パブコメ参考資料

生協制度見直し検討会
パブリックコメント参考資料
共済事業に関する
規制の現状
共済事業を行う組合に対する規制の内容
消費生活協同組合及び連合会に対する規制は以下のとおり。
○ 入口規制
認可申請時の提出書
類
○ 設立の認可の際に、所管行政庁に対し、定款、事業計画等を提出しなければならない(法57条1
項)
【組合全般の規制】
行政庁の認可基準
【組合全般の規制】
○ 行政庁は、設立の手続又は定款・事業計画の内容が法令に違反する場合又は事業を行うに必要
な経営的基礎を欠く等その事業の目的を達成することが著しく困難であると認められる場合を除いては、
その設立を認可しなければならない(法58条)
共済事業規約の設定、 ○ 共済事業を行おうとするときは、規約で、共済事業の種類ごとに、その実施方法、共済契約並びに
変更、廃止
共済掛金及び責任準備金の額の算出方法に関する事項を定めなければならない(法26条の3)
【共済事業のみ】
○ 共済事業規約の設定、変更、廃止については、原則として、所管行政庁の認可を受けなければ、そ
の効力は生じない。ただし、契約者1人当たりの共済金額が5万円を超えないことを定める規約の設定
については、この限りではない(法43条4項)
○ 健全性(内部の体力充実)
共済金額の最高限度
【共済事業のみ】
区分経理
【共済事業のみ】
共済事業経理から他
事業経理への資金運
用の禁止
【共済事業のみ】
○ 厚生労働大臣は、共済事業について掛金及び共済金の最高限度を定めることができる。最高限度
を定めた場合において、組合は、厚生労働大臣の許可を受けたときは、その定める最高限度によらな
いことができる(法26条3,4項)
○ 共済を図る事業を行う組合は、これらに係る経理とその他の経理を区分しなければならない
○ 自賠責共済又はその再共済事業を行う組合は、当該事業に係る経理とその他の経理を区分しな
ければならない(法50条の3)
○ 共済を図る事業を行う組合は、原則として、これらに係る経理からそれ以外の事業に係る経理へ資
金を運用し、又はこれらに係る経理に属する資産を担保に供してそれ以外の事業に係る経理に属する
資金を調達してはならない(法50条の4)
諸準備金の積立
【共済事業のみ】
資産運用の方法
【共済事業のみ】
剰余金の積立
【組合全般の規制】
剰余金の割戻
【組合全般の規制】
投機取引等の禁止
○ 共済事業を行う組合は、毎事業年度末において、次の準備金を積み立てなければならない
・ 責任準備金:共済掛金積立金、未経過共済掛金、異常危険準備金など将来の共済金の支払いに備
えて積み立てるべき額(法50条の5)
・ 契約者割戻準備金:契約者割戻しを行う場合、割戻しに要する額(法50条の6)
・ 支払備金:当年度中に支払うべき共済金等のうち未だ支払われていない額(財務処理規則13条)
○ 共済事業を行う組合は、原則として、その資産のうち共済を図る事業に係るものとして区分された
経理に属する者を厚生労働省令で定める方法及び割合以外の方法及び割合で運用してはならない
(法50条の7)
○ 組合は、定款で定める額(出資総額の2分の1以上)に達するまでは、毎事業年度の剰余金の10分
の1以上を準備金として積み立てなければならない。当該準備金は、損失の填補に充てる場合を除き、
これを取り崩してはならない(法51条)
○ 組合は、損失を填補し、剰余金を準備金等として積み立てる金額を控除した後でなければ、剰余金
を割り戻してはならない(法52条)
○ 組合の資産については投機的運用及び投機取引を行ってはならない(財務処理規則21条)
【組合全般の規制】
○ 透明性(外部からの監視)
定款等の整備
【組合全般の規制】
書類の提出
○ 理事は、定款、規約及び総会の議事録を各事務所に、組合員名簿を主たる事務所に備えて
おかなければならない。組合員及び組合の債権者は、当該書類の閲覧を求めることができる
(法39条)
【組合全般の規制】
○ 理事は、通常総会の会日から1週間前までに、事業報告書、財産目録、貸借対照表及び剰余金処
分案又は損失処理案を監事に提出し、かつ、これらを主たる事務所に備えて置かなければならない。
組合員及び組合の債権者は、当該書類の閲覧を求めることができる(法40条)
運用結果の組合員に
対する開示
○ 共済事業を行う組合は、組合の資産の運用方法及び運用実績について、当該組合の組合員(連合
会の場合は、会員及びその組合員)に、情報を開示するよう努めるものとする(財務処理規則22条)
【共済事業のみ】
○ 破綻時の契約者保護
責任共済事業の譲
渡
○ 自賠責共済又はその再共済事業を行う組合は、総会の議決により、契約をもって責任共済等の契
