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ICP2016 開催に伴う研修会のご案内
日本学生相談学会
学術交流委員会・研修委員会
国際心理学会議、International Congress of Psychology(ICP)が 7 月 24 日から 29 日、
パシフィコ横浜で開催されます。これは,国際心理科学連合という世界各国を代表する心理
学会の連合体と、ホストとして選ばれた開催国を代表する学会が共同で 4 年ごとに開催する
もので、心理学では世界最大規模の国際会議です。学生相談学会からも 3 人のプログラム委
員が準備に協力し、講演とシンポジウムの企画が採択されました。
このたび、和洋女子大学および学生相談ケース検討会(中部地区)のご協力のもと、採択
されたプログラムを広く聴いていただける機会を設ける事ができました。
それぞれの日程、内容、講師についてご紹介いたします。
開催案内
ICP2016:パシフィコ横浜
7 月 25 日(月)17:20~18:00
講演「英国における学生支援」
:Barry Keane
7 月 28 日(木)16:00~18:00
シンポジウム「英国・中国・日本の学生の心理的問題、そのアセスメントと支援について」
シンポジスト:Catherine McAteer、吉 沅洪、髙橋 国法
指定討論:Barry Keane
司
会:佐々木 清子、鈴木 健一
和洋女子大学国際シンポジウム(通訳付)
:和洋女子大学西館 1-4 教室
7 月 23 日(土)13:00~16:30
ICP2016 と同じ内容
和洋女子大学国際シンポジウム
http://www.wayo.ac.jp/event/tabid/111/Default.aspx?itemid=1122&dispmid=521
参加申し込みは以下 URL より行えます。参加は無料です。
http://bit.ly/1O7asSW
学生相談ケース検討会(中部地区)特別事例検討会&ミニ講義(通訳付)
:名古屋経済大学名駅サテライトキャンパス
7 月 31 日(日)13:00~18:00
事例検討 「居場所を求め続ける男子大学生との面接過程」
発 表 者:杉岡 正典(名古屋大学学生相談総合センター)
コメンテイター:Catherine McAteer
ミニ講義 「英国学生相談の現状について」
:Barry Keane
「理工系の学生相談と障害学生支援」
:太田 裕一
「主体性の希薄な学生の主体性について」
:鈴木 健一
名古屋大学学生相談総合センター
http://gakuso.provost.nagoya-u.ac.jp/
学生相談ケース検討会(中部地区)
http://gakuso.provost.nagoya-u.ac.jp/message/pdf/case.pdf
参加申込は以下 URL より行えます。参加費は 4,000 円です
http://form1.fc2.com/form/?id=48274e18da93d907
内容紹介
講演「英国における学生支援」
この講演では、英国における学生相談について話します。まず、典型的な心理学的な学生
支援がどのように構成され、大学の中で位置づけられているのかを概説します。通常は、学
生や場合によっては職員をも支援する組織の一部として位置づけられています。学生相談や
学生支援に持ち込まれる学生の問題についてタイプ分けをしながら、これらの問題が英国の
高等教育分野において過去5年間に増加した理由について、統計資料を分析しながら、考察
します。心理学的なアセスメントがなされた後、学生は通常は、4~6回の回数制限付きの
カウンセリングを受けますが、このような設定の背景にある根拠について考察します。希死
念慮は増加しており、果たして大学がどのようにマネージメントするのかを、ロンドン大学
の学生相談の実践から探究してみます。
キーワード:学生への心理的支援(学生相談)、カウンセリングによる支援、大学、分析、
主たる問題、メンタルヘルス、希死念慮、自死
シンポジウム「英国・中国・日本の学生の心理的問題、そのアセスメントと支援について」
学生相談は、今や、大学における学生支援の領域、および、カウンセリングの領域におい
て、ひとつの特化した領域としてみられています。学生相談の実践における理論や技法は、
絶えず、文化差、学生の性格、社会の要請に適した形で発展しています。本シンポジウムに
おいて、英国、中国、日本における学生相談カウンセラーは、1)各国における近年の学生
が抱える心理的問題、2)そのような学生に関する心理的理解とアセスメントの実際(学生
の中には、精神医学的問題を有する者もいますが)
、3)彼らへの心理的支援、に関する話題
