平成27年度 認定中心市街地活性化基本計画のフォローアップに関する

平成27年度
認定中心市街地活性化基本計画のフォローアップに関する報告
平成28年3月
大分市(大分県)
○計画期間:平成 25 年 4 月~平成 30 年 3 月(5
月(5 年 0 月)
Ⅰ.中心市街地全体に係る評価
1.平成 27 年度終了時点(平成 28 年 3 月 31 日時点)の中心市街地の概況
本市は平成25年3月29日に第2期目となる中心市街地活性化基本計画の認定を受け、平成
30年3月までの5年間に亘り「大きく変化するまち
経営スキームによるまちづくり戦略の構
築」をコンセプトに、
「激変する商業環境へのエリアマネジメントによる経営戦略の構築」
「変化
するまちと既存ストックの連続性による魅力の向上」「コミュニティ連携による新たな賑わいの
スキーム構築」という3つの活性化目標を掲げ、各事業に取り組んでいるところである。
本市の中心市街地では、新たな来街拠点として、平成25年7月に開館した「ホルトホール大
分」については、平成26年度に引き続き、平成27年度も来館者数が200万人を超えるなど、
多くの市民が利用し交流する来街拠点としての機能を十分果たしている。隣接する「大分いこい
の道」や上野の森口広場は「OITAサイクルフェス!!!2015」などさまざまなイベント開催に
活用され、新たな魅力が生まれている。さらに、平成27年4月には「JRおおいたシティ」と
「大分県立美術館」がオープンし、「JRおおいたシティ」については平成27年度末に入館者
数が2,420万人に達し、「大分県立美術館」については64万人に達するなど、大きなにぎ
わいが創出された。
同年7~9月には国内最大級の観光キャンペーンであるデスティネーションキャンペーンが
実施され、それに併せて来街者の利便性の向上やまちなかの回遊性の向上に向け、まちなかの情
報を幅広く提供する「まちなか案内所」を設置したほか、中心市街地の公園や店舗のトイレを舞
台にしたアートフェスティバル「おおいたトイレンナーレ2015」を開催した。また、大分駅
北口駅前広場や交通結節機能用地の整備、駐車場案内システムにより中心市街地へのアクセスが
改善されたことも相まって、県内外から多くの来街者が訪れ回遊することで、大きなにぎわいが
創出されたところである。
民間事業者等の取り組みとしては、これまでも活発なイベント等が開催されていたが、新たに
商店街と駅ビルを含む大型店とが連携し、まちなかでの大規模なイベントやバーゲン等が実施さ
れるなど、中心市街地の関係者が一体となってまちを盛り上げようとする機運の高まりや活気が
感じられる。
一方で、歩行者通行量調査の結果からは、天候等の影響も考えられるものの、通行量が大きく
増加した地点と減少した地点との差がみられ、中心市街地全体を面的に捉えた中で、にぎわい創
出、回遊性の向上を図るための新たな取り組みが必要となっている。
本市の中心市街地では大規模集客施設の建設や大型ハード事業による基盤整備がほぼ完了し
たことから、今後は、現在実施中の事業を着実に進めるとともに、関係者間の連携を強化し、イ
ベント開催等によるさらなるにぎわい創出の取り組みや、民間投資の活発化を促す取り組みを進
める必要がある。
1
2.平成 27 年度の取組等に対する中心市街地活性化協議会の意見
平成27年度には「JRおおいたシティ」と「大分県立美術館」がオープンしたが、それぞれ
が当初の目標を上回る入館者を達成し、大きな賑わいが創出された。また、2つの施設を結ぶ新
たな動線が形成されたことで人の流れが変化し、中心市街地の集客力が向上した。さらに、中心
市街地の商店街と大型店が連携してセール等のイベントを開催するなど、ハードの整備による変
化をチャンスと捉え、積極的なソフト面での展開を図っている。そのような取組により、中心市
街地のイメージアップが図られ、まち全体としての魅力が向上し、小売業年間商品販売額、歩行
者通行量、まちなか滞留時間の目標達成見込みにつながっていると考えられるが、その取組と結
果をふまえ、基本計画は概ね順調に進捗していると評価する。
ホルトホール大分前や大分いこいの道で開催されたスポーツや食に関するイベントでは、多数
