サス・サンワ株式会社 導入事例 | 大塚商会

サス・サンワ株式会社
卸売商社がIT環境を総合的に整備
個々の業務プロセスに適した合理化で
社員のパフォーマンス向上につながる
導入の狙い
商社事業とメーカー事業の多様な業
務効率を高めたい
日報を効果的に用いることで営業活
動を改善したい
導入システム
基幹業務システム『SMILE BS 2nd
Edition 販売/会計/人事給与/CRM』
カスタマイズ高生産ツール
『SMILE BS 2nd Edition
Custom AP Builder
(CAB)』
統合型グループウェア
『eValue NS 2nd Edition』
クラウドサービス
『たよれーる Office 365
Exchange Online プラン1』
導入効果
各業務プロセスが適正化されて無駄
な工数が減った
顧客訪問履歴が時系列で管理できる
ようになり営業活動の質が高まった
— U S E R P R O F I L E ———————————————————
サス・サンワ株式会社
●業種:卸売商社
●事業内容:商社事業
(造船・鉄鋼・電子機
単に素材を納入するのではなく、得意先にとって最適なサービスを提供することを企業理念としている
サス・サンワ株式会社は、造船や鉄鋼メーカーをメイン顧客とする商社だ。だが近
年では、メーカーニーズに対応した材料加工などの商社機能とは異なる事業に加
え、駐輪場機器等を製造・販売・施工するメーカーとしての事業も行っている。業
務環境の向上に余念のない同社は、このほどCRMの導入と基幹業務システムの
バージョンアップも行った。顧客とのコンタクトをCRMで時系列管理することで、
営業活動のPDCAサイクルが円滑に回り始めた。積極的なIT化の推進は社員のパ
フォーマンス向上へとつながり、同社の業績を着実に向上させている。
器など素材卸)、メーカー事業(駐輪場
機器・ガス安全機器・免震耐火被覆)
など
●従業員数:58名
(2016年5月現在)
基幹業務システムのバージョンアップやクラウド化な
どで業務の効率性を高めたサス・サンワ株式会社
2016年5月取材
商社事業とメーカー事業を推進
近年は駐輪場事業を大きく拡大
“A g g r e s s i v e”
、
“S a s u g a(さす
が)”
の頭文字をつなげたものである。
長い歴史を通じて商社としての業態
大阪府大阪市に本社を構えるサス・
を拡げてきた同社は現在、産業資材、
サンワ株式会社は、岐阜県大垣市のイ
産業・工業用機械、溶接材料、工業用
ビデン株式会社が製造するカーバイド
ガス、エレクトロニクス関連部材などを
の西日本での販売権を得て、三和商
幅広く扱う。支社に東京・大垣、営業所
事合名会社として1931年に設立さ
として横浜・住之江・中国・熊本に拠点
れた。創業60年周年の1991年に変
を設けて事業活動を行っている。メイ
更された現社名の「サス」は、
“Smart”
、
ン顧客は国内の重厚長大産業を担う、
1
サス・サンワ株式会社
造船、鉄鋼メーカーである。海外進出
駐輪場上屋の緑化も行っており、これ
に伴い、香港やインドに現地法人を設
は自治体の緑化計画推進や都市景観
けるなど、グローバル展開も進めてい
の向上に資することから、私どもはた
る。
だ駐輪場を設置するのではなく、
『駐
その一方で、近年はメーカーとして
輪場設置を通して都市空間をコーディ
の事業にも取り組むようになった。
ネートしている』
という意識を抱くよう
「商社事業は現在も売り上げの約8
になりました」
(廣瀬氏)
割を占めていますが、中国や韓国の造
ほかに重厚長大産業向けにガス安
船、鉄鋼企業が台頭するなど、この分
全機器や免震耐火被覆の設計・施工等
野の国際競争は激化しています。そう
も行っており、同社は既存の商社事業
した情勢にも対応できるように、単に商
と新規のメーカー事業の両輪を力強
材を供給するだけではなく、お客様の
く推し進めている。
ご要望に応じて、材料加工や商品の製
造も行うビジネスモデルに転換する必
のは、代表取締役社長の廣瀬 哲三氏。
基幹業務システムの更新で
業務の効率性をさらにアップ
そ の 中でも、とりわけ大きな柱と
同社はこれまで、基幹業務システム
なっているのは、サイクルラック・上屋・
をオフコンからオープン系システムに
盗難防止バーの製造から施工までを
入れ替え、グループウェアも導入する
一貫して行う駐輪場機器事業だ。
というように、IT化を段階的に進めてき
メーカー事業の端緒となったのは、
た。2000年代に入ってから導入した
ある取引先が後継者問題で売却した
基幹業務システムにさまざまな課題が
駐 輪 機 事 業をM & Aで取 得したこと
発生したことから、
『SMILE ie』
にリプ
だ。メーカーとしてのノウハウが乏し
レースしたのは2009年4月のことだ。
