仕様書(PDF:166KB)

「平成28年度デザインを切り口とした地場産品等の再価値化モデル事業」
請負契約に係る仕様書
1. 適用
本仕様書は、近畿経済産業局産業部流通・サービス産業課サービス産業室が実施する「平成2
8年度デザインを切り口とした地場産品等の再価値化モデル事業」に適用する。
2. 目的
関西には、世界に通用するポテンシャルを有する、地域性及びデザイン性が感じられ、伝統・
文化・技術・ライフスタイル等を背景にもつ商品(以下、
「地場産品等」とする)が多数存在し
ている。しかしながら、人口減少やライフスタイルの変化等による国内需要の減退や後継者不足
等の課題を抱え、技術の継承や産地の存続が危ぶまれるところも出てきているなど、地場産品等
を取り巻く国内環境は厳しさを増している。このような中、地場産品等が有する素材や技術の強
みを活かしながら、デザインの改良やブランド化等の工夫を行い、世界に通じる商品を開発し、
海外展開も視野に入れた取組を進める産地や中小事業者も出てきているものの、PR不足などか
らまだまだ広く知られていないケースが多い。
このような地域のブランド力強化や中小企業者によるデザインや意匠に関する意識向上は重
要である一方で、実際に国内外の新たな販路拡大をしていくためには、販売ターゲットに応じた
商品デザインの提案や商品の機能性向上に加え、商品の魅力を端的に伝えることができる見せ方
の工夫が極めて重要になる。
しかしながら、リソースの限られた中小事業者がこのような対応を単独で実施することは現実
問題として難しいため、地域ぐるみの取組として、販路開拓に知見のあるプロデューサー等を活
用し、地場産品等をトータルにコーディネートしてPRできるような持続可能な仕組みを構築し
ていく必要がある。
そこでまずは自治体、団体、組合、雑誌等メディア媒体からの情報収集、事業者による紹介等
を通じ、地域に埋もれた地場産品等を効果的に調査・発掘する。その上で発掘した地場産品等の
ブランディングや展示会出展支援等を通じ、地場産品等の市場拡大に寄与するとともに、地域全
体のブランド力強化や中小企業者のデザインや意匠等に関する意識向上に資することを目指す。
近畿経済産業局ではこれまで、平成26年度は奈良をモデル地域に選び、「次の奈良モノ(1
2 NARA THINGS)」として12品を選定、また、平成27年度には和歌山を対象地域
とし、「和歌山ネクスト」として11品を選定し、それぞれ専門家の協力のもと、これまでにな
い切り口での見せ方による国内外へのプロモーションを実施しており、その結果、メディアでも
多数取り上げられ、展示会での新たな商談の成立、海外向けECサイトでの特集等による直接的
な成果につながっている。
さらに、本事業をきっかけに、新たな素材事業者やデザイナーとのコラボによる新商品開発に
取り組む事業者や、初めて海外の小売店舗でのテストマーケティング実施を決めた事業者も出る
等、デザインや意匠等に関する事業者のマインドや行動様式にも大きな変化が見られる結果とな
っている。
今回は、過去2年間の事業の手法及び結果を踏まえ、新たな対象地域として福井県及び兵庫県
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に焦点を当てた取組を行うこととする。福井県は、繊維産業や眼鏡産業といった、日本の産業を
支える地場産業があり、その高い技術力は国内外で評価されている。また、兵庫県は、北は日本
海に面し、南は瀬戸内海から淡路島を介して太平洋へと続く環境の下、大都市から農山村、離島
まで、様々な地域で構成されており、その豊かな自然や歴史・文化・気候や風土を生かした地場
産品等が多くある。
福井県及び兵庫県の地場産品等は、大きなポテンシャルを有しており、関西を代表する商品が
生まれる可能性を秘めている。したがって本事業では、そのような福井県及び兵庫県の地場産品
等を広く発掘し、効果的に国内外にプロモーションする手法等を検討及び実践するとともに、他
地域でも応用できるようなノウハウ化を目指し、事業の効果等を実証的に評価していくこととす
る。
【参考】次の奈良モノ事業(近畿経済産業局HP)
http://www.kansai.meti.go.jp/3-2sashitsu/CCkansai/design/nara/1.html
【参考】和歌山ネクスト事業(近畿経済産業局HP)
http://www.kansai.meti.go.jp/3-2sashitsu/CCkansai/design/wakayama/2.html
3. 事業内容
(1)地場産品等の発掘(先行調査)
(2)商品の公募・選定及びプロモーション手法の検討
(3)商品カタログ集の作成
(4)展示会出展支援及び販路開拓支援
(5)事業評価
※事業内容の具体的な実施方法については「4.事業実施方法」
(1)~(5)にそれぞれ記載。
4. 事業実施方法
(1)地場産品等の発掘(先行調査)
○地場産品等の発掘(先行調査)要領
以下の要領で、福井県及び兵庫県の地場産品等の発掘(先行調査)をそれぞれ行う。
なお、本調査では、公募に先立ち各県の地場産品等の実情等を把握し、公募情報等の
発信を効率的に行うための人的ネットワークを構築することを目指す。
・対 象 商 品:福井県及び兵庫県の地場産品等
※「地場産品等」とは、「世界に通用するポテンシャルを有する、
