野球規則 審判はこんな時の処理はどうするのだろうか・・・? 今までに聞いたり経験したりしたケースを、順次掲載していく予定です。 解釈等で間違いがあれば、連絡していただければ幸いです。 目次(改定6/28) 44.故意落球 43.ホームベース付近でのラインアウト new 42.コリジョンルール new 41.ストライクゾーンの再確認 40.捕手への守備妨害 39.ラインアウト 38.野手が打球処理のボールを暴投・・・ 公認野球規則7.05の(g) (下の NO.02 NO.1 の追加資料) 37.ボールがランナーに当たる 36.ボールが審判に当たる 35.投手を含む野手のグラブの色 34.野手が打球処理のボールを暴投・・・ 公認野球規則7.05の(g) (下の NO.02の追加資料) 33.審判員の資格と権限 32.監督はグラウンドへは選手交代時以外は出られない 31.ストライクゾーン 30.ベースコーチ 29.反則打球(ボックスのラインを完全に越して打つ) 28.フェアボール 27.ルール改正への動き 26.走者が捕手に体当たり 25.打撃順に誤りがあった場合 24.スクイズプレイの妨害 23.自打球のアピールは? 22.ランナーなしで投球動作を止める、反則投球 21.走塁妨害(オブストラクション) 20.降雨コールドゲーム 19.打者の反則行為によるアウト 18.捕手の打撃妨害 17.野手とランナーコーチが接触(守備側の権利優先) 16.走者と内野手が接触 15.審判員の裁定(ハーフスイング) 14.ボールデッドラインの扱い方について(ローカルルール) 13.第3アウトの置き換え 12.ワインドアップポジションからセットポジションはボーク 11.ユニフォームの規定 10.インフィールドフライでバッターアウト 09.一塁方向の打球処理で捕手が一塁へ投げたが打者走者に当たる 08.走者がいないときに、投球動作中にボールが落ちた 07.空振りしたボールが打者に当たる 06.塁に走者がいるときは、次の場合ボークとなる 05.二塁走者が盗塁し投手が三塁へ送球 04.二人の走者が同時に 1 つの塁を占有 03.ファウルチップの捕球 02.野手が打球処理のボールを暴投 01.走者の足にボールが当たる 44.故意落球とインフィールドフライ 野球規則 6.05L 故意落球 0 アウトまたは 1 アウトで走者一塁、一•二塁、一•三塁または一•二•三塁のとき、内野手 がフェアの飛球またはライナーを故意に落とした場合。 ボールデッドとなって、ランナーの進塁は認められない。 【付記】 内野手がボールに触れていない場合は故意落球にあらず 内野手が打球に触れないでこれを地上に落としたときには、打者はアウトにならない。 ただし、インフィールドフライの規則が適用された場合は、この限りではない。 【注 1】 本項は容易に捕球できるはずの飛球またはライナーを、内野手が地面に触れる前に片手 または両手で現実にボールに触れて、故意に落とした場合に適用される。 【注 2】 投手、捕手及び外野手が内野で守備した場合は、本項の内野手と同様に扱う。またあら かじめ外野に位置していた内野手は除く。 故意落球とインフィールドフライの相違点 故意落球 インフィールドフライ アウトカウント 無死か一死 必要走者 一塁(二,三塁は問わず) 一二塁か満塁 対象野手 内野で守備する全ての野手 問わず (内野にいなければ内野手でも除外) 打球 フライかライナー(バント含む) フライのみ(バント除く) 発生タイミング 落球後 フライが上がっている最中 発生後 ボールインプレイ ボールデット 個人解釈・・・無死または一死、一塁・二塁の時に、投手前のバントフライか 小フライが上がった時は、投手は直接捕球しないで捕るように見せかけて、一 旦バウンドさせてからショートバウンドで捕球し、3塁→2塁と送球しダブル プレーを成立させることもできる。 43.ホームベース付近でのラインアウト new プロ野球の試合では、たまにホームベースでのタッチプレーで試合が中断 することがあります。5月18日の巨人対 DeNA 戦で DeNA の倉本が完全に アウトのタイミングだったにもかかわらず、捕手の小林のタッチをかいくぐ ってセーフになりました。巨人の高橋監督は、ラインアウトだと抗議しまし たが、審判は「われわれの認識では、ホーム付近でのラインアウトはない」 と抗議を退けました。3月30日にも同様のケースがありました。 中学野球の今までを振り返ってみても、ホーム付近でのラインアウトを適用 してアウトにした経験はないと記憶しています。 個人解釈・・・ ラインアウトやコリジョンルールの適用でセーフ・アウト など、球審は瞬時のジャッジをしなければならないケースが出てきます。 42.コリジョンルール(衝突ルール)(collision rule) 個人解釈・・・ 5/11 の阪神対巨人戦で、ホームでの判定がビデオ判定で覆 りました。 これは、捕手がベースの前に出ていたのでコリジョンルールの適用になった ということです。それならジャッジする前に、 「コリジョンルール適応」と認 識し「セーフ」のコールをしなければならないでしょう。巨人側の抗議で変 えるというのはおかしいと思います。つまり、プロの審判でも、瞬時の判断 ではまだ使えないということだと思います。捕手の原口は、前に出ていたけ れどもタッチの時はベースの後ろに下がってベースを空けてミットだけでタ ッチしていた写真がスポーツ紙に掲載されていました。審判のアウトの判定 は正しかったと思います。このルールの適応で野球が大きく変わるような気 がします(走者が優位の判定が増える) 大まかなルールとしては 1. 走者が捕手に強引に体当たりをすることを禁じる 2. 捕手のブロックと走者の走路を妨害することを禁じる 3. 送球がそれるなど、やむを得ない事情で捕手が走路内に入る時も、なる べく激しい接触を控えること 野球における、本塁でのクロスプレーに関するルール。本塁へ走るランナー のキャッチャーへのタックルを禁止、キャッチャーは本塁をまたがずランナー の走路を必ず空けておく、ランナーへタッチする際のキャッチャーのブロック 禁止などの項目がある。2011 年、米国メジャーリーグで、本塁クロスプレーで のタックルにより走者が大けがを負ったことがきっかけとなり、14 年より本ル ールが採用された。日本のアマチュア野球では、08 年に本塁上で送球を待つ時 は走路を空けておくこと、13 年にはランナーのタックル禁止とのルールが決め られている。16 年からは、プロ野球 (日本野球機構=NPB)でもコリジョンルール が適用されることになった。 公認野球規則 6.01 (i)本塁での衝突プレイ (1)得点しようとしているランナーは、最初からキャッチャー又は本塁の カバーに来た野手(ピッチャーを含む。以下「野手」という。)に接触しようと して、又は避けられたにもかかわらず最初から接触をもくろんで走路から外れ ることはできない。もし得点しようとしたランナーが最初からキャッチャー又 は野手に接触しようとしたと審判員が判断すれば、キャッチャー又は野手がボ ールを保持していたかどうかに関係なく、審判員はそのランナーにアウトを宣 告する。その場合、ボールデッドとなって、すべての他のランナーは接触が起 きたときに占有していた塁(最後に触れていた塁)に戻らなければならない。ラ ンナーが正しく本塁に滑り込んでいた場合には、本項に違反したとはみなされ ない。 「原注」ランナーが触塁の努力を怠って、肩を下げたり、手、肘又は腕を使っ て押したりする行為は、本項に違反して最初からキャッチャー又は野手と接触 するために、又は避けられたにもかかわらず最初から接触をもくろんで走路を 外れたとみなされる。ランナーが塁に滑り込んだ場合、足からのスライディン グであれば、ランナーの尻及び脚がキャッチャー又は野手と接触する前に地面 に落ちたとき、またヘッドスライディングであれば、キャッチャー又は野手が ランナーの走路をブロックした場合は、本項に違反してランナーが避けられた にもかかわらず接触をもくろんだということを考える必要はない。 (2)キャッチャーがボールを持たずに得点しようとしているランナーの走 路をブロックすることはできない。もしキャッチャーがボールを持たずにラン ナーの走路をブロックしたと審判員が判断した場合は、審判員はそのランナー にセーフを宣告する。前記にかかわらず、キャッチャーが送球を実際に守備し ようとしてランナーの走路をふさぐ結果になった場合(たとえば、送球の方向、 軌道、バウンドに反応して動いたような場合)には、本項に違反したとはみなさ れない。また、ランナーがスライディングすることでキャッチャーとの接触を 避けられたならば、ボールを持たないキャッチャーが本項に違反したとはみな されない。 本塁でのフォースプレイはには、本項を適用しない。 「原注」キャッチャーが、ボールを持たずに本塁をブロックするか(または実際 に送球を守備しようとしていないとき)、及び得点しようとしているランナーの 走塁を邪魔するか、阻害した場合を除いて、キャッチャーは本項に違反したと はみなされない。審判員が、キャッチャーが本塁をブロックしたかどうかに関 係なく、ランナーはアウトを宣告されていただろうと判断すれば、キャッチャ ーがランナーの走塁を邪魔又は阻害したとはみなされない。また、キャッチャ ーは、滑り込んでくるランナーに触球するときには不必要かつ激しい接触を避 けるために最大限の努力をしなければならない。滑り込んでくるランナーと日 常的に不必要なかつ激しい接触(たとえば、膝、れがーす、肘又は前腕を使っ て接触をもくろむ)をするキャッチャーはリーグ会長の制裁の対象となる。 「注」我が国では、本項の(1)、(2)ともに、所属する団体の規定に従う。 個人解釈・・・あくまで衝突による怪我の防止であって、このルールの導入は 経験上尐し遅かったような気がします。今までの試合では、 「先に足が入ってい たのに何でアウト・・・?」みたいなケースがたくさんありました。試合での 解釈がまだ一定のレベルになっていないので、みんなが使えるぐらいのレベル になるように、これから研修していきましょう。 41.ストライクゾーンの再確認・・・公認野球規則・・・2.74 STRIKE ZONE「ストライクゾーン」打者の肩の上部とユニフォー ムのズボンの上部の中間点に線を引いた水平のラインを上限とし、ひざ頭の下 部のラインを下限とする本塁上の空間をいう。 このストライクゾーンは打者が投球を打つための姿勢で決定されるべきであ る。 投球を待つ打者が、いつもと異なった打球姿勢をとってストライクゾー ンを小さく見せるためにかがんだりしても、球審は、これを無視してその打者 が投球を打つための姿勢に従って、ストライクゾーンを決定する。 