りそな マーケットフラッシュ ウィークリー

りそな
マーケットフラッシュ ウィークリー
◎注意事項をよくお読みください。
先週の動きと今週の見通し
No.677
(2016 年 6 月 20 日∼2016 年 6 月 24 日)
■ポイント
— 英国の EU 離脱を問う国民投票、市場にも大きな影響
— 各国当局は市場流動性確保、円滑な資金繰りに注力
— 日本時間 24 日の朝方から昼に英国の結果が出るまで、市場は基本「待ち」 の姿勢
短期金利
長期金利
円/円スワップ
米国金利
株式相場
為替相場
無担保(翌日物)
円TIBOR(3ヶ月)
新発10年債
先物中心限月
5年
10年
ドルLIBOR(3ヶ月)
T-Note(10年)
日経平均
NYダウ
ドル・円
ユーロ・ドル
ユーロ・円
先週末値
-0.057 %
0.062 %
-0.155 %
152.25 円
-0.14 %
%
0.00
0.644 %
1.608 %
15,599.66 円
17,675.16 ドル
104.16 円
1.1277 ドル
117.47 円
■ウィークリー コメント
英国の国民投票を控えて
EU 離脱を問う国民投票、23
日に実施
EU 離脱となれば、1 ドル
100 円か
目先の経済成長率に与える
影響は比較的小さめ
今週の予想
-0.070 ∼
∼
0.050
-0.170 ∼
金利上昇
151.40 ∼
∼
-0.15
もみ合い
∼
-0.01
∼
もみ合い
0.60
∼
金利上昇
1.50
上昇
15,600 ∼
上昇
16,900 ∼
ドル上昇
104.00 ∼
ユーロ上昇 1.1050 ∼
ユーロ上昇 116.50 ∼
もみ合い
もみ合い
-0.010
0.080
-0.085
152.50
-0.09
0.09
0.70
1.85
16,600
18,500
107.00
1.1550
121.50
%
%
%
円
%
%
%
%
円
ドル
円
ドル
円
〈 チーフストラテジスト 高梨 彰 〉
英国での EU(欧州連合)離脱の是非を問う国民投票が 6 月 23 日に迫っ
てきました。金融市場でも関心は高く、事前の世論調査に一喜一憂しつつ、
EU 離脱という市場にとっては望ましくない事態への備えが進行中です。
英国が EU 離脱となれば、実務上の手続きは 2 年以上掛かると言われて
いますが、市場では開票結果が出る日本時間の 24 日(金)の比較的早い時
間から反応を示すと思われます。EU 離脱が多数を占めれば、条件反射的に
株売り、そしてドル円は円買い・円高です。リスク回避から連想される動きが
展開されます。しかも、かなりの値幅を伴った動きになるとみられています。ド
ル円で言えば、1 ドル=100 円辺りが一つの目安となるでしょうか。
緊張感は高まって来ているのですが、実際に英国や欧州経済の成長率に
どの程度影響があるのかという点では、例えば英国の GDP(国内総生産)成
長率では 1%から数%程度の低下が見込まれる程度でして、さほど大きな景
気鈍化は見込まれていません。EU 離脱の手続きが数年単位で掛かるという
こともありますが、仮に EU 離脱となっても、英国と他の EU 諸国との近隣国と
しての関係は、離脱の有無にかかわらず続く類のものです。(以下次頁)
◎注意事項
*当資料に記載された情報は信頼に足る情報源から得たデータ等に基づいて作成しておりますが、その内容に
ついては明示されていると否とに拘わらず、弊社がその正確性、確実性を保証するものではありません。ま
た、ここに記載された内容が事前の連絡なしに変更されることもあります。
*また、当資料は情報提供を目的としており、金融商品等の売買を勧誘するものではありません。取引時期な
どの最終決定はお客さまご自身の判断でなされるようお願い致します。
1
りそなマーケットフラッシュ ウィークリー
(前頁より続く)では、何故マーケットにて大きな反応が起こると見込まれて
いるかと言えば、主な要因は二つほど挙げられるかと思います。
一つは、歴史の転換点として英国の EU 離脱を捉える必要があると言う点
です。欧州では有史以来、覇権を争う動きが続き、先の第一次・第二次世界
大戦でも、欧州を二分する形で戦いが起こりました。EU はそんな争いの後に
出てきた欧州統合の動きです。1989 年にベルリンの壁が崩壊し、東西ドイツ
が翌 1990 年に再び統一されてからは、西欧だけでなく、中欧から東欧に至る
まで、欧州統合の動きは加速していきます。
歴史の転換点