の人が押し寄せ、大変賑わいをみせている。また、大分駅北口駅前広場の交通結節点機能が改善
されたことでアクセスがよくなり、外国人を含む多くの観光客が中心市街地に訪れるようになっ
た。今後は、イベントや観光に訪れた方々にとって、中心市街地が観光、買物、宿泊、飲食など
の受け皿となり、さらに回遊性が高まることを期待する。
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Ⅱ.目標毎のフォローアップ結果
1.目標達成の見通し
目標
目標指標
基準値
目標値
激変する商業環境への
小売業年間
804 億円
880 億円
エリアマネジメントに
商品販売額
(H23)
(H29)
歩行者通行量
291,535 人
350,000 人
353,056 人
の向上
(H23)
(H29)
(H27)
コミュニティ連携による
32.2%
(H23)
40%
40.8%
(3 時間以上
(H29)
(H27)
最新値
前回の
見通し
今回の
見通し
平成 28 年度フォローアップ
よる経営戦略の構築
変化するまちと既存スト
ックの連続性による魅力
新たな賑わいのスキーム
まちなか滞留時間
構築
①
①
①
①
滞在の割合)
<取組の進捗状況及び目標達成に関する見通しの分類>
①取組(事業等)の進捗状況が順調であり、目標達成可能であると見込まれる。
②取組の進捗状況は概ね予定どおりだが、このままでは目標達成可能とは見込まれず、今後対策を講じる必要があ
る。
③取組の進捗状況は予定どおりではないものの、目標達成可能と見込まれ、引き続き最大限努力していく。
④取組の進捗に支障が生じているなど、このままでは目標達成可能とは見込まれず、今後対策を講じる必要がある。
2.目標達成見通しの理由
2.目標達成見通しの理由
目標1.小売業年間商品販売額
目標達成に寄与する主要事業である「JR大分駅ビル整備事業」が完了し、平成27年4月に開業
した。公式発表によると、平成27年度の入館者数は 2,420 万人、売上高は 224 億円であり、いずれ
も開業1年間の目標値を上回って好調に推移していることから、中心市街地全体の売上回復と集客の
回復に大きく寄与したと考えられる。
第1期基本計画から引き続き進めている空き店舗対策事業による新規出店については、第2期にお
いても40店舗を目指しており、平成25年度は17店舗、平成26年度は21店舗、平成27年度
は49店舗の出店があるなど、順調に進んでいる。
また、平成27年度の販売額は現時点では算出していないが、「JR大分駅ビル整備事業」の状況
等から判断し、目標達成は可能であると見込まれる。
目標2.歩行者通行量
平成27年11月に実施した歩行者通行量調査の結果で、目標値である 350,000 人を上回る
353,056 人となった。目標達成に寄与する主要事業である「JR大分駅ビル整備事業」
「大分県立美術
館整備事業」が完了し、駅から美術館を結ぶルートの地点で通行量の増加傾向が顕著であった。
全体的にみれば、昨年度に比べて減少している地点はあるものの、新たな集客施設が完成したこと
や、既存商業地の相互連携により、まちなかの回遊性の向上を図る取り組みも行われていることから、
今後も目標を上回ることが可能であると見込まれる。
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目標3.まちなか滞留時間
平成27年11月に歩行者通行量調査と併せて実施した来街者へのアンケート調査の結果、3時間
以上滞在した人の割合は目標値の40%を超える40.8%となった。これまで進めてきたにぎわい
創出の取り組みや「まちなか出店支援事業」等による新規出店の効果に加え、目標達成に寄与する主
要事業である「JR大分駅ビル整備事業」や「大分県立美術館整備事業」の大きな効果によるものと
考えられる。
今後も、各事業を着実に進め、来街者の滞在時間の延長や回遊性の向上を図る取り組みを実施して
いくことで、目標を上回ることが可能であると見込まれる。
3.前回のフォローアップと見通しが変わった場合の理由
3.前回のフォローアップと見通しが変わった場合の理由
