とあるミサカの00000号(フルチューニング) 双音 柊 ︻注意事項︼ このPDFファイルは﹁ハーメルン﹂で掲載中の作品を自動的にP DF化したものです。 小説の作者、 ﹁ハーメルン﹂の運営者に無断でPDFファイル及び作 品を引用の範囲を超える形で転載・改変・再配布・販売することを禁 じます。 ︻あらすじ︼ 本来小説で描かれることのなかったキャラ、ミサカ00000号 その少女にいつの間にか憑依していた一人の男 少女は原作の流れに巻き込まれながらもこの世界で生きていく ﹂ 一人の異分子が混ざった事で物語はどのように変わるのか ﹁やっはろーお前ら、皆大好きミサカさんだぜ ! 能力説明、そして第2話 │││││││││││││││││ プロローグ&第1話 │││││││││││││││││││ 1 目 次 第3話 │││││││││││││││││││││││││ 6 第5話 │││││││││││││││││││││││││ 第4話 │││││││││││││││││││││││││ 9 14 19 プロローグ&第1話 シスターズ 妹 達。それは学園都市第3位の超能力者、御坂美琴のDNAマップ を元に造られた体細胞クローンの総称である。 総勢20002体造られた彼女らは大まかに3つに分けられる。 レー ル ガ ン 1つは、1∼20000号まで造られた量産型、 ﹃ミサカシリーズ﹄ レディオノイズ 当初はレベル5﹃超電磁砲﹄を量産するために造られたが、全個体が レ ベ ル 6 シ フ ト アクセラレータ レベル3の発電能力﹃欠陥電気﹄しか発現しなかったため計画は破綻。 ス ト オー ダー その後、 ﹃絶対能力進化実験﹄にて第1位、一方通行のターゲットに ラ 選ばれ10031体のミサカ達が殺された。 2つ目は、全ミサカ達の上位個体、﹃最終信号︵打ち止め︶﹄ 妹達が暴走を起こした際に備えて、他の個体に対する命令権を持っ サー ド シー ズ ン ミサカワースト て製造された個体。こちらも能力は﹃欠陥電気﹄である。 3つ目は、﹃第3次製造計画﹄にて製造された、﹃番外個体﹄ ♦ エレクトロマスター ♦ ? まずは記憶の整理だ。僕の名前は ♦ ♦ ? 、受験勉強に精を出してい ???????? ⋮⋮うん、自分の名前が分からないのは取り敢えずスルーで。 る中学3年の男子。 ?????? 1 第3次世界大戦時に国外逃亡した一方通行を殺害するためだけに シスターズ 製造された個体であり、こちらはレベル4﹃発 電 能 力﹄をその身に宿 している。 レ ディ オ ノ イ ズ しかし、これらの妹 達 以外にも存在している妹達が存在する。 フ ル チュー ニ ン グ それは、 ﹃量産能力者計画﹄が始められる前に製造された2体のプロ トタイプである。 ♦ ? これはそのうちの1体、ミサカ﹃00000号﹄に憑依した少年の、 ♦ ? 本来正史で描かれるはずの無かった物語である。 ♦ ♦ ? ♦ ♦ ? ? ど う し て こ う な っ た ? ? 待て焦るな、素数を数えろ2,3,5,7,11⋮よし大丈夫。 ? ? 思い出せる記憶の最後は、最近買った小説を読み終わって布団で寝 たこと。問題はないはず。 だったらなんで目が覚めたら人間水中標本にされてるんでせうか ⋮︵困︶ 誰 か ヘ ル プ しかも身体に色々コードっぽいのとか付けられてるし⋮ガラスの まさか一生このまま 向こう側にはなんか白衣着た人たちがいるし。 つ ー か 身 体 も 動 か な い し ミー !? た。 あれ、ワカメっぽい髪の人が出してくれた。よかった 標本化フラグは回避 ! なんか なんか頭に入ってくる ! えええぇぇぇいあああぁぁぁァァァ 痛い痛い痛い‼ め、やめろおおおぉぉぉ‼ !?!?!?!? 僕以外の人達が全員倒れてるのを見ると、間違いなく僕がなんかし 痛みが引いて周りを見たら大惨事になってました、はい。 り覚えてないけど、その数式を使ったんだと思う。 そしたら頭に数式みたいなのが浮かんでね。痛みのせいであんま れそうなぐらい痛かったです、はい。 そこから一気に膨大な量の知識が脳に送られましてね、ちなみに割 んだよ。 さっき頭に学習装置、あ、ヘルメットの名前ね。