新興国ウィークリーレポート

新興国ウィークリーレポート
2016/6/20
【韓国】
総合指数は週間で 3.2%安と 4 週ぶり反落、今週は見送り気分が強まるか
先週の動き/今週の展望
総合指数は週間で 3.2%安と 4 週ぶりに反落し、週間下落率は 2 月中旬以来の大きさとなった。英国の欧州連合(EU)
離脱を問う国民投票を前に、資金を低リスク資産へ移す動きが加速した。1 週間を通じて前週に回復した節目の 2000 ポ
イントを下回り、16 日は 5 月 24 日以来の安値で引けた。17
▼指数チャート
日は小幅ながら 7 営業日ぶりに反発。英国の EU 残留派議員が
2,040
射殺され、残留・離脱派両陣営が活動を中止したことから、国
2,020
民投票が延期されるとの思惑で買いが入ったもようだ。今週は
2,000
英国民投票の結果を見極めたいとして、見送りムードが強まる
1,980
見通し。ただ、前週末にかけて、景気てこ入れに向けた財政措
1,960
置を検討しているとの閣僚の発言が伝わったことから、関連セ
1,940
クターへの思惑買いが相場を下支えする展開もありそうだ。
1,920
【ロシア】
[KOSPI/day(2016/4/5 - 2016/6/17)]
4/5
4/15
4/26
5/9
5/18
5/27
6/8
6/17
RTS 指数は 1.6%安と反落、ここからの下げは押し目買いで対応か
先週の動き/今週の展望
先週の米ドル建て RTS 株価指数は週間で 1.6%安と反落。13 日が休場で 4 営業日の取引だった。14 日はブレント原
油価格が 50 ドル割れで推移したことに加え、英国の EU 離脱について世論調査で離脱支持派が優位と報じられ、欧州株
が大幅続落したことから売り優勢となった。週後半は米 FOMC
▼指数チャート
で利上げが見送られたことが好感される一方で、ブレント原油
[RTSI$/day(2016/4/5 - 2016/6/17)]
1,000
価格の動向に大きな影響を受けた。16 日は原油価格が軟調だっ
たこともあり、マイナスで寄り付き一時 884 台まで下落するさ
えない展開だった。しかし 17 日は欧州株が値を戻し、ブレン
960
920
ト原油も上昇したことで幅広い業種が買い戻され、週間での下
880
げ幅を縮めた。75 日移動平均に接する手前まで下落したことか
840
らここからの下げは押し目買いで臨みたい。
800
【ベトナム】
4/5
4/14
4/25
5/6
5/18
5/27
6/7
6/17
VN 指数は週間で 1.7%安と反落、ヘルスケア株の動向に注目
先週の動き/今週の展望
先週の VN 指数は週間で 1.7%安と 3 週ぶりに反落。週を通じて英国の EU 離脱の是非を問う国民投票の結果待ちによ
る売買手控えで、軟調に推移した。特に週中盤までは米 FOMC でのイエレン FRB 議長の声明内容を見極めたいとの思
惑でより慎重な取引となった。週初から週央までは積極的な売
▼指数チャート
買が手控えられながらも鉄鋼株やビナミルクが相場を下支え
[VNINDEX/day(2016/4/6 - 2016/6/17)]
640
し、小じっかり。週央から週後半は、原油安でエネルギー株が
軟調だった上、週前半の相場を支えていた鉄鋼株が利益確定に
押された。ヘルスケア株が上昇し指数のプラス寄与度上位に並
620
600
んだが、不動産のビングループ、保険のバオ・ベトホールディ
580
ングス、銀行株が指数マイナス寄与度の上位となった。25 日移
560
動平均上に達したことから、ここからの押しは買いで対処か。
540
4/6
4/15
4/27
5/10
5/19
5/30
6/8
6/17
2016/6/20
【インドネシア】
【シンガポール】
【先週の動き/今週の展望】ジャカルタ総合指数は 0.3%
安、中央銀行が 3 会合ぶりに追加利下げ
ジャカルタ総合指数は週間で 0.3%安と続落。週後半に中央
【 先 週 の 動 き / 今 週 の 展 望 】 ス ト レ ーツ タ イ ム ズ 指 数 は
2.1%安、5 月の非石油地場輸出が急回復
ストレーツタイムズ指数は週間で 2.1%安と 6 週ぶりに反落。
銀行の金融政策決定会合を控え、週初から軟調な値動きが続い
