FX Weekly Report Jun-fourth week

株式会社フジトミ
FUJITOMI Co,Ltd
2016 年 6 月 18 日発行
フジトミ
テクニカルアナリスト
米倉教公
米倉教公の週間為替市場見通し
ドル/円予想レンジ 100.60‐108.30 円
6/20 日週号
『イエレン米FRB議長証言と英国民投票!』
■今週の市場動向:円高進行であっさり 105 円下抜け
ドル/円:日足
前週のドル/円の週足では、大陰陽線引けとなった。週明けは英国のEU離
終値:104.13 円
脱懸念が高まり、
日経平均株価が 582 円安となったことを受けて一時 105.71
円まで下落した。14 日も株安を嫌気したリスク回避の動きとなり一時
105.60 円まで下押しした。
15 日は欧州時間で 106.39 円まで買われたものの、
米 FOMC で 2017 年末と 18 年末の FF 金利見通しを引き下げたことで、米
長期金利が低下するとともに一時 105.42 円まで下押しした。しかし、イエ
レン米 FRB 議長が記者会見で、7 月利上げの可能性を排除しなかったこと
から 106.13 円まで急速に戻した。16 日は日銀が会合で金融政策を据え置い
たことで、一部で追加緩和期待があっただけに発表直後からドル売りが強ま
ボリンジャー%B
バンド幅が拡大中
った。リスク回避の動きが強まったこともあり、目先のストップロスを巻き
込みながら 103.54 円と約 2 年 10 ヵ月ぶりの安値をつけた。ただ、海外時間
に入り、英下院議員が銃撃され死亡が伝わると、同情票が EU 残留支持に向
かうとの思惑からポジションの巻き戻しが加わり、一時 104.60 円付近まで
★先週の気になる出来事
値を切り上げる場面も見られた。週末は、麻生財務相が朝方から強い円高け
FOMC の利上げ見送りや、日銀の金融政
ん制をしたことで、一時 103.83 円まで上昇したが、上値も重く 104 円台前
策の現状維持は織り込み済みと言われて
半での動きに終始した。
いたはずなのに、蓋を開けてみれば節目
■来週の注目点:イエレン議長議会証言と英国民投票に注意
と し て 意 識 さ れ て い た 105 円 半 ば や
今週の注目は、まずはイエレン米 FRB 議長の 21-22 日の議会証言となる。
105.00 円をあっさり下抜け、103 円半ば
市場のコンセンサスの年 2 回の利上げペースに可能性が残されれば、ドル買
まで下落した時にはビックリした。その
い要因となる。台風の目は英国における EU 離脱を問う国民投票となる。投
後の英下院議員の銃殺事件を受けての戻
票は 23 日現地時間午前 7 時(日本時間 4 時)から午後 10 時(日本時間 24
りの速さにもビックリだ。そして、週末
日朝 6 時)まで行われる。最初の結果は夜中(日本時間 24 日午前 9 時)
、
のまるで心電図を見ているような 104 円
最終結果は 24 日午前 7 時(日本時間 24 日午後 4 時)頃判明する模様だ。
台前半での小動きにはさらにビックリし
仮に離脱支持派が勝利した場合、世界的な株価の急落に伴ってリスク回避の
た。今までの乱高下はウソのような静け
円買いが急ピッチに進む可能性があり、節目を下抜けしたことから、一気に
さとなった。ちょうど台風の目の中に入
100 円台を目指す可能性もある。その場合、政府による介入警戒感が高まる。
ったような感じだ。再び嵐が吹き荒れる。
■テクニカル的な見解
ご
6 月 7 日付のシカゴ IMM 投機筋の対米ドルの差し引き持ち高で、円は前週の+42,853 から+55,690 へと円の買い持ち高
は前週から大幅に増加し、2008 年以来の高水準近辺で推移。英国民投票で EU 残留が決定すると、高水準にある円買い・
ドル売りのポジションの巻き戻しも手伝って、一時ではあるが大幅な円安となる可能性がある。ボリンジャーバンド(パ
ラメータ:20、±1、±2)では、バンド幅の縮小から拡大が継続していることから、円高圧力が強まっていることを示し
ている。現在マイナス 2σをバンドウォークしていることで下落基調が維持されている。テクニカル的には円高トレンド
となっているが、英国の残留が決定すると一気にポジションの巻き戻しが入る可能性がある。その際、上値で注目するの
が 25 日移動平均線の位置する 108.30 円近辺となる。上抜けした場合は、75 日移動平均線の 109.70 円近辺となる。
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。必ずご確認ください。
のの
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国間の金利水準が逆転した場合等には、それまでスワップポイントを受け取っていたポジ
ションで支払いが発生する可能性もあります。また、一部の通貨においては、外国為替市
場における当該通貨の需給関係等の影響を受けて、金利変動によらずにスワップポイント
の増減や受払いの逆転が生じたり、場合によっては、金利の高い方の通貨の買いポジショ
ンでスワップポイントの支払いが生じる可能性があります。
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示が不可能または困難となることがあり、その結果、想定する価格で取引ができないなど、
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た場合には、特定の通貨ペアの取引が不能となる可能性もあります。なお、平常時におい
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