それを付けられた テスタメント ⋮⋮やってしまった、ありのまま今起こったことを話します。 ーーー数分後ーーー ちょ、まっ、や その指示を受けた白衣の人がパソコンのキーボードを打ち始めえ ワカメさんが白衣の人に何かを指示してる。 ゴッツイヘルメットを持って来て⋮そのまま僕の頭に被せた。 どうにか動かないか試行錯誤してると、ワカメさん︵仮︶がなんか でも身体がなんか動かないんですが、これが金縛りって奴か⋮。 ! 取り敢えず とか思ってたら身体が浸かってた液体がどんどん少なくなってき ! ! ? ? 2 !! たってわかるよね。 ⋮⋮まあ、正当防衛だよね、標本にされかけたし。 取り敢えず自分の状況を確認してみよう。 レ ディ オ ノ イ ズ 僕の身体は学園都市第3位御坂美琴のDNAから造られたクロー ンらしい。 テスタメント なんでも﹃量産能力者計画﹄ってのを始める前のプロトタイプなん だってさ、僕。 ここが何の あ、ちなみにこれらの知識は全部﹃学習装置﹄でさっき詰め込まれ ました。 さて、もうこれだけヒントがあったら分かるでしょう 世界か。 ーーどう考えても﹃とある魔術の禁書目録﹄の世界ですありがと うございました。 ていうか普通転生前に神様とかに説明受けんのが普通じゃないの べるとはっきりと違う点があるのが分かる。 髪と目の色だ。所轄アルビノって感じだ。 でも原作キャラでアルビノって1人しか思い浮かばないんだけど アクセラレータ なんか机の上に紙が残ってる。殆ど焦げてるけどね。 なー。 ん とかできたのかよ、お兄さんびっくりです。 何それどんなチートキャラですか。だいたいDNAの掛け合わせ しいです。 NAから造られてて、より高度な能力を発現させるために造られたら ええっとですね、僕の身体は第3位御坂美琴と第1位一方通行のD ⋮⋮oh⋮。 なんか書いてあるね、なになに⋮。 取り敢えず近づいて紙を手に持って見る。 ? 3 ? あと、ガラスに映った自分の容姿を見てみると普通のミサカ達と比 まあなんとか分かったからいいけどさぁ⋮。 ? でも自分でなんとなく分かる限りだと、レベル5には行ってないっ ぽいけどね。レベル4の中の上ぐらいじゃない まあ、能力がある時点で恵まれてるんだろうけどね。 さて、長々と考察してたけどそろそろここから脱出しないとね。誰 か起きるかもしれないし。 まず生活費に白衣の人達からお金を回収、勿論お札だけです。カー ドだと足がつくしね。 でもって女性の人から衣服と携帯を拝借ッと。あ、ちなみに今まで 服着てませんでした。 と い う か 白 衣 の 人 達 は 今 ま で こ ん な 女 性 の 裸 を ジ ロ ジ ロ 見 て や がってたのかゆ゛る゛さ゛ん゛。 僕は能力を使って全員の記憶を一部消した。勿論裸に関しての記 憶である。 メタ で、さっき拝借した携帯のGPS部分を電気を少し強めに流して破 壊。これで安心して使える。 まだプロローグなんだから気にするな。 そういえば読者の方々に能力の説明をしてなかったね。え い デュ ア ル ス キ ル 別に多重能力者って訳じゃないよ。組み合わせて使うってこと。 ? さっき記憶を消したり、携帯のGPSを壊せたのは、微量の電磁波 をベクトル操作を使って一部だけを狙って当てたからです。 いやあチートじゃ無いけどかなり便利だよねこの能力。 ♦ ♦ ♦ ? ? ! 使いこなせば相手の周囲360度から電撃を浴びせられそうだし。 ♦ ? さあそろそろ脱出だ、あばよとっつぁーん ♦ ? 目が見えない点は能力で何とかなるし、大丈夫なはず。 れないし目に包帯でも巻いておこう。 取り敢えずフードを被っておくとして、それだけでもバレるかもし まずは服を買おう。この髪と顔は良くも悪くも目立つだろうし。 をのんびりと歩きながら今後について考えていた。 意外とあっさり脱出できて拍子抜けしている今日の夜頃、僕は歩道 ? 4 ? 簡単に話すと﹃ベクトル変換の一部﹄と﹃発電能力﹄だね。 ? 気にするな。 ⋮うん、能力の詳しい説明は次の話にまとめて書いておこう。え またメタいって ス キ ル ア ウ ト 次に住居だけど⋮、まあ廃ビルでも問題ないね。住めば都だ。 いしね。 まずは今日の寝床を探そう。明日になったら何かあるかもしれな それまではのんびりと過ごしましょうかねー。 