Ⅴ施工(10.型枠工事) ①重要事項の解説

Ⅴ施工(10.型枠工事) ①重要事項の解説
「10.型枠工事」で2回以上繰り返し出題のある重要項目(H8~H27)は、下記の通りである。
(1)普通ポルトランドセメント
※過去に選択肢問題として7回出題有
・普通ポルトランドセメントは、打込み後7日間以上コンクリート表面を湿潤に保たなければならない。
・気温20℃での早強ポルトランドセメントは、材齢が2日に達すれば柱及び壁のせき板を取り外すことができる。
・普通ポルトランドセメントの存置期間(平均気温10℃以上20℃未満)6日以上は、柱と壁のせき板を取り外せる。
表 垂直のせき板の在置期間におけるコンクリート材齢
平均気温
早強ポルトランドセメント
普通ポルトランドセメント
高炉セメントB種
高炉セメントA種
シリカセメントB種
シリカセメントA種
フライアッシュセメントB種
フライアッシュセメントA種
20℃以上
10℃以上
20℃未満
2日
4日
5日
3日
6日
8日
注)垂直(はり、柱、壁)のせき板は、上記日数で取り外すことができる。
コンクリート圧縮強度によりせき板は、短期で5N/mm2、長期10N/mm2以上で取り外すことができる。
柱)水平(床板下、はり下)のせき板は、コンクリート圧縮強度が設計基準強度の50%で取り外すことができる。
(2)取外し
※過去に選択肢問題として7回出題有
・支柱を取り外すことなく、スラブ下又ははり下のせき板を取り外す場合には、コンクリートの圧縮強度が
設計基準強度の50%に達していることが確認されれば取り外すことができる。
・構造体コンクリートの圧縮強度が5N/mm2以上であることが確認できたので、壁のせき板を取り外した。
・高強度コンクリートは、コンクリート圧縮強度が8N/mm2以上に達したことを確認し、梁側のせき板を取り外した。
(3)フラットデッキ
※過去に選択肢問題として5回出題有
・床型枠用鋼製デッキプレート(フラットデッキ)は、衝撃に弱いので、養生方法・揚重方法・吊り治具に配慮した。
・フラットデッキは、所要の品質、性能を確認して、鉄筋コンクリート造のスラブのせき板として使用することができる。
・フラットデッキには、施工荷重によるたわみを考慮して、10mm程度のキャンバー(むくり)がつけてある。
・フラットデッキのエンドクローズ部分は、支持梁への掛り代を50mm以上とし、オフセット寸法を40mm以下とした。
(4)支保工を取外し
※過去に選択肢問題として4回出題有
・はり下の支保工を取外しについて、コンクリートの圧縮強度を計算で求める場合、12N/mm2以上が必要である。
・はり下の支柱は、コンクリート打込み後、28日を経過した後に取り外した。
(5)側圧
※過去に選択肢問題として3回出題有
・高さ4m以下で、打込み速さが毎時20mを超える壁の型枠設計用コンクリートの側圧は、柱の側圧と同じとする。
・コンクリートの側圧は、コンクリートの温度及び気温が高いほど、減少する。
・フレッシュコンクリートのヘッドが3mの場合、型枠設計用のコンクリートの側圧は、打込み速さにより異なる。
(6)許容曲げ応力
※過去に選択肢問題として3回出題有
・型枠支保工に用いる鋼材の許容曲げ応力の値は、鋼材の降伏強さの値、又は引張強さの3/4の値のうち、
いずれか小さい値の2/3以下とする。
(7)コラムクランプ
※過去に選択肢問題として3回出題有
・コラムクランプは、柱型枠を四方から水平に締め付けるためのものであり、独立柱の型枠を組み立て等で用いる。
・パイプサポートと水平つなぎとの緊結については、根がらみクランプを用いた。
(8)圧縮強度
※過去に選択肢問題として3回出題有
・支保工の存置期間をコンクリートの圧縮強度により決定する場合、現場における水中養生又は封かん養生の
供試体による圧縮強度試験値を使用する。
(9)支保工の荷重
※過去に選択肢問題として3回出題有
・鋼管枠は、型枠支保工の上端に設計荷重の2.5/100の水平方向の荷重が作用しても安全なものとする。
・パイプサポート(鋼管枠以外)の支柱は、型枠支保工の上端に設計荷重の5%の水平方向の荷重が作用する。
(10)スリーブ
※過去に選択肢問題として3回出題有
・壁型枠の配管用スリーブは、開口補強が不要で、かつスリーブ径が200mm以下なら、紙チューブにできる。
・地中部分で水密を要しない部分に用いる配管用スリーブは、硬質ポリ塩化ビニル管を用いた。