Ⅴ施工(12.プレキャスト工事) ①重要事項の解説 「12.プレキャスト工事」で2回以上繰り返し出題のある重要項目(H8~H27)は、下記の通りである。 (1)スリーブ継手 ※過去に選択肢問題として7回出題有 ・プレキャスト柱の水平部の鉄筋接合は、接合による鉄筋の伸縮がなく、残留応力も発生しないスリーブ継手とした。 ・スリーブ継手は、施工後の非破壊試験が困難なため、施工の各段階で材料や施工を厳密に品質管理・検査した。 ・スリーブ継手のグラウト材充填は、1か所から注入したグラウト材が、全ての排出口からあふれ出たことを確認した。 (2)まくら木 ※過去に選択肢問題として4回出題有 ・部材を平置きする場合は、部材の大きさにかかわらず、まくら木の設置を2か所とした。 (3)敷モルタルを敷込み ※過去に選択肢問題として3回出題有 ・プレキャストの水平接合部は、レベル調整材より10mm程度高くに敷モルタルを敷込み、壁部材を建て込んだ。 (4)コンクリートの圧縮強度 ※過去に選択肢問題として3回出題有 ・上階の組立て作業は、下層階の充てんコンクリートの圧縮強度が9N/mm2以上を確認した後に開始した。 ・脱型時の部材コンクリートの圧縮強度は、部材と同一養生した供試体の圧縮強度試験の結果により確認する。 (5)養生温度 ※過去に選択肢問題として3回出題有 ・部材の加熱養生において、前養生時間を3時間とし、養生温度の上昇勾配を20℃/hとした。 (6)ひび割れ ※過去に選択肢問題として3回出題有 ・片持床板の部材で、支持方向と平行に0.3mm以上のひび割れが部材全体に入ったものは、廃棄処分とした。 ・幅が0.3mmの軽微なひび割れは、ひび割れ箇所をVカットせずに、2液形のエポキシ樹脂を注入し補修した。 (7)設計かぶり厚さ ※過去に選択肢問題として3回出題有 ・プレキャストの接合金物に対するコンクリートの設計かぶり厚さは、必要な最小かぶり厚さに+5mmを加えた。 (8)脱型時の所要強度 ※過去に選択肢問題として3回出題有 ・プレキャストの脱型時所要強度は、ベッドを傾斜させない場合12N/mm2とした(70~80°傾斜は8~10N/mm2)。 (9)シーリング充填深さ ※過去に選択肢問題として2回出題有 ・外壁目地の防水にシーリング材を用いる場合、シーリング材の充填深さは、10mm以上とした。 (10)散水養生 ※過去に選択肢問題として2回出題有 ・プレキャスト部材は、コンクリートを加熱養生した後に、脱型し、適切な温度管理をした貯蔵場所で散水養生する。
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