かった当初は新たな事業の展開に不
「 数 社 の ベ ン ダ ー の 提 案 か ら
安もあった。しかし、東日本大震災で
『 S M I L E 』を選んだのは、大塚商会
首都圏の公共交通機関が影響を受け
さんを通じて導入していた統合型グ
要性を感じるようになりました」と語る
た際、通勤・通学の手段として自転車
ループウェア『eValue NS』
とのリン
がクローズアップされたのを機に、集
ケージがしやすく、その運用を通じて
合住宅での駐輪場設置ニーズが大き
充実したサポートを得られたことに、
く拡大。また、道路交通規則や道路交
大きな信頼を寄せていたからです」と
通法施行細則の改正により、東京都な
説明するのは、管理本部 常務取締役
どで専用座席を設置した自転車に幼
の佐伯 昌彦氏。
『SMILE ie』の導入
児を乗せての運転が認められるように
と合わせ、B C P対策として大塚商会
なるといったことも追い風となり、駐
のインターネットデータセンターも利
輪場機器事業は着実に業績を伸ばし
用するようになった。クライアントPC
ているという。
やIT機器、
ソフトウェアを一元管理する
「マンションだけではなく、最近は駅
『SKYSEA Client View』も活用す
前の公共スペースや病院、商業施設
るなど、セキュリティ対策にも万全を
などへの設置ニーズも増しています。
期している。国内の名だたるリーディ
2
代表取締役社長
廣瀬 哲三氏
「商社マンである私は人を見るプロだと自負
していますが、常に顧客本位で行動する大
塚商会さんのスタッフは、信頼のおける方
ばかりです。システムベンダーを分散せずに
全て一任していますので、これからも充実し
たワンストップサービスを提供してください」
管理本部 常務取締役 佐伯 昌彦氏
「大塚商会の営業担当者もSEの方も、当
社の業務内容を深く理解して常に適切な
フォローをしてくださいます。メインにお取引
をしているのは本社ですが、各支社や営業
所による問い合わせにも対応してもらえる
のは心強いですね」
ングカンパニーを重要な顧客としてい
め商社事業と比較してコスト計算がは
るだけに、情報流出等の事故を防ぐこ
るかに複雑になりますが、
『 原価集計
とは同社にとって必須の課題である。
オプション』を使えば、施工案件ごとの
そ ん な 同 社 は 2 0 1 5 年に、業 務
正確な原価を容易に把握することがで
効 率 のさらなる向 上を目 的として 、
きます」
(中村氏)
『S M I L E B S2』へのバージョンアッ
管理本部 経理・財務グループ 課長
中村 安江氏
「相談に対して必ず複数の解決プランを提
示してくださり、当社に選択をさせてくれるの
が大塚商会さんの魅力です。今後も業務
効率化につながる豊富な情報提供と提案
に期待しています」
受注してから必要な材料を発注す
プを行った。
る商社事業では、受注データをベース
「『SMILE ie』の導入時には、当社
にしてスムーズに発注書を作成するた
の業務内容に応じてカスタマイズが
めに、受発注データをリンクさせる必
必要な部分もありましたが、機能性
要があるが、
『SMILE BS2』はその
が拡張した『SMILE BS2』では標準
ための機能も『SMILE ie』から引き続
搭載されたメニューで賄える部分が
き搭載しており、業務効率の面での一
多く、更新費用を予想以上に抑えるこ
助となっている。
とができました」と話すのは、管理本
部 経理・財務グループ 課長の中村 安
江氏。数多くの機能の中で、
『SMILE
i e 』では 財 務メニューにあったプロ
顧客とのコンタクトをCRMで時系列管理
営業活動のPDCAサイクルが向上
ジェクト原価オプションが、
『SMILE
同社は2014年より、顧客とのコン
BS2』では販売業務にある「原価集計
タクト履歴をシステム上で管理するこ
オプション」の中で一括管理できるよ
とを目的に、
『SMILE BS2 CRM』も
うになり、さらなる操作性の向上が期
活用。これは営業支援の一環として、
待できるという。
廣瀬氏の要望で導入したものだ。
「建設工事業の性格を帯びている駐
「営業活動のPDCAサイクルを回す
輪場機器事業では、材料費や労務費
ためには日報が重要な役割を果たしま
など多様な原価が発生します。そのた
すが、紙ベースでは情報がぶつ切りに
なってしまいがちです。日報をCRMに
ネットワーク構成イメージ
本社
入力するようになってから、各案件の
進捗状況が一連の流れとして把握で
拠点
きるようになりました」
そう語る廣瀬氏は自ら日報をチェッ
VPN
大塚商会データセンター
VM
(仮想化)
・SMILE BS 2
・eValue NS 2
・SKYSEA
・PDC
・BDC
セキュアバックアップ
ク。上司のコメント欄が空欄になって