そして今日、EU は 28 ヶ国で構成され、統一通貨ユーロを採用する国も 19
ヶ国を数えます。そこには旧ソビエト連邦のバルト三国(エストニア・ラトビア・リ
トアニア)なども含まれています。
英国は通貨こそポンドを使っていますが、EU 内ではドイツやフランスなどと
並び「大国」の一つです。そんな「大国」が拡大する EU の動きを止めるとなれ
ば、第二次大戦後の流れ自体を止めることに繋がります。結び付きが無くなれ
ば、それはすなわち分裂を意味することになります。
他国に波及する可能性も
事実、英国の国民投票を受けて、他の EU 諸国でも EU からの離脱が、今
後実施予定の各国の選挙にて争点となりそうな気配です。これが二つ目の要
因です。背景は様々ですが、異なる国を一つの経済圏としてみなすことの歪
みが問われている、といったところでしょうか。
当局対応、資金繰りに注力
さて、足元では不測の事態に備えて各国・地域の当局が対応に追われて
います。要らぬ危機感を煽ってはいけないとのことで、投票結果が出る前に具
体的な対応策を公表することは控えているようですが、各金融機関が円滑に
資金のやり取りができるように手を尽くす点に最も注力しそうです。
市場でも、こうした動きは予め想定されているため、もし EU 離脱となり株価
等が急落したとしても、程なく流動性強化の動きを頼りにしたリスク資産買いが
入る可能性が高そうです。但し、これは短期的かつ値幅を伴った動きの中で
の出来事なので、的確に対応するのも容易ではなさそうです。
株価急落となっても、押し目
を拾う動き
また、離脱となっても残留となっても、英国内外に EU のあり方を問う声は高
まりそうです。ユーロ圏にしても、ドイツだけが恩恵を受けているような状況で
す。英国にしても、残留となればなったで、「大国」として EU に対して資金面
での貢献は大きいものの、EU から受ける恩恵は少ない、また EU が拡大する
中で「1 国 1 票」的な組織では英国の存在は段々と薄められてしまう、など今
後も議論は続きそうな気配です。
EU に関する論争は続く
英国が EU 残留となれば、株高・円安などリスク選好度は高まりそうなもの
の、買戻しの動きが一巡した後には、再び世界経済の行方を考え直す場面
が到来し、落ち着かない相場も続きそうです。何より、歴史上の転換点と成り
得る場面で相場がソッポを向いたままというのも、不自然なものです。ここは、
数十年や一世紀単位での大切な局面と割り切って、直前に迫る英国の人々
の判断を待ち、その判断に合わせて市場も対応するしかなさそうです。
再び、世界経済の行方を問
う場面も
図表1:
ドル円の推移
図表2:
ポンド円の推移
円/ポンド
円/ドル
185
125
180
120
175
170
115
165
160
110
155
150
105
145
100
12月31日
1月31日
2月29日
3月31日
4月30日
140
12月31日
5月31日
出所:Bloomberg、りそな銀行
1月31日
2月29日
出所: Bloomberg、りそな銀行
◎表紙の注意事項をよくお読みください。
2
3月31日
4月30日
5月31日
りそなマーケットフラッシュ ウィークリー
■今週のひとコマ
図表3:
日本の 20 年国債利回りとドル円の推移
日本20年国債利回り(%:左軸)
ドル円(右軸)
1.2
125
1
120
0.8
115
0.6
110
0.4
105
0.2
0
12月31日
100
1月31日
2月29日
3月31日
4月30日
5月31日
出所:Bloomberg、りそな銀行
ドル円、デフレを示唆か
20 年債利回りとドル円、同じ
ような動き
マイナス金利導入後、国債利
回りは低下
そして円高
米利上げ観測後退がドル安・
円高の背景にあるが・・・
もし「デフレ」が円高の要因と
すると・・・
金利低下と辻褄が合う
「脱デフレ」への失望かも
上のチャートは日本の 20 年国債利回りとドル円の値動きを表したものです。縦
線がチャート内やや左側に 1 本ありますが、この線は 1 月 29 日、日銀がマイナ
ス金利を導入した日を示しています。
ドル円と日本の 20 年国債利回り、ほぼ同じように「金利低下=円高」です。
マイナス金利導入により 20 年債のような超長期債利回りが低下するのは自
然、寧ろ低下し過ぎの感もあります。
一方、円金利が低下したならば「円安」が教科書的な動きですが、このところの
動きはほぼ「円高」、教科書とは間逆の動きです。
