JIS L 1902「繊維製品の抗菌性試験方法」

業務案内
2016.06.30
JIS L 1902「繊維製品の抗菌性試験方法」
の運用について
JIS L 1902 繊維製品の抗菌性試験方法が 2015 年に改正されました。
これまで(一社)繊維評価技術協議会が運用している SEK マーク認証基準にあわせ、「旧 JIS(2008
年版)」での運用を行ってきましたが、2016 年度 4 月より SEK マーク認証基準が「新 JIS」での運用に
改正されたことを受け、ニッセンケンでも通常のご依頼は「新 JIS(2015 年版)」での運用を行うことと
なりました。
それに伴い、試験方法・証明書記載内容の変更を行いましたので、下記お知らせいたします。
■ニッセンケンでの運用対応
ご依頼
実施試験内容
・通常の試験依頼
新 JIS(2015 年版)にて対応
・SEK マークに関わる場合(申請・更新)
※特に指定がなければ新 JIS にて対応。
・品質基準に SEK マーク基準を採用している場合
・JNLA 証明書が必要な場合
・旧 JIS(2008 年度版)で、過去データとの統一を希望され
旧 JIS(2008 年版)にて対応
る場合
※依頼時に明記が必要。
※旧 JIS で JNLA 証明書は発行不可。
■「JIS L1902」の主な改正点
項目
加工の種類
旧 JIS 規格
抗菌防臭加工
新 JIS 規格
抗菌加工
制菌加工
補足
抗菌防臭加工、制菌加工という
言葉はなくなり、「抗菌加工」で統
一される
活性値の計算
静菌活性値(抗菌防臭
抗菌活性値
静菌活性値、殺菌活性値がなく
(菌液吸収法)
加工)
A=(LogCt-LogCo)-(LogTt-
なり「抗菌活性値」となる。
S = (Mb-Ma)-(Mc-Mo)
LogTo)
抗菌活性値 A≒静菌活性値 S※
殺菌活性値(制菌加工)
殺菌活性値にあたる値は参考値
L = Ma - Mc
として算出可能。
抗菌効果
静菌活性値 S≧2.0
抗菌活性値 A≧2.0
(菌液吸収法)
殺菌活性値 L≧0
試験菌
黄色ぶどう球菌、肺炎
黄色ぶどう球菌 or 肺炎かん菌
MRSA、緑膿菌、大腸菌は旧 JIS
か ん 菌 、 MRSA 、 緑 膿
(2 菌種より任意に選択)
の実績より使用可能。その他は要
菌、大腸菌
(試験成立条件を満たせば他の
検討で使用可能。(JNLA 証明書
(加工の種類によって選択)
菌でも試験可能)
も可能)
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2016.06.30
■「SEK マーク認証基準」改正点
活性値
旧 SEK 基準
新 SEK 基準
備考
静菌活性値 S
抗菌活性値 A
試験結果は抗菌活性値(旧
(抗菌防臭加工)
JIS の静菌活性値とほぼ同じ)
殺菌活性値 L(制菌加工)
で表す。
試験方法
菌液吸収法 or
菌液吸収法
菌転写法が実際に使用されて
(制菌加工)
菌転写法
評価基準
抗菌防臭加工 S≧2.2
抗菌防臭加工※1
制菌加工一般用途 L≧0.0
制菌加工一般用途 A≧F※2
制菌加工特定用途 L>0.0
制菌加工特定用途 A>F※2
いないため削除。
A≧2.2
新 SEK 基 準 で は 標 準 布 の
増殖値 F をもとに評価する。
※1 JIS では加工の種類が「抗菌加工」に統一されていますが、SEK では抗菌防臭加工・制菌加工(一般用途・
特定用途)は残ります。
※2 SEK 基準で、表記の仕方は変更されていますが、求められる基準値は従来と変わりありません。(下図参照)
○静菌活性値 S ⇒ 抗菌活性値 A
○殺菌活性値 L ⇒ A’ - F で計算される値
L≧0.0(制菌加工一般用途旧基準) → A’ - F≧0.0 → A’≧F (新基準) となる
※各種試験費用は、基本的に従来と変更ありません。
抗菌防臭加工を満たす場合 ⇒ 抗菌活性値は A
制菌加工を満たす場合⇒ 抗菌活性値は A’ (便宜上)
試験のお問合せ・ご依頼をお待ちしております。
一般財団法人ニッセンケン品質評価センター 〒111-0051 東京都台東区蔵前 2-16-11 (本部) TEL: 03-3861-2341 FAX: 03-3861-4280
www.nissenken.or.jp
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2016.06.30
補足資料
平成 28 年度 SEK マーク認証基準改定のポイント
平成 28 年度より改訂された SEK マーク繊維製品認証基準における、関連試験の主な改訂ポイントをまとめました。
条項 No.
改訂 前
改訂 後
18.項
試験報告書に JNLA マーク付
試験報告書に JNLA マーク
抗菌性試験
きを要求する
付きを要求しない。
制菌加工試験方法
制菌加工試験方法
菌転写法は実際に使用
・菌液吸収法 ・菌転写法
・菌液吸収法のみ
されていないため
活性値
活性値
・静菌活性値(抗菌防臭加工)
・抗菌活性値
・殺菌活性値(制菌加工)
改訂のポイント
(抗菌防臭加工・制菌加工)
20.項
試験方法
試験方法
抗かび性試験
・ISO13629-1
・JIS L 1921
試験方法はほぼ同じ
23.項
・パンスト等の目の粗い製品は
試験試料に疑似花粉が
防汚性試験
花粉汚れ試験の対象外とする
付着せず、試験が困難な
(追加)
ため
・白または淡色の試験品も花
粉試験の対象とする。(追加)
24.項
抗ウイルス活性値
抗ウイルス活性値
抗ウイルス性
Mv=Log(Vb)-Log(Vc)
Mv=Log(Va)-Log(Vc)
下図参照。
試験
参考 URL http://www.sengikyo.or.jp/sek/?eid=00004
[抗ウイルス活性値計算方法補足]
改訂前
改訂後
抗ウイルス活性値 Mv=Log(Vb)-Log(Vc)
抗ウイルス活性値 Mv=Log(Va)-Log(Vc)
※標準布の 2 時間反応後(Vb)との差を計算。
※標準布の接種直後(Va)との差を計算。
(標準布の減少値分だけ抗ウイルス活性値が
増加する)
※ここにも説明を!