第10回資料

流体力学1
第10回 2016.6.23 理想流体のポテンシャル流(3)
1
到達目標
今回の達成目標
- 理想流体のポテンシャル流について複素ポテンシャルを計算す
ることができ,様々な条件における流線を描くことができる.
- 複素ポテンシャル
- 初等関数によって表されるポテンシャル流
平行流,吹き出し・吸い込み,複源
- 円柱まわりの流れ
Fluid Mechanics 1
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今回の目標
【達成目標4】理想流体のポテンシャル流について複素ポテンシャルを計算することができ,
様々な条件における流線を描くことができる
評価項目
4-1
理想流体の定義について説明できる
4-2
ポテンシャル流の定義について説明できる
4-3
流関数と速度ポテンシャルの定義,および相互の関係について説明できる
4-4
具体的な条件に対して,流関数と速度ポテンシャルを求めることができる
4-5
複素ポテンシャルの定義について説明できる
4-6
基本的な流れの複素ポテンシャルを求めたり,複素ポテンシャルから流れの様子を明ら
かにしたりすることができる
4-7
円柱表面の圧力分布を導出できる
4-8
円柱まわりの流線を計算し描画することができる
4-9
循環をもつ円柱まわりのフローパターンについて説明できる
4-10
Magnus効果について説明できる
4-11
Kutta-Joukowskiの定理について説明できる
Fluid Mechanics 1
3
1. 複素ポテンシャルを導入する背景
定常二次元 非圧縮 非粘性 渦なし流れ
速度ポテンシャルφと流関数ψが存在する
φとψの間にはコーシー・リーマンの微分方程式が成立する
複素ポテンシャル
φを実部,ψを虚部とする複素関数を作ると,その関数は
正則な関数(解析関数ともいう)になる
Fluid Mechanics 1
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2. 複素数の極座標表示
Imaginary axis
Im
Complex plane
Polar form
z
y
r
θ
Re
x
Real axis
Fluid Mechanics 1
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3. 極座標での速度ポテンシャル・流関数
Velocity potential
Im
uθ
z
y
Stream function
r
θ
x
Fluid Mechanics 1
ur
6
Re
4. 複源(Doublet)
z=0
sink
Fluid Mechanics 1
z=s
source
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5. 複素関数の導関数
複素関数の導関数は次式によって定義される
Δz を 0 に近づける方法は無数に存在するが,W(z) が正則関数なら
どのような経路でΔz を 0 に近づけてもよい.
※ どのように近づけても dW/dz は同じ値となる.
Fluid Mechanics 1
8
6. 複素速度
W(z) が複素ポテンシャルの場合,
であり,これを z で微分すると
となる.dW/dz を 複素速度(Complex velocity)とよぶ.
Fluid Mechanics 1
9
7. 複素速度の導出(1)
Im
y
z
z+Δz
x
Fluid Mechanics 1
10
Re
8. 複素速度の導出(2)
Im
y
z+Δz
z
x
Fluid Mechanics 1
Re
11
9. 円柱まわりの複素ポテンシャル
複源
y
平行流
x
Fluid Mechanics 1
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y
x