今回のフォローアップと前回のフォローアップの見通しが変わったところは無い。
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4.目標指標毎のフォローアップ結果
4.目標指標毎のフォローアップ結果
「小売業年間商品販売額」※目標設定の考え方
基本計画P81~P85参照
●調査結果の推移
年
H23
(単位:億円)
804 億円
(基準年値)
H24
806 億円
H25
-
H26
800 億円
H27
-
H28
H29
880 億円
(目標値)
※調査方法:商業統計及びアンケート調査により推計
※調 査 月:平成 27 年 3 月(市)
※調査主体:経済産業省、大分市
※調査対象:商業関係事業者(経済産業省)、中心市街地大型商業施設及び商店街
組織加盟店(5 商店街振興組合)(市)
●目標達成に寄与する主要事業の進捗状況及び事業効果
①.JR大分駅ビル整備事業(JR九州)
事業完了時期
事業概要
平成 27 年度【済】
中心市街地の交通の要である大分駅の隣接地に、商業施設・温浴施
設・シネマコンプレックスなどの大規模集客施設を整備する事業
平成 27 年 4 月 16 日開業。開業後、来館者数は順調に推移し、半年
事 業 効 果 及 び 進 で 1,000 万人を突破、平成27年度末には 2,420 万人と開業 1 年間
捗状況
での目標の 1,100 万人を大きく上回った。売上についても目標の 200
億円を超える 224 億円となっており、目標達成に寄与している。
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②.まちなか出店支援事業等(個人事業者及び商店街団体)
事業完了時期
平成 29 年度【実施中】
中心市街地で意欲のある商業者や起業者に対して、大分まちなか倶
楽部や大分商工会議所、商店街等と連携を図りながら空き店舗への
事業概要
出店や起業に関わる経費の一部の補助を行うとともに、開業にあた
ってのアドバイスやフォローアップ等のテナントミックス事業を行
うもの。
第 1 期基本計画の大きな成果(122 店舗の新規出店)により、第 2
期基本計画においても引き続き取り組みを継続。平成 25 年度は 17
店舗、平成 26 年度は 21 店舗、平成 27 年度は 49 店舗の新規出店が
事 業 効 果 及 び 進 あった。
「JRおおいたシティ」や「大分県立美術館」のオープンに
捗状況
より、来街者の増加など中心市街地の魅力が高まり、出店希望が増
加したと考えられる。今後も空き店舗の解消に向け、戦略的な店舗
配置や経営の安定化など新規出店者や既存店舗の業態に合わせたサ
ポートを充実させる取り組みを継続していく。
③.ホルトホール大分整備事業(大分市)
事業完了時期
平成 25 年度【済】
中心市街地の複合的文化交流施設として、多くの市民や団体・企業・
大学等が様々な交流の場として活用する、市民ホールをはじめ、大
事業概要
分市民図書館、会議室や子育て交流センター等を含む大分市総合社
会福祉保健センター等を整備する事業。
平成 25 年 7 月の開館から平成 26 年 3 月までの来館者の目標 150 万
人に対し、実績は 1,500,859 人、平成 26 年度の目標 200 万人に対し、
実績は 2,046,573 人と目標をクリアしてきた。平成 27 年度の実績は
事 業 効 果 及 び 進 2,051,256 人となっており、中心市街地における来街拠点としての機
捗状況
能を十分に果たしている。
また、商業施設として 2 店舗が出店しており、来館者の状況と同
じで順調な売り上げ状況であるなど、販売額の向上に効果が示され
ている。
●目標達成の見通し及び今後の対策
平成27年4月に「JR大分駅ビル」が開業し、入館者数、売上高ともに順調に推移しており、中
心市街地全体の集客および売上の回復に大きく寄与している。
また、駅ビルから既存商店街等に足を運んでもらうための民間事業者による取り組みや、各事業者
間の連携が活発に行われていることからも、目標達成は可能であると見込まれる。まちなか出店支援
