再生資材化した除去土壌の安全な利用に係る基本的考え方について 平成 28 年6月 30 日 環境省 1.目的及び適用範囲 福島県内における除染等の措置に伴い生じた土壌及び廃棄物(以下、 「除去土壌等」とい う。)について、中間貯蔵開始後 30 年以内の福島県外における最終処分の完了に向けて、 環境省は、平成 28 年4月に「中間貯蔵除去土壌等の減容・再生利用技術開発戦略」 (以下、 「技術開発戦略」という。)を策定した。この技術開発戦略においては、周辺住民や作業者 に対する放射線に関する安全性を確保することを大前提として、減容処理等を行った上で 除去土壌を再生資材化し、適切な管理の下での利用を実現するための基本的考え方(以下 「本基本的考え方」という。)を示すこととされている。 本基本的考え方における「再生資材」とは、除去土壌を適切な前処理や汚染の程度を低 減させる分級などの物理処理をした後、用途先で用いられる部材の条件に適合するよう品 質調整等の工程を経て利用可能となったものをいう。また、 「再生利用」とは、利用先を管 理主体や責任体制が明確となっている公共事業等における人為的な形質変更が想定されな い盛土材等の構造基盤の部材に限定した上で、追加被ばく線量を制限するための放射能濃 度の設定、覆土等の遮へい、飛散・流出の防止、記録の作成・保管等の適切な管理の下で、 再生資材を限定的に利用することをいう。この「再生利用」は、クリアランス制度*のよう に放射線防護に係る規制の枠組みから除外し再生資材の制約のない自由な流通を認めるも のとは異なり、 「平成 23 年3月 11 日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所 の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法」 (平成 23 年法律第 110 号、以下「特措法」という。)の基準等に従い、適切な管理の下で行うこ とを想定している。なお、除去土壌を化学処理や熱処理等した後の生成物や、焼却灰等の 廃棄物については、現在のところ、減容処理前後の性状や再生資材としての品質・用途が 必ずしも明らかになっていないことから、本基本的考え方の対象としていない。 本基本的考え方は、関係者の理解・信頼を醸成しつつ、再生資材化した除去土壌の安全 な利用を段階的に進めるための基本的な考え方を示すものである。再生利用の本格化に向 けた環境整備として、今後、本基本的考え方を指針として、放射線防護・規制、土木施工・ 管理等に関するノウハウを有する関係機関からの協力を得ながら、実証事業、モデル事業 等を実施し、放射線に関する安全性の確認や具体的な管理の方法の検証を行うものとする。 * 原子力施設等の解体等で発生する金属くず、コンクリート破片、ガラスくず(ロックウール及びグラスウールに限る) のうち、放射性物質として取り扱う必要のないものについて、放射線防護に係る規制の枠組みから除外して制約なく利用 可能とする制度。 1 2.関連する ICRP 勧告及び国内の基準・指針 国際放射線防護委員会(ICRP)では、放射線による被ばくを制御することにより、放射 線から人体を防護することを目的とし、被ばく状況を計画被ばく、緊急時被ばく、現存被 ばくの3つに分類して、防護の基準を定めている。このうち、平常時(計画被ばく状況) では、公衆の線量限度は年間 1 mSv を勧告(Pub.60)しており、現存被ばく状況において は、年間 1~20 mSv の範囲の下方部分から適切な参考レベルを選択することとし、長期目 標としては参考レベルを年間 1 mSv とすることを勧告している(Pub.103)。また、ICRP 勧 告(Pub.104)においては、放射線防護に係る規制から除外する際の考え方として、 「年に 0.01 ~0.1 mSv の大きさのオーダー」は、「個人に何ら懸念を生じさせないと見なされる」リス クに相当し、かつ、 「自然バックグラウンド放射線の変動と比べて小さい線量レベル」にも 相当するとされており、放射線による障害防止のための措置を必要としないレベルに相当 する値であるとしている。 