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2016/
原油価格週間動向
6/20
投資情報部
シニアコモディティアナリスト
津賀田 真紀子
原油続落、世界的リスク回避の動きが背景に
原油価格の上値が重い。WTI 原油先物相場は先週、一時1バレル=45 ドル台まで値を落とす展開となっ
た。英国の EU 離脱問題を巡り、世界的にリスク回避の動きが活発化しているためだ。米国内の石油リグ
稼働数が再び増加に転じていることから、需給改善期待が後退していることも売り圧力となっている。昨
年も夏場にかけて一時的にリグの稼働数が回復し、これによって WTI 原油先物相場が押し下げられる展
開となったが、今年も同様の動きとなる可能性がある。非商業筋のネットロングは 4 週連続で縮小してお
り、四半期末に向けた利益確定売りが鮮明となっている。当面、上値は限られるとみている。
原油価格の上値が重い。国際指標であるウエスト・テキサス・インターミディエイト
WTI原油先物相場
はリスク回避の動
きで1ヵ月ぶりの安
値に
(WTI)原油先物相場は先週、一時1バレル=45 ドル台とおよそ 1 ヵ月ぶりの水準にま
で値を落とす展開となった。欧州連合(EU)離脱か残留かを問う英国の国民投票を
6/23 に控え、世界的にリスク回避の動きが活発化したことが背景にある。
足元では 1 バレル=48 ドル台まで回復しているものの、ユーロ等の主要通貨に対しド
ル高が進行している状況を考えると、ここから先の上昇は限られる可能性が高い。
WTI 原油先物相場はドル建てで取引されるが、ドルが上昇すると割高感から買われ
にくくなるため、ドルと逆相関の動きをする傾向があるためだ。
また、世界需給見通しにも変化が生じている。国際エネルギー機関(IEA)が 6/14 に
発表した月報によると、「世界の原油需給は 2016 年下半期に均衡するが、来年上半
期には再び供給超過になる」との見通しが示されている。現在、武装勢力の攻撃に
よって供給障害が起きているナイジェリアやリビア等で生産が回復する可能性がある
ことが主な理由とされている。今後、弱材料として意識されるものと思われる。
原油価格動向
WTI原油先物価格とドルインデックス
2016/6/6
期間
始値
WTI
高値
2016/6/10
48.85
48.88
49.28
51.67
▲ 2.39
48.71
▲ 2.88
終値
47.98
49.07
▲ 1.09
高値
50.79
49.83
52.86
78
▲ 2.07
46.94
49.72
▲ 2.78
終値
49.17
50.54
▲ 1.37
82
90
84
80
86
88
70
0.59
安値
80
100
▲ 0.03
45.83
50.42
76
110
安値
始値
北海
ブレント
前週比
2016/6/17
(週次:2013/1/4~2016/6/17)
(1バレル=ドル)
120
~
~
2016/6/13
90
60
92
50
94
40
96
WTI原油先物(左目盛)
ドルインデックス(右逆目盛)
30
98
100
20
(注)価格は 1 バレル=ドル
13/1
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
13/7
14/1
14/7
15/1
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
1
1
15/7
16/1
102
(年/月)
2016/6/20
原油価格週間動向
米国内の石油掘削
装置(リグ)稼働数
が再び増加
さらに、ここにきて米国内の石油掘削装置(リグ)の稼働が再び増加に転じていること
も原油相場にとっては売り材料だ。ベイカー・ヒューズ社のリポートによると、6/17 時点
の稼働数は 337 基と 3 週連続で増加する結果となった。今後、米国産原油の供給量
が増え、需給が緩むとの思惑が広がっている。昨年も夏場にかけて一時的にリグの稼
働数が回復し、これによって WTI 原油先物相場が押し下げられる展開となったが、今
年も同様の動きとなる可能性がある。
すでに非商業筋のネットロングは縮小に向かっている。米商品先物取引委員会
(CFTC)の建玉報告によると、WTI 原油先物相場のネットロングは 6/14 時点で 31 万
2,585 枚となり、4 週連続の減少となった。今後、四半期末、半期末に向けて、一段と
利益確定売りに押される可能性がある。
なお、非商業筋のオプション(7・8・9 月限の合計)建玉は、6/17 現在、プットが 1 バレ
ル=40 ドル前後、コールが同 55 ドル前後に集中している。権利行使価格が上下とも狭
い範囲に集中している状況を考えると、いずれにしても、ここから先の上昇は限定され
るのではないかと思われる。
米国内リグ稼働数と原油生産量
米国原油推定需要
(週次:2013/1/4~2016/6/10)
(千バレル/日)
18,000
17,500
1,600
17,000
1,400
2013年
16,500
16,000
15,500
2014年
1,200
2015年
1,000
2016年
14,500
600
14,000
400
13,500
2
3
3
4
5
6
7
8
9
(千バレル/日)
10,000