事業等による空き店舗への新規出店、出店希望者へのサポートも着実に実績を上げている。
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今後は、商店街や大型店等の商業関係者等が連携して行う共同バーゲンやイベント開催といった自
発的な取り組みへの支援や個店の魅力向上等の促進に加え、中心市街地の魅力を広く発信しイベント
実施者の拡大を図ることによる持続的なにぎわい創出、民間投資の活性化などの、目標達成に向けた
取り組みをさらに進める。
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「歩行者通行量」※目標設定の考え方基本計画 P86~P89 参照
●調査結果の推移
年
H23
(単位:人)
291,435 人
(基準年値)
H24
299,252 人
H25
309,760 人
H26
329,781 人
H27
353,056 人
H28
H29
350,000 人
(目標値)
※調査方法:歩行者通行量調査(毎年 11 月実施)
※調 査 月:平成 27 年 11 月実施、平成 28 年 2 月とりまとめ
※調査主体:大分市
※調査対象:中心市街地における土日 35 地点の歩行者数
●目標達成に寄与する主要事業の進捗状況及び事業効果
①.JR大分駅ビル整備事業(JR九州)
事業完了時期
事業概要
平成 27 年度【済】
中心市街地の交通の要である大分駅の隣接地に、商業施設・温浴施
設・シネマコンプレックスなどの大規模集客施設を整備する事業
平成 27 年 4 月 16 日開業。開業後、来館者数は順調に推移し、半年
事 業 効 果 及 び 進 で 1,000 万人を突破、平成 27 年度末には 2,420 万人と開業 1 年間で
捗状況
の目標の 1,100 万人を大きく上回った。売上についても目標の 200
億円を超える 224 億円となっており、目標達成に寄与している。
②.大分県立美術館整備事業等(大分県)
事業完了時期
平成 27 年度【済】
大分県の芸術・文化の拠点として優れた美術品の鑑賞や学習機会を
事業概要
提供するとともに、創作活動等の支援を通じて県民の感性や創造性
を高め、芸術や文化を核とした地域力を高めることに寄与する事業
8
当初計画のとおり、平成 27 年 4 月 24 日に開館。開館後は様々な企
画等により、来館者数を順調に伸ばしている。平成 27 年 7~9 月の
デスティネーションキャンペーン期間中に開催された展示では、県
事業効果及び進
捗状況
内外からも多くの観客が訪れたほか、商店街でも展示に合わせたフ
ォトラリーの実施やアートギャラリーの設置等連携した取り組みが
行われ、まちなかの一体感や回遊性を高めた。
週末等にワークショップやイベントも定期的に開催しており、幅
広い年代の来街者増加に寄与している。当初の目標は年間 50 万人で
あったが、平成 27 年度末の来館者数は約 64 万人となっている。
③.イベント開催事業等(個人事業者及び商店街団体)
事業完了時期
事業概要
平成 29 年度【実施中】
中心市街地で開催されるイベント等に対して、実施に係る費用の一
部を補助し、まちなかの滞在時間の延長や魅力アップを図る事業
第 1 期活性化基本計画において、回遊性や滞在時間の増加等に一定
の効果が認められていることから、第 2 期基本計画においても引き
事 業 効 果 及 び 進 続き取り組みを継続している。イベント開催事業の実績では、平成
捗状況
25 年度 11 件、平成 26 年度 23 件、平成 27 年度は 34 件と増加傾向に
ある。こうした実績の積み重ねにより、まちなかでのにぎわい創出
の取り組みが定着しており、滞在時間の延長に寄与している。
④.ホルトホール大分整備事業(大分市)
事業完了時期
平成 25 年度【済】
中心市街地の複合的文化交流施設として、多くの市民や団体・企業・
事業概要
大学等が様々な交流の場として活用する、市民ホールをはじめ、大
分市民図書館、会議室や子育て交流センター等を含む大分市総合社
会福祉保健センター等を整備する事業。
平成 25 年 7 月の開館から平成 26 年 3 月までの来館者の目標 150 万