時間はある筈。 プロトタイプの僕が造られたばっかりって事は、まだ原作開始まで ね。 せっかくこの世界にこれたんだから、楽しんで生きなくちゃ損だよ るけどね。 まあ、僕が憑依したことで色々知っているはずのないことも知って 学習装置で感情をプログラミングされてないんだから。 テスタメント そ れ が 終 わ っ た ら 処 分 さ れ る 手 筈 だ っ た は ず。そ の た め に るか﹂、それを確認すること。 僕の生まれた理由は﹁レベル5のクローンを造ったら能力はどうな ︳︳︳︳︳︳︳これからどうしようか 最後に、これが一番重要だけど⋮ でおけ。 武装無能力集団にさえ絡まれなければ問題なし、襲われても返り討ち ? 問題が全部解決してスッキリした僕は、鼻歌を歌いながら夜の学園 都市を歩いていく。 5 ? 能力説明、そして第2話 ﹁知らない天井だ、なーんて一人で言っても虚しいだけだよねぇ⋮﹂ 朝が来た。 昨夜は近くにいい感じの廃マンションがあったのでそこで寝た。 いやぁヨカッタヨカッタ。 数人スキルアウトが居たけどちゃーんとO☆HA☆NA☆SHI したら譲ってくれたよ 近くの壁にかかってる壊れかけの時計を見ると今は9時半ぐらい だ。 一般学生は学校に行っているかもしれない。 かもしれないというのは、今日が何日か、何曜日かがわからないか らだ。 もし平日だったらこの時間だと警備員に捕まる可能性がある。そ れだけは何としても避けたい。 下手したら研究所に逆戻りとかもあるだろうしね。 割れている部屋の窓から外を覗く。 通行人の中に何人か私服の学生たちの姿が見られることから、今日 は休日だということがわかった。 ♦ ♦ ♦ ? 昨日立てた予定通り、服を買うために早速マンションから出て服屋 ♦ ? 買った服は上が黒色のパーカーに下はジーンズとなった。 さすがにスカートとかショートパンツはまだ無理だね。これでも TS憑依ですしおすし。 でもって、顔は目に包帯を巻いて隠してる。 これで普通に生活できる辺り、能力様様だよね。便利便利 ルに乗ってる人なんだ⋮。 作製者はアッガーサ博士という人らしいです。一体どんなビート した。 あ、あと近くの路地裏でチョーカー型変声器なる物も購入いたしま ! 6 ! ? を探し始めよう。 ♦ ? 結論だけ言うと無事に買うことが出来た。 ? まあそれは置いといて、今の声は少し高い男性の声になってるらし い。 体つきはオリジナルがアレだから違和感は無い。貧乳って意外と 便利じゃね 買うものは買って、変装も終わったところで今は街をふらふら歩い ている。 ぶっちゃけやる事も今は無いし、この世界だったら歩いてるだけで ﹂ なんか巻き込まれそうでしね ﹁不幸だああああぁぁぁ いきなりだなおい ! ! !? ﹂ 条 当 麻 ﹂ !! ﹁集中砲火 ﹁いやなんでだよ って、不幸だああああぁぁぁ そしてベクトルの向きを歩行式フラグ建築機に向けて⋮ 上 時点でリンゴたちは僕の支配下にある。 まず能力を発動。微弱な電気を飛ばしてリンゴに纏わせる。この 声︶ このままだと当たるし⋮、全くしょうがないなぁ当麻くんは︵ドラ んだよね。 放って置きたいのは山々なんだけど、僕の方にリンゴ飛んできてる なんでしょ。 少しうわつきながら帰ってたら、袋の底が破けて散らばったとかそん どうせ、スーパーのリンゴの特売が珍しく空いてて、無事に買えて ゴが宙に舞ってるんですもの。 あの人がなんで叫んだのかは一目でわかった。だって大量のリン ほら早速⋮って主人公かよ !!! く、奴に突撃していく。 奴は物量の差にあっさりと負け、地面に伏せた。 第1部完 ﹂ 発 言 組 ﹂ 勿論当てたリンゴは集めて近くに置いておく。 ﹁勝ったッ タ ! ! つーか二話目で終わらせんな メ ﹂ 我が眷属たち︵ただのリンゴ︶は憎っくきフラグメイカーを倒すべ !? 上条当麻、君もこちら側の人間だったのか⋮ ? !? 7 ? !! ! ﹁いや何にだよ ﹁何⋮⁉ ? ﹁ちげえよ いや、違くないけど違う ﹂ ! ﹁いや 別になんでもないよ﹂ その顔はなんだ﹂ ﹁はあ⋮、まあリンゴは拾ってくれたし、一応お礼は言っておk⋮って 何この人、めっちゃ面白いんだけど︵ゲス顏︶ だー、と上条はまた叫んだ。 