果物の王様ドリアン

果物の王様ドリアン
シンガポール駐在員事務所
島
宗辰
4 月のコラムでも紹介したとおり、シンガポールはその国土の狭さと国の政策から、食料自給率は
約 10%と非常に低く、自給率の高い鶏卵でさえ約 23%、農用地は国土のわずか 1%程度しか存在しませ
ん(日本は約 12%)。ここシンガポールはアジアのハブとして繁栄しており、多くの人・物が集まること
を活用して、近隣諸国から輸入に生活の大部分を頼っています。そして、シンガポールに集まる物の中
でも一際目を引くのがドリアンです。
多くの果物が並ぶマーケットにおいてもドリアンの存在感は非常
に強く、ドリアンの有無がすぐに分かります。理由は、レストランや
地下鉄等の公共交通機関への持ち込みが禁止されるほどの強烈な
においです。シンガポールはいろんなことに罰金が科される国であり、
「洗練された」、
「罰金」と言う 2 つの意味をもつ「FINE」という言葉
にちなんで、FINE CITY(ファインシティ)と呼ばれています。地下
鉄の車内等には禁煙に対する罰金はもちろんのこと、ドリアンの持ち
込み禁止(罰金は科されませんが)が右の写真のように明記されてい
ます。
さて、ドリアンの強烈なにおいはご理解いただけたと思いますが、味はどのようなものを想像されま
すか?やはり南国のフルーツなのでとても甘く、その味は濃厚なカスタードクリームや甘いクリーム
チーズに例えられます。最初は美味しいと思わなかったけれど、そのうち「やめられない、とまらない」
といったドリアン中毒になる人も多いようです。日本の食べ物で、同じようににおいがきついけれど美
味しい物と言えば納豆といった感じでしょうか。
年中暑い東南アジアでは一年中フルーツが採れますが、ドリアンのおいしい季節は5∼10月といわれ
ています。この時期にシンガポールにお越しの際はぜひ、ドリアンをお試し下さい(どうしてもにおい
が苦手と言う方にはドリアンクッキーやキャンディーなどもあります)。先ほども申し上げたように、
ここシンガポールにはいろんなものが集まってきており、ドリアン以外にもマンゴスチン、
ランブータン、ドラゴンフルーツなどの熱帯フルーツも味わうことができます。
マーケットに並ぶドリアン
その場でカットしてくれます
パック詰めでも売られています
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