原油生産量(右目盛)
リグ稼働数(左目盛)
9,500
9,000
8,500
800
15,000
1
(週次:2014/1/3~2016/6/17)
(基)
1,800
8,000
200
10 11 12 (月)
14/1
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
70,000
15/1
15/7
7,500
(年/月)
16/1
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
WTI原油先物オプシ ョン権利行使価格分布
(枚)
80,000
14/7
CFTC非商業筋建玉とWTI原油先物価格
(2016年6月17日時点)
(週次:2014/4/1~2016/6/17)
(万枚)
50
プット(7・8・9月限合計)
45
コール(7・8・9月限合計)
60,000
(1バレル=ドル)
120
買残-売残(左目盛)
110
WTI( 右目盛)
100
40
90
50,000
80
35
40,000
70
30,000
30
20,000
25
10,000
60
50
40
20
0
30
15
10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70 75 80
(1バレル=ドル)
14/4
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
14/7
14/10
15/1
15/4
15/7
15/10
16/1
16/4
20
(年/月)
(注)CFTC 非商業部門建玉は 6/14 現在
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
22
2016/6/20
原油価格週間動向
■ エネルギー関連統計
日付
国・地域
6 月 22 日
6 月 22 日
6 月 22 日
6 月 22 日
6 月 22 日
6 月 22 日
6 月 22 日
6 月 22 日
6 月 24 日
6 月 24 日
6 月 24 日
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
イベント
米国原油在庫(前週比・千バレル)
オクラホマ州クッシング原油在庫(前週比・千バレル)
米国ガソリン在庫(前週比・千バレル)
米国中間留分在庫(前週比・千バレル)
米国製油所稼働率(前週比)
米国原油推定需要(千バレル/日)
米国ガソリン推定需要(千バレル/日)
米国留出燃料推定需要(千バレル/日)
ベーカー・ヒューズ掘削リグ稼働数
ベーカー・ヒューズ米国ガス・ロータリーリグ稼働数
ベーカー・ヒューズ米国石油ロータリーリグ稼働数
期間
6 月 17 日
6 月 17 日
6 月 17 日
6 月 17 日
6 月 17 日
6 月 17 日
6 月 17 日
6 月 17 日
6 月 24 日
6 月 24 日
6 月 24 日
前回
▲933
904
▲2,625
786
▲0.7%
16,471
10,135.7
4,994.7
424
86
337
■ 今週の経済指標
日付
国・地域
6 月 20 日
6 月 20 日
6 月 21 日
6 月 22 日
6 月 22 日
6 月 22 日
6 月 22 日
6 月 22 日
6 月 23 日
6 月 23 日
6 月 23 日
6 月 23 日
6 月 23 日
6 月 23 日
6 月 23 日
6 月 23 日
6 月 23 日
6 月 23 日
6 月 23 日
6 月 24 日
6 月 24 日
6 月 24 日
6 月 24 日
6 月 24 日
6 月 24 日
6 月 24 日
6 月 24 日
6 月 24 日
欧州
欧州
欧州
米国
米国
欧州
米国
米国
欧州
欧州
欧州
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
イベント
建設業生産高(前月比)
建設業生産高(前年比)
ZEW 調査(期待)
MBA 住宅ローン申請指数
FHFA 住宅価格指数(前月比)
消費者信頼感
中古住宅販売件数
中古住宅販売件数(前月比)
マークイット ユーロ圏製造業 PMI
マークイット ユーロ圏サービス業 PMI
マークイット ユーロ圏コンポジット PMI
シカゴ連銀全米活動指数
新規失業保険申請件数
失業保険継続受給者数
マークイット米国製造業 PMI
新築住宅販売件数
先行指数
新築住宅販売件数(前月比)
カンザスシティ連銀製造業活動
耐久財受注(前月比)
耐久財受注(除輸送用機器)
製造業受注-資本財(非国防/除航空機)
製造業出荷-資本財(非国防/除航空機)
ミシガン大学消費者マインド
ミシガン大学現在景況感
ミシガン大学消費者先行景況感
ミシガン大学 1 年期待インフレ率
ミシガン大学 5-10 年期待インフレ率
期間
4月
4月
6月
6 月 17 日
4月
6 月 1 次速報
5月
5月
6 月 速報
6 月 速報
6 月 速報
5月
6 月 18 日
6 月 11 日
6 月 速報
5月
5月
5月
6月
5 月 速報
5 月 速報
5 月 速報
5 月 速報
6 月 確報
6 月 確報
6 月 確報
6 月 確報
6 月 確報
前回
▲0.9%