どっちさ、と僕がため息混じりに両手を広げながら言うと、不幸 ! 俺の名前は上条当麻、よろしくな、えっと⋮﹂ ? ルー。 あ、ああ俺か ﹁そういえば君、名前は ﹁ん ? ﹁ フラグメイカー まあ、よろしくなミサカ﹂ ﹁こちらこそよろしく、上条当麻﹂ ﹁うお お前いつの間に後ろに来やがった ﹂ ﹁ああちょっと待って上条くん。メルアド交換しようぜ !? ﹂ 今の二人の出会いが、今後の運命を大きく変えるとも知らずに。 そう言って僕たちはそれぞれの道を歩き始める。 ﹁はあ⋮、ああじゃあなミサカ﹂ ﹁それじゃあ僕はもう行くよ、またね上条くん﹂ わす。 激しいリアクションを取る上条を見て僕は笑みを浮かべ、握手を交 ﹁なんだその名前、一文字しか合ってないんだが ﹂ ﹁ミサカだよ。それ以上でもそれ以下でもない、ただのミサカだ﹂ ? ﹂ あ か ら さ ま に ジ ト 目 で 見 て く る 上 条 だ が、僕 は こ れ を 華 麗 に ス ? ! ! 8 !? ? 第3話 なんだかんだ、この世界で頼るひとがいなかった私ことミサカは主 人公のメアドを手に入れました。 まさかこの世界で初めて会う原作キャラが上条さんとは⋮人生何 が起こるか分からないもんですなー。 上条さんを散々弄って別れてからは、まだ知らぬ誰かとの出逢いを 求めて歩き回ってます。 ちなみに今居るのはデパ地下みたいなとこ。 改めて見て見ると、学園都市の優れた科学技術が生かされてる所が 幾つかあるのが分かるね。 例えばゲームセンター。 一見普通のゲーセンだが、中に入ってみるとフルダイブ型のゲーム 筐体などがある。 9 しかも一回500円。これは安い しかも人が一人も並んでないっていうね。人気ないの⋮ ﹁⋮一回やってみようかな﹂ シスターズ 目の前にあるスタートボタンを押す。 武器を決めて、難易度もノーマルを選んで準備完了。 無いよね。 もしかしたら使う機会もあるかもしれないし、練習しておいて損は 技術知識が埋め込まれている。 原作のミサカ達がそうだったように、僕の頭にもこの銃器に対する である。 選んだ武器は鋼鉄破り。原作でも妹 達が使ってた対戦車ライフル メタルイーター とりあえず現実的に⋮うん、これにしよう。 どうやら銃で敵を倒すタイプのゲームらしい。 するとすぐに目の前に武器の選択画面が出てきた。 早速お金を入れて、フードを外してから専用のヘルメットを着用。 何より好奇心が抑えられない。 まだお金は余ってるし、500円ぐらいなら大丈夫でしょ。 ? ! ♦ ♦ ♦ ♦ ? 。たっなく無が識意、りなに暗っ真が前の目りなきいとるす ♦ ? ? き合う。 ヘブンキャンセラー フ ル チュー ニ ン グ ﹁やあ、目が覚めたようだね00000号﹂ フ ル チュー ニ ン グ ﹁あ、はい。おはようございます。ところで此処はどこでしょう ? い ああいう類のゲームは思っているよりも体の負担が大きくてね、 ﹁ゲームセンターでフルダイブ型のゲームを始めた事は覚えているか と00000号って﹂ あ そんなことが頭に浮かんだが、すぐに切り替えて目の前の医者と向 ︹︻朗報︼二人目の原作キャラは﹃冥 土 返 し﹄︺ 医者が入ってきた。 思考を巡らせていると、病室のドアが音を立てて開き、カエル顏の うか。 普通に考えると病院なのだろうが、何故こんな所に僕は居るのだろ いることからその可能性は無くなった。 一瞬研究所に連れ戻されたのかと思ったが、ドアがわずかに空いて た。 目が覚めたら、僕は病室らしき部屋で、ベッドの上で横になってい ﹁知らない天井だ。⋮ってなんかデジャブ﹂ ? 行人の通報で此処に運ばれた訳だ﹂ ヘブンキャンセラー そこで一旦言葉を区切ってから、 冥 土 返 しは続きを話す。 フ ル チュー ニ ン グ ﹁何 故 君 の 身 体 じ ゃ 耐 え ら れ な か っ た の か、何 故 君 の 事 を ヘブンキャンセラー 00000号と呼ぶのか。それらは全部、彼に聞いてくれ﹂ そう言ってから、 冥 土 返 しは僕に携帯電話を差し出してきた。 フ ル チュー ニ ン グ 流れるがままに携帯を手に取り、耳に当てると声が聞こえてきた。 ﹂ ﹁﹃やあ、初めまして。