個人解釈・・・本来のストライクゾーンは、普段の審判をしている時よりも高 い目であると思う。だから、高めを「ボール」ではなく、もっと「ストライク」 とコールすべきである。 審判しているみなさん、 「高いな~」という感覚でボールとコールしていません か?選手の服のどこを通過したか?という意識でみていますか? 集中ゲームの審判、頑張りましょう。 40.捕手への守備妨害・・公認野球規則 7.09インターフェア (f)ランナーが明らかにダブルプレーを行わせまいとして故意に打球を妨げ るかまたは打球を処理している野手を妨害したと審判員が判断したとき、審判 員はその妨害をしたランナーにアウトを宣告するとともに味方のプレーヤーが 相手の守備を妨害したものとしてバッターランナーに対してもアウトを宣告す る。この場合ボールデッドとなって他のランナーは進塁することも得点するこ ともできない。 (g)バッターランナーが明らかにダブルプレーを行わせまいとして故意に打 球を妨げるかまたは打球を処理している野手を妨害したと審判員が判断したと き、審判員はバッターランナーに妨害によるアウトを宣告するとともに、どこ かでダブルプレーが行われようとしていたかには関係なく、本塁に最も近いラ ンナーに対してもアウトを宣告する。この場合ボールデッドとなって他のラン ナーは進塁することはできない。 39.ラインアウト 【ラインアウト】 <走者が3フィートを越えて外側に膨らんで走塁しているときのラインアウト について> *特に三塁から本塁へ向かっている走者は、まず上記の状態にあることが多い ものです。このときは、走者の現在地と塁を結んだ直線の内側(要するに内野 への方向)3フィートが走路と見なされます。つまり走路外端ぎりぎりの位置 にいるわけです。したがって、野手がタッグしようとしたとき、走者が尐し でも外側へ移動したら「ラインアウト」となります。走者は内側へしか 移動はできません。そして、内側といっても、やはり3フィートを越えてタッ グを避ければ走者はアウトです。 走者が野手のタッグを避けて塁間を結ぶ線から3フィート以上離れたときに 宣告します。塁と塁を直線で結び、その左右各3フィート(91.4cm)が走者の 走路です。走者はこの範囲を越えて走塁することは自由です。しかし、球を持 った野手のタッグを3フィートを越えて避けた場合、審判員は走者を指差して 「ラインアウト」と宣告します。ラインアウトはボールインプレイですから、 プレイはそのまま続けられます。 *走者が塁間で挟撃(ランダウンプレイ)された際のラインアウト判定のコツ 二人の塁審で判定するときは、一人が走者の左側、もう一人が走者の右側に 位置し、走者のラインアウトに注意します。どちらの塁審が左右いずれに位置 するかが問題となりますが、これは走者が進塁する方向にいる塁審にまず任せ ます。例えば一・二塁間でしたら、二塁塁審(二塁に移動している三塁塁審) に左右の位置決めに優先権があります。一塁塁審は二塁塁審が向かって左に位 置したら右側に、右側に位置したら左側に陣取ります。ラインアウトの宣告は、 左右どちらかに位置している塁審に依頼します。挟撃プレイのときは、送球が 野手から野手へ幾度となく渡り、それにしたがって走者も塁間を行ったり来た りという状態になります。審判員は決してそれらにつられてむやみに動いては なりません。むしろやや遠めにプレイを注視することがコツです。そして、実 際にタッグが行われる寸前には思いきって走者に接近します。もちろんこのと きラインアウトのことを念頭におかなければなりません。 一人の審判員で挟撃プレイを判定するときは、走者の左右どちらのラインア ウトをも宣告する必要があります。野手と走者、そして送球がよく見える位置 を占めましょう。一人の際は、なおさら走者や野手につられて動き回らないこ とです。これは状況の変化に即座に対応できるようにするためです。緊迫した 状況でも決してあわてることなく、余裕を持って判定する。審判員に大切なこ とです。 38.野手が打球処理のボールを暴投・・・ (追加資料) 公認野球規則7.05の(g) 7.05・・次の場合(打者走者)は、アウトにされるおそれなく進塁するこ とができる 7.05の(g)項 ●・・・二個の塁が与えられる場合―送球が、 (1)競技場内観衆があふれ出ていないときに、スタンドまたはベンチに入っ た場合 (ベンチの場合は、リバウンドして競技場に戻ったかを問わない) 審判員は二個の進塁を許すにあたって、次の定めに従う。すなわち、打 球処理の内野手の最初のプレイに基づく悪送球であった場合は、投手の 投球当時の各走者の位置、その他の場合は、悪送球が野手の手を離れた ときの各走者の位置を基準として定める。 (例)無死1.2塁、ヒットエンドランが決まり、サードゴロを三塁手が 捕り、2塁へ送球したが、間一髪走者の足がはやくセーフ、2塁手はそのまま 体勢が崩れたまま1塁へ送球したが暴投となった。ボールは1塁のボールデッ ドラインを越えた。 個人解釈・・・この場合、2塁手のプレーは最初のプレーにあたら ない。よって内野ゴロであっても投手が投げた時の占有塁ではなくて、2塁手 が1塁へ投げた時の占有塁であるので、1塁走者は2塁から二個の塁が与えら れるので、ホームインとなる。 「原注 1」ときによってはランナーに 2 個の塁が与えられないこともある。例 えば、ランナー1 塁のときバッターが浅いライトフライを打った。ランナーは 1、 2 塁間で立ち止まっており、バッターは 1 塁を過ぎてランナーの後ろまできた。 打球は捕らえられず外野手は 1 塁に送球したが送球はスタンドに入った。すべ てボールデッドとなったときは、ランナーは進む権利を与えられた塁以上には 進塁できないから、1 塁ランナーは 3 塁へ、バッターは 2 塁まで進む。 *満塁等であっても一番前のランナーの位置を基準に判断すべきである。バッ ターランナーは打ったら走り出しているので、バッターランナーは前のランナ ーが決まってから判断する。 37.走者の足に打球が当たる・・ 公認野球規則7.09の(f)項 ◎例・・ワンアウト1.2塁、ダブルプレー守備のショートの前にボールが飛んだ。2 塁走 者がボールを避けようとしたが足に当たりファールゾーンまで転がった。 (f)ランナーが明らかにダブルプレーを行わせまいとして故意に打球を妨げ るかまたは打球を処理している野手を妨害したと審判員が判断したと き、審判員はその妨害をしたランナーにアウトを宣告するとともに味 方のプレーヤーが相手の守備を妨害したものとしてバッターランナー に対してもアウトを宣告する。この場合ボールデッドとなって他のラ ンナーは進塁することも得点することもできない。 6 月 11 日の西武―広島戦で起きた。9 回1死1・2塁で、打球はショートの前 のゴロ。2 塁走者の足に当たってボールデッド。しかし、故意なら走者 アウト、バッターランナーアウトのダブルプレーになる。しかし、審 判は故意ではなかったとして、再開したが、その後2死から四球、ヒ ットで西武の勝利になった。当たっていなかったら、ダブルプレーで チェンジになっていたので、広島としては納得出来ないであろう。 7.09の(m)項→このページの1番に掲載されてる内容です。 ●・・・野手(投手を含む)に触れていないフェアボールが、フェア地域で走者に触れた 場合。→ランナーアウト ただし、走者がフェアボールに触れても、 (1)いったん内野手(投手を含む)に触れたフェアボールに触れた場合 (2)一内野手(投手をのぞく)に触れないでその股間または側方を通過したフェアボー ルにすぐその後方で触れても、この打球に対して、他のいずれの内野手も守備す る機会がない場合。 (1) (2)の場合には、審判員は走者が打球に触れたという理由でアウトを宣告 してはならない。 個人解釈 ショートのすぐ後ろで避けられなかった場合は、二塁走者は石ころと同じで イレギュラーしたと判断しプレイはそのまま続行かと思われる。ただし、シ ョートの後方で明らかに避けられる余地はあったと審判が判断した場合はラ ンナーアウトを宣告しなければならないと思います。 *足に当たったボールがそのままファールラインを越えてしまった場合はど う判断したらよいか・・・ *ここで言うファールラインとは、ローカルルールで、球場で言うと、スタ ンドに入る・ベンチにボールが入ることと同じ解釈をする 36 公認野球規則 5・09(f) (f)内野手(ピッチャーを含む)に触れていないフェアボールが、フェア地域でランナ ーまたは審判員に触れた場合、あるいは内野手(ピッチャーを除く)を通過していないフ ェアボールが、審判員に触れた場合=バッターがランナーとなったために、塁を明け渡す 義務が生じた各ランナーは進む。ランナーがフェアボールに触れても、次の場合には審判 員はアウトを宣告してはならない。なお、この際は、ボールインプレイである。 (1)一旦、内野手に触れたフェアボールに触れた場合。 (2)1 内野手に触れないでその股間または側方を通過した打球にすぐその後方で触れて も、この ボールに対して他のいずれの内野手も守備する機会がなかったと審判員が判断し た場合。 「原注」打球がピッチャーを通過してから内野内に位置していた審判員に触れた場合はボ ールデッドとなる。 2015 年6月2日の DeNA とソフトバンクの試合で 2 塁塁審にあたるというプレーが起こり ました。 工藤監督は「2 塁走者も生還だ」と抗議に行きましたが、当たった瞬間にボールデッドとな り 1 個の進塁だけになりました。 *かつては、審判は6人制で、現在のように2塁審判が塁間よりも前に入っていなかった ので、こういうことは起こらなかったと思います。 現在のように審判の後ろに内野手がいる場合は、ルール改正をしていかないと攻撃側が 不利になる場面が出るのではないかと思います。 35 公認野球規則 1・15 『投手のグラブ』 投手を含む野手のグラブの規格及び構造は、1・14 の規定のとおりであるが、別に次の制 限がある。 (a)投手用のグラブは縫い目、しめひも、ウェブ(網)を含む全体が一色であることが 必要で、しかもその色は、白色、灰色以外のものでなければならない。守備位置に関係な く、野手はPANTONE®の色基準 14 番よりうすい色のグラブを使用することはできな い。 「注」アマチュア野球では、所属する連盟、協会の規定に従う。 (b)投手は、そのグラブの色と異なった色のものを、グラブにつけることはできない。 (c)球審は、自らの判断または他の審判員の助言があれば、あるいは相手チームの監督 からの異議に球審が同意すれば、本条(a)または(b)項に違反しているグラブを取替 えさせる。 34.