▲0.5%
16.8
▲2.4%
0.7%
▲7.0
5,450,000
1.7%
51.5
53.3
53.1
0.1
277,000
2,157,000
50.7
619,000
0.6%
16.6%
▲5
3.4%
0.5%
▲0.6%
0.4%
94.3
111.7
83.2
2.4%
2.3%
(注)記載事項はすべて「予定」ないし「見込み」であり、予告なく変更されることがあります。海外イベントおよび経済指標は現地日程で掲載しています
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
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2016/6/20
金融商品取引法に係る重要事項
原油価格週間動向
■国内株式のリスク
リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。株価の下落や発行者の信用状況の悪化等により、投
資元本を割り込むことがあり、損失を被ることがあります。
■国内株式の手数料等諸費用について
○国内株式の売買取引には、約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託手数料をご負担いただ
きます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税込み)を乗じた金額を委託手
数料としてご負担いただきます。
○株式を募集等により購入する場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。
○保護預かり口座管理料は無料です。
■外国株式のリスク
○外国株式投資にあたっては、株価変動リスク、発行者の信用リスク、為替変動リスク(平価切り下げ等も含む)、国や地域
の経済情勢等のカントリーリスクがあります。それぞれの状況悪化等により投資元本を割り込むことがあり、損失を被るこ
とがあります。
○現地の税法、会計基準、証券取引に関連する法令諸規則の変更により、当該証券の価格に大きな影響を与えることがあ
ります。
○各国の取引ルールの違いにより、取引開始前にご注文されても、始値で約定されない場合や、ご注文内容が当該証券の
高値、安値の範囲であっても約定されない場合があります。
○外国株式において有償増資等が行われた場合は、外国証券取引口座約款の内容に基づき、原則権利を売却してお客さ
まの口座に売却代金を支払うことになります。ただし、権利売却市場が存在しない場合や売却市場があっても当該証券の
流動性が低い場合等は、権利売却ができないことがあります。また、権利が発生しても本邦投資家が取り扱いできないこ
とがあります。
○外国株式の銘柄(国内取引所上場銘柄および国内非上場公募銘柄等を除く)については、わが国の金融商品取引法に基
づいた発行者開示は行われていません。
■外国株式の手数料等諸費用について
○外国委託取引
国内取次手数料と現地でかかる手数料および諸費用の両方が必要となります。現地でかかる手数料および諸費用の額
は金融商品取引所によって異なりますので、その金額をあらかじめ記載することはできません。詳細は当社の担当者まで
お問い合わせください。国内取次手数料は、約定代金 30 万円超の場合、約定代金に対して最大 1.08%+2,700 円(税込
み)、約定代金 55,000 円超 30 万円以下の場合、一律 5,940 円(税込み)、約定代金 55,000 円以下の場合、約定代金に対
して一律 10.8%(税込み)の手数料をご負担いただきます。
○国内店頭(仕切り)取引
お客さまの購入単価および売却単価を当社が提示します。単価には手数料相当額が含まれていますので別途手数料お
よび諸費用はかかりません。
○国内委託取引
当社の国内株式手数料に準じます。約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託手数料をご負
担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税込み)を乗じた金額を
委託手数料としてご負担いただきます。
○外国証券取引口座
外国証券取引口座を開設されていないお客さまは、外国証券取引口座の開設が必要となります。外国証券取引口座管理
料は無料です。
外貨建商品等の売買等にあたり、円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決定した為替
レートによるものとします。
商品ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面や目論見書またはお客さま向け
資料等をよくお読みください。
商 号 等 : みずほ証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 94 号
加入協会 : 日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、
一般社団法人第二種金融商品取引業協会
広告審査番号 : MG5690-160620-16
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