直近の円高、理由は米 FRB(連邦準備制度理事会)の利上げ観測が後退し、
これにより米ドル安が進行、そのため円高が進んだ、という見方があります。
ところで、「アベノミクス」登場前の円高には、日本のデフレが背景としてありまし
た。デフレは、物価が下がり、相対的に通貨の価値が上がる現象です。そのた
め、デフレとインフレと、為替相場との関係では、「デフレ=通貨高」・「インフレ=
通貨安」の図式が成立し易くなります。ハイパーインフレが起こると通貨安が急速
に進むのもこの理屈です。
もし、足元の「円高」がアメリカの金融政策によるものではなく、「デフレ」観測の
せいだとした場合、金利低下と辻褄が合ってきます。「デフレ」のとき、金利は低
下し易くなるためです。
今一度、上のチャートを見ますと、ほとんど同じ動きです。この時期にはアベノ
ミクスに対して批判的な見方が広がり、日銀の掲げる「物価安定の目標」2%達成
にも疑問符が投げ掛けられた時期でもあります。物価上昇率には下方への見方
が強まった時期とも言えそうでして、「金利低下=円高」=将来の「デフレ」懸念と
すると、案外しっくり来てしまいます。
日銀が年間 80 兆円の規模で国債保有残高を増加させるべく、国債買入を進
めているため、国債利回りが低下しているのは事実です。しかし、日銀以外の市
場参加者も現在の低金利を受け入れた上で利回りが成立しているのも事実。
そう考えますと、今の日本市場は薄々「デフレ」を懸念し始めているのかもしれ
ません。これは「脱デフレ」に対する失望にも繋がります。注意が必要です。
各マーケット・コメントは 6 月 20 日(月)09:00 現在
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3
りそなマーケットフラッシュ ウィークリー
■外国為替市場
米ドル
予想
ドル円:
ドル円は上昇
104.00 −107.00 円
ユーロ
予想
ユーロ円:
ユーロ円は上昇
116.50 −121.50 円
ユーロドル:
ユーロドルは上昇
1.1050 −1.1550 ドル
豪ドル・NZ ドル
予想
豪ドル円:
豪ドル円は上昇
75.00 −80.50 円
NZ ドル円:
NZドル円は上昇
72.00 −77.00 円
図表4:
113
112
111
110
109
108
107
106
105
104
103
先週のドル円は下落。英国 EU 離脱への懸念などから、リスク回避の動きが
強まり、円は主要通貨に対して全面高で推移し、ドル円は 106 円近辺で推移
した。日銀金融政策決定会合で金融政策据え置きが決まると、ドル円は一時
103.55 円まで下落。その後は 23 日に控えた英国国民投票への不透明感など
から概ね 104 円台前半で推移し、上値は重かった。
今週のドル円は上昇を想定。米国では利上げ観測が後退しているものの、
今週発表される中古住宅販売件数や新築住宅販売件数などの住宅関連指
標はこのところ堅調に推移しており、ドル円を下支えしよう。英国の EU 残留を
問う国民投票については、残留派が優勢になったことでドル円に一部買い戻
しが入ったが、23 日の国民投票を終えるまでは神経質な動きが続くだろう。ま
た、結果を受けて 24 日は振れを伴い推移する場面があろう。(中條)
先週のユーロ円は下落、ユーロドルはほぼ変わらず。ユーロ円は世界的な
株安を背景としたリスク回避の円買いを受け週初から下落。その後も英国の国
民投票を控え値を下げ、日銀が金融政策の現状維持を決定すると値幅を伴
い下落した。ユーロドルは英国の世論調査で EU 離脱派が残留派を上回る結
果となったことなどから週半ばに掛けては下落。しかし FOMC にて年 1 回の
みの利上げを予想する人数が増加したことを受けドル売りが進行し下げ幅を
縮めた。
今週のユーロ円、ユーロドルは共に上昇を想定。ユーロ円は英国のEU離
脱に関する国民投票の結果次第で上下しようが、これまでの反動を受けた買
戻しの動きから上昇する展開を見込む。ただ引き続き警戒感があるなかで上
値は重いだろう。ユーロドルもユーロ買戻しの動きから上昇するだろう。(水野)
先週の豪ドル円、NZドル円は共に下落。豪ドル円は翌週に英国の国民投
票を控え円高が進行するなか、週初から下落。その後も商品市況が軟調に推
移したことから上値の重い展開が続き、日銀が金融政策の現状維持を決定す
ると値幅を伴って下落した。NZドル円も円買いの進行と商品安を受けて軟調
