豪州:Anglo American 豪州炭鉱売却締め切り迫る 2016 年 6 月 30 日掲載 6 月 27 日付メディア報道によれば、Anglo American の債務削減計画において、Moranbah、 Grosvenor 石炭鉱山売却は重要な役割を担っており、2016 年 2 月に同鉱山の売却に踏み切 った。当初 Glencore が他社と合同で同鉱山の入札に参加していたが、現在は残っていない。 入札に参加すると見られているのは Private Equity Group の Apollo 社と資源メジャーの BHP Billiton 等。BHP Billiton は、Moranbah 炭鉱、Grosvenor 炭鉱が位置するクイーン ズランド州の Bowen Basin に三菱商事との JV(BMA)が所有する鉱山を保有しており、今 回の応札は自社の豪州石炭事業シナジー強化のためとみられている。また、BHP Billiton は、 米石炭最大手 Peabody Energy 社が破産宣告を 2016 年 4 月にするなど、石炭価格の低迷、 石炭から天然ガスへのシフト、環境規制の効果などで様々な圧力がある中、石炭の未来は長 期的に良くなるとの見解である。 2016 年 6 月に開かれた BHP Billiton の投資家向けプレゼンテーションで石炭事業ヘッド の Mike Henry 氏は、市場力学は向上しており、世界は今後も鉄鋼を必要とし続けると言及。 Anglo American にとって戦略ポートフォリオに適さない同石炭鉱山の売却は中間決算前 の 7 月下旬までには完了させたいという思惑があるが、入札期限は設定されていない模様。 Anglo American の株価は昨年急落したが、2016 年に入ってから 120%上昇し、強い回復を 示している。 (ロンドン事務所 竹下聡美) おことわり:本レポートの内容は、必ずしも独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構としての見解を示すもの ではありません。正確な情報をお届けするよう最大限の努力を行ってはおりますが、本レポートの内容に誤りのあ る可能性もあります。本レポートに基づきとられた行動の帰結につき、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機 構及びレポート執筆者は何らの責めを負いかねます。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
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