ミサカ00000号﹄﹂ ﹁ 多分、恐らくだが、僕はこの声の主が誰だか分かる。 この世界で僕と直接の面識があるのはまだ上条当麻だけ。 あと僕のことを知っているのは僕の身体を造り出した研究者達と、 10 ? 君の身体じゃ耐えられなかったみたいだ。君はその場で気絶して、通 ? !! ﹂ 実験の責任者。そして︳︳︳統括理事長。 ﹁タライスター・クロウリー⋮⋮‼ ﹁失礼。噛みました﹂ ﹁﹃いや違う。わざとだろう﹄﹂ ﹁噛みまみた﹂ ﹁﹃⋮⋮わざとじゃないのかね ﹄﹂ ﹁﹃違う。私の名前はアレイスター・クロウリーだ﹄﹂ ? ﹂ 脱走したモルモットの駆除 ? ﹁アレイスターさんッ⋮ 感謝⋮深く感謝⋮⋮ てやったのだ。感謝するべきではないのかね ﹄﹂ ﹁﹃そんな事をする気はない。寧ろ、処分しようとした研究者共を止め でもするんですか ﹁それで、統括理事長サマが何の用です 声の主、アレイスターはこちらを窺うような声色で尋ねてきた。 ? ﹂ !! ? んじゃん。 ついた。 嬉しいに決まって 原作でもやたらプランの短縮はやってたしね。なんとなく予想は ﹁﹃随分と察しがいいな。正解だ﹄﹂ ﹁でもなんでそんな事を ? ⋮あぁ、プランの短縮ですか﹂ いやだって脱走二日目で逃亡ライフ終了だよ ﹁﹃長年生きてきたが、ここまでの手のひら返しは初めて見たよ﹄﹂ ! ? ﹂ ﹁でも、ここまでしてくれたって事は何か見返りを求めてるってこと だよね ﹁暗部に⋮ それは何故で ﹂ ? で仕事をさせて実力を上げてから組み込もうと思ってね。﹄﹂ アレイスターの言葉は続く。 ﹁﹃君は普通の暗部の人間とは違い、様々な暗部に一時的に所属しても ﹄﹂ らう。名義的には私の直属の部下ということになっているので、基本 は私の指示で動いてもらう。分かったね ﹁だが断る⋮って言いたいとこだけど、どうせ拒否権はないだろうし ? 11 ? ﹁﹃君をプランに組み込むにはまだ経験が足りなすぎる。だから暗部 ? ﹁﹃ああその通りだ。君にはしばらく暗部に入ってもらおう﹄﹂ ? ね。まあいいです。使われてあげますよ﹂ ﹁﹃交渉成立だな。早速行ってもらいたいところだが、まずはその体を ﹂ 治してからだ﹄﹂ ﹁体⋮ ヘブンキャンセラー ﹁﹃ああ、クローン達は全て短命になるように造られているからな。だ が彼は冥 土 返 しと呼ばれるくらい優れた医者だからな。すぐに治し てくれることだろう﹄﹂ ﹄﹂ ﹂ ﹁随分とハードルを上げるじゃないかアレイスター﹂ ﹁﹃君ならば可能だろう フ ル チュー ニ ン グ ﹁当然だ。君を治したのは誰だと思っている わってからそちらの携帯に送るとしよう﹄﹂ ﹁りょーかい、それではまた今度だね。アレイスターさん ﹁﹃ああ﹄﹂ ? ♦ ♦ ♦ ♦ ? ﹁ああ、任せなさい﹂ ♦ ? ﹁かしこまりっと。頼りにしてますぜ、 冥 土 返 しさん﹂ ヘブンキャンセラー ﹁さてと、それじゃあミサカくん。早速治療の方に入らせてもらうよ﹂ それだけ言って通話は切れた。 ﹂ ﹁﹃そ れ も そ う だ な。⋮ さ て 00000号、仕 事 に 関 し て は 治 療 が 終 ? ? ? ﹂ ! 彼の暗部入りがどのようなことに繋がるのか、この時はまだ誰も知 ミサカさんだぜ。これからよろしく ﹁どーも初めまして皆様方。本日付で此処に配属されることになった た。 その席に近づき、彼女ら四人の視線を受けながら僕は笑みを浮かべ ファミレスに入ると奥の方から少し賑やかな声が聞こえてきた。 ⋮まあ何と無く分かりますけどね。 い。 なんでもそこにしばらく所属する暗部のメンツが揃っているらし に向かっている。 治療も終わり、今はアレイスターから指示を受けとあるファミレス ? 12 ? ? らない。 13 第4話 作中時間8月1日11:47分。 皆様どーもこんちは、ミサカさんです。 前回から進みすぎだって 暗部入りが決まってから早1年弱。いや∼時間の流れって早いよ ね え 内容を早く執筆したいんですもの。 の ん セ イ ちゃ ん カッ さて、メタ発言もこれぐらいにして置いてと。 麦 この1年間は色々な事があったよ。 