に推移した後、日銀の金融政策現状維持決定を受け、値幅を伴って下落し
た。
今週の豪ドル円、NZドル円は共に上昇を想定。豪ドル円は先週進行した円
買いの反動から円売りが進行し上昇するだろう。ただ引き続き英国の国民投
票を前に警戒感は残っており、また商品市況が軟調に推移していることから上
値は限定的だろう。NZドル円も先週の反動から買い戻しが入り上昇する展開
を想定。(水野)
米ドル円
図表5:
円/ドル
2016/4/15
128
ユーロ円
円/ユーロ
126
124
122
120
118
116
2016/5/6
2016/5/27
114
2016/6/17
2016/4/15
出所:Bloomberg、りそな銀行
2016/5/6
2016/5/27
2016/6/17
出所:Bloomberg、りそな銀行
各マーケット・コメントは 6 月 20 日(月)09:00 現在
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4
図表6:
87
86
85
84
83
82
81
80
79
78
77
76
75
豪ドル円
図表7:
円/豪ドル
78
NZ ドル円
円/NZドル
77
76
75
74
73
2016/4/15
2016/5/6
2016/5/27
72
2016/4/15
2016/6/17
出所:Bloomberg、りそな銀行
2016/5/6
2016/5/27
2016/6/17
出所:Bloomberg、りそな銀行
■債券市場
国内
予想
金利は上昇
TIBOR(3M):0.050 -0.080 %
長期金利(新発 10 年債):
-0.17--0.085%
先週の国内債は下落(金利は上昇)。独・米債高を受け、週初から上昇。
その後も、英国の世論調査で離脱派が残留派を上回り、独 10 年債利回り
が史上初のマイナスとなるなど世界的に債券高が進行するなか、日本国債
も連れ高となった。日銀の金融政策現状維持決定を受け一時売られる局
面がみられたが続かず。連日幅広い年限で過去最低利回りを更新する展
開となった。しかし週末にはこれまでの反動から売りが出たほか、流動性供
給入札が軟調な結果となったことを受け値幅を伴って下落した。
今週の国内債は下落を想定(金利は上昇)。先週に買われた反動から下
落する展開を見込む。EU 残留派英議員の殺害を受け同情票が残留派に
入るとの思惑から、これまで高まっていた警戒感はやや薄らいでおり、債券
は値を下げるだろう。また今週の 20 年債入札への持ち高調整の売りも相
場を下押しするだろう。(水野)
米国
予想
金利は上昇
ドル LIBOR(3M):
0.60 -0.70 %
T-note(10 年):1.50 -1.85 %
先週の米国債はほぼ変わらず。英国の世論調査にて EU 離脱派が残留
派を上回る結果となったことなどを受け、週初から上昇。その後 FOMC を
前に売られる場面がみられたものの、5 月鉱工業生産が予想を下回る結果
となったことや、FOMC にて年 1 回のみの利上げを予想する人数が前回か
ら増加したことを受けさらに買われ、16 日には 10 年利回りが一時 1.52%を
割り込み、2012 年夏以来の低水準まで低下した。しかしその後は独債安や
株価の上昇を受け下落し、前週比ほぼ変わらずの水準となった。
今週の米国債は下落を想定(金利は上昇)。米国債も国内債と同様、先
週まで買われた反動から戻り売りに押され、値を下げる展開を想定。週末
の英国国民投票の結果次第で上下しようが、過度の警戒感が薄れるなか
売りが優勢となり値を下げるだろう。(水野)
図表8:
%
0.18
0.17
0.16
0.15
0.14
0.13
0.12
0.11
0.10
0.09
0.08
0.07
0.06
0.05
0.04
15/6
日米短期金利
図表9:
日本
米国(右軸)
1.30
%
%
0.90
0.70
0.50
0.30
0.10
-0.10
15/12
16/3
日本
0.7
0.6
0.5
0.4
0.3
0.2
0.1
0.0
▲ 0.1
▲ 0.2
▲ 0.3
15/6
1.10
15/9
日米長期金利
16/6
出所:Bloomberg、りそな銀行
15/9
%
2.8
2.6
2.4
2.2
2.0
1.8
1.6
1.4
1.2
1.0
0.8
米国(右軸)
15/12
16/3
16/6
出所:Bloomberg、りそな銀行
各マーケット・コメントは 6 月 20 日(月)09:00 現在
