長野県畜産会通信vol.4 - 一般社団法人 長野県畜産会

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長野県畜産会〉
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長野県獣医師会館内
TEL:026-228-8809
平成 28 年(2016 年)6 月 30 日(vol.4)
FAX:026-223-0264
畜舎で多く
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見られます
URL:http//nagano.lin.gr.jp
カラスの生態と対策
梅雨本番の時期となりました。九州地方などでは猛烈な雨を記録した地域もあるようです。
さて、県内全域にカラスが生息していますが、果樹・野菜の食害などの農業被害だけでなく、畜産の関係で
つつ
ついば
は子牛・牛乳頭の突き、配合飼料からトウモロコシのみを 啄 むなどの被害のほか、病原体の農場内への持ち込みと
いった衛生上の問題も重視されています。そこで、今回の畜産会通信ではカラス対策について紹介します。
●本県には、留鳥としてハシブトガラス・ハシボソガラスが生息し、両種とも雑食性で
生息状況・食性
何でも食べますが、ハシブトガラスは動物性のものを好んで食べるようです。
●ハシブトガラス:くちばしが太く、頭頂部にふくらみがあり、体重700g程度。
2種の形態
ハシボソガラス:くちばしが細く、額がなだらか。体重500g程度。
●春から夏にかけて営巣・繁殖し、3~5個(1日に1個産卵)程度の卵を産み、抱卵期
繁殖・産卵
間は約20日間、1日づつずれて孵化してゆきます。
●ヒナは約35日で巣立ちし、巣立ち後も家族単位で行動。翌年の2月頃には若鶏で群
育雛~若鶏
れをつくり、2~3年目には群れから離れ繁殖つがいを形成し、巣作りを始めます。
~~具体的なカラス対策例~~
○畜舎内外の環境衛生(誘因物の除去)
鳥類は常に体重を軽くしておき、飛行に備えなければなりません。したがって、食い溜めができ
ません。常にエサを採取するため、周辺のエサを減らすことが一番の対策です。残飼の片づけ、通
路等の清掃、畜舎周辺の管理等に留意し、畜舎内外のエサになるようなものを減らしましょう。
春先は、巣作り用のロープ、シート等の柔らかいものを探すので特に清掃に注意しましょう。
○ネットによる侵入防止(牛舎の例)
畜舎の開放部にネットを張りましょう。最近は、アブ・ハエ対策用に殺虫成分を含ませた防虫ネ
ットを使用している例がありますが、通気性、換気等には十分な留意が必要です。
○テグス(釣り糸)設置による飛来防止
畜舎の中にカラスが好んで止まる場所があります。この場所にテグスを張ると効果があります。
効果的にテグスを設置するには、まず、カラスの舎内での行動パターンをよく観察することです。
○CD、目玉、ワシ模型などの吊り下げ、爆音器等もありますが、効果があっても一時的なようです。
○ワナによる捕獲は、「鳥獣保護等」関連の法律により許可が必要ですので市町村にご相談ください。