ン カー 実際のところ、今回でアイテムにお邪魔するのは2ヶ月目だったり ﹁久しぶり、みさか﹂ ﹁結局ミサカはミサカだって訳よ﹂ ﹁相変わらず超テンション高いですね﹂ ﹁ヤッホー皆様どーもこんちは、皆大好きミサカさんです﹂ もの席に向かう。 とか考えてるうちにファミレス到着。定員さんに声をかけていつ す︵小並︶ ちなみに先月はスクールの所にお邪魔してました。楽しかったで ムの月なのです。 約1ヶ月周期ぐらいで暗部を転々としてるんだけど、今月はアイテ ようとしてたりする。 まあなんだかんだやってた訳だけど、今もアイテムの人達と合流し すっごく楽しかったです︵ゲス顏︶ ゴーグルくん弄ったり⋮。 バ 麦野さん 弄 っ た り、 フレンダ 弄 っ た り、 垣根さん 弄 っ た り、 キー だってオリジナルストーリーずっとやってるよりも、原作を混ぜた だ﹄ そ ん な 事 を 考 え た 人 達 に は こ の 言 葉 を 贈 ろ う。﹃気 に し た ら 負 け ? ﹂ するので、それなりに仲は良くなっている。 ﹁あれ、そういえば麦のんは ? 14 ? ! ﹁なんか用があるから遅れるって言ってましたよ﹂ ﹁ふーん了解﹂ 取り敢えず立ってるのもなんなので、滝壺の隣に腰を掛ける。 会話も終わり、またそれぞれが自分のやりたい事をやり始める。 フレンダは鯖缶を食べ始め、絹旗は映画のパンフレットを見始め、 滝壺はグデーっと机の上に体を投げ出している。 そんな僕もバックから最近ハマっているものを取り出し、いじり始 める。 慣れたら簡単だよ。難易度ピースフルくらいだよ﹂ ﹁⋮やっぱりいつ見てもそれどうやってるのかわからない訳よ﹂ ﹁そう ﹁﹁それは絶対にない﹂です﹂ 綺麗にハモって言われた。解せぬ。 ちなみに僕がやってるのはルービックキューブ⋮⋮の十二面体版 です。 タッキー 割と空間認識能力も使うから、脳トレにちょうどいいと思うんだけ どなー。 以前、滝壺に崩してもらったのを3分ぐらい全面揃えたら揃ってド ン引きされたし。 練習したら誰でもできるようになると思うんだけどなぁ。 その後5分ほど経った頃、ようやく麦野がやってきてすぐ椅子に 座った。 ﹁ヤッホー麦のん、お久しぶり﹂ ・ ・ ・ ﹂ ﹁ああ、ミサカ。久しぶりね﹂ ・ ﹁ところで今日の仕事内容は ﹁ブチ殺しよ﹂ ﹁合点承知﹂ ﹁あ、僕だわ﹂ ﹃てれれれてレーれてれれれれー﹄ ⋮まあ、麦のんとセイちゃんはシャケ弁と鯖缶だったけど。 とになった。 それだけで会話は終わり、それぞれが食べ物を注文し昼飯を取るこ ? 15 ? ﹁超ファミマの入店音ですね⋮﹂ ﹁こいつの選曲センスの無さはわかってるでしょう﹂ ﹁君たち失礼だぜー﹂ 別に変じゃないと思うんだけどな。 ﹃エンダアアアアアア﹄とか﹃でえええええん﹄とかだし。 一回仕事中に録音した麦のんの﹃フレンダああアアァァァ た事もあったね。 なった時のセイちゃんの驚きようは面白かったです。 ﹂ ﹄にし 僕個人に暗部の仕事を持ってくるときに指示してくる人だ。 電話をかけてきたのは﹃名無しさん﹄︵僕命名︶。 ﹁﹃それもそうか﹄﹂ ﹁用事にもよりますね﹂ ﹁﹃やあ、ミサカくん今大丈夫かい﹄﹂ ﹁はいもしもしー 怒って涙目になりながらポコポコ叩いてきたのは可愛かったです。 !! ﹄﹂ ﹁﹃今回君に頼みたいのはあるデータの回収だよ。引き受けてくれる かい ﹁﹃それは良かった 送っておくよ。﹄﹂ ﹁了解しましたー﹂ ﹄﹂ それじゃあ、後で詳しいデータをそっちの端末に ﹁﹃それじゃあ頼んだよ ここって私達と同じ場所じゃない 麦のん﹂ ? 仕事早いっすね名無しさん。 ﹁あれ ﹁まじですか ﹂ そう言って通話を切ったら、直ぐにデータが届いた。 ﹁はい、お疲れ様でーす﹂ ? ! 全員が昼食を食べ終わったところで、早速その施設に向かう事に 結局仕事はアイテムと個人のをいっぺんにやることになった。 言った。 い つ の 間 に か 携 帯 を 覗 き 込 ん で た 麦 野 が 施 設 の 名 前 を 見 て そ う ? 16 ? ﹁その程度だったら、多分おそらくきっとメイビーで大丈夫です﹂ ? ? ♦ ♦ ♦ ♦ ? ? なった。 ♦ ? ﹁了解、言霊は ﹁禁止﹂ ﹁OK﹂ ﹂ フレンダとそんな事を話をしながら施設に到着。 ﹂ !! ﹂ ! パワードスーツ こうして今日の仕事は無事に終わった。 