野手が打球処理のボールを暴投・・・ (追加資料) 公認野球規則7.05の(g) 7.05・・次の場合(打者走者)は、アウトにされるおそれなく進塁す ることができる 7.05の(g)項 ●・・・二個の塁が与えられる場合―送球が、 (1)競技場内観衆があふれ出ていないときに、スタンドまたはベンチに入った場合 (ベンチの場合は、リバウンドして競技場に戻ったかを問わない) 審判員は二個の進塁を許すにあたって、次の定めに従う。すなわち、打球処理の 内野手の最初のプレイに基づく悪送球であった場合は、投手の投球当時の各走者 の位置、その他の場合は、悪送球が野手の手を離れたときの各走者の位置を基準 として定める。 (例)無死1.2塁、ヒットエンドランが決まり、サードゴロを三塁手が捕り、2塁 へ送球したが、間一髪走者の足がはやくセーフ、2塁手はそのまま体勢が崩れ たまま1塁へ送球したが暴投となった。ボールは1塁のボールデッドラインを 越えた。 個人解釈・・・この場合、2塁手のプレーは最初のプレーにあたらない。よっ て内野ゴロであっても投手が投げた時の占有塁ではなくて、2 塁手が1塁へ投げた時の占有塁であるので、1塁走者は2塁か ら二個の塁が与えられるので、ホームインとなる。 「原注 1」ときによってはランナーに 2 個の塁が与えられないこともある。例えば、ラン ナー1 塁のときバッターが浅いライトフライを打った。ランナーは 1、2 塁間で 立ち止まっており、バッターは 1 塁を過ぎてランナーの後ろまできた。打球は 捕らえられず外野手は 1 塁に送球したが送球はスタンドに入った。すべてボー ルデッドとなったときは、ランナーは進む権利を与えられた塁以上には進塁で きないから、1 塁ランナーは 3 塁へ、バッターは 2 塁まで進む。 33.公認野球規則 9.01(c) 審判員は本規則に明確に規定されていない事項に関しては、自己の裁量に基づいて、 裁定を下す権能が与えられている。 個人解釈・・・たとえば試合中に打者が打ったボールをトンビがボールをくわえて 飛んでいった。その時、走者は満塁であり、ボールは左中間を抜け るかどうか際どい当たりであった。この時のジャッジは公認野球規 則には載っていない。どうしますか? こんなときに、審判団が寄って協議し、そのプレーに裁定を下すこ とが出来るのです。 32.監督はグラウンドへは選手交代時以外は出られない 奈良県の公式戦においては、監督は選手交代時以外はグラウンドに出ることは出来 ないことになっています。 【2014年度 奈良県中学校総合体育大会 野球の部(注意事項) 】 ・監督は選手交代の申し出以外はグランド(正しくはグラウンド)に出てはいけ ない。 【競技中における注意事項】 ・ベンチの監督は、インプレー中にグランド(正しくはグラウンド)内に立ち入 ってはならない。 今年の夏の県総体で、ある会場では球場にもかかわらず選手や監督がベンチから出 て試合をしていました。残念なことに、1回戦では審判から注意はされなかったと 思います。 2回戦でこのチームの審判をして、1度目は部長先生に注意をしましたが、一向に 改善されず、2度目にグラウンドに出ていた監督に直接注意をしました。しかし、 監督は注意に対して返事することもなく入る気配もなかったので、再度「ルールで 決められているので入りなさい」と厳しく注意しました。 このような指導者がまだいるのかと思うと、尐し残念になりました。 31.ストライクゾーン・・・公認野球規則・・・2.74 STRIKE ZONE「ストライクゾーン」打者の肩の上部とユニフォームのズボン の上部の中間点に線を引いた水平のラインを上限とし、ひざ頭の下部のラインを下限と する本塁上の空間をいう。 このストライクゾーンは打者が投球を打つための姿勢で決定されるべきである。 投球 を待つ打者が、いつもと異なった打球姿勢をとってストライクゾーンを小さく見せるため にかがんだりしても、球審は、これを無視してその打者が投球を打つための姿勢に従って、 ストライクゾーンを決定する。 個人解釈・・・本来のストライクゾーンは、普段の審判をしている時よりも高い目である と思う。だから、高めを「ボール」ではなく、もっと「ストライク」とコ ールすべきである。 30. 『ベースコーチ』 ・・・公認野球規則・・・4.05 (a)攻撃側チームは攻撃期間中、2 人のベースコーチを 1 人は 1 塁近く、1 人は 3 塁近く を所定の位置につかせなければならない。 (b)ベースコーチは各チーム特に指定された 2 人に限られ、次のことを守らなければな らない。 (1)そのチームのユニフォームを着ること。 (2)常にコーチスボックス内に留まること。 「ペナルティ」審判員は本項に違犯した者を試合から除き、競技場から退かせる。 「原注」ここ数年ほとんどのコーチが片足をコーチスボックスの外に出したり、ラインを またいで立ったり、コーチスボックスのラインの外側に僅かに出ていることは、ありふれ たことになっているが、コーチは、打球が自分を通過するまで、コーチスボックスを出て 本塁寄り及びフェア地域寄りに立ってはならない。ただし、相手チームの監督が異議を申 し出ない限り、コーチスボックスの外に出ているものとはみなされない。しかし、相手チ ーム監督の異議申し出があったら審判員は規則を厳しく適用し、両チームのコーチがすべ て常にコーチスボックス内にとどまることを要求しなければならない。コーチがプレーヤ ーに「滑れ」 「進め」「戻れ」とシグナルを送るためにコーチスボックスを離れて、自分の 受け持ちのベースで指図することもありふれたことになっている。このような行為はプレ イを妨げない限り許される。 「注 1」監督が指定されたコーチに代わって、ベースコーチとなることは差し支えない。 「注 2」アマチュア野球では、ベースコーチを必ずしも特定の 2 人に限る必要はない。 「注 3」コーチがプレイの妨げにならない範囲でコーチスボックスを離れて指図することは 許されるが、例えば 3 塁コーチが本塁付近にまで来て得点しようとするランナー に対して「滑れ」とシグナルを送るようなことは許されない。 個人解釈・・・コーチが常にボックスから出ていたら、相手側の監督の異議があれば、審 判員は注意できるが、試合中にボックスから尐々出て、「回れ」や「滑れ」 などの指示はしてもいいということである。 したがって、審判が独自の判断で注意は出来ないということである。 29.反則打球・・・公認野球規則6.06 『バッターの反則行為』 次の場合、バッターは反則行為でアウトになる。 (a)バッターが片足または両足を完全にバッターボックスの外に置いて打った場合。 「原注」本項はバッターがバッターボックスの外に出てバットにボールを当てた(フェア かファウルかを問わない)とき、アウトを宣告されることを述べている。球審は故意フォ アボール(敬遠)が企てられているとき、投球を打とうとするバッターの足の位置に特に 注意を払わなければならない。バッターはバッターボックスから飛び出したり、踏み出し て投球を打つことは許されない。 打者はバッタースボックスに両足を置いた状態で打撃を行わなければならない。打撃姿 勢をとる段階では、両足をバッタースボックスの内に置くことが要求されているが、実際に 打撃を行う際には、片足でも完全にバッタースボックスの外に出て打撃を行った場合に、 反則打球とみなされる。ここでバッタースボックスを示す白線はバッタースボックスの一部 であり、白線を踏んでいる(少しでも足が白線にかかっている)限りは、反則打球とならな い。また、反則打球はバットに投球が当たったときに適用されるため、打球がフェアかファ ウルかは問わないし、ファウルチップでも適用され、空振りの場合は適用されない。 本塁を踏んだ状態でバットを投球に当てるとアウトとする処置を見かけるが、これは誤用 であり、野球では踵など足の一部がバッタースボックス内または白線上にあれば、同時 につま先が本塁を踏んだ状態であっても反則打球にはならない 打者が両足をバッタースボックス内に置いた状態から跳び、両足が空中にある間にバット を投球に当てた場合は、着地したときに両足または片足が完全にボックスの外に出てい ても反則とはしない運用がなされている。] 日本では 2005 年まで、スクイズプレイに伴う反則打球は、公認野球規則 7.08(g)(守備妨 害)を適用し、「無死または一死の場合は三塁走者がアウト、二死の場合は打者アウトと なり得点は記録されない」とされてきた。この規則は 2006 年に改正され、打撃が反則打 球である場合は打者をアウトにし、三塁走者は三塁に戻されることとなった。(規則 7.08(g)に関連する内容については守備妨害も参照のこと) このルール改正の結果、スクイズプレイを守備側に見破られてピッチアウトされそ うになった場合、打者はボックスからどれだけ外に出ようがとにかくバットに 球を当てさえすれば、自身はアウトになるが三塁走者がアウトになることは なくなった。2005 年までの守備妨害を適用する運用はこういったプレイを抑 止するためのものだった。 個人解釈・・・以前(2005年まで)は、 「タイム、反則打球、バッターアウ ト」 「ランナー戻りなさい」で、3 塁走者がいたときは、 「バッタ ーアウト」ではなく「3塁走者アウト」だったが、2006年 からは「3塁走者アウト」がなくなり、 「バッターアウト」にな った。ラインを完全に越えていても、空振りの場合は関係なく、 ストライクがコールされる。また、フェアー・ファールボール・ チップに関係なく、バットに当たればすべて適用される。 28.フェアボール・・・公認野球規則 2・25 1 一度ファウル地域に出ても再び内野に止まったときは、フェアボールである。 2 バウンドしながら内野から外野へ越えていく場合には 1 塁ベース・3 塁ベース 両点を基準として判断すべきであって、1 塁ベース・3 塁ベース両点を過ぎるとき に、フェア地域内かまたはその上方空間にあった場合は、その後ファウル地域に 出てもフェアボールである。 3 一度塁に触れればその後どの方向に転じても、すべてフェアボールである。 4 最初落ちた地点が内野と外野との境にあたる 1・2 塁間、2・3 塁間の線上または 外野のフェア地域であれば、その後内外野を問わずファウル地域に出ても、フェ アボールである。 5 フェア地域内またはその上方空間で、審判員またはプレーヤーに触れたときは すべてフェアボールである。 6 ボールが最初野手に触れた位置がフェア地域内の上方空間であれば、フェアボー ルである。この際、たとえその野手の身体の大部分、すなわち足、胴体などがフ ァイル地域内にあってもそれには関係しない。 「付記」フェア飛球はボールとファウルライン(ファウルポールを含む)との、相互 の位置によって判定しなければならない。