人に対し、実績は 1,500,859 人、平成 26 年度の目標 200 万人に対し、
実績は 2,046,573 人と目標をクリアしてきた。平成 27 年度の実績は
事 業 効 果 及 び 進 2,051,256 人となっており、中心市街地における来街拠点としての機
捗状況
能を十分に果たしている。
また、商業施設として 2 店舗が出店しており、来館者の状況と同
じで順調な売り上げ状況であるなど、販売額の向上に効果が示され
ている。
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●目標達成の見通し及び今後の対策
平成27年度の歩行者通行量調査の結果、歩行者数は目標値の 350,000 人を上回る 353,056 人とな
った。35地点の中で昨年度と比べて最も増加したのは平成27年3月に完成した「大分駅北口駅前
広場」であり、19,414 人増加するなど、大分駅の周辺を中心に通行量の増加がみられており、目標達
成に寄与する主要事業である「JR大分駅ビル整備事業」や「大分県立美術館整備事業」、
「ホルトホ
ール大分整備事業」、「イベント開催事業」の効果が現れている。
今後は通行量が減少または伸び悩んでいるエリアについて、各店舗や施設の魅力を発信する取り組
みへの支援、にぎわいや魅力の創出に向けたイベント等の開催への支援、道路空間の整備等、来街者
が足を運びたくなるような工夫を加えていくなかで官民が連携を図り、中心市街地全体の回遊性の向
上に向けた積極的な取り組みが必要である。
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「まちなか滞留時間」※目標設定の考え方基本計画 P90~P93 参照
●調査結果の推移
年
H23
(単位:%)
32.2%
(基準年値)
H24
30.4%
H25
37.2%
H26
36.4%
H27
40.8%
H28
H29
40.0%
(目標値)
※調査方法:アンケート調査(毎年 11 月実施)
※調 査 月:平成 27 年 11 月実施、平成 28 年 2 月とりまとめ
※調査主体:大分市
※調査対象:週末(金~日)に中心市街地 16 地点において来街した約 2,000 人を対象
●目標達成に寄与する主要事業の進捗状況及び事業効果
①.JR大分駅ビル整備事業(JR九州)
事業完了時期
事業概要
平成 27 年度【済】
中心市街地の交通の要である大分駅の隣接地に、商業施設・温浴施
設・シネマコンプレックスなどの大規模集客施設を整備する事業
平成 27 年 4 月 16 日開業。開業後、来館者数は順調に推移し、半年
事 業 効 果 及 び 進 で 1,000 万人を突破、平成 27 年度末には 2,420 万人と開業 1 年間で
捗状況
の目標の 1,100 万人を大きく上回った。売上についても目標の 200
億円を超える 224 億円となっており、目標達成に寄与している。
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②.まちなか出店支援事業等(個人事業者及び商店街団体)
事業完了時期
平成 29 年度【実施中】
中心市街地で意欲のある商業者や起業者に対して、大分まちなか倶
楽部や大分商工会議所、商店街等と連携を図りながら空き店舗への
事業概要
出店や起業に関わる経費の一部の補助を行うとともに、開業にあた
ってのアドバイスやフォローアップ等のテナントミックス事業を行
うもの。
第 1 期基本計画の大きな成果(122 店舗の新規出店)により、第 2
期基本計画においても引き続き取り組みを継続。平成 25 年度は 17
店舗、平成 26 年度は 21 店舗、平成 27 年度は 49 店舗の新規出店が
事 業 効 果 及 び 進 あった。
「JRおおいたシティ」や「大分県立美術館」のオープンに
捗状況
より、来街者の増加など中心市街地の魅力が高まり、出店希望が増
加したと考えられる。今後も空き店舗の解消に向け、戦略的な店舗
配置や経営の安定化など新規出店者や既存店舗の業態に合わせたサ
ポートを充実させる取り組みを継続していく。
