慢性閉塞性肺疾患(COPD) 4年 加藤彩香 COPDとは • 有毒な粒子やガスの吸入によって生じた肺の炎症反応に基 づく進行性・完全に可逆的ではない気流制限を呈する疾患 • 原因:慢性気管支炎、肺気腫 • ①40才以上 • ②喫煙歴 • ③慢性的な咳嗽・喀痰や労作時呼吸困難 • ⇒慢性閉塞性肺疾患(COPD)の疑いあり 【確定診断】 • 気管支拡張薬投与後のスパイロメトリーでの1秒率(FEV1%) <70% • および、他の疾患の除外 COPDの危険因子 外因性因子 内因性因子 最重要因子 ・喫煙 ・α1-AT欠損症 重要因子 ・大気汚染 ・受動喫煙 ・職業上の粉じん の暴露 ・感染 可能性の指摘 されている因子 ― ・遺伝要因 ・気道過敏性 【症例11】 67才(O), 男性 【 診 断 】 慢 性 閉 塞 性 肺 疾 患 (COPD ; Chronic Obstructive Pulmonary Disease) 【現病歴】 • 6年程前から歩道橋の階段を昇るときに息切れ(S) • 10日程前に37℃台の発熱(S) • 感冒薬を服用→1次的に症状はよくなる • 途中で休まなければ家の階段を昇れなくなる(S) • 痰がよくでるようになる(S) • 痰の量も増えたように感じる(S) 【症例11】 67才(O), 男性 【社会歴】 • 事務の仕事を定年退職後、一人暮らし 【生活歴】 • 喫煙習慣(30本/日を約50年間) (O) ブリンクマンの喫煙指数 =30本/日×50年間=1500 (重喫煙者) 喫煙開始年齢 : 17才? • 機会飲酒(+) • 運動習慣(-) 【症例11】 67才(O), 男性 【身体所見】 • 意識清明 • 身長 159cm、体重 40kg、BMI 15.8↓ • 体温 37.6℃↑(O) • 血圧 141/72↑ • 脈拍 86/min 整 • 呼吸数10回/分(安静 時、呼気延長) (O)↓ • 呼吸音:肺胞呼吸音 減弱(O)↓ • 心雑音聴取せず • 他には異常なし 【症例11】 67才(O), 男性 【臨床検査】 • 血算 : 白血球 6.46×103 /µL (Neu 72.0%↑, Eos 3.0%, Baso 3.0%↑, Mono 7.0%, Lym 15.0%↓) • 赤血球 4.28×106 /µL↓ • Hb 13.3 g/dL↓ • Plt 30.8×104 /µL • 生化学 : TP 7.7 g/dL • Alb 3.9 g/dL • LDH 173 IU/L • GOT 25 IU/L • GPT 14 IU/L • • • • • • • • • • γ-GPT 22 IU/L ALP 215 IU/L T.Bil 0.2 mg/dL BUN 10 mg/dL Cr 0.6mg/dL Na 136 mEq/L K 4.1mEq/L CK 99 IU/L CRP 0.03未満mg/dL 血液ガス : SpO2 95% (室内気下) 【症例11】 67才, 男性 【胸部X線】 • 肺過膨張像(O) 横隔膜の平坦化 骨後腔の拡大 滴状心 【心電図】 • 洞調律 • HR 81 /min • ST-T 変化なし • P波の増高なし 【呼吸機能検査】 • 肺活量(VC) : 2.54 L↓ (%VC : 72%) • 1秒量(FEV1) : 0.91 L(O) • 1秒率(FEV1%):50%(O)↓ Q1 COPDの自覚症状 • 6年程前から歩道橋の階段を昇るときに息切 れ • 10日程前に37℃台の発熱 • 家の階段を昇るとき途中で休まなければなら なくなる • 痰がよくでるようになる • 痰の量も増えたように感じる Q2 COPDに関する他覚所見(O)と 検査値 • • • • • • 喫煙習慣(30本/日を約50年間) 呼吸数10回/分(安静時、呼気延長) 呼吸音:肺胞呼吸音減弱 Neu 72.0%↑ 血液ガス : SpO2 95% 肺過膨張像(横隔膜の平坦化、骨後腔の拡大、滴 状心) • 肺活量(VC) : 2.54 L↓(%VC : 72%) • 1秒率(FEV1%):50%(O)↓ 胸部X線像(正面像) 胸部X線像(COPD) Q3 処方 • フドステイン錠200mg 1日3回 毎食後 3 Tab 7日分 〈去痰薬〉 • チオトロピウム吸入用カプセル(18µg) 1日1回1吸入 〈長時間型抗コリン薬〉 病気分類と治療 Q4 非薬物治療と生活指導項目 • 禁煙 • インフルエンザ予防接種など感染予防 • 呼吸リハビリテーション – 呼吸訓練(口すぼめ呼吸)、運動療法、体位排痰 法など • 在宅酸素療法(HOT) • 肺容量減少術(LVRS) • 栄養管理
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