイヤホン
左
前
前
右
前
左
右
左
後
後
右
後
提示される雑音
提示装置
PSD距離センサー
(SHARP製
GP2D12/GP2D2)
密閉型ステレオイヤホン
気配の増強
サイエンスに踏み込む
技術
Acceleration sensor inside
Pressure
sensor
妄想
コンテンツ
Speaker
やってみると,予想外のこと,
本に書いていないことが出てくる.
それこそ,まだ人類が知らないこと.
(例)バッサリ感
5cm
200Hz以上で強烈なくすぐり感とサイズ誤認
5cm → 5mm
周波数が空間認識に影響する.
5cm
(例)速度増強
150Hzのリフレッシュレートで
50Hzの動きを提示
中心視野:40Hz,周辺視野:60Hz
梶本研の研究方法③
1. 謎の現象を発見する
2. 再現,解明する
3. 応用を考える
古き良きサイエンスとしては王道
研究テーマの量産には不向き
発見は可能か?
⇒未開拓分野である必要
⇒触覚に偏る理由
目的が書けないので,
正統的な研究としては非難されるかも.
(例)ハンガーインタフェース
 FAQ「なんの役に立つのですか?」
 模範解答1「ナビゲーションに使えます」
 模範解答2「あっち向いてホイに使えます」
いつの間にか役に立つ
「面白い現象」は,応用がわからなくても始めよう!
(まだ)応用の分からない研究
いつか面白いコンテンツに結びつくはず!
研究に王道なし!
技術
Acceleration sensor inside
Pressure
sensor
いわゆる
Bottom-Up,
TopDown
妄想
コンテンツ
Speaker
サイエンス
道が沢山あることに意味がある
「工学はこう」とか決める必要など無い
妄想,技術,コンテンツ,サイエンス…
全部できる人になろう
※例えばゲーム開発の分野
ゲームデザイン能力だけ,プログラミング能力
だけ,はあり得ない.
⇒数学の出来ない人が使い捨てられる理由
※例えば会社で博士が未だ敬遠される理由
Art=芸術+技術
今日の話
研究の概要(15分)
4年生の1年(10分)
進学と就職(5分)
求める人物像(5分)
4年生の一年
 1月~2月:顔合わせと宿題
 C言語の復習,IVRCのアイデア出し
 4月頭:研究テーマの提示(先生+先輩)
 4月~5月:講習会(先生+先輩)
 マイコン、回路、機械加工他
4年生の一年
 5月半ば:研究テーマの仮決め
 自分のアイデア or 提示されたテーマから希望
 いずれも先生+先輩が指導
 6,7月:研究,コンテスト
 9月~11月:最初の国内学会
 1月:卒論締め,M1時の海外発表に向けた準備
IVRC www.ivrc.org
学生対抗バーチャルリアリティコンテスト
50チーム余りが参加する激戦
優勝者は米国のSIGGRAPH,フランスのLavalへ.
SIGGRAPH,Laval Virtual
世界最大のCG・インタラクティブ技術の学会・祭典
海外?
今年度:修士以上平均1.5回/年
⇒2年で平均3回




SIGGRAPH(米国・ロサンゼルス):7人
ACE(ギリシャ・アテネ):2人
Haptics Symposium(米国・ボストン):1人
Laval Virtual(フランス・ラバル):2人
iChofu2007
4年生と海外:今年度の例
 1名がすでに3月にボストンで発表予定
 4名が7月にアムステルダム(オランダ)で開か
れる学会に投稿予定
 1名は就職先の会社から許可が降りず
今日の話
研究の概要(15分)
4年生の1年(10分)
進学と就職(5分)
求める人物像(5分)
進学? 就職?
4年生の進学率
1期生(2007年度入学): 進学4,就職2
2期生(2008年度入学): 進学3,就職0
3期生(2009年度入学): 進学5(外部1),就職1
4年,修士の就職先
2007年度卒業
学部生 リクルート、大日本印刷
2008年度卒業
修士生 リコー、ブラザー
2009年度卒業予定
学部生 KDDI
修士生 セガ,タイトー(トヨタ),綜合警備保障,博士進学
進学を勧める理由(1)研究室側の都合
 講習会,研究指導:先輩が後輩を教える
これが成立するには,教わった後輩が先輩になっ
て,後輩を教える必要.
 卒論で卒業すると海外発表が難しい
研究内容が埋もれてしまう.
 就職活動で4年生前半が忙しすぎる
研究室に来れず,出遅れる
ただし進学は希望者選びの条件としません
進学を勧める理由(2)学生の利益
 研究そのものの体験の貴重さ
(少なくとも梶本研は)ほとんどの会社より多くを学べます
- 会社で海外発表する可能性は低いです.
- 今のM1は招待講演を依頼されています.
 教えるという体験の貴重さ
ほとんどの会社は30代に入ってから後輩を教えます
 就職活動における有利性
(まともな)会社の人事は絶対に研究内容を見ます
求める人物像
 研究室が得るものがある人
 自主プロジェクトをやれる人
具体的にはIVRCに参加したい人
必ずしもリーダーでなくて良い.いろんなタイプの人が必要.
必要とされる人が偉い人
 春休みの宿題を出来る人
 研究室から与えることが出来る人
 社会性がある人(礼儀,大人)
先生も先輩も実はほとんどボランティア
 飲み込みがある程度早い人
3年生実験に対応できた?
求める人物像
 単位が足りている人
 4年生で講義,実験を残していると大変
 むしろ大学院の先行履修(自由単位)をして
欲しい
 院試に不安のない人(受ける場合)
 夏休みに院試勉強+IVRC+学会発表?の
可能性
今日と今後
今日
梶本の話(45分)
梶本への質問(15分)
来週以降(12/14(月)-21(月))
希望の可能性のある人は個別面談に来て下さい.
皆さんの話
相談があれば何でも
今後(12/14(月)-21(月))
研究室を希望する可能性のある人は,メールでコン
タクトの上,個別面談に来て下さい.
[email protected]
10:30-19で可能な日時をなるべく多く書いてください
(あれば)何か作品を持ってきてください
過去の例:プログラム,回路,映像,音楽,木工,パン
必ず返信します.24時間以内に返信がなければ電話や
授業後会うなど対策をとってください.
以後質問