特措法基本方針(平成 23 年 11 月閣議決定)においては、除染等の措置による長期的な 目標として追加被ばく線量が 1 mSv/年以下となることを目指すこととしており、追加被ば く線量が 1 mSv/年以上となる区域において除染実施計画を定める区域を指定することとし ている。また、除去土壌の減容化、運搬、保管等に伴い周辺住民が追加的に受ける線量が 1 mSv/年を超えないようにすることとしている。 事故由来の放射性物質の影響を受けた廃棄物の再利用については、平成 23 年 6 月 3 日付 け原子力安全委員会「東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故の影響を受けた廃棄物 の処理処分等に関する安全確保の当面の考え方について」において、クリアランスレベル を準用した再利用の考え方は、一般環境そのものに事故の影響が認められるという今回の 特殊性を踏まえ、リサイクル施設等で再利用に供されるものの放射性物質の濃度等が適切 に管理され、かつ、クリアランスレベルの設定に用いた基準(10 μSv/年)以下となるこ とが確認される場合に限り、その適用を認めるとされている。 3.基本的な方針 中間貯蔵に搬入される除去土壌等は最大 2,200 万 m3 と推計され、全量をそのまま最終処 分することは、必要な規模の最終処分場の確保等の観点から実現性が乏しいと考えざるを 得ない。土壌は本来貴重な資源であるが、放射性物質を含む除去土壌はそのままでは利用 が難しいことから、放射能濃度を用途に応じて適切に制限した再生資材を、安全性を確保 しつつ地元の理解を得て利用することを目指す。具体的には、管理主体や責任体制が明確 となっている公共事業等における盛土材等の構造基盤の部材に限定し、追加被ばく線量評 価に基づき、追加被ばく線量を制限するための放射能濃度の設定や覆土等の遮へい措置を 講じた上で、特措法に基づく基準に従って適切な管理の下で限定的に利用することとする。 これにより、土壌資源の有効利用による土砂の新規採取量の抑制を図るとともに、最終処 分必要量を減少させ、最終処分場の施設規模を縮小することにより、県外最終処分の実現 2 をより容易にする。 再生資材の利用を円滑に進めるためには、放射線に関する安全性を確認しつつ、関係者 の理解・信頼を得て社会的受容性を醸成する取組を段階的に進める必要がある。このため、 本基本的考え方で示した管理の妥当性を検証するとともに、地元の理解や社会的受容性を 向上させること等を目的として、実証事業やモデル事業等を実施し、再生利用の本格化に 向けた環境整備を行う。 4.再生資材に要求される放射能以外の品質 再生資材に要求される放射能以外の品質については、構造上及び耐力上の安全性、放射 能以外の環境安全性等、用途に応じて、通常の土木構造物に求められる要求品質を満足す るものとする。例えば、「建設発生土利用技術マニュアル(土木研究所編著)」、「災害廃棄 物から再生された復興資材の有効活用ガイドライン(地盤工学会)」等に、土質区分別の適 用用途標準、粒度、強度、含水比、有害物質等の要求品質がまとめられている。 5.追加被ばく線量を制限するための考え方 特措法基本方針において減容化、運搬、保管等に伴い周辺住民が追加的に受ける線量が 1mSv/年を超えないようにすることとされていることを踏まえ、再生利用に係る周辺住民・ 施設利用者及び作業者の追加被ばく線量については、1 mSv/年を超えないようにする。た だし、周辺環境が一定程度汚染されており電離放射線障害防止規則(以下、 「電離則」とい う。)又は東日本大震災により生じた放射性物質により汚染された土壌等を除染するための 業務等に係る電離放射線障害防止規則(以下、「除染電離則」という。)の対象となる場合 は、当該規則を適用し、作業者の追加被ばく線量は 5 年で 100 mSv かつ 1 年間につき 50 mSv を超えないものとする。