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5
■株式市場
先週の日経平均は下落。週初は、英国 EU 離脱問題や円高進行を背景
に、金融株や輸出関連株を中心に下落。円高一服を受けて、一旦値を戻
す場面があったものの上値重く、再び下落に転じた。米 FOMC 後の木曜
日は、米早期利上げ観測の後退に伴い、寄り付きから一段安。後場でも、
日銀金融政策決定会合での政策金利据え置きを受けて更に値を下げ、一
時 15,395 円の値を付けた。一方、週末は円高一服などを好感し、日本株
は反発した。
日経平均
予想
日経平均は上昇
15,600 −16,600 円
今週の日経平均は上昇を想定。23 日の英国の EU 離脱を問う国民投票
が焦点となろう。開票までは積極的な売買は手控えられる場面もあろうが円
高が一服したことや、割安感から輸出関連株などが買われる場面があろう。
金曜日の日本株は英国民投票の結果を受けて値幅を伴い推移することが
見込まれる。(中條)
先週のダウは下落。アジア・欧州株安を受け下落して始まった後、英国
の世論調査で EU 離脱派が残留派を上回ったことなどからさらに下落。そ
の後も FOMC や英国の国民投票を控え上値の重い展開が続き、FOMC
後の記者会見でイエレン議長がグローバル経済の脆弱性などについて述
べたことなどからさらに値を下げた。その後、英国国民投票において EU 残
留を支持していた議員が殺害され、国民投票に向けた離脱・残留両派のキ
ャンペーン中止が決定されると下げ幅を縮小させた。
NY ダウ
予想
ダウは上昇
16,900 −18,500 ドル
今週のダウは上昇を想定。債券や為替に先週の動きの巻き戻しが起こる
なか、米株にも押し目買いが入り上昇するだろう。英国国民投票の結果次
第で週末は上下しようが、それまでは過度の警戒感が薄れるなかで買い戻
しの動きが優勢となり値を上げるだろう。またここのところ値を下げていた原
油価格も再び上昇に転じていることも相場を後押しするだろう。(水野)
図表10: 日経平均
18000
図表11: NY ダウ
円
18500
ドル
17500
18000
17000
16500
17500
16000
15500
15000
2016/4/15
2016/5/6
2016/5/27
17000
2016/4/15
2016/6/17
出所:Bloomberg、りそな銀行
中国株
下落、世界株安を嫌気も
徐々に値を戻す
インド株
ほぼ変わらず、週初下落
後、経常赤字縮小などが支
え
ブラジル株
ほぼ変わらず、世界株安・
商品安を受け下落も、週末
に掛け値を戻す
2016/5/6
2016/5/27
2016/6/17
出所:Bloomberg、りそな銀行
中国株は下落。連休中に進行した世界的な株安を受け、週初から下落。ま
た世界的な株価指数である MSCI 新興国株指数への採用は見送られ売りが
先行する局面がみられたものの、深センと香港の両株式市場の相互取引が解
禁されるとの思惑から下げ幅を縮小させた。(水野)
インド株はほぼ変わらず。世界的に株安が進行したことや、鉱工業生産が
予想を下回る結果となったことを受け週初から下落。しかし週半ばにはアジア
株が堅調に推移したことを受け上昇。また経常赤字の縮小も相場を後押しし
た。(水野)
ブラジル株はほぼ変わらず。週初もみあった後、小売売上高が予想を下回
る軟調な結果となったことや世界的に株安が進行したことを嫌気し下落。また
商品相場が軟調に推移したことも相場を下押しした。しかし、英国のEU離脱
懸念が弱まり欧州株が買われたことを受け週末に掛けて値を戻した。(水野)
各マーケット・コメントは 6 月 20 日(月)09:00 現在
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6
ロシア株は下落。休場明けの週初から、原油安や世界的な株安を嫌気し
下落。その後も原油相場が軟調に推移するなか値を下げた。しかし、英国の
EU 離脱懸念が弱まり、欧州株が上昇するとロシア株にも買いが入り週末に
掛けて下げ幅を縮める展開となった。(水野)
ロシア株
下落、原油安・世界株安を
嫌気
図表12: 中国上海総合指数
3100
図表13: ムンバイ SENSEX 指数
ポイント
27500
ポイント
27000
3000
26500
26000
2900
25500
25000