週初に大幅続落すると、週末までさえない値動きが続いた。13
たが、追加利下げの発表を受けて反発し、週の下げ幅を縮めた。
日は原油価格下落の影響でエネルギー株が売られ、指数は前営
週半ばの 15 日はインドネシア政府がたばこ税の引き上げを検
業日比 1.3%安と低迷。終値ベースで 7 営業日ぶりに節目の
討していると地元メディアが報じたことで関連銘柄が売られ
2800 ポイントを割り込んだ。15 日は 4 月の小売売上高が前年
たほか、5 月の貿易統計で輸出額が市場予想を下回ったことが
同月比 3.8%増と市場予想の 6.1%増を下回ったものの指数へ
重し。一方、16 日の取引終了後に発表された政策金利は現行の
の影響は軽微で 5 営業日ぶりに反発。16 日は反落したが、17
6.75%を 0.25 ポイント下回る 6.50%で、3 月以来の引き下げと
日は 5 月の非石油地場輸出が前年同月比 11.6%増と、1.6%減
なり、17 日に株価が反発した。今週は国内の重要イベントが少
の予想から大幅に上振れした効果で再び反発して引けた。今週
なく、EU 離脱を問う 23 日の英国民投票が最大の焦点となる。
は 23 日に 5 月の CPI、24 日に鉱工業生産が発表される予定。
▼指数チャート
▼指数チャート
4,950
[JCI/day(2016/4/7 - 2016/6/17)]
3,000
4,900
2,950
4,850
2,900
4,800
2,850
4,750
2,800
4,700
2,750
[FSSTI/day(2016/4/8 - 2016/6/17)]
2,700
4,650
4/7
4/18
4/27
5/10
5/19
5/30
6/8
4/8
6/17
【タイ】
4/19
4/28
5/10
5/19
5/30
6/8
6/17
【マレーシア】
【先週の動き/今週の展望】SET 指数は 0.6%安、今週は
中央銀行が政策決定会合を開催
【先週の動き/今週の展望】クアラルンプール総合指数は
1.0%安、今週は英国民投票結果に左右される展開か
SET 指数は週間で 0.6%安と続落。国内に目立った動きがな
クアラルンプール総合指数は週間で 1.0%安と反落。週を通
く、外部要因に左右された。13 日は前週末に欧米市場が低迷し
じて買い材料に乏しく、軟調に推移した。週初の 13 日は中国
た影響などで 3 営業日続落したが、14 日に反発すると、15 日
の 1-5 月の固定資産投資が前年同期比 9.6%増と 16 年ぶりの
は株価指数を提供するモルガン・スタンレー・キャピタル・イ
低い伸び率にとどまったことが嫌気されて下落した。15 日は割
ンターナショナル(MSCI)が中国本土 A 株の新興国株価指数
安感の出た銘柄が買われて指数は 6 営業日ぶりに反発。5 月の
組み入れを見送ったことを受け、中国への資金流出懸念が和ら
CPI 上昇率は前年同月比 2.0%で市場予想と一致した。16 日は
いだ効果で続伸。ただ、勢いは続かず、16 日は原油価格が大幅
FOMC 後にダウ平均が下落した影響などで反落したが、17 日
に下落したことが嫌気されて前日比で 1.7%下落した。今週は
は英国で EU 残留派議員が殺害されたことを受け、離脱リスク
22 日に中央銀行が定例の会合で政策金利を決定する予定で、市
が後退した効果で反発した。今週は 23 日の英国民投票の結果
場では 1.50%に据え置かれるとの見方が優勢。
に左右される展開か。22 日はコーラン啓示の日の祝日で休場。
▼指数チャート
▼指数チャート
1,460
[SET/day(2016/3/30 - 2016/6/17)]
1,750
1,440
1,725
1,420
1,700
1,400
1,675
1,380
1,650
1,360
1,625
1,340
[FBMKLCI/day(2016/4/8 - 2016/6/17)]
1,600
3/30
4/11
4/25
5/9
5/18
5/30
6/8
6/17
4/8
4/19
4/28
5/10
5/19
5/30
6/8
6/17
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