動に参戦する。 キ ル ア ウ ト ベクトル変換で加速しているのですぐさまたどり着き、再び殲滅活 急ぐ。 さっさと指示を受けたデータを回収し、アイテムのメンバーの元に 換が出来るので、こういった相手は雑魚に等しい。 僕の能力は自分で発生させた電気の流れている範囲のベクトル変 中の人間を押しつぶす。 構っているのも面倒なので、駆 動 鎧に電流を流し、ベクトル変換で パワードスーツ ようやくついた部屋の中には一体の駆 動 鎧が佇んでいた。 ピューターのある場所へ目指す。 道 を 塞 い で い る ス キ ル ア ウ ト 達 を 打 ち 抜 き な が ら、メ イ ン コ ン 向かう。 順調に制圧していく中、僕は途中で作業を中断し、データの回収に ﹁こっちは10人 ﹁こっちは9人目って訳よ 鋼鉄破りを使い、高速連射で次々に仕留めていく。 メタルイーター か く い う 僕 も、こ の 仕 事 を 始 め て か ら ず っ と 使 っ て い る 相 棒、 各自のやり方で次々にスキルアウトたちを地に伏せていく。 堂々と正面突破。 ア イ テ ム の メ ン バ ー か ら し た ら 取 る に 足 ら な い 相 手 た ち な の で、 占領したので、その奪還である。生死は問われていない。 仕 事 内 容 は 学 園 都 市 が 支 援 し て い る 研 究 施 設 を 武装無能力集団 が ス ﹁じゃあ今回もどっちが多く殺せたか勝負する訳よ、ミサカ﹂ ? ? フレンダとの勝負は23対25で勝ち、景品として鯖缶をいただい 17 ? た。 美味しかったです。 18 第5話 作中時間15:23分。 皆様どーもこんにちは、ミサカさんです。 アイテムの皆さんたちとの仕事も終わり、今は自宅に向けて帰路を 家なんか持ってたのかって 歩いている。 え ? 台所に風呂、トイレに庭までついた素敵な住居で ! 火災保険って盗難品とかもある程度補償してくれ ? Q.なぜ分かったんですか A.能力です。 Q,E,D,証明完了。 るんだよねー。 僕と同じ雰囲気みたいな感じかな まあ取り敢えず炙り出しますか。 さあてみなさん刮目せよ ﹁ ﹂ 本編初登場の新技お披露目です いやあやっぱこれ楽だわ。うん。 とりま、読者の皆様にこの技のプロセスをお教えしよう。 ! するとストーカーさんも素直についてきてくれた。シメシメ。 直ぐ近くにあった人気のない路地に入り込む。 ? でも僕のことずっと付けてきてるストーカー、なんか変な感じがす ? ところで、さっきから後ろを付けられてるんだが。 るんだぜ。便利便利。 ねえ知ってる 盗対策も完璧です。 セキュリティはセ⃝ムに任せてるし、火災保険にも入ってるから窃 す だが侮るなかれ まあ一人暮らしだから、そこまで広い家じゃないけどねー。 すよ。 フフフ⋮、暗部で働いて稼いだお金を使って先月やっと買ったんで ? ﹁やあ、ストーカーさん。﹃動クナ﹄﹂ ! 19 ! !? ①電流を漂わせて生き物に纏わせる。 ②脳の電気信号をベクトル変換で操作する。 ③くらった相手は僕の思うがまま★ ﹂ まあ他作品で例えると﹃めだかボックス﹄の都城 王土の言葉の重 みだね。 閑話休題。 懇願します﹂ ﹁この拘束を解いてください、とミサカは00000号に上目遣いで フ ル チュー ニ ン グ ﹁さあ、ストーカーよ。その面を見せやが⋮れ⋮ええ !? ﹁い、いや、身体拘束してるから上目遣いできてないからね⋮。それに しても⋮えぇー⋮﹂ ♦ ♦ ♦ ♦ ? ストーカーの正体はミサカ妹だった。 ♦ ? ? みます﹂ ﹁おいおい、僕は分かるが読者には伝わらねーぜ ? なんか話すことがあったんじゃないの 会話をしている。 ﹁で ﹂ あの後話があるとやらで、僕とミサカ妹は近くのカフェに移動して ﹁よいではないかよいではないかー︵棒︶﹂ は少し怒りを覚えます﹂ ﹁ミサカ達のアイデンティティーをパクらないでください、とミサカ の発言のミスを訂正してみます﹂ 、とミサカはあなた ﹁実はかくかくしかじかで⋮、とミサカは小説ならではの省略をして ? レ ベ ル 6 シ フ ト ﹁ちょっと待って、他人のせいにするのはよくない。一旦落ち着こう﹂ 複雑な心境となっています﹂ て何の感情も湧きませんでした。