約の全部を包括して、他の組合に移転できる(法50条の2)
【共済事業のみ】
○ 行政庁による監督
報告徴収
【組合全般の規制】
【共済事業のみ】
立入検査
【組合全般の規制】
【共済事業のみ】
法令等の違反に対す
る措置
【組合全般の規制】
○ 法令、定款等を守らせるために必要があるとき又は組合の会計処理が著しく適正でないと
きは、業務や財産の状況に関し報告を徴することができる(法93条)
○ 組合の一般的な状況について、必要に応じて報告を徴することができる(法93条の2)
○ 共済事業を実施する組合が法令、定款等を守っているかどうかを知るため特に必要がある
ときは、必要の限度において、当該組合の子会社に報告を求めることができる(法93条の3)
○ 法令、定款等を守らせるために必要があるとき又は組合の会計処理が著しく適正でないと
きは、業務や会計の状況に関し検査することができる(法94条2項)
○ 共済事業を実施する組合の健全な運営を確保するため必要があるときは、いつでも、当該
組合の業務や会計の状況を検査することができる(法94条3項)
○ 検査を行った場合において、業務や会計が法令、定款等に違反しているときや会計経理が著しく
適正でないときは、期間を定めて、必要な措置を採るべき旨を命令することができる(法95条1項)
○ 組合が命令に従わないときは、期間を定めて、その事業の停止を命ずることができる(法95条2
項)
○ 事業の種類や員外利用の禁止等一定の規定に反した場合において、行政庁の命令に従わないと
きは、組合の解散を命ずることができる(法95条3項)
組織・運営規定に関する
規制の現状
現行の消費生活協同組合における組合運営
生
協
②監査実施時等の意見
陳述権
②理事等の法令等違反
行為に関する報告
理事会
(注1)
②事業報告書及び決算
関係書類に関する意見
書[法]
①財産状況及び業務
執行状況の監査[法]
①事業報告徴収・調
査権
理事長
互選
員外
理事
③監事の意見
書を附した
事業報告書及び
決算関係書類
の提出[法]
理事
理事
理事
監事
理事
④財産状況及び
業務執行に関する
不整な点の報告[法]
①事業報告書及び決算関係書
類の提出[法]
総(代)会で選挙[法]
総(代)会で選挙[法]
④決算日から3月
以内に事業報告書及
び決算関係 書類等を
提出[法]
総(代)会
・・・・・
監事
③監査報告書の提出
④財産状況及び業務
執行に関する不整
な点の報告[法]
③理事等の法令等違
反行為に関する報告
組合員
組合員
組合員
組合員
組合員
組合員
・・・・
行政庁
(注1) 理事会及び理事長については、
法令上の規定はない。
(注2) [法]は、法令上の記載事項である。
その他は模範定款例の記載事項である。
《通常の組合運営の流れ》
【理事及び監事の選出】
○ 組合には役員として理事及び監事を置く(法第27条
第1項)
○ 理事の定数は5人以上、監事の定数は2人以上 (法
第27条第2項)
○ 役員は、定款の定めるところにより、組合員又は会員
たる法人の役員のうちから、選挙する(法第28条第1項)
○ 特別の事由があるときには、理事の定数の1/5以
内に限り、員外の者から選挙することができる(法第
28条第2項)
【監事による監査】
① 組合の財産の状況を監査すること及び理事の業務執
行の状況を監査することは、監事の職務(法第33条第
1号及び第2号)
② 監事は、監査を行ったとき及び必要があると認めると
きは、理事会に出席して意見を述べる(模範定款例第
38条第3項)
③ 監事は監査を行ったときは、意見を付した監査報告書
を作成し、総会に報告(模範定款例第38条第2項)
④ 財産の状況又は業務の執行につき不整の点があるこ
とを発見したときは、総会又は行政庁に報告(法第33条
第3号)
【決算】
① 理事は、通常総会の1週間前までに、事業報告書並び
に財産目録、貸借対照表、剰余金処分案及び損失処理
案(以下、「決算関係書類」と略)を監事に提出(法第40
条第1項)
②・③ 理事は、事業報告書及び決算関係書類を通常総会
に提出するときは、監事の意見書を添附(法第40条第3
項)
④ 組合は、決算日から3月以内に、事業報告書及び決算
関係書類等を行政庁に提出(省令第11条)
【監事による調査】
① 監事はいつでも理事及び組合の職員に対し事業の報
告を求め、又は組合の業務及び財産の状況を調査する
ことができる(模範定款例第39条第1項)
② 監事は、調査の結果、理事等が組合の目的の範囲内
でない行為その他法令、定款に違反する行為を行い、
又は行うおそれがあると認めるとき及び著しく不当な事