いると、レスポンスをするように指導し
ファイルサーバー
ている。
「営業活動をあるべき方向に導くた
めの基本となるのは、上司と部下の意
サポートセンター
思疎通です。緻密なコミュニケーショ
ンによって個々の営業案件のP D C A
バックアップソリューション
Arcserve UDP
サイクルがしっかり回るようになれば、
専門技術者によるセンター集中運用
部署、事業部、全社のPDCAサイクル
もうまく回るようになる、というのが私
3
サス・サンワ株式会社
の持論です」
(廣瀬氏)
部下に逐一アドバイスすることが習慣
ITツールは習慣として定着させ
社員のパフォーマンス向上へつなげる
として根づくまでに1年ほどの期間を
基幹業務システムを『 S M I L E 』シ
要したが、この取り組みによって顧客
リーズにし、モバイル環境も整備して
訪問回数が増え、成約までの時間も短
以後、ITツールをうまく使いこなして
縮するなど、2年目になってその成果
いる社員の業務効率性は目に見えて
が確実に現れていることを廣瀬氏は感
高まっている、と廣瀬氏。
じているという。
「そうでない社員には活用法をアド
同社にとって2016年度は、5カ年
バイスすることで、確実にパフォーマン
の中期経営計画「Challenge100」
スを上げています。CRMによる日報管
の最終年度にあたるが、そのタイミン
理の事例が物語るように、重要なのは
グで営業改革を推進することの意義
ツールの活用をいかに習慣として定着
は大きいはずだ。
させるかで、その意味では導入したシ
クラウド環境の構築も積極的に推進
ステムが期待どおりの効果をもたらし
している同社は、
『たよれーる Office
てくれるかどうかは、運用側の努力次
365 Exchange Online プラン1』
第ということになるでしょう」
(廣瀬氏)
も導入した。これによりパソコンの持
ベンダーに望むのは、自社の業務
ち出し以外に、スマートフォンやタブ
内容にマッチするITツールを、タイム
レット端末での利用も可能になる。現
リーに提供してもらうことだ。
在は一部Surface3での運用も始め
「その点、大塚商会さんは、日々進化
ており、今 後はより利便性の ある端
するツール、セキュリティ上の脅威、法
末の需要が高まってくると思われる。
改正などと照らし、当社にとって有用な
Windows XPをWindows 7に更
提案を的確にアドバイスしてくださいま
新してから2~3年しか経ていないた
す。これまでシステムの運用をめぐって
め、現在はメールアプリケーションの
大きなトラブルを経験したことがないの
み活用し、Officeツールは『Office
も、常に想定されるさまざまな事態を
上司がC R Mで営業履歴を管理し、
2010 』を利用しているが、次のO S
見越して、先手の対策を施してくれてい
更新期に、
『Office 365』で提供され
るからにほかなりません」
(廣瀬氏)
る最新バージョンのO f f i c eツールを
佐伯氏は、専任の担当者を置く余裕
利用できるようにしたい、と中村氏。
がないなか、情報システム部門の機能
「クラウド化は時代の流れ」という
を外部委託している感覚で大塚商会
廣瀬氏は、各部署の業務環境をより
との取引をしているという。
快適なものに整備する方針で、外出
「個々の社員が本来の業務に専念で
先で在庫状況を確認したり、営業担当
きる環境を整備するのは経営者の責
者が帰宅してから日報を入力したりで
務」と考える廣瀬氏は、これからも業
きるよう、社外から基幹業務システム
務効率の向上につながるI T化には積
にアクセスできる仕組みの構築も進
極的に投資していく構えで、そのため
めている。
にも大塚商会とのパートナーシップを
大切にしていきたいと語った。
「IT投資は個人のパフォーマンスを高めることに役立たな
ければならない」
との理念に基づき、業務環境の改善が
計画的に進められている。BCPやセキュリティ体制の構
築も万全だ
『SMILE ie』
を
『SMILE BS2』
にバージョンアップ。標準
搭載機能が拡張され、多くのカスタマイズを要することなく
多様な業務に適合した
サス・サンワ株式会社のホームページ
http://sassanwa.co.jp/
・会社名、製品名などは、各社または各団体の商標もしくは登録商標です。
・事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は取材当時のものであり、配付される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
・この記事は2016年6月に作成されました。
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