を提供します。各国の相違点と共通点について議論を深めながら、これからの学生相談のあ
り方を検討します。
ミニ講義
「英国学生相談の現状について」 講演に準ずる内容です
「理工系の学生相談と障害学生支援」
この十数年理工系中心のキャンパスで学生相談を行ってきました。近年は障害学生支援
がスタートして、乏しい人的資源の中で学生相談とリンクして支援を行っています。特に
理工系の男子学生は援助要請行動にスティグマを感じ、周囲に援助を求められずに孤立し
ていく傾向が強いように感じます。このような学生たちに対していかに援助要請行動スキ
ルを育てることができるかを考え、コンバインドセラピー(個人療法と集団療法の併用)
、
ガイダンスにおけるメールによる相談練習などさまざまな工夫(くふう)を行ってきまし
た。今回はそのような試みについてお話できればと思います。
「主体性の希薄な学生の主体性について」
主体性の薄い学生たちが、時に、インターネット上に他者がアップしている動画や、プ
ロ棋士の対局、ゲーム実況などを、ある意味、主体的に鑑賞している姿に出会います。ま
た別のタイプの学生たちは、自分自身を投影しうる対象ではなく、戦闘する少女たちのス
トーリーやゲームに自分自身の居場所を見出し、心の安定を得ています。彼らの主体性の
成長を考えてみようと思います。
講師紹介
Catherine McAteer (ロンドン大学スチューデント・サイコロジカル・サービス所長)
心理力動的・精神分析的な立場から、異なる文化・宗教・人種を背景とする人たちに、回数
制限付きのカウンセリング、あるいは期間制限のない心理療法を、30 年以上にわたり実践し
ています。現在関心を持っているのは「複雑死別」で、これに対しストレス低減のためのマ
インドフルネス瞑想を利用しています。
Barry Keane (ロンドン大学スチューデント・サイコロジカル・サービス副所長)
学生相談の現場で 14 年間勤務しています。精神分析的心理療法の訓練を受けた後、認知行動
療法の訓練も受けました。学生相談で出会う学生たちは、うつ病や、重度の不安障害、自殺
企図などの複雑な問題を抱えており、彼らに対して治療的なアプローチを提供しています。
また、心理教育的・臨床的なワークショップも担当しており、完璧主義、抑うつ、自信喪失、
怠学、マインドフルネスなどを題材としています。現在の研究テーマは、現場の精神分析的
心理臨床家が体験している、セラピー代金をめぐる課題や不安についてです。
吉 沅洪(立命館大学応用人間科学研究科教授)
表現性心理療法、こころのケアと文化、神経症症状と文化を研究テーマにしています。我々
がいま現代社会に求められているのは、面接室で個人心理臨床を行うだけではなく、コミュ
ニティや社会に開けた臨床心理学的援助や学際的な研究などであると考えています。異文化
を充分に尊重して理解し、国際人としての感覚をしっかりと身につけた、柔軟な姿勢を持つ
心理臨床家を育てたいと、一緒に学んでいます。
髙橋 国法(山形大学学術研究院准教授)
米国ウイスコンシン州立大学大学院でカウンセリングを学び帰国。臨床心理士としては米沢
で初めてカウンセリングオフィスを開設しました。専門は臨床心理学、カウンセリング、心
理療法、動作法です。これまで乳幼児健診での心理相談員、小・中・高のスクールカウンセ
ラー、病院臨床、開業カウンセラーを生業とし、小さい子供からお年寄り、健康な方から精
神的に病気であるとされている人まで幅広く関わりを持たせて頂いてきました。平成17年に
山形大学に着任し、学生と教職員の心の相談に従事しています。
太田 裕一(静岡大学 保健センター准教授)
理系男子学生の多い4000人規模のキャンパスで働いています。留年生、ひきこもり、発達障
害の学生に会うことが多いです。学生のカウンセラーを務めながら、ロックやアニメと心理
学を結びつける研究をしていて、アニメと現代アート/ロックの講義を担当しています。
鈴木 健一(名古屋大学学生相談総合センター教授)
これまで、筋ジストロフィー患者、不登校の青少年やその保護者、犯罪被害者とその家族、
海外在住の日本人、スクールカウンセラーとして出会った児童・生徒といった人たちと対話
をしてきました。2004 年からは、学生相談を利用する学生やピア・サポートに従事してい
る学生ボランティアとの対話が中心になっていますが、このような人たちとの心理臨床実践
を通して、人と人との関係性のあり方、中でも二人の間で生き生きとした関係性をいかにし
て構築するかが重要であることを指摘してきました。これからも、このような生き生きとし
た関係性によって人が変化し、成長していくことを探究していきたいと思っています。
2016.6.25