地域性及びデザイン性が感じられ、伝統・文化・技術・ライフ
スタイル等を背景にもつ商品」とする。なお、本事業では、食
品は対象外とする。
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・先 行 調 査:地場産品等を効果的に発掘するため、地場産品等を有する事業者及
びそれら事業者をよく知る関係者を把握する。
①各県50点程度の商品を発掘する。
②1事業者につき1点に限定はしないが、極力多くの事業者を抽出
することとする。
③可能な限り、4.(4)で記載する展示会のテイストと合致した
デザインの商品を発掘する。
※先行調査については、技術提案書において具体的に提案・記載す
ることとし、最終的には近畿経済産業局と協議の上決定する。
・情 報 整 理:発掘した商品については、必要に応じて、請負事業者及び近畿経済
産業局職員が、訪問ヒアリングまたは電話ヒアリングを行い、以下
の必要な商品情報例を参考に情報を整理し、とりまとめる。
(必要な商品情報例)
商品名、商品概要、素材、商品規格、小売希望価格、月間生産可能
量、バリエーション(柄・色、サイズ等)、商品の魅力や背景のス
トーリー、知的財産制度による保護状況等
(2)商品の公募・選定及びプロモーション手法の検討
4.(1)で行う先行調査結果を踏まえ、自治体等の協力を得て、商品の公募を実施し、
各県10点程度の地場産品等を選定するとともに、最終選定商品の効果的なプロモーション
手法等について、各県担当の商品選定委員とともに検討を行う。
○商品選定実施要領
・商品選定委員:地場産品等のプロモーション及び販路開拓に知見のあるプロデュ
ーサー等各県3~4名。
①4.(4)で記載するプロモーションを実施することを前提と
して、商品選定委員候補者、当該候補者の関連事業における実
績及び選定理由、本提案事業者とのネットワークの緊密性を、
技術提案書において具体的に提案・記載することとし、最終的
には近畿経済産業局と協議の上決定する。
②各県担当の商品選定委員は必ずしも各県出身者であることを
要さず、また、事業の有効性の観点から両県の商品選定委員を
兼任することも可とする。
・商 品 公 募:地場産品等の発掘(先行調査)の際に得た情報や、構築した人的ネ
ットワークを活かし、地域ぐるみのアプローチとして、自治体等の
協力を得て、近畿経済産業局が商品公募を実施する。
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・商 品 選 定:主に以下の2つのプロセスによる。
① 書類選考
・商品公募に対して応募のあった商品について、各県担当の商品選定委
員による書類選考を行い、商品選定会に参加する事業者を決定する。
② 商品選定会
・書類選考を通過した商品を有する事業者のみを対象に、福井県及び兵
庫県内の会場にて商品選定会を開催する。
・各県担当の商品選定委員が商品を実際に手に取り、事業者に直接質問
等を行うことができる時間を設ける。また、地域ぐるみの取組として、
地場産品等をトータルにコーディネートしてPRする必要があるこ
とから、商品を各事業者がプレゼンテーションする時間を設ける等、
事業者間でもどのような商品がラインナップされているか共有でき
る工夫を行う。
・上記を踏まえ、各県担当の商品選定委員が各県の商品を10点程度ず
つ最終選定する。
・商品選定会の機会に併せて、知的財産権保護関連の情報提供を行う等、
事業者の知的財産権に関する意識啓発を図る。
○プロモーション手法検討要領
・検討内容:4.(4)に記載する展示会出展及び販路開拓支援において実施する
プロモーションとして、最終選定した地場産品等の魅力を国内外のマ
ーケットに効果的に売り出していくための効果的な手法を検討する。
※プロモーション手法の内容提案及び検討の進め方については、技術提案書におい
て具体的に提案・記載することとし、最終的には近畿経済産業局と協議の上決定
する。
(3)商品カタログ集の作成
4.(2)により選定した商品の魅力を伝えるためのプロモーションツールとして、以下
の要領で商品カタログ集を作成する。
○商品カタログ集作成要領
・カタログ様式:表紙・裏表紙を作成した上で、各ページに商品の写真や解説等を
掲載し、選定商品全体として商品の魅力が最大限伝わるよう統一
感やデザイン等に工夫を施す。
・印 刷 部 数:展 示 会 用
各県1,000部
海外顧客向け 各県1,000部(英語・中国語併記)
※海外顧客向けの商品カタログ集作成では、海外展開先の顧客
及び来日外国人観光客に商品の魅力が最大限伝わるよう、デザ
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インや文章表現等に工夫を施す。
※商品カタログ集の作成にあたっては、商品選定時のコンセプト等が商品カタログ
集に反映されるよう、各県担当の商品選定委員として招聘する専門家に作成依頼
する等、商品選定委員との連携に留意することとする。
※商品カタログ集の作成プロセスについては、技術提案書において具体的に提案・
記載することとし、最終的には近畿経済産業局と協議の上決定する。
(4)展示会出展及び販路開拓支援
○展示会出展支援実施要領
4.(3)の商品カタログ集に掲載した商品を、以下の要領にて展示会に出展する。
