2016年7月1日 投資情報室 (審査確認番号H28-TB74) REITレポート 日・米・豪REIT市場の動向と見通し 株式市場に比べて比較的堅調な日・米・豪のREIT市場 市場規模(時価総額ベース)で合計値が世界全体の約75%を占める日・米・豪3ヵ国のREIT市場は、各々の 株式市場に対し比較的堅調な動きとなっています。国民投票の結果、英国がEU(欧州連合)を離脱すること が決定的となり、世界の金融・為替市場は波乱局面を迎えましたが、3ヵ国のREIT市場はその混乱の中でも 株式市場に比べ比較的落ち着いた動きとなっています。 日・米・豪REIT市場の時価総額ウエイト 【図表1】 グローバルREIT市場の構成比 シンガポール, 3% 3市場合計の時価総額ウエイトは全体の約75%を占 めています。また、EUからの離脱を選択した英国は約 5%で、世界で5番目の大きさです(S&PグローバルRE IT指数、米ドルベース、2016年5月末時点)(※)。 その他, 8% カナダ, 4% 英国, 5% フランス, 5% (※)世界合計:1兆3,396億米ドル(約137兆円、1米ド ル約102円換算、以下同じ) 内、米国:8,037億米ド ル(約82兆円)、日本:1,054億米ドル(約11兆円)、豪 州:944億米ドル(約10兆円) 豪州, 7% 米国, 60% 日本, 8% 日・米・豪のREIT及び株式市場のパフォーマンス(騰落率) 英国のEU離脱決定後の日・米・豪REIT市場のパフォーマンス(6月28日時点、配当除き、現地通貨ベース) は何れもそれぞれの株式市場を上回っています。尚、英国REIT市場は下げが大きくなっています。 年初来(6月28日時点、配当込み、現地通貨ベース)でも3ヵ国のREIT市場のパフォーマンスは株式市場を上 回っています。特に、豪州REIT市場のパフォーマンスが最も高くなっています。 【図表2】 英国EU離脱決定後のパフォーマンス(配当除き) 【図表3】 年初からのパフォーマンス(配当込み) データ期間:2015年12月31日~2016年6月28日 データ期間:2016年6月23日~28日 -1.0 日本 -5.7 4.7 REIT 0.8 -3.7 株式 日本 -19.9 米国 11.0 0.7 -0.5 REIT 豪州 -3.4 株式 -17.9 -20 -15 -10 -5 13.8 英国 -3.1 0 5 (%) 米国 -1.5 -30 -20 -10 0 10 豪州 20 (%) (※)使用指数(現地通貨ベース) REIT)日本:東証REIT指数 米国:NAREIT All-Equity Reit指数 豪州:S&P/ASX300 A-REIT指数 英国:S&P英国REIT指数 株式)日本:TOPIX 指数 米国:S&P500指数 豪州:S&P/ASX300指数 英国:FT100指数 (出所)図表1~3はブルームバーグ、S&Pのデータを基にニッセイアセットマネジメントが作成 ●当資料は、市場環境に関する情報の提供を目的として、ニッセイアセットマネジメントが作成したものであり、特定の有価証券等の勧誘を目的とする ものではありません。実際の投資等に係る最終的な決定はご自身で判断してください。●当資料は、信頼できると考えられる情報に基づいて作成して おりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。●当資料のグラフ・数値等はあくまでも過去の実績であり、将来の投資収益を示 唆あるいは保証するものではありません。また税金・手数料等を考慮しておりませんので、実質的な投資成果を示すものではありません。●投資する 有価証券の価格の変動等により損失を生じるおそれがあります。●手数料や報酬等の種類ごとの金額及びその合計額については、具体的な商品を 勧誘するものではないので、表示することができません。●当資料のいかなる内容も将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。 商 号 等:ニッセイアセットマネジメント株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第369号 1/2 加入協会:一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会 【想定される主な要因】 ① 英国のEU離脱決定等を背景に、リスク回避の動きが強まり債券が買われたことで(金利が低下)、REITの 予想配当利回りの高さに対する注目度が高まったとみられること。 ② 米国の追加利上げ観測が後退し、「利上げ(金利上昇)→米国REITの借入費用増(収益悪化)→米国 REIT市場調整局面入り→他のREIT市場に波及」という懸念が薄れたと思われること。 ③ 欧州のREIT市場(主にフランスや英国のREIT市場)から資金を移す動きが出ている可能性があること。 ④ 日本(J-REIT)については、年間買入れ枠(現在は約900億円)の増額等、日銀の追加緩和に対する期 待が高まりつつあるとみられること。 【今後の見通し】 投資家の低金利継続の確信度が高まったと思われることや、不動産市況の改善を背景とした配当額の増額 期待等を背景に、3ヵ国のREIT市場は各々の株式市場と比較して堅調に推移するものと判断しています。 但し、英国のEU離脱に向けた他のEU諸国との交渉が予想以上に順調に進むことにより、早期に不透明感 が後退する等の場合には、REIT市場から株式市場への資金シフトが起きる可能性もありそうです。 【図表4】 3ヵ国REIT市場のイールドスプレッド変化(2015年末と2016年6月28日時点との比較) 日本 (%) 5 イールドスプレッド 予想配当利回り 10年国債金利 4 米国 (%) 6 イールドスプレッド 予想配当利回り 10年国債金利 5 3 4 2 3 豪州 (%) 7 イールドスプレッド 予想配当利回り 10年国債金利 6 5 4 3 1 2 0 2 1 -1 2015年末 2016年6月28日 1 0 0 2015年末 2015年末 2016年6月28日 2016年6月28日 【図表5】 3ヵ国REIT市場の1株(日本は1口)当り配当額推移(2014年=100として指数化) 日本 データ期間:2014年~2017年(年次) 140 140 120 116 123 120 122 115 120 102 100 100 100 100 100 80 80 80 60 60 60 2015年 2016年 125 108 109 2014年 データ期間:2014年~2017年(年次) 140 129 ブルームバーグ予想 (2016年6月28日時点) 100 豪州 米国 データ期間:2014年~2017年(年次) 2017年 2014年 2015年 2016年 2017年 2014年 2015年 2016年 2017年 (※)図表4~5の使用指数(現地通貨ベース)日本:東証REIT指数 米国:NAREIT All-Equity Reit指数 豪州:S&P/ASX300 A-REIT指数 (出所)図表4~5はブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメントが作成 ●当資料は、市場環境に関する情報の提供を目的として、ニッセイアセットマネジメントが作成したものであり、特定の有価証券等の勧誘を目的とする ものではありません。実際の投資等に係る最終的な決定はご自身で判断してください。●当資料は、信頼できると考えられる情報に基づいて作成して おりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。●当資料のグラフ・数値等はあくまでも過去の実績であり、将来の投資収益を示 唆あるいは保証するものではありません。また税金・手数料等を考慮しておりませんので、実質的な投資成果を示すものではありません。●投資する 有価証券の価格の変動等により損失を生じるおそれがあります。●手数料や報酬等の種類ごとの金額及びその合計額については、具体的な商品を 勧誘するものではないので、表示することができません。●当資料のいかなる内容も将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。 商 号 等:ニッセイアセットマネジメント株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第369号 2/2 加入協会:一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会
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