ですが、貴方のせいでミサカ達は今 以前まで、ミサカ達は単価18万円の実験動物で、そのことに対し モ ル モッ ト 験﹄で一方通行との戦闘を日夜行っています。 アクセラレータ ﹁00000号もご存知のように、ミサカ達は現在﹃絶対能力進化実 フ ル チュー ニ ン グ 実は⋮、と前置きしてミサカ妹は話し始める。 ﹁そうでした、とミサカはすっかり忘れていたことを自白します﹂ ? 20 ? ? テスタメント ﹁ミサカはいたって冷静です、とミサカは内心を悟られないように会 話を続けます﹂ フ ル チュー ニ ン グ ﹁ミ サ カ 達 の 人 格 は、学習装置 に よ っ て 打 ち 込 ま れ た 人 格 デ ー タ と フ ル チュー ニ ン グ 00000号の人格データを元に造られています。 それ故に、00000号が持っていた感情のデータもミサカ達に埋 め込まれてしまいました。 そのせいで、ミサカ達が1人、また1人と殺されるたびにミサカ達 は恐怖を感じるようになりました。 なのに⋮﹂ 何 故 ミ サ カ 達 が 殺 さ れ な け れ ば い け な い の か。嫌 だ 怖 い 助 け て。 フ ル チュー ニ ン グ お姉様や00000号のように自由に生きたい 後半は涙を流し、声を荒げながら喋ったミサカ妹。 フ ル チュー ニ ン グ ここに上条当麻や御坂美琴がいたなら、何か慰めの言葉でもかけら れたのかもしれない。 だが目の前にいるのは00000号だ。 ♦ 君、製造番号は ♦ ﹂ ♦ アクセラレータ ♦ ? ? 声が聞こえた。 このまま帰ってしまおうか、そんなことを考え始めていた頃不意に てあっても、ターゲットがこなかった場合のことは書いていない。 実験に関してのマニュアルには、部外者が入った場合のことは書い 分前になっても一向に姿を現さないからだ。 今までの実験では五分前には必ずいた己のターゲット、 妹 達が2 シスターズ 良くも悪くも、1年近く暗部で生きてきた彼女にそんな気の利いた 言葉は言えない。 ﹂ ﹁りょーかい、じゃあ行こっか﹂ ﹁⋮ ♦ ? 21 ! 彼女は最も効率の良い最短の行動しかしない。 ﹁おーい妹ちゃん ? ﹁⋮ミサカの、製造番号は、9967号、です﹂ ? とある寂れた工場の中、一方通行は苛立っていた。 ? ﹁これから白モヤシ君を弄⋮倒しに行くんだよ﹂ ? ? ロリコン アクセロリータ つかモヤシが囚人服着てるよww﹂ 舐めたこと言ってんじゃねえぞ三下がァァ ﹂ ﹁ヤッホー初めまして、学園都市最強の変態﹃一方通報﹄。通称歩く白 モヤシ君 誰だてめェ アクセラレータ ﹁あァ アクセラレータ !! のようにして、敵に突っ込んでいった。 ﹁おいおいそんなに怒るなよ。そんな短気だと友達できないぜ ﹂ アクセラレータ もう手遅れか万年ぼっち︵笑︶﹂ ﹁殺すッッッッ ? た。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ アクセラレータ ﹁うっわなに急に転んでんの恥ずかしーw。ねえ今どんな気持ち ﹂ シスターズ ? れた。 8月1日8:00分、正史にはなかった戦いの火蓋が切って落とさ こいつを殺す、それしか頭の中にはなかった。 た。 も う 一方通行 の 頭 に は 実 験 の こ と も 妹 達 の こ と も な く な っ て い アクセラレータ 格 当 然 速 度 が 急 に 落 ち た 一方通行 は、そ の ま ま 地 面 に 衝 突 し 転 が っ アクセラレータ けていたベクトル変換が全てなくなった。 ・ パチン、と00000号が指を鳴らした瞬間、一方通行が自分にか フ ル チュー ニ ン グ 驚きへと変わる。 一層額に青筋を浮かべた一方通行だが、すぐさまその怒りの感情は !!! あ、 一方通行は声の主を見つけると、すぐさまベクトル変換で自らを弾丸 アクセラレータ りだった。 だが、00000号の口撃は一方通行を一瞬で激怒させるほどの煽 フ ル チュー ニ ン グ 一方通行は残虐ではあるが基本短気ではない。 ? ? 下の相手に見下されるのってどんな気持ち ? 22 !?
© Copyright 2024 ExpyDoc