さらに、破損時等を除く供用時においては、周辺住民・施設利用 者に対する追加的な被ばく線量をさらに低減する観点から、放射線による障害防止のため の措置を必要としないレベル(0.01 mSv/年)†になるように適切な遮へい厚を確保する等 の措置を講じる。 周辺住民・施設利用者及び作業者における追加被ばく線量が 1 mSv/年を超えないように するための措置としては、再生資材の出荷元が限定されていること、公共事業等において は施工・維持管理の体制が整備されていること等から、①計画・設計時における使用する 場所、事業種、部位の限定、②計画・設計に応じた減容処理・出荷時における再生資材の 放射能濃度の制限、③施設の施工・供用時における使用・保管場所及び持ち出しの管理、 遮へい及び飛散・流出の防止措置を講じることにより、追加被ばく線量を制限する。 計画・設計時の条件については6.で、再生資材の放射能濃度の制限については7.で、 † ICRP 勧告において「年に 0.01~0.1 mSv の大きさのオーダー」は、 「個人に何ら懸念を生じさせないと見なされる」リ スクに相当し、かつ、 「自然バックグラウンド放射線の変動と比べて小さい線量レベル」にも相当するとされており、放 射線による障害防止のための措置を必要としないレベルに相当する値である。 3 施工・供用時における管理方法については8.で詳述する。 6.計画・設計時の条件 施設は、その構造形式、設置される地域の周辺の地形、地質、気象その他の状況を勘案 し、施設に影響する作用及びこれらの組合せに対して十分安全なものとなるよう計画する。 再生資材の利用に当たっては、施設本来の使用目的との適合性、施設の安全性、耐久性、 施工品質の確保、維持管理の確実性及び容易さを考慮する。また、施設の設計は、理論的 で妥当性を有する方法や実験等による検証がなされた方法、これまでの経験・実績から妥 当とみなせる方法等、適切な知見に基づいて行う。設計に当たっては、その施工の条件を 定めるとともに、維持管理の方法を考慮する必要がある。 その上で、再生資材は、長期間にわたって人為的な形質変更が想定されない盛土等の構 造基盤に限定して使用する。具体的には、今回の検討対象とした土砂やアスファルトで被 覆された盛土(例:道路、鉄道等)、コンクリート等で被覆された盛土(例:防潮堤等)、 植栽覆土で被覆された盛土(例:海岸防災林等)、廃棄物処分場の覆土、土堰堤等について は、用途先として妥当であると考えられる。なお、他の用途先についても必要に応じて今 後順次検討を行い、妥当であると考えられるものは対象に加えることとする。 破損時等を除く供用時において周辺住民及び施設利用者に対する追加的な被ばく線量が 0.01 mSv/年以下になるようにするための覆土等の厚さ(具体的には7.を参照)に加えて、 土木構造物に小規模な陥没や法面崩れが起きた場合に修復措置がなされる深さを踏まえた かぶり厚が確保されるように余裕を持って設計する。 7.再生資材の放射能濃度の制限 (1)基本的な考え方 再生資材を利用する施設を施工する際には、被ばく線量を個々に計測して管理すること は現実的でないことから、作業者が放射線防護のための特別な措置を講じることなく施工 でき、供用中には施設利用者が特別な制限なく施設を利用し、また、問題なく周辺に居住 できるよう、周辺住民、施設利用者及び作業者に対する追加被ばく線量が 1 mSv/年を超え ないことを条件として、用途ごとの追加被ばく評価計算から再生資材中の放射性セシウム (134Cs+137Cs)の放射能濃度レベル(Bq/kg)(以下、「1 mSv/年相当濃度」という。)を算 出し、再生資材の放射能濃度をこの濃度以下に制限する。 なお、追加被ばく評価計算では、再生資材の放射能濃度は均一と仮定し、算出された 1 mSv/年相当濃度については、ある施設に使用する再生資材の平均的な濃度レベルとして 評価している。 (2)被ばく経路設定の考え方 4 被ばく経路に係るシナリオやパラメータの設定に当たっては、用途ごとの作業工程や施 設利用の情報に基づき、既往のクリアランスレベル評価の際の設定を参照し、現実的なシ ナリオやパラメータを設定し、不確実性の大きいパラメータは安全側に立った値を設定し ている。