③.大分県立美術館整備事業等(大分県)
事業完了時期
平成 27 年度【済】
大分県の芸術・文化の拠点として優れた美術品の鑑賞や学習機会を
事業概要
提供するとともに、創作活動等の支援を通じて県民の感性や創造性
を高め、芸術や文化を核とした地域力を高めることに寄与する事業
当初計画のとおり、平成 27 年 4 月 24 日に開館。開館後は様々な企
画等により、来館者数を順調に伸ばしている。平成 27 年 7~9 月の
デスティネーションキャンペーン期間中に開催された展示では、県
事業効果及び進
捗状況
内外からも多くの観客が訪れたほか、商店街でも展示に合わせたフ
ォトラリーの実施やアートギャラリーの設置等連携した取り組みが
行われ、まちなかの一体感や回遊性を高めた。
週末等にワークショップやイベントも定期的に開催しており、幅
広い年代の来街者増加に寄与している。当初の目標は年間 50 万人で
あったが、平成 27 年度末の来館者数は約 64 万人となっている。
④.イベント開催事業等(個人事業者及び商店街団体)
事業完了時期
事業概要
平成 29 年度【実施中】
中心市街地で開催されるイベント等に対して、実施に係る費用の一部
を補助し、まちなかの滞在時間の延長や魅力アップを図る事業
第 1 期活性化基本計画において、回遊性や滞在時間の増加等に一定の
事業効果及び進 効果が認められていることから、第2期基本計画においても引き続き
捗状況
取り組みを継続している。イベント開催事業の実績では、平成 25 年
度 11 件、平成 26 年度 23 件、平成 27 年度は 34 件と増加傾向にある。
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こうした実績の積み重ねにより、まちなかでのにぎわい創出の取り組
みが定着しており、滞在時間の延長に寄与していると考えられる。
⑤.ホルトホール大分整備事業(大分市)
事業完了時期
平成 25 年度【済】
中心市街地の複合的文化交流施設として、多くの市民や団体・企業・
事業概要
大学等が様々な交流の場として活用する、市民ホールをはじめ、大
分市民図書館、会議室や子育て交流センター等を含む大分市総合社
会福祉保健センター等を整備する事業。
平成 25 年 7 月の開館から平成 26 年 3 月までの来館者の目標 150 万
人に対し、実績は 1,500,859 人、平成 26 年度の目標 200 万人に対し、
実績は 2,046,573 人と目標をクリアしてきた。平成 27 年度の実績は
事 業 効 果 及 び 進 2,051,256 人となっており、中心市街地における来街拠点としての機
捗状況
能を十分に果たしている。
また、商業施設として 2 店舗が出店しており、来館者の状況と同
じで順調な売り上げ状況であるなど、販売額の向上に効果が示され
ている。
●目標達成の見通し及び今後の対策
平成 27 年 11 月の歩行者通行量調査に併せて実施した来街者へのアンケートによりまちなかの滞留
時間を調査した結果、滞在時間が3時間以上の来街者の割合は 40.8%となり、目標値の 40%を達成
した。
これは、「まちなか出店支援事業等」、「イベント開催事業等」、「ホルトホール大分整備事業」が着
実に実施されてきたことに加え、平成 27 年度は「JR大分駅ビル」と「大分県立美術館」の開業に
より、来街者のまちなかでの過ごし方の選択肢が増え、滞在時間の延長に寄与したと考えられる。昨
年度と比べて滞在時間は 4.4%上昇しており、中心市街地の新たな魅力創出のために、平成 28 年度に
新規事業を追加すること等により、今後も同程度を維持することは可能であると考えており、引き続
き目標達成が可能であると見込まれる。
今後は、既存の拠点施設も含め、各々の施設の強みを活かし、商業関係者等との連携強化を図るこ
とで、来街者のまちなか滞在時間のさらなる延長を図っていく。また、回遊の動線となる道路空間に
おいて安心安全に回遊できる環境整備や、憩い機能の充実に向けた取り組みも必要である。
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