野手がボールに触れたときにフェ ア地域にいたか、ファウル地域にいたかによって判定してはならない。 「原注」飛球が最初 1・本塁間または 3・本塁間の内野に落ちても、1 塁または 3 塁を 通過する前にプレーヤーまたは審判員に触れないでファウル地域へ転じ去っ た場合はファウルボールである。 飛球がファウル地域で止まるかファウル地 域でプレーヤーに触れた場合も、ファウルボールである。 飛球が 1 塁または 3 塁ベースに当たるか、あるいは 1 塁または 3 塁を越えた外野のフェア地域に 落ちれば、その後ファウル地域にバウンドして出た場合でもフェアボールで ある。 審判員がフェア、ファウルを正確に判定できるようにファウルボール のフェンスより上に出ている部分に、フェア地域に向かって金網を張り出し て取り付けることが望ましい。 「注」打球が地面以外のもの、例えばバッターが捨てたバット、キャッチャーが外し たマスクなどにフェア地域で触れたときは、ボールインプレイである。 「問」打球が 3 塁についているランナーに触れてからフェア地域に反転した場合は、 いかに判定すべきか。また、これがファウル地域に反転した場合はどうか。 「答」ボールがランナーと接触した位置によってフェアかファウルかを判定すべきも のであり、フェア地域で触れたときは、フェアボールである。従ってランナ ーはフェアの打球に触れたという理由でアウトになる。 (7・08f参照) 27.ルール改正への動き プロ、アマ合同の日本野球規則委員会は1月10日、 公認野球規則の一部改正を発表し、 ボークと疑われることと遅延行為を防止するため、 投手の三塁への偽投(投手板を踏んだままけん制の ふりをする動作)を禁止することになった。 また、これまで投手に規定されていたグラブの色の制限に加え、 全守備位置の選手に対し、ボールとの区別が付きにくい明るい色の グラブの使用を禁止する規則が加わった これを受けて、今後中学校軟式野球の試合でもルール改正への動きになってい くと思います。1次集中ゲームの抽選会で、この2点については何らかの動き はわかると思います。(すぐの適用はないでしょう) 26.走者が捕手に体当たり 2013年2月 日本アマチュア野球規則委員会の内容より抜粋 (5)走者が危険な接触・スライディングで野手を妨害(タッグプレイ) 【ラフプレイ禁止ルール アマ内規⑦】 ◎ 1死、走者2塁。打者の安打により2塁走者が本塁に向かい、送球を受けた捕 手が明らかにボールを保持して走者にダッグしようとしたところ、走者は捕手の落 球を誘おうとして故意に接触した。このため捕手は落球し、走者は本塁に触れた。 2塁走者が捕手に故意に接触し、捕手が落球 → 球審は、前方に進み出て大き く『タイム』 他の審判員も『タイム』 球審は、2塁走者を指さして『インターフェアランス』 That’s interference !” 続いて、『2塁走者、アウト』Runner is out !” 4人の審判員で協議し、打者走者が妨害発生の瞬間に達していた塁を確認した 後、進塁・帰塁を指示します。 この規則は、フェアプレイの精神に則り、プレーヤーの安全を確保するため、 攻撃側のプレーヤーが野手の落球を誘おうとして、あるいは触塁しようとして、意 図的に野手に体当たりする、あるいは乱暴に接触することを禁止するものです。 ダッグプレイのとき、野手が明らかにボールを保持している場合、 走者は(たとえ走路上であっても)野手を避ける、あるいは減速するなどして野手 との接触を回避しなければなりません。 走者は①野手との接触が避けられた、②野手の落球を誘おうとしていた、③野 手の落球を誘うために乱暴に接触したと審判員が判断すれば、その行為は故意とみ なされ、たとえ野手がその接触によって落球しても、走者にはアウトが宣告されま す。 この場合ただちにボールデッドとなり、全ての走者は妨害発生の瞬間の占有塁 に戻します。 なお、走者の行為が悪質な場合は、その走者を試合から除く場合もあります。 25.打撃順に誤りがあった場合 ・・公認野球規則 6.07 (a)打順表に記載されているバッターがその番のときに打たないで、番でないバッター (不正位バッター)が打撃を完了した(ランナーとなるかアウトになった)後、相手方が この誤りを発見してアピールすれば正位バッターはアウトを宣告される。 ただし、不正位バッターの打撃完了前ならば正位バッターは不正位バッターの得たストラ イク及びボールのカウントを受け継いでこれに代わって打撃につくことは差し支えない。 (b)不正位バッターが打撃を完了したときに守備側チームが“ピッチャーの投球”前に 球審にアピールすれば、 球審は、 (1)正位バッターにアウトを宣告する。 (2)不正位バッターの打球によるものかまたは不正位バッターがヒット、エラー、デッド ボール、その他で 1 塁に進んだことに起因した、すべての進塁及び得点を無効とする。 24.スクイズプレイの妨害 3 塁ランナーが、スクイズプレイまたは盗塁によって得点しようと試みた場合、キャッチ ャーまたはその他の野手がボールを持たないで、本塁の上またはその前方に出るか、ある いはバッターまたはバッターのバットに触れたときには、ピッチャーにボークを課して、 バッターはインターフェアによって 1 塁が与えられる。この際はボールデッドとなる。 「注 1」キャッチャーがボールを持たないで本塁の上またはその前方に出るか、あるいはバ ッターまたはバッターのバットに触れた場合は、すべてキャッチャーのインターフェアと なる。特に、キャッチャーがボールを持たないで本塁の上またはその前方に出た場合には、 バッターがバッタースボックス内にいたかどうか、あるいは打とうとしたかどうかに関係 なく、キャッチャーのインターフェアとなる。またその他の野手の妨害というのは、例え ば、1 塁手などが著しく前進してきて、ピッチャーの投球を本塁通過前にカットしてスクイ ズプレイを妨げる行為などを指す。 「注 2」すべてのランナーは、盗塁行為の有無に関係なく、ボークによって 1 個の塁が与え られる。 「注 3」本条は、ピッチャーの投球が正規、不正規に関わらず適用される。 「注 4」ピッチャーが投手板を正規にはずしてランナーを刺そうと送球したときには、キャ ッチャーが本塁上またはその前方に出ることは、正規なプレイであって、バッターがこの 送球を打てば、かえってバッターは守備妨害として処置される。 23.自打球のアピールは? 自打球とは・・・ バッターボックス内で打者の打ったボールが、自分の足に当たった打球のこ とである。最近、ボテボテの内野ゴロを自打球とアピールして走らない打者が 増えているように思います。 その打席だけを考えての事だと思いますが、投手が全力投球で投げて内野ゴ ロにした打者なのに、それを簡単にアピールしてファールにするのは良くない と思います。打者は打ち損なってしまったので、 「次はしっかりミートさせてヒ ットにするぞー」と思いながら走れば、きっといい選手(模範生)になってい くに違いないと思います。これを読んでいる選手のみなさんや指導者のみなさ ん、自打球の間違ったアピールは自粛してほしいと思います。また、審判員の みなさんも、打者からのアピールに負けない技術を習得させて、軟式野球発展 のために頑張っていきましょう。自打球でないと判断したならば、3審や、4 審の塁審の「ファール・ファール」というコールが出るまで、選手のアピール があっても、人差し指の「フェアー」を入れてプレーを続けさせましょう。も ちろん、当たったならば、即「ファールボール」と大きな声で判定することが 必要です。 9・02 『審判員の裁定』 (a)打球がフェアかファウルか、投球がストライクかボールか、あるいはラ ンナーがアウトかセーフかという裁定に限らず、審判員の判断に基づく裁定は 最終のものであるからプレーヤー、監督、コーチまたは控えのプレーヤーがそ の裁定に対して異議を唱えることは許されない。 「原注」ボール、ストライクの判定について異議を唱えるためにプレーヤーが 守備位置または塁を離れたり、監督またはコーチがベンチまたはコーチスボッ クスを離れることは許されない。もし宣告に異議を唱えるために本塁に向かっ てスタートすれば、警告が発せられる。警告にもかかわらず本塁に近づけば試 合から除かれる。 (b)審判員の裁定が規則の適用を誤って下された疑いがあるときには、監督 だけがその裁定を規則に基づく正しい裁定に訂正するように要請することがで きる。しかし監督はこのような裁定を下した審判員に対してだけアピールする (規則適用の訂正の申し出る)ことが許される。 「注 1」イニングの表または裏が終わったときはピッチャー及び内野手がフェア 地域を去るまでにアピールしなければならない。 「注 2」審判員が規則に反した裁定を下したにもかかわらずアピールもなく定め られた期間が過ぎてしまったあとでは、たとえ審判員がその誤りに気づいても その裁定を訂正することはできない。 (c)審判員がその裁定に対してアピールを受けた場合は最終の指定を下すに 当たって、他の審判員の意見を求めることはできる。裁定を下した審判員から 相談を受けた場合を除いて、審判員は他の審判員の裁定に対して批評を加えた り、変更を求めたり異議を唱えたりすることは許されない。審判員が協議して 先に下した、裁定を変更する場合、審判員はランナーをどこまで進めるかを含 め、全ての処置をする権限を有する。この審判員の裁定に、プレーヤー、監督 またはコーチは異議を唱えることはできない。異議を唱えれば、試合から除か れる。 「原注 1」監督は、審判員にプレイ及び裁定を変更した理由について説明を求め ることはできる。しかし、いったん審判員の説明を受ければ、審判員に異議を 唱えることは許されない。 22.ランナーなしで動作を止める、と反則投球をするとの違い 公認野球規則8・01 まず、反則投球とは・・・ ・投球板に触れずに投球【反則投球】 ・打者が十分に構えていないのに投球【反則投球】 ・規定されている投球動作(ワインドアップ・セットポジション)に反した投球【反則投 球】などがあります。 ●走者がいない場合 走者がいない状態では「ボークが発生しない」ことになっています。なぜな らば、ランナーがいなければ牽制は発生しませんので、牽制に関するボークは ありえません。また、投球動作を途中で止めてしまった場合は再度投球動作を やり直し、投球動作中にボールを落としてしまった時はボールを拾ってやり直 せ、ということです。これらの事を行っても「打者を騙す作用が無い」ので、 投球をやり直すだけでペナルティーが無いのです。投手の手から落ちたボール がレフト線やライト線を越えた場合には1ボールを与えます。 反則投球は打者を騙す作用がありますのでペナルティーとして「ボールカウ ント」が1つ増やされます。