2800
24500
2700
2016/4/15
2016/5/6
2016/5/27
24000
2016/4/15
2016/6/17
図表14: ブラジル BOVESPA 指数
57000
2016/5/6
2016/5/27
2016/6/17
図表15: ロシア MICEX 指数
ポイント
2000
ポイント
55000
1950
53000
51000
1900
49000
47000
2016/4/15
2016/5/6
2016/5/27
1850
2016/4/15
2016/6/17
図表16: WTI 原油先物(期近物)
ドル/バレル
53
51
49
47
45
43
41
39
37
35
2016/4/15
2016/5/6
2016/5/27
2016/6/17
図表17: NY 金先物(期近物)
1320
ドル/トロイオンス
1300
1280
1260
1240
1220
1200
2016/5/27
1180
2016/4/15
2016/6/17
出所:Bloomberg、りそな銀行
作成 : りそな銀行
2016/5/6
2016/5/6
2016/5/27
2016/6/17
出所:Bloomberg、りそな銀行
総合資金部
高梨 彰
水野伸哉
中條仁美
各マーケット・コメントは 6 月 20 日(月)09:00 現在
◎表紙の注意事項をよくお読みください。
7
りそなマーケットフラッシュ ウィークリー
■過去 5 年間の相場推移
図表17: 日経平均(左軸)と NY ダウ(右軸)
円
22,000
21,000
20,000
19,000
18,000
17,000
16,000
15,000
14,000
13,000
12,000
11,000
10,000
9,000
8,000
2011/06
図表18:
ドル
NYダウ
日経平均
2012/06
2013/06
2014/06
2015/06
22,000
21,000
20,000
19,000
18,000
17,000
16,000
15,000
14,000
13,000
12,000
11,000
10,000
9,000
8,000
2016/06
米ドル円とユーロ円
円
円
160
150
ユーロ円
140
150
130
140
120
130
110
120
100
110
100
90
米ドル円
90
80
70
2011/06
図表19:
160
2012/06
2013/06
2014/06
2015/06
80
2016/06
WTI 原油先物と日本 10 年金利
WTI原油先物(左軸)
ドル
日本10年金利(右軸)
%
1.30
140
1.10
120
0.90
100
0.70
80
0.50
60
0.30
40
0.10
20
-0.10
0
2011/06
2012/06
2013/06
2014/06
2015/06
-0.30
2016/06
出所:Bloomberg、りそな銀行
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りそなマーケットフラッシュ ウィークリー
■マーケットカレンダー
日本
米国
6/13(月) 国庫短期証券(2ヶ月程度)
法人企業景気予測調査
6/14(火) 4月稼働率
国庫短期証券(1年)
その他
<ロシア ロシアの日>
<豪 女王誕生日>
(EU)4月鉱工業生産
(英)5月CPI
★5月小売売上高
★FOMC(-15日)
4月企業在庫
5月輸入物価指数
6/15(水) ★日銀金融政策決定会合(‐16日)
国庫短期証券(3ヶ月)
★5月鉱工業生産
6/16(木) 黒田日銀総裁定例会見
★5月CPI
(英)5月失業率
4月対米証券投資
6月NY連銀製造業景況指数
6月フィラデルフィア連銀製造業景況指数
★5月住宅着工
6/17(金) 資金循環統計
流動性供給入札
百万戸
6
中古住宅販売件数
(EU)5月CPI
(英)BOE金融政策委員会
(豪)5月失業率
中古住宅在庫月数(右軸)
総合
現況
期待
2005年=100
130
125
120
115
110
105
100
95
90
85
80
11/5 11/11 12/5 12/11 13/5 13/11 14/5 14/11 15/5 15/11 16/5
ヶ月
14
5
12
4
10
3
8
2
6
1
コンセンサス予想:前月
比+1.8%
(4月実績:+1.7%)
4
0
2
