Ⅴ施工(5.地盤調査) ①重要事項の解説

Ⅴ施工(5.地盤調査) ①重要事項の解説
「5.地盤調査」で2回以上繰り返し出題のある重要項目(H8~H27)は、下記の通りである。
(1)N値
※過去に選択肢問題として12回出題有
・砂質土のN値を地耐力の算定、液状化の判定等に利用した。
・標準貫入試験で貫入量が30cmに達しない本打ちの打撃数は50回とし、そのときの累計貫入量を測定した。
・敷地の地盤が粘性土であったので、標準貫入試験により求められたN値から硬軟の程度を推定する。
・標準貫入試験は、深さ1mごとにN値を測定し、標準貫入試験用サンプラーを引き上げ、採取試料の観察をした。
・砂質土の地盤については、標準貫入試験の結果から得られたN値により内部摩擦角や相対密度を推定した。
(2)ボーリング孔
※過去に選択肢問題として8回出題有
・ボーリング孔からの乱さない試料の採取は、一つのボーリング孔から深さ方向へ複数個採取する。
・砂質土は、不圧地下水位を精度よく測定するため、ボーリング時に泥水を使わずに掘進する無水掘りを行った。
・ボーリングで孔内に地下水が認められたので、長時間放置し、水位が安定した後に、孔内水位を測定した。
・設計に用いるための不圧地下水位は、泥水の安定水位を用いてはならない。
・ボーリング孔を利用した弾性波速度検層(PS検層)により、地盤のP波及びS波の速度分布を測定し、
その速度値から、地盤の硬軟を判定した。
(3)平板載荷試験
※過去に選択肢問題として8回出題有
・平板載荷試験の試験地盤面は、直径30cmの円形の載荷板の中心から1.2mまでの範囲を水平に整地した。
・直径30cmの載荷板を用いた平板載荷試験では、直径の1.5~2倍の深さまでを測定できる。
・平板載荷試験は、地盤の変形や強さ等の支持力特性を直接把握するために、根切り工事後に実施した。
(4)土質試験
※過去に選択肢問題として5回出題有
・圧密試験は、供試体に荷重を加えて、その圧縮状態から土の沈下特性を求めるために行う。
・非常に軟らかい粘土の圧密係数を求めるため、圧密試験を行う。
・ベーン試験において、鋼製の十字羽根(ベーン)を土中に挿入してロッドにより回転し、最大トルク値から
ベーンに外接する円筒滑り面上のせん断強さを求めた。
・三軸圧縮試験及び圧密試験は、乱さない試料採取が必要で、標準貫入試験から採取した試料は利用できない。
・砂質土のせん断強さの調査は、標準貫入試験により行う。
(5)オランダ式二重管コーン
※過去に選択肢問題として5回出題有
・軟弱な粘性土の調査において、オランダ式二重管コーン貫入試験の調査精度は、標準貫入試験より優れている。
・軟弱な粘性上の地盤で、土の硬軟や締まり具合を推定するために、オランダ式二重管コーン貫入試験を行った。
・オランダ式二重管コーン貫入試験では、土質試料を採取することができない。
・非常に硬い地層の地盤調査は、オランダ式二重管コーン貫入試験によるサウンディングを採用できない。
(6)圧縮試験
※過去に選択肢問題として4回出題有
・ひび割れのない粘性土のせん断強さの測定に、一軸圧縮試験を採用した。
・自然状態でクラックの入った粘性土の試料の強度は、一軸圧縮試験によると小さな値を示す傾向があるので、
三軸圧縮試験により求めた。
・粘性土地盤の支持力を求めるため、三軸圧縮試験を行った。
(7)透水係数
※過去に選択肢問題として4回出題有
・地下水に関して、水位と透水係数を主な調査項目とした。
・排水対策を検討するため、砂質土の透水係数を現場透水試験により求めた。
(8)標準貫入試験
※過去に選択肢問題として2回出題有
・砂質土のせん断強さの調査に、標準貫入試験を採用した。
(9)支持杭
※過去に選択肢問題として2回出題有
・支持杭を採用するために、想定される杭の先端部から5~10mの深さまで地盤調査を行う。
(10)孔内水平載荷試験
※過去に選択肢問題として2回出題有
・粘性土地盤の地震時での杭の水平抵抗検討は、地盤の変形係数を推定するため、孔内水平載荷試験を行った。