記録上はボークに含めず、投球数に数えます。こ の場合もこの投球を打者が打った時は打者が出塁すれば打撃が有効となり、出 塁出来なければ打撃が無かったことになります。 個人解釈 試合で、セットポジションで投げていたとき、ランナーがいないのに少し動い ただけで「ボーク」とコールし、1ボールを宣告する審判がいます。あれは、 ただやり直すだけでいいのではないでしょうか?、 21.走塁妨害(オブストラクション)・・公認野球規則 7・06 オブストラクションが生じたときには、審判員は“オブストラクション”を宣告 するかまたはそのシグナルをしなければならない。 (b)走塁を妨げられたランナーに対してプレイが行われていなかった場合に は、すべてのプレイが終了するまで試合は続けられる。審判員はプレイが終了 したのを見届けた後に、はじめて“タイム”を宣告し、必要とあれば、その判断で 走塁妨害によって受けたランナーの不利益を取り除くように適宜な処置をとる。 「原注」本項規定のようにオブストラクションによってボールデッドとならな い場合、走塁を妨げられたランナーが、オブストラクションによって与えよう と審判員が判断した塁よりも余分に進んだ場合は、オブストラクションによる 安全進塁権はなくなり、アウトを賭して進塁したこととなり、タッチされれば アウトになる。このアウトは、審判員の判断に基づく裁定である。 「注 1」例えばランナー2 塁のときバッターがレフト前ヒットした。左翼手は本 塁をうかがった 2 塁ランナーをアウトにしようと本塁へ送球した。バッターラ ンナーは 1 塁を越えたところで 1 塁手にぶつかったので審判員はオブストラク ションのシグナルをした。左翼手の本塁への送球はキャッチャーの頭上を越す 悪送球となったので 2 塁ランナーは、やすやすと得点することができた。オブ ストラクションを受けたバッターランナーはボールが転じているの見て 2 塁を 越え 3 塁をうかがったところボールを拾ったピッチャーからの送球を受け 3 塁 手に 3 塁到達前にタッチされたような場合審判員がバッターランナーにはオブ ストラクションによって 2 塁しか与えることができないと判断したときには 3 塁でのアウトは認められる。これに反して、バッターランナーが 3 塁手のタッ チをかいくぐって 3 塁に生きたような場合、その 3 塁の占有は認められる。い ずれの場合も、2 塁ランナーの得点は認められる。 「注 2」例えばバッターが 3 塁打と思われるような長打を放ち 1 塁を空過した 後、2 塁を経て 3 塁に進もうとしたとき遊撃手に妨げられて 3 塁へ進むことが できなかったような場合審判員はこの反則の走塁を考慮することなく妨害がな ければ達したと思われる 3 塁へ進めるべきである。もし野手がバッターの 1 塁 空過を知ってアピールすればそのバッターはアウトになる。走塁の失敗はオブ ストラクションとはなんら関係がないからである。 20.コールドゲーム・・ 公認野球規則 4.11 正式試合においては、試合終了時の総得点をもって、その試合の勝敗 を決する。 (d)コールドゲームは、球審が打ち切りを命じたときに終了し、その 勝敗はそのさいの両チームの総得点により決する。 【例外】 正式試合となった後のある回の途中で球審がコールドゲームを宣した とき、次に該当する場合、その試合はサスペンデッドゲームとなる。 (1)ビジティングチームが・・・ (2)ビジティングチームが・・・ 【注】本項【例外】の適用について、我が国ではその試合をサスペンデ ッドゲームとしないで、両チームが完了した最終均等回の総得点 でその試合の勝敗を決することとする。 個人解釈 中学のほとんどの公式戦は、5回終了で試合が成立となっており、 たとえば7回の表終了時で、ビジッティングチーム(先攻チーム) が得点して逆転したが、裏の攻撃が始まる前に降雨コールドゲー ムが宣告された場合は、6 回終了時の総得点で勝敗を決めなけれ ばならない。つまり 6 回終了時でホームチーム(後攻チーム) が勝っていれば後攻チームの勝ちである。 19.打者の反則行為によるアウト・・ 公認野球規則 6.06 6.06・・次の場合、打者は反則行為でアウトになる。 (c)バッターがバッターボックスの外に出るか、あるいは何らかの動作によ って本塁でのキャッチャーのプレイ及びキャッチャーの守備または送球を妨害 した場合。しかし例外として、進塁しようとしていたランナーがアウトになっ た場合及び得点しようとしたランナーがバッターの妨害によってアウトの宣告 を受けた場合は、バッターはアウトにはならない。 「原注」バッターがキャッチャーを妨害したとき球審は妨害を宣告しなければ ならない。バッターはアウトになりボールデッドとなる。妨害があったときラ ンナーは進塁できず妨害発生の瞬間に占有していたと審判員が判断した塁に帰 らなければならない。しかし、妨害されながらもキャッチャーがプレイをして アウトにしようとしたランナーがアウトになった場合には現実には妨害がなか ったものと考えられるべきでそのランナーがアウトとなりバッターはアウトに はならない。その際、他のランナーはランナーがアウトにされたら妨害はなか ったものとするという規則によって進塁も可能である。この様な場合、規則違 反が宣告されなかったようにプレイは続けられる。バッターが空振りし自然の 打撃動作によるスイングの余勢か振り戻しのときその所持するバットがキャッ チャーがまだ確捕しない投球に触れるかまたはキャッチャーに触れたために、 キャッチャーが確捕できなかったと審判員が判断した場合はバッターの妨害と はしないがボールデッドとしてランナーの進塁を許さない。バッターについて は第一ストライク、第二ストライクに当たるときは、ただストライクを宣告し 第三ストライクに当たるときはバッターをアウトにする(2 ストライク後の”フ ァウルチップ“も含む)。 「注 1」バッターが空振りしなかったとき、ピッチャーの投球をキャッチャーが そらし、そのボールがバッターボックス内にいるバッターの所持するバットに 触れた際は、ボールインプレイである。 「注 2」本項は、キャッチャー以外の野手の本塁でのプレイをバッターが妨害し た場合も含む。バッターに妨害行為があってもランナーを現実にアウトにする ことができたときにはバッターをそのままとしてそのランナーのアウトを認め 妨害と関係なくプレイは続けられる。しかし、アウトの機会はあっても野手の エラーでランナーを生かした場合には現実にアウトが成立していないから本項 の前段を適用してバッターをアウトにする。なお、キャッチャーからの送球に よってランダウンプレイが始まろうとしたら審判員は直ちにタイムを宣告して バッターを妨害によるアウトにしランナーを元の塁に戻す。 18.捕手の打撃妨害 公認野球規則6・08(C)・・打者が安全に進塁できる場合 打者は次の場合走者となりアウトにされるおそれなく、安全に 1 塁が与えられ る。(ただし、打者が 1 塁に進んで、これに触れることを条件とする。) (c)捕手またはその他の野手が、打者を妨害(インターフェア)した場合。 しかし、妨害にもかかわらずプレイが続けられたときには攻撃側チームの監督 は、そのプレイが終わってから直ちに妨害行為に対するペナルティの代わりに、 そのプレイを生かす旨を球審に通告することができる。ただし妨害にもかかわ らず打者が安打、失策、四死球、その他で 1 塁に達し、しかも他の全走者が少 なくとも 1 個の塁を進んだときは妨害とは関係なくプレイは続けられる。 「原注」 捕手の妨害が宣告されてもプレイが続けられたときは、そのプレイが終わっ てからこれを生かしたいと監督が申し出るかもしれないから、球審 はそのプレイを継続させる。打者走者が 1 塁を空過したり走者が次 塁を空過しても、(7・04 付記)に規定されているように、塁に到 達したものとみなされる。 監督がプレイを選ぶ場合の例。 ①1 死走者 3 塁、打者が捕手に妨げながらも外野に飛球を打ち、捕 球後 3 塁走者が得点した。監督は、打者アウトで得点を記録するの と、走者 3 塁、1 塁(打者が打撃妨害により出塁)とのいずれかを 選んでもよい。 ②無死走者 2 塁、打者は捕手に妨げながらもバントして走者を 3 塁 に進め自らは 1 塁でアウトになった。監督は無死走者 2 塁、1 塁と するよりも走者 3 塁で 1 死となる方を選んでもよい。 3 塁走者が盗塁またはスクイズプレイにより得点しようとした場合 のペナルティは、7・07 に規定している。 投手が投球する前に捕手が打者を妨害した場合、打者に対する妨害 とは考えられるべきではない。このような場合には、審判員はタイ ムを宣告して“出発点”からやり直させる。 「注 1」監督がプレイを生かす旨を球審に通告するに当たってはプ レイが終わったら、直ちに行わなければならない。なお、一旦通 したら、これを取り消すことはできない。 「注 2」監督が妨害によるペナルティの適用を望んだ場合 6・08(c)によ って次のとおり解釈できる。 捕手(または他の野手)が打者を妨害した場合打者には 1 塁が与えられる。3 塁 走者が盗塁またはスクイズによって得点しようとしたときに、この妨害があっ た場合にはボールデッドとし 3 塁走者の得点を認め、打者には 1 塁が与えられ る。3 塁走者が盗塁またはスクイズで得点しようとしていなかったときに、捕手 が打者を妨害した場合にはボールデッドとし打者に 1 塁が与えられ、そのため に塁を明け渡すことになった走者は進塁する。盗塁を企てていなかった走者と 塁を明け渡さなくてもよい走者は、妨害発生の瞬間に占有していた塁に留め置 かれる。 個人解釈 走者3塁でヒットエンドランの時、捕手が打者の打撃を妨害して内野ゴロに なり一塁でアウトになった。この場合は、打者は捕手の打撃妨害で一塁に進み、 3塁走者はホームインが認められる。ただし、ヒットエンドランやスクイズが 企てていなかったときは、打者走者の一塁だけが認められ、一塁・三塁で試合 が再開される。 17.野手とランナーコーチが接触(守備側の権利優先) ・・ 公認野球規則 7.11 攻撃側チームのプレヤー、ベースコーチまたはその他のメンバーは、打球あ るいは送球を処理しようとしている野手の守備を妨げないように、必要に応 じて自己の占めている場所(ダッグアウト内も含む)を譲らなければならな い。 ペナルティ 守備妨害(インターフェア)を宣告し、そのプレイの対象であった打者ま たは走者をアウトにする。 個人解釈 ファールフライを追いかけている選手とベースコーチがぶつかって、この選 手がフライを捕球出来なかった場合、 『この接触が無ければフライを捕れてい た』と審判が判断すれば、このベースコーチに守備妨害が適用され、打者が アウトになります。 