①展示会の選定
当該事業のテーマである「デザインを切り口とした地場産品等の再価値化」を
図るために、ファッション及びデザイン性の優れた商品が集まる展示会で、これ
ら業界の関係者からも注目されており、国内外のバイヤー及びプレス関係者等が
数多く来場する首都圏の展示会を選定し、各県ごとにまとめて出展する支援を行
う。
※展示会の出展面積は2県で約30㎡を確保することとし、出展料金の1/2
(15㎡)相当分については出展者からの自己負担を想定すること。
※過去2年間の出展展示会(参考)
・roomshttp://www.roomsroom.com/
②事務局業務
・展示会出展に係る全ての企画・調整
・展示会出展スペースの確保、ブース造成及び商品展示時のポップ作成
・展示会出展諸手続き全般作業
・展示期間前後の商品等搬入・撤収作業
・展示会期間中及び前後のブース設営・運営サポート
・展示会期間中の現地での出展者支援(ブース対応含む)
※展示会出展支援に係る事業費には、出展費、ブース造成費、商品展示時のポ
ップ作成費、会場からの商品輸送費を最低限含めて積算することとする。
※ブース造成にあたっては、商品選定時のコンセプト等がブース造成に反映さ
れるよう、各県担当の商品選定委員として招聘する専門家に作成を依頼する
等、商品選定委員との連携に留意することとする。
※その上で、請負事業者が創意工夫を施した手法により、より効率性または有
効性の高い手法を別途検討することは妨げない。展示手法については、技術
提案書において具体的に提案・記載することとし、最終的には各県担当の商
品選定委員及び近畿経済産業局と協議の上決定する。
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○販路開拓支援実施要領
当該再価値化モデル事業をより効果的に進める上で必要となる販路開拓支援につ
いて、近畿経済産業局と協議の上、取組の可否を検討する。
・販路開拓支援の例
①海外向けECサイトとの連携による販路開拓
②インバウンド顧客向けショップとの連携による販路開拓
③海外ショップとの連携によるアウトバウンド販路開拓
※上記販路開拓支援は、原則として最終選定された事業者の自己負担により実
施する。なお、事業を進める上で事業展開や自己負担のあり方等については、
技術提案書において具体的に提案・記載することとする。
※これまで近畿経済産業局が実施した関連事業(参考)。
以下はあくまで参考であり、請負事業者が創意工夫を施した手法により、より効率
性または有効性の高い手法を別途検討することを妨げるものではない。
・和歌山ネクスト
×
JAPANSQUARE
http://www.kansai.meti.go.jp/3-2sashitsu/CCkansai/design/wakayama/2.html
・大丸インバウンドチャレンジショップ
http://www.kansai.meti.go.jp/3-2sashitsu/CCkansai/27fy/inbound/daimaru.html
・DISCOVER KANSAIプロジェクト in パリ
http://www.kansai.meti.go.jp/3-2sashitsu/CCkansai/france/discover.html
(5)事業評価
本事業で実施したプロモーション手法等について、以下の要領で事業評価を行う。
○事業評価実施要領
①「効率性」の観点
・投入された資源量に見合った効果が得られるか、又は実際に得られているか。
・必要な効果がより少ない資源量で得られるものが他にないか。
・同一の資源量でより大きな効果が得られるものが他にないか。
②「有効性」の観点
・期待される効果が得られるか、又は実際に得られているか。
※事業評価については、事業終了後一定期間において継続的にフォローアップしな
ければ正確な成果を把握できないため、ここで指す事業評価は、本請負契約期間
内で実施可能な範囲で行うものとする。
(6)報告書の作成及び納品
事業者は、事業終了後速やかに、4.
(1)~4.
(5)の事業内容・結果を含む報告書を
作成し、近畿経済産業局に提出すること。
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(7)近畿経済産業局への進捗報告
事業の実施にあたっては、少なくとも週1回、事業の進捗状況を近畿経済産業局に電子メ
ール等にて報告する。また、事業内容や取組の方向性等について修正が必要な場合は、都度、
近畿経済産業局と協議を行い、柔軟に対応することとする。
5. 調査実施期間
請負契約締結日~平成29年3月24日(金)
6. 納入物
(1)納入物:
・事業報告書
CD-ROM
1式
(PDF及びMS-Word形式)
・商品カタログ集
CD-ROM
印刷物
1式
(PDF形式)
展示会用 各県1,000部
海外顧客向け 各県1,000部(英語・中国語併記)
(2)納 期:平成29年3月24日(金)
ただし、商品カタログ集については、4.
(4)にて記載した展示会出展時期
前までに納入することとする。
(3)納入先:近畿経済産業局産業部流通・サービス産業課サービス産業室
以上
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