項があると認めるときは、理事会に報告(模範定款例第
39条第2項)
③ 監事は、理事会へ報告したにもかかわらず、適切な
措置が採られないと認めるときは、総会に報告(模範
定款例第39条第5項)
(注) 「法」 : 消費生活協同組合法(昭和23年法律第200号)
「省令」 : 消費生活協同組合財務処理規則(昭和29年厚生省令第48号)
「模範定款例」 : 法第26条第2項の規定に基づき厚生労働大臣が定めた模範定款例
現行の消費生活協同組合における組合運営(業務執行に疑義がある場合の対応)
生
協
②監査実施時等の意見陳述権
理事会
(注1)
理事長
・監事は理事・使用人
と兼職禁止〔法〕
・理事の自己契約の
理事会承認
①財産状況及び
業務執行状況
の監査[法]
互選
員外
理事
理事
理事
④財産状況及び業務執行に関する
不整な点の報告[法]
理事
監事
理事
③監査報告書
の提出
④財産状況及
び 業務執行に
関する
不整な点の報
告[法]
・著しい損害を及ぼす
事実の報告義務
・総組合員の1/5
以上の同意によ
る臨時総会招集
請求〔法〕
監事
・総組合員の1/5
以上の請求による
役員解任請求〔法〕
・総組合員の3/100
以上の同意による業務
等の調査請求
組合員
組合員
組合員
組合員
組合員
行政庁
・総組合員の1/10以上の同意
による検査請求〔法〕
・総組合員の1/10以上の同意
による総会決議等の取消請求〔法〕
総(代)会
・・・・・
・法令違反等における
報告徴収・検査〔法〕
・措置命令・業務停止
命令・解散命令〔法〕
組合員
・・・・
(注1) 理事会及び理事長については、
法令上の規定はない。
(注2) [法]は、法令上の記載事項である。
その他は模範定款例の記載事項である。
《業務執行に疑義がある場合の組合運営》
【監事による監査】(※通常の場合と同様)
① 組合の財産の状況を監査すること及び理事の業務執行の
状況を監査することは、監事の職務(法第33条第1号及び
第2号)
② 監事は、監査を行ったとき及び必要があると認めるときは、
理事会に出席して意見を述べる(模範定款例第38条第3項)
③ 監事は監査を行ったときは、意見を付した監査報告書を作
成し、総会に報告(模範定款例第38条第2項)
④ 財産の状況又は業務の執行につき不整の点があることを
発見したときは、総会又は行政庁に報告(法第33条第
3号)
【組合員の権利】
○ 総組合員の1/5以上が、総会の招集を請求したときは、
理事は、20日以内に、臨時総会を招集する(法第35条第
2項)
○ 総組合員の1/5以上の請求により、任期中でも総会に
おいて、役員を解任することができる(法第41条第1項)
○ 組合員の1/10以上が、組合の業務又は会計が法令等
に違反する疑があることを理由として、検査請求したとき、
行政庁は検査をする(法第94条第1項)
○ 組合員の1/10以上が、総会の招集手続、議決の方法又
は選挙が法令等に違反することを理由として、その議決等の
日から1月以内に取消請求した場合、行政庁は、その違
反の事実があると認めるときは、その議決等を取り消すこと
ができる。(法第96条第1項)
○ 組合員の3/100以上が、監事に対し、組合の業務及び
財産の状況の調査を請求することができる。(模範定款例第
41条第1項)
【未然防止策】
○ 監事は、理事又は組合の使用人と兼職禁止(法第31条)
○ 理事が、自己又は第三者のために組合の事業の部類に
属する取引を行うには、理事会において承認が必要(模範
定款例第36条第1項)
○ 理事は、組合に著しい損害を及ぼすおそれがある事実を
発見したときは、直ちに監事に報告が必要(模範定款例第
40条)
【行政庁による監督】
○ 行政庁は、組合に法令等を守らせるために必要があると
認めるとき等は、組合からその業務又は財産の状況に関し、
報告徴収が可能(法第93条)
○ 行政庁は、組合に法令等を守らせるために必要があると
認めるとき等は、何時でも、その組合の業務又は会計の状
況を検査が可能(法第94条第2項)
○ 行政庁は、検査を行った場合において、業務が法令等に
違反している等の場合には、組合に対し、期間を定めて、
必要な措置をとるよう命令が可能(法第95条第1項)
○ 組合が措置命令に従わないときは、行政庁は、期間を定
めて、業務停止命令が可能(法第95条第2項)
○ 組合基準を欠くに至った場合等で措置命令に従わないと
きは、行政庁は、組合に対し、解散命令が可能(法第95条
第3項)
(注) 「法」 : 消費生活協同組合法(昭和23年法律第200号)
「模範定款例」 : 法第26条第2項の規定に基づき厚生労働大臣が定めた模範定款例