11/4 11/10 12/4 12/10 13/4 13/10 14/4 14/10 15/4 15/10 16/4
コンセンサス予想:
現状判断114.0
(5月実績:114.2)
出所:Bloomberg、りそな銀行
出所:Bloomberg、りそな銀行
6/20(月) ★5月貿易統計
6/21(火) 4月全産業活動指数
日銀金融政策決定会合議事要旨(4/27-28開催分)
流動性供給入札
6/22(水)
6/23(木) 20年債入札
国庫短期証券(3ヶ月)
6/24(金)
6/26(日)
6/27(月)
6/28(火) 2年債入札
6/29(水) 5月商業販売統計
6/30(木) ★5月鉱工業生産
5月住宅着工件数
国庫短期証券(3ヶ月)
7/1(金) ★4-6月期日銀短観
★5月CPI
5月家計調査
5月雇用統計
6月消費動向調査
7/4(月) 6月マネタリーベース
7/5(火) 10年債入札
7/6(水) 国庫短期証券(6ヶ月)
7/7(木) 5月景気動向指数
国庫短期証券(3ヶ月)
流動性供給入札
7/8(金) ★6月景気ウォッチャー調査
5月国際収支
5月毎月勤労統計
6月貸出・預金動向
7/10(日)
(独)5月PPI
★(独)6月ZEW景気期待指数
★5月中古住宅販売件数
★5月新築住宅販売
(EU)6月消費者信頼感指数
5月シカゴ連銀全米活動指数
5月景気先行指数
★(独)6月IFO景況指数
★(独)5月小売売上高
(EU)5月マネーサプライ
★4月S&Pケースシラー住宅価格指数
1-3月期GDP確報値
6月リッチモンド連銀製造業景況指数
6月消費者信頼感指数
5月個人所得・消費支出
5月中古住宅販売成約指数
6月シカゴ地区製造業PMI
5月建設支出
6月ISM製造業景況感指数
<独立記念日>
5月製造業受注
★(独)6月CPI
★(EU)6月HICP
(EU)5月失業率
(中)6月PMI製造業
<香港 香港特別行政区設立記念日>
5月貿易収支
6月ISM非製造業景況感指数
(EU)5月小売売上高
(豪)5月小売売上高
(豪)5月貿易収支
(豪)準備銀行理事会
<シンガポール ハリラヤプアサ>
<印 イスラム教断食明け祭>
6月ADP民間雇用調査
★(独)5月製造業受注
★(独)5月鉱工業生産
(英)5月鉱工業生産・製造業生産
★6月雇用統計
★(独)5月貿易収支
5月消費者信用残高
★(中)6月CPI
【以降の主要日程】
<国債入札> 2年債(7/28、8/30)、5年債(7/14、8/18)、10年債(8/2)、20年債(7/20、8/23)、30年債(7/12、8/9)、40年債(7/26)
<日銀金融政策決定会合>7/28-29、9/20-21、10-31-11/1、12/19-20
<米・連邦公開市場委員会(FOMC)> 7/26-27、9/20-21、11/1-2、12/13-14
<ECB定例理事会> 7/21、9/8、10/20、12/8
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りそなマーケットフラッシュ ウィークリー
■市場相場動向 (6/13∼6/17)
6/13(月)
-0.050
0.06273
日本円TIBOR
0.11273
16/7限
円短期金利先物
99.960
利付2年国債
新発債
-0.278
国
利付5年国債
新発債
-0.275
内
利付10年国債
新発債
-0.165
金
利付20年国債
新発債
0.170
利
16/9限
債券先物
152.37
2年
-0.15493
5年
-0.15484
円/円スワップ
10年
-0.00205
20年
0.26195
FF レート
0.38
米
TB(3ヵ月)
金
0.254
利
T-NOTE(10年債)
1.610
日本円(3ヵ月)
海 L
-0.04064
米ドル(3ヵ月)
外 I
0.65250
ユーロ(3ヵ月)
金 B
-0.28114
英ポンド(3ヵ月)
利 O
0.57431
R
スイスフラン(3ヵ月)
-0.75980
豪ドル(3ヵ月)
2.01000
NZ ドル(3ヵ月)
2.39500
ドル・円(仲値)
106.46
ユーロ・円(仲値)
119.77
豪ドル・円(仲値)
78.51
NZ
(
)
ドル・円
仲値
東
75.05
ドル・円(15:30時点)
外 京
105.89
ユーロ・円(15:30時点)
国
119.23
ユーロ・ドル(15:30時点)
為
1.1260
ドル円直先スプレッド(3ヵ月、銭/ドル)
替
d 34.6