しかし、こういった接触があってもファールフライの落ちた位置がこの場 所からはるか遠くで、接触が無くても捕る事は出来なかったであろうと審判 が判断した場合は、妨害は無かったものとし、通常のファールと同じ扱いに なります。 16.走者と野手が接触・・・ 公認野球規則 7.08(b)項 7.08・・・次の場合走者はアウトになる。 (b)走者が、送球を故意に妨げた場合、または打球を処理しようとしている野手 の妨げになった場合。 【原注1】 打球(フェアボールとファウルボールとの区別なく)を処理しようとしてい る野手の妨げになったと審判員によって認められた走者は、それが故意であ ったか故意でなかったかの区別なくアウトになる。 しかし、正規に占有を許された塁についていた走者が、フェア地域とファウ ル地域のとの区別なく守備の妨げになった場合は、審判員がその妨害を故意 と判断したときを除いて、その走者はアウトにはならない。審判員が、その 妨害を故意と宣告した場合には次のペナルティを科す。 無死または一死のときはその走者とにアウトを、二死後のときは打者にアウ トを宣告する。 15.審判員の裁定(ハーフスイング) (a)打球がフェアかファウルか、投球がストライクかボールか、あるいはランナ ―がアウトかセーフかという裁定に限らず、審判員の判断に基づく裁定は最 終のものであるからプレーヤー、監督、コーチまたは控えのプレーヤーがそ の裁定に対して異議を唱えることは許されない。 「原注」ボール、ストライクの判定について異議を唱えるためにプレーヤー が守備位置または塁を離れたり、監督またはコーチがベンチまたはコーチス ボックスを離れることは許されない。もし宣告に異議を唱えるために本塁に 向かってスタートすれば、警告が発せられる。警告にもかかわらず本塁に近 づけば試合から除かれる。 (b)審判員の裁定が規則の適用を誤って下された疑いがあるときには、監督だけ がその裁定を規則に基づく正しい裁定に訂正するように要請することができ る。しかし監督はこのような裁定を下した審判員に対してだけアピールする (規則適用の訂正の申し出る)ことが許される。 「注 1」イニングの表または裏が終わったときはピッチャー及び内野手がフェ ア地域を去るまでにアピールしなければならない。 「注 2」審判員が規則に反した裁定を下したにもかかわらずアピールもなく定 められた期間が過ぎてしまったあとでは、たとえ審判員がその誤りに気づい てもその裁定を訂正することはできない。 (c)審判員がその裁定に対してアピールを受けた場合は最終の指定を下すに当た って、他の審判員の意見を求めることはできる。裁定を下した審判員から相 談を受けた場合を除いて、審判員は他の審判員の裁定に対して批評を加えた り、変更を求めたり異議を唱えたりすることは許されない。審判員が協議し て先に下した、裁定を変更する場合、審判員はランナーをどこまで進めるか を含め、全ての処置をする権限を有する。この審判員の裁定に、プレーヤー、 監督またはコーチは異議を唱えることはできない。異議を唱えれば、試合か ら除かれる。 「原注 1」監督は、審判員にプレイ及び裁定を変更した理由について説明を求 めることはできる。しかし、いったん審判員の説明を受ければ、審判員に異 議を唱えることは許されない。 「原注 2」ハーフスイングの際、球審がストライクと宣告しなかったときだけ監督また はキャッチャーは振ったか否かについて、塁審のアドバイスを受けるよう球 審に要請することができる。球審はこのような要請があれば塁審にその裁定 を一任しなければならない。塁審は球審からの要請があれば直ちに裁定を下 す。このようにして下された塁審の裁定は最終のものである。ハーフスイン グについて監督またはキャッチャーが前記の要請を行ってもボールインプ レイであり、塁審がストライクの裁定に変更する場合があるから、バッター、 ランナー、野手を問わず状況の変化に対応できるよう常に注意していなけれ ばならない。監督がハーフスイングに異議を唱えるためにダッグアウトから 出て 1 塁または 3 塁に向かってスタートすれば警告が発せられる。警告にも かかわらず 1 塁または 3 塁に近づけば試合から除かれる。 監督はハーフス イングに関して異議を唱えるためにダッグアウトを離れたつもりでも、ボー ル、ストライクの宣告について異議を唱えるためにダッグアウトを離れたこ とになるからである。 (d)試合中、審判員の変更は認められない。ただし病気または負傷のため変更の 必要が生じた場合はこの限りではない。 個人解釈 公式戦であっても、予選や1回戦2回戦などは3審制で審判を行っており、 ハーフスイングのリクエストは出来ないことになっています。最近気になる ことは、このハーフスイングをストライクと判定しすぎる審判員が多いと思 います。4審制ならば尐々ボールと判定しても、捕手からのリクエストがで きるので、塁審の判断を仰いで判定を変える事は出来ます。そのバッターが ボールを打とうとしたスイングで、止めようとしたが回ってしまった場合は スイング判定でいいと思いますが、体が動いているがバットは明らかに止ま っている場合は、勇気を持って「ボール」とコールするべきだと思います。 たまにありませんか?「バット全然動いてないやろ~」なのに「ストライク」 っていう判定・・・。 14.ボールデッドラインの扱い方について 私たちが活用している公認野球規則の本や競技者必携の本は球場を対象とし て書かれています。中学校野球はいつも球場を使用するとは限らないので、 中学校のグラウンドを対象としたローカルルールが発生します。その中で、 一番ややこしくなるのが、必ず試合であるファールライン(ボールデッドラ イン)の扱い方です。県の中体連野球専門部の解釈では「空間上の位置で判 断」だそうです。つまり悪送球がゴロならば、ラインを越えた時点で「タイ ム」が宣告されます。また、打球がフライになり、走って捕球体勢に入って、 ファールエリアで捕球してもボールがグラブに入ったまま、ラインを越えて しまったら、 「タイム」が宣告され、ボールデッドとなります。また、このま まだと、止まれずにラインを越えてしまうと判断出来るときは、安全優先で 捕球の前に「ファールボール」を宣告することになっています。これはラン ナーがいるとき、いないときは関係ありません。 13.第3アウトの置き換え (出典 ウィキペディアより抜粋) フォースアウトでない第 3 アウトが成立しても、それ以外に有利なアピール プレイが残っている場合、守備側は第 3 アウト成立後であってもアピールプ レイを行うことができる。このアピールが認められ、審判員がアウトを宣告 した場合、このアウトはすでに成立した第 3 アウトと置き換えることができ る。第 3 アウト後のアピールアウトは第 4 アウトと記録するのではなく、す でにアウトとなった第 3 アウトの記録を取り消して、アピールアウトを第 3 アウトとして記録することになる。これを、 「第 3 アウトの置き換え」という。 イニング終了時におけるアピールは、投手および内野手全員がフェア地域を 離れるとその権利が消滅する。 第 3 アウトを置き換えたほうが守備側が有利になる場合とは、次のような場合である。 得点している走者が塁を空過している場合その走者の得点は認められない。 走者のフォースアウトまたは打者走者が一塁に達する前のアウトが第 3 アウトにあ たる場合 同じプレイ中にこのフォースアウトよりも先に走者が本塁を踏んでいても、得点は 記録されない。 前位の走者が塁を空過していたことによるアピールアウトが第 3 アウトにあたる場合 それより後位の走者については、アピールプレイが行われる前に本塁を踏んでいて も得点は記録されない。 例えば、二死一・二塁で打者が外野に二塁打を打ち、二塁走者が本塁通過後、返球を 受けた捕手が一塁走者に本塁手前で触球し、三死となった。しかし守備側が、 二塁走者が三塁を踏み損ねていたことに気づいていた場合、第 3 アウト成立 後であっても三塁に送球しアピールすれば、二塁走者を三塁でアウトにする ことができる。この場合、アピールがなかったら得点は 1 点だが、アピール した場合は得点していた二塁走者が三塁でアウトになったので 0 点となる。 また、二塁走者は三塁でフォースアウトになったことになるので、打者の二 塁打も取り消され、打数のみが記録される。 第 3 アウトの置き換えにまつわる有名なエピソードとして、水島新司の漫画『ドカ ベン』で描かれた「ルールブックの盲点の 1 点」がある。 一死で、三塁走者と、他に一塁や二塁走者がいるときに、スクイズプレイやヒットエンドラ ンなどで走者が投球と同時にスタートを切った状況を考えよう。打者が投球を打ち、これ が飛球やライナーになった場合、塁上の走者はスタートを切っているため、飛球が捕らえ られた場合のリタッチのための帰塁が難しくなる。守備側は、飛球を捕らえて二死、大きく 離塁している走者も続けてアウト(併殺)にし、これで三死で攻守交代することができる。 そこで、飛球を捕らえた野手が、三塁走者ではない他の走者が帰塁すべき塁(一塁また は二塁)に送球し、塁に触球したとする。これで第 3 アウトが成立したが、このアウトはフォ ースアウトではないことに注意が必要である。 このとき三塁走者が三塁にリタッチせず、第 3 アウト成立より先に本塁に到達していたと する。すると、この進塁はひとまず認められ、球審は「得点」を宣告する。ただし、三塁走 者は三塁にリタッチしていないから、守備側は、他の走者で第 3 アウトを成立させたあと でも、三塁に触球して、三塁走者がリタッチしていないことをアピールすれば、三塁走者を アウト(第 4 アウト)にすることができる。そうなれば、第 3 アウトの置き換えが行われ、こ のプレイでの得点は記録されない。 しかし、守備側が、三塁走者ではない他の走者をアウトにして第 3 アウトを成立させ、そ のままベンチに引き上げようとして投手及び内野手がフェア地域を離れると、三塁走者の 本塁到達は認められたことになるから、得点が記録される。 水島新司の野球漫画『ドカベン』単行本 35 巻(文庫版では 23 巻)では、これに関するエピ ソードが描かれており、ルールブックの盲点の 1 点と呼ばれている。また、転じて、アピー ルプレイを怠ったことによる失点全般を指すときにも使われる。ボールを持って塁に触れ るという共通の動作のため、フォースアウトとアピールアウトが混同されていることが守備 側の勘違いの要因と言えるプレイで、実際にも起きている。 