なお、時間経過とともに空間線量率への寄与が小さい 137Cs が大部分を占めるよう になり、発災直後(平成 23 年3月)と現在では 1 mSv/年相当濃度が異なることから、現時 点(平成 28 年3月)の 134Cs と 137Cs の存在比により評価している。 (3)再生資材として利用可能な放射能濃度レベル 再生資材の放射能濃度は、万一の場合も速やかに補修等の作業を実施できるよう、確実 に電離則又は除染電離則の適用対象外となる濃度‡として、特措法の規制体系における斉一 性も考慮して、8,000 Bq/kg 以下を原則とし、用途ごとの追加被ばく評価計算から算出さ れる 1 mSv/年相当濃度がこれ以下の場合は、その濃度とする。 用途ごとの再生資材として利用可能な放射能濃度(以下、 「再生利用可能濃度」という。) § を下表に示す 。なお、周辺環境が一定程度汚染されており、電離則又は除染電離則に従っ て作業者の被ばく線量管理を行う場合については、1 mSv/年相当濃度は 8,000 Bq/kg を超 えるが、再生利用可能濃度は原則に従い 8,000 Bq/kg 以下とする。また、用途に応じて下 表に示す覆土等の厚さを確保することにより、破損時等を除く通常の供用時における周辺 住民・施設利用者への追加被ばく線量が 0.01 mSv/年を超えないようにすることが可能と 評価された。 ‡ 電離則及び除染電離則においては、10,000 Bq/kg を超える土壌を取り扱う場合は、濃度測定、線量管理等が必要であ ること等の労働者の放射線障害の防止措置について規定されており、労働者の被ばく線量限度は、5 年間で 100 mSv かつ 1 年間で 50 mSv を超えないように管理する必要がある。 §万一、津波等の大規模災害により構造物の大規模な破損等が生じた場合を仮定し、放射線に関する安全性を評価したと ころ、周辺住民及び作業者の追加被ばく線量はいずれも 1 mSv/年以下となる結果が得られている。 5 用途先 遮へい条件 追加被ばく線量 年間の再生資材利用作業期間に応じ の更なる低減の た再生利用可能濃度(Bq/kg)※1 ために必要な覆 土等の厚さ(㎝) 6 か月 9 か月 1年 ※2 盛土 ※2 ※2 土砂やアスファ 8,000 以下 8,000 以下 6,000 以下 ルト等で被覆 コンクリート等 8,000 以下 8,000 以下 6,000 以下 で被覆 植栽覆土で被覆 8,000 以下 7,000 以下 5,000 以下 廃 中間覆土材 8,000 以下 8,000 以下 8,000 以下 棄 物 最終覆土材 保護工(客土等) 8,000 以下 7,000 以下 5,000 以下 処 分 土堰堤 8,000 以下 8,000 以下 8,000 以下 場 50 ㎝以上 50 ㎝以上 100 ㎝以上※3 10 ㎝以上※4 30 ㎝以上※3 30 ㎝以上 ※1:用途先ごとの被ばく評価計算により算出された 1 mSv/年相当濃度の 100Bq/㎏以下の位を切り捨 てて表記した(具体的な被ばく評価計算結果については、以下リンク先の資料を参照 http://josen.env.go.jp/chukanchozou/facility/effort/investigative_commission/pdf/proc eedings_160607_05.pdf) 。なお、この再生利用可能濃度は、平成 28 年 3 月時点の 134Cs と 137Cs の存在比を基に算出しており、今後、時間経過とともに空間線量率への寄与が小さい 137Cs が大部 分を占めるようになり 1 mSv/年相当濃度が変化するとともに、再生資材中の放射性セシウムが物 理減衰するため、再生利用に伴う追加被ばくは、時間経過とともに低減する方向で推移する。 ※2:工事そのものの規模、再生資材の利用量、作業員の労務時間管理等により、作業員が1年間のう ち再生資材に直接接触する作業(重機を用いた作業を除く)に従事する期間 ※3:用途先の構造上、一定の植栽基盤の厚さや覆土の厚さが必要とされる場合、追加被ばく線量の更 なる低減のために必要な覆土等の厚さは、当該構造上必要とされる覆土等の厚さも含めた必要な 厚さである ※4:中間覆土材は廃棄物処分場の構造上、土堰堤、廃棄物層、最終覆土により遮へいされているため、 中間覆土のためだけの覆土等は不要 (4)出荷時における放射能濃度の確認 施工現場ごとに再生資材の放射能濃度を確認する必要が生じないよう、再生資材の出荷 時に、再生資材の平均濃度が(3)の放射能濃度以下となっていることを確認し、出荷伝 票に出荷量及び放射能濃度を記載する。再生資材の運搬時においては、特措法に基づく運 搬基準を遵守する。 6 8.施工・供用時における管理方法 作業者が放射線防護のための特別な措置を講じることなく施工できるように、7.で示 したとおり、減容処理施設からの出荷時に再生資材の放射能濃度の確認を行うこととする 一方、利用時においても、再生資材の紛失や目的外使用を防止するために、再生資材の検 収時、保管時において、受入量の管理、分別保管、持ち出しの管理等を行う。 施工は、設計において定めた条件が満たされるように行う。施工時においては、再生資 材の使用場所、使用量、放射能濃度等に関する記録を作成し、保管する。また、粉じん発 生防止等により再生資材の飛散・流出を防止する。供用時においては、施設ごとの特徴・ 要求性能を踏まえ、計画・設計時に考慮した条件に合致するよう維持管理方法を定め、適 切な維持管理・補修を行うとともに、記録の作成・保管、形質変更の管理等を行う。 追加被ばく線量評価の結果によると、1 mSv/年相当濃度を決定する被ばく経路は、施工 時の作業者の外部被ばくであり、この経路における 1 mSv/年相当濃度以下の再生資材を利 用した場合、内部被ばく線量や施工時の敷地外での外部被ばく線量等の他の経路は十分に 追加被ばく線量が低いと評価された。しかしながら、安全性に万全を期す観点から、実証 試験等において、敷地境界における空間線量率や、地下水等の放射能濃度の測定の必要性 を検証することとする。 9.再生利用の段階的な進め方 本基本的考え方を踏まえ、可能な限り早期の再生利用の本格化を目指して、それぞれの 取組で得られた知見を他の関連する取組にフィードバックしながら、放射線防護の最適化 や社会的受容性の向上を図り、以下の取組をそれぞれ段階的に進める。また、それぞれの 取組において、技術開発戦略で示した全国民的な理解の醸成等のための取組を行う。 (1)実証事業・モデル事業の実施 本基本的考え方で示した追加被ばく線量を制限するための管理の妥当性を検証すること 等を目的として実証事業を実施する。また、事業実施者や地域住民等関係者の理解醸成や 社会的受容性を向上させること等を目的としてモデル事業を実施する。これらの事業を通 じて、放射線に関する安全性、具体的な管理の方法を検証する。 (2)適切な管理の仕組みの検討及び手引きの作成 環境省及び再生利用先の施設の施工・管理等の責任主体の適切な役割分担の下で管理が 実施されるよう、特措法に基づく管理の仕組み作りの検討を行う。また、既存の公共事業 等に係る環境関連法令等も含め、再生資材を用いた工事の計画・設計、施工、供用の一連 のプロセスにおける留意点を整理した「再生利用の手引き(仮称)」を作成する。手引きの 作成に当たっては、このプロセスが長期間にわたり、かつ、多様な主体が関与することか ら、「いつ、どこで、誰が」が明確になるように留意する。 7 (3)理解・信頼を得るための取組及び必要な環境整備 再生利用の必要性や放射線に係る安全性に関する知見を幅広い国民と共有し、さらには 実証事業やモデル事業の結果を地域住民・地元自治体等の関係者と共有するための啓発、 対話、体験のための取組を進める。また、社会的・経済的・制度的側面から再生資材の利 用促進方策やその実施方針等の検討を行う。これらの取組を通じて、再生利用の本格化に 向けた環境整備を進めていく。 8
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