ドル・円
106.26
N
ユーロ・ドル
1.1292
Y
英ポンド・ドル
1.4270
スイスフラン・ドル
0.9644
日経平均(225種/円)
16019.18
東証株価指数(TOPIX )
1284.54
東
日経ジャスダック指数
2523.85
京
東証マザーズ指数
1115.04
東証1部売買高(百万株)
1876.31
株
NYダウ(ドル)
17732.48
式
ナスダック総合指数
4848.44
中国上海総合指数
海
2833.07
SENSEX(インド)
外
26396.77
ブラジルボベスパ指数
49660.79
M ICEX 指数(ロシア/ドル建)
金(NY先物、期近)(ドル)
1284.40
商
原油(WTI先物、期近)(ドル)
48.88
品
CRB先物指数
192.90
お問い合わせは、取引店の担当者までご連絡ください
無担保コール
オーバーナイト物
3ヵ月
6ヵ月
6/14(火)
-0.050
0.06273
0.11273
99.960
-0.279
-0.280
-0.170
0.160
152.46
-0.15028
-0.15259
-0.00101
0.24911
0.37
0.265
1.613
-0.04100
0.65480
-0.28329
0.57219
-0.76640
2.02000
2.37500
106.10
119.84
78.46
74.80
105.82
119.34
1.1278
d 35.0
106.11
1.1207
1.4114
0.9633
15859.00
1271.93
2464.14
999.91
1976.03
17674.82
4843.55
2842.19
26395.71
48648.29
1885.92
1285.60
48.49
192.21
◎表紙の注意事項をよくお読みください。
10
6/15(水)
-0.053
0.06273
0.11273
99.960
-0.284
-0.295
-0.195
0.140
152.72
-0.14864
-0.15624
-0.00562
0.22212
0.69
0.254
1.572
-0.04100
0.65635
-0.28257
0.57188
-0.76940
2.00000
2.34500
106.12
118.91
77.95
74.02
106.27
119.22
1.1219
d 37.3
106.01
1.1260
1.4204
0.9614
15919.58
1277.11
2471.97
1033.22
1938.42
17640.17
4834.93
2887.21
26726.34
48914.74
1889.75
1285.80
48.01
191.74
6/16(木)
-0.057
0.06182
0.11273
99.960
-0.284
-0.290
-0.205
0.095
152.73
-0.16378
-0.16270
-0.00777
0.22793
0.52
0.254
1.579
-0.03300
0.64660
-0.28357
0.57250
-0.77220
2.00000
2.34500
105.68
119.15
78.47
74.87
104.14
117.46
1.1279
d 34.6
104.26
1.1225
1.4203
0.9650
15434.14
1241.56
2407.57
959.56
2209.24
17733.10
4844.92
2872.82
26525.46
49411.62
1869.78
1296.10
46.21
188.89
6/17(金)
-0.057
0.06182
0.11273
99.955
-0.259
-0.249
-0.155
0.165
152.25
-0.13974
-0.13942
-0.00368
0.19735
0.39
0.254
1.608
-0.03229
0.64440
-0.28429
0.57906
-0.77220
2.00000
2.35000
104.73
117.98
77.40
73.94
104.29
117.24
1.1242
d 33.1
104.16
1.1277
1.4358
0.9600
15599.66
1250.83
2415.25
950.33
2397.38
17675.16
4800.34
2885.11
26625.91
49533.84
1877.07
1292.50
47.98
192.38