最近の実際に起きた事例 2012 年、済々黌高校 対 鳴門高校 2012 年 8 月 13 日に行われた第 94 回全国高等学校野球選手権大会の第 6 日、済々黌 高校(熊本県)対鳴門高校(徳島県)戦の 7 回裏、済々黌の攻撃中一死一・三塁で、ライ ナー性の打球を遊撃手が捕球した。一塁走者はヒットエンドラン、三塁走者も飛び出して おり、一塁走者は帰塁をあきらめた。遊撃手は一塁手へゆっくり送球し、捕球した一塁手 が一塁に触球して一塁走者をアウトにした。三塁走者は送球が一塁手にわたる前に本塁 に到達していた。鳴門高校側はそのまま投手と内野手全員がファウルラインを越えたた め、アピール権が消失した。それを確認した審判団は三塁走者の得点を認めた。済々黌 は 5 回裏にも一死一・三塁の状況で同様の作戦を行っていたが、このときは球審が本塁 生還よりも第 3 アウトの方が先として退けていた。 なお済々黌の三塁走者は小学生時代、先述したドカベンにおけるエピソードを読んでおり、 得点成立を狙っていたことを試合後に明かしている。また、鳴門の捕手もルールは分か っていたが、打球の方向に集中していたため三塁走者が第 3 アウトよりも先に本塁に達し たことを把握できず、審判員へアピール出来なかったと語っている 12.ワインドアップポジションからセットポジションはボーク ・・・公認野球規則8・00投手 (例)一死走者1.3塁。投手は前の打者がフライでアウトになったあと、不注意で 両足を揃えて打者に正対しワインドアップポジションをとった。しかし、走 者がいることに気づき、そのまま横に足を90度向けてセットポジションに 移った。 8.01・・正規の投球―投球姿勢にはワインドアップポジションとセットポジションと の二つの正規のものがあり、どちらでも随時用いることができる。 投手は投手板に触れて捕手からのサインを受けなければならない。 (a)ワインドアップポジション 投手は、打者に面して立ち、その軸足は(投手板の側方にはみ出さないように) 全部投手板の上に置くか、投手板の前縁に触れて置き、他の足は、投手板の上に 置くか、投手板の後縁およびその延長線より後方に置く。 【原注 2】本条(a)項の姿勢から、投手は ①打者に投球してもよい。 ②走者をアウトにしようとして塁に踏み出して送球してもよい。 ③投手板をはずしてもよい(ボールを両手で保持した投手は、投手板をはずした ら必ず両手を身体の両側に下ろさなければならない)投手板をはずすときは、最 初に軸足から(右投げ投手は右足から)はずすべきで、自由な足を最初にははず すことは許されない。 また、前記の姿勢から、セットポジションに移ったりストレッチをすることは許 されない。・・・ 個人解釈 違反すればボークとなる 審判は投手が走者がいるのに、ワインドアップポジションに入ったら、ボーク をとる準備をして、そのままセットポジションに移ったら、即ボークを宣告 しなければならない。 11.ユニフォームの規定・・・競技者必携より(全日本軟式野球連盟) (財)全日本軟式野球連盟が編集発行している競技者必携の規定細則の10項の用 具・装具の3.ユニフォーム、他の中の2番目の項目に ・・・ 「袖の長さは両袖同一で、左袖に都・道・府・県名を必ずつけること。左袖に は他のものをつけてはならない。なお、右袖には社章、商標、クラブのマス コット等は付けても差支えない。」と明記されています。 個人解釈 2010年、田原本中学校が県新人戦に優勝し秋の近畿大会に出場しました。 そして、伏見中学校が最近よく練習試合をしていただいている、京都の「南 シニアフリーダム」と対戦して見事勝利し、全国大会の切符を手に入れまし た。田原本中学校の O 監督さんの話によると、大会終了後、軟野連の方から 「そのユニフォームでは全国大会に出場できませんよ」と言われたそうです。 よくよく話を聞くと、左袖には「奈良」という文字が入っていなかったそう です。結局、新しくユニフォームを新調されました。 以前は、奈良の中体連は今のように、軟野連主催の近畿大会に出場していな かったので、どんなユニフォームでも問題はなかったのですが、今は、新人 戦や春の選抜に優勝すると、軟野連主催の近畿大会に出場していくので、ユ ニフォームを新調するときは、左袖は県名だけにした方がいいかな?という ことです。また、右袖には校章などが入っても問題はありません。近畿大会 や全校大会出場はうちの野球部は関係ない???という学校は、気にせず好 きにしたらいいのでは、と思います。 10.インフィールドフライでバッターアウト・・・公認野球規則2・40 6・05(e) 7・08(f) ◎例・・一死満塁、打者は前進守備をしている二塁手のやや後ろに飛球を打ち上げた。 2・40・・ 無死または 1 死でランナーが 1・2 塁、1・2・3 塁にあるとき、バッター が打った飛球(ライナー及びバントを企てて飛球となったものを除く)で内 野手が普通の守備行為をすれば捕球できるものをいう。この場合、ピッチャ ー、キャッチャー及び外野手が内野で前記の飛球に対して守備したときは、 内野手と同様に扱う。審判員は、打球が明らかにインフィールドフライにな ると判断した場合には、ランナーが次の行動を容易にとれるように、直ちに インフィールドフライを宣告しなければならない。また打球がベースライン の近くに上がった場合にはインフィールドフライ・イフ・フェアを宣告する。 インフィールドフライが宣告されてもボールインプレイであるから、ランナ ーは離塁しても進塁してもよいが、そのフライが捕らえられればリタッチの 義務が生じ、これを果たさなかった場合には普通のフライの場合と同様アウ トにされる恐れがある。たとえ審判員の宣告があっても、打球がファウルボ ールとなれば、インフィールドフライとはならない。 「付記」インフィールドフライと宣告された打球が、最初に(何物にも触れないで)内野 に落ちても、ファウルボールとなれば、インフィールドフライとはならない。 またこの打球が、最初に(何物にも触れないで)ベースラインの外へ落ちて も、結局フェアボールとなれば、インフィールドフライとなる。 「原注」 審判員はインフィールドフライの規則を適用するにあたって、内野手が普通 の守備行為をすれば捕球できるかどうかを基準とすべきであって、例えば、 芝生やベースラインなどを勝手に境界線として設定すべきではない。たとえ、 フライが外野手によって処理されても、それは内野手によって容易に捕球さ れるはずだったと審判員が判断すればインフィールドフライとすべきである。 インフィールドフライはアピールプレイであると考えられるような要素はど こにもない。審判員の判断が優先し、その決定は直ちに下さなければならな い。インフィールドフライが宣告されたとき、ランナーは危険を承知で進塁 してもよい。インフィールドフライと宣告された飛球を内野手が故意落球し たときは 6・05(l)の規定にもかかわらずボールインプレイである。インフ ィールドフライの規則が優先する。 「注」インフィールドフライは、審判員が宣告して初めて効力を発する。 7・08(f)・・インフィールドフライと宣告された打球が、塁を離れているランナーに 触れたときはバッター、ランナーともにアウトになる。 「例外」インフィールドフライと宣告された打球が、塁についているランナ ーに触れた場合、そのランナーはアウトにならず、バッターだけがアウトと なる。 個人解釈 インフィールドフライは、内野手が容易に打球を捕球できると(外野手が前 に来て内野手の守備範囲の場合も含む)審判員が判断したときにだけ適用さ れると理解して良い。ライナーやバントの飛球に対しては上記の2・04に もあるように、審判員は宣告してはならない。 かつて、1991 年 6 月 5 日の横浜大洋ホエールズ対広島東洋カープ戦で、2-2 の同点で迎えた 9 回裏一死満塁の場面。大洋の打者・清水義之が本塁付近の 三塁線上に飛球を打ち上げ、球審の谷博は「インフィールドフライ・イフ・ フェア」の宣告をした。打球は広島の捕手・達川光男の頭上に跳ね上がり、 達川はワンバウンドしたボールをフェアグラウンド上で捕球して、本塁を踏 んで一塁に送球した。しかし三塁走者はワンバウンドしたので本塁へ走り、 ベースを踏んだ。この時点で横浜大洋ホエールズサヨナラゲームになった。 これは審判がインフィールドフライを宣告した時点でフォースプレイではな くなり、走者に対してはタッチプレイとなる。したがって、捕手は走ってき た三塁走者にタッチをしなければならない。そうすれば、バッターランナー はインフィールドフライでアウト。インプレイであるので、捕手が走者にタ ッチをすればダブルプレイでチェンジになる。 満塁でバントして小フライになった打球を審判員がインフィールドフライを 宣告してしまい、それを内野手が落球してしまった場合の処理はどうなるの だろうか? 9.一塁方向の打球処理で捕手が一塁へ投げたが打者走者に当たる ・・・公認野球規則6・05 ◎例・・無死走者なし。打者は打ち損ないでゆるいゴロが一塁方向へ転がった。捕手はボ ールを一塁へ投げたがラインの上を走っていた打者走者の腕に当たった。 6・05・・打者は、次の場合、アウトになる。 ●・・・6.05の項(k)の項 一塁に対する守備が行われているとき、本塁一塁間の後半を走るにさいして、 打者がスリーフットラインの外側(向かって右側) 、またはファウルラインの 内側(向かって左側)を走って、一塁への送球を捕らえようとする野手の動 作を妨げたと審判員が認めた場合。ただし、打球を処理する野手を避けるた めに、スリーフットラインの外側(向かって右側)またはファウルラインの 内側(向かって左側)を走ることはさしつかえない。 個人解釈 ライン上は走路に含まれるから、守備妨害とはならない。したがってボール インプレイで成り行きとなる。ボールがファウルゾーンに転がっていっても タイムはかからない。ファウルラインの内側(向かって左側)を走っていて ボールが走者に当たった場合は、当然走者はアウトになる。以前、兵庫県の 高砂市の大会で二塁打で走者二塁、送りバントをして三塁に進め、打者は一 塁でアウトになったが、ファウルラインの内側(向かって左側)を走ってい たということで野手の妨害はしていないのに打者走者はアウトになり、二塁 走者も三塁へ進めず二塁に戻されたことがあった。これはどうなんだろう か?今も疑問である。 8.走者がいないときに、投球動作中にボールが落ちた。・・・公認野球規則 8・01(d) ◎例・・無死走者なし。投手は打者に投げようとしたが、バランスを崩しボールが手から 落ちて転がっていった。 8・01・・正規の投球―投球姿勢にはワインドアップポジションとセットポジションと の二つの正規のものがあり、どちらでも随時用いることができる。 投手は投手板に触れて捕手からのサインを受けなければならない。 ●・・・8.01の項(d)の項 塁に走者がいないときに、投手が反則投球をした場合には、その投球にはボ ールが宣告される。ただし、打者が安打、失策、四死球、その他で一塁に達 した場合は除く。 【原注】投球動作中に、投手の手から飛び出したボールがファウルラインを越えたと きだけボールと宣告されるが、その他の場合は、投球とみなされない。塁に 走者がいれば、ボールが投手の手から落ちたときただちにボークとなる。 個人解釈 (l)一昨年の選抜大会でもあったが、走者がいないときに投球動作中にボールが落 ちてすぐに拾った場合は、何もカウントされずに再度投球となる。しかし、 転がってファウルラインを越えた場合はボールが宣告されなければならない。 走者がいた場合はすぐに「ボーク」となり、走者は安全に進塁となる。 7.空振りしたボールが打者に当たる・・公認野球規則 6・05f ◎例・・一死走者三塁。打者はツーストライクの後の 3 球目を空振りし、そのままボール が体に当たりバックネットまで転がった。三塁走者はホームインした。 6・05・・打者は、次の場合、アウトとなる。 ●・・・6.05の項(f)の項 二ストライクの後、打者が打った(バントの場合も含む)が、投球がバットに触 れないで、打者の身体に触れた場合。 個人解釈 (l)審判は空振りしているので「ストライク」をコールし、その時点で打者は三 振となり、同時にボールデッドとなる。したがって、三塁走者のホームイン は認められず三塁走者は戻って、二死三塁でプレイが再開される。 6.塁に走者がいるときは、次の場合ボークとなる・・公認野球規則 8.05 (13 項目あります) (a)投手板に触れているピッチャーが投球に関連する動作を起こしながら投球を中 止した場合。 *ランナーが出てファールボールが飛んだ後、投手がランナーの存在を忘れてセ ットポジションの態勢に入らず、プレートに両足を揃えてサインを見ました。 すぐに気づきその態勢で横にむき直してセットに入った場合はこの項のボー クに該当します。この場合は、そのまま後ろに下がってプレートを外してか ら再度セットに入り直さなければなりません。 (b)投手板に触れているピッチャーが一塁または三塁に送球する真似だけして 実際に送球しなかった場合。 (c)投手板に触れているピッチャーが塁に送球する前に足を直接その塁の方向に踏 み出さなかった場合。 (d)投手板に触れているピッチャーがランナーのいない塁へ送球したり送球する真 似をした場合。 (e)ピッチャーが反則投球をした場合。 (f)ピッチャーがバッターに正対しないうちに投球した場合。 (g)ピッチャーが投手板に触れないで投球に関連する動作をした場合 (h)ピッチャーが不必要に試合を遅延させた場合。 (i)ピッチャーがボールを持たないで投手板に立つかこれをまたいで立つか、ある いは投手板を離れていて投球するまねをした場合。 (j)ピッチャーが正規の投球姿勢をとった後、実際に投球するか塁に送球する場合 を除いて、ボールから一方の手を離した場合。 (k)投手板に触れているピッチャーが故意であろうと偶然であろうとボールを落と した場合。 (l)故意四球が企図されたときにピッチャーがキャッチャースボックスの外にいる キャッチャーに投球した場合。 「注」キャッチャースボックスの外にいるキャッチャーとは、キャッチャーがキャッ チャースボックス内に両足を入れていないことをいう。従って故意四球が企 図されたときに限って、ボールがピッチャーの手を離れないうちにキャッチ ャーが片足でもボックスの外に出しておれば本項が適用される。 (m)ピッチャーがセットポジションから投球するに際して完全に静止しないで投球 した場合。 個人解釈 (l)の故意四球が企図されたとき、はたして審判はそこまで見ているだろう か?高校野球を見ていると、セットポジションから投げる動作に入ったら、捕 手はボックスから出て捕球動作に入っているように思います。中学野球もそ の解釈でいいのでしょうか? 5.二塁走者が盗塁し投手が三塁へ送球・・ 公認野球規則8.01項(c) 8.05項(d) ◎例・・一死走者二塁。二塁走者は投手が打者に投げると思い三塁へスタートしたが、投 手はそれに気づき直接二塁へ投げた。 8.01の項(C) ●・・・投手が、準備動作を起こしてからでも、打者への投球に関連する動作を起こすま でなら、いつでも塁に送球することが、それに先立って、送球しようとする塁の 方向へ、直接踏み出すことが必要である。 8.05の項 ●・・・塁に走者がいるときは、次の場合ボークとなる。 (d)投手板に、触れている投手が走者のいない塁へ送球したり、送球のまねをした場 合。ただし、プレイの必要があればさしつかえない。 【問】走者一塁のとき、走者のいない二塁に送球したり、または送球するまねをしたらボ ークか。 【答】ボークである。しかし、一塁走者が二塁に盗塁しようとしたのを防ぐ目的で、第一 動作で二塁の方向に正しく自由な足を踏み出せばボークにならない。なお、投手が 投手版を正確にはずせば、ステップをしないで送球してもかまわない。 個人解釈 走者一塁のときはプレートを後ろにはずす場合が多い。走者二塁のときは、盗塁やヒ ットエンドランなどのサインが出たときに走者が投手の投球モーションを盗もうと早 くスタートすることが多く、この場合は自由な足を直接三塁方向へ踏み出せばボーク にならないと言うことです。 4.二人の走者が同時に 1 つの塁を占有・・ 公認野球規則7.03項 ◎例・・ノーアウト満塁、スクイズをはずされ、三塁走者が三塁へ戻り、二塁走者と二人 が三塁ベースを占有することになった。 7.03の項 ●・・・二走者が同時に一つの塁を占有することは許されない。ボールインプレイの際、 二走者が同一の塁に触れているときは、その塁を占有する権利は前位の走者に与 えられているから、後位の走者はその塁に触れていても触球されればアウトにな る。 個人解釈 このさい、三塁走者に触球してから二塁走者に触球したときは、競技者必携には 「審判員は塁に着いている三塁走者に触球したとき、“セーフ”とコールする」 (7.03、審判上の取り決め十二関連)と明記されています。二人への触球に 間があれば三塁走者に「セーフ」とコールできるが、間がない場合はどうなるか? そのときは、三塁走者へ向かって「セーフ」二塁走者に「アウト」を宣告して、 審判側の誤審を防がねばならない。 (県の審判講習会より) 3.ファウルチップの捕球・・・ 公認野球規則6.05の(b)項 ◎例・・ボールカウントはツーストライクで3球目をファウルチップし、捕手 がミットに当てたあと、胸に当てて落ちる前に取った。 6.05の(b)項 ●・・・第三ストライクと宣告された投球を、捕手が正規に捕球した場合。 【原注】 “正規の捕球”ということは、まだ地面に触れていないボールが、捕手のミットの 中に入っているという意味である。ボールが、捕手の着衣または用具に止まった 場合は正規の捕球ではない。また、球審に触れてはね返ったボールを捕らえた場 合も同様である。 チップしたボールが最初に捕手の手またはミットに触れてから、身体または用具 に当たってはね返ったのを、捕手が地上に落ちる前に捕球した場合は、ストライ クであり、第三ストライクにあたるときは、打者はアウトである。また、チップ したボールが、最初に捕手の手またはミットに当たっておれば、捕手が身体また は用具に手またはミットをかぶせるように捕球することも許される。 個人解釈 今まで、最初にミットに当たっていても正規の捕球ではないという解釈をし ていた審判の方々もおられると思います。最初にミットに当たれば落ちる前 に捕ればストライクであり、ツーストライクの後であれば三振ということに なります。ミットや手に当たらずに直接胸に当たったボールを捕球した場合 は、すぐに「ファールボール」と両手を挙げて宣告しなければならないとい うことです。 2.野手が打球処理のボールを暴投・・・ 公認野球規則7.05の(g)項 ◎例・・無死走者 1 塁、ヒットエンドランが成功し、ライト前にポテンヒット を打ち、ライトはライトゴロにするため 1 塁へ送球したがミットをはじきボ ールはファールラインを越えた。1 塁走者は 7.05の(g)項 ●・・・二個の塁が与えられる場合―送球が、 (1)競技場内観衆があふれ出ていないときに、スタンドまたはベンチに入った場合 (ベンチの場合は、リバウンドして競技場に戻ったかを問わない) 審判員は二個の進塁を許すにあたって、次の定めに従う。すなわち、打球処理の 内野手の最初のプレイに基づく悪送球であった場合は、投手の投球当時の各走者 の位置、その他の場合は、悪送球が野手の手を離れたときの各走者の位置を基準 として定める。 個人解釈 ヒットエンドランがかかっていたので、1 塁走者がライトの送球時に 2 塁に到 達していれば、そこから二個の塁が与えられるのでホームインとなり、バッ ターランナーは 2 塁へ。1 塁走者が 2 塁に到達していなければ、2 塁・3 塁で 再開される。 *ここで言うファールラインとは、ローカルルールで、球場で言うと、スタンド にボールが入る・ベンチにボールが入る、と同じ解釈をする *また、ボールは越えていないが、野手の足や体の一部がラインを越えた場合も上記と 同じ解釈をする。 1.走者の足に打球が当たる・・ 公認野球規則7.09の(m)項 ◎例・・ノーアウト満塁、前進守備のショートの横をボールが抜けた。2 塁走者がボールを 避けようとしたが足に当たりファールゾーンまで転がった。 7.09の(m)項 ●・・・野手(投手を含む)に触れていないフェアボールが、フェア地域で走者に触れた 場合。→ランナーアウト ただし、走者がフェアボールに触れても、 (1)いったん内野手(投手を含む)に触れたフェアボールに触れた場合 (2)一内野手(投手をのぞく)に触れないでその股間または側方を通過したフェアボー ルにすぐその後方で触れても、この打球に対して、他のいずれの内野手も守備す る機会がない場合。 (1) (2)の場合には、審判員は走者が打球に触れたという理由でアウトを宣告 してはならない。 個人解釈 ショートのすぐ後ろで避けられなかった場合は、二塁走者は石ころと同じで イレギュラーしたと判断しプレイはそのまま続行かと思われる。ただし、シ ョートの後方で明らかに避けられる余地はあったと審判が判断した場合はラ ンナーアウトを宣告しなければならないと思います。 *足に当たったボールがそのままファールラインを越えてしまった場合はど う判断したらよいか・・・ *ここで言うファールラインとは、ローカルルールで、球場で言うと、スタ ンドに入る・ベンチにボールが入ることと同じ解釈をする
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