2016 年栄東中学校 算数入試問題分析資料 (サンプル) 1.東大選抜Ⅰ 1-1.得点分析 国語:97.0/150 得点率 64.7% 算数:51.3/150 得点率 34.2% 社会:47.3/100 得点率 47.3% 理科:46.0/150 得点率 46.0% 国語以外の平均点は低い結果となったが、とりわけ算数が低い平均点だった。 150 点の配点がありながら、平均点は 51.3 点にとどまり、算数が得意な生徒が不利となる 結果になってしまった。 (2015 年入試結果) -1- 2015 年結果と比較してみると、東大選抜Ⅲを除き、算数は全て平均点が下がっている。東 大選抜Ⅰは、さらに、最高得点が 146 点から 126 点と大幅に下がっていることからも、算数 の得意な受験生が力を発揮できない入試となってしまったことが伺える。 1-2.問題分析 1番 題意より、16人ベンチの数のほうが少なかった。 A 少ない ⇒多い 8+40=48人分の違い B 多い ⇒少ない 48÷(24-16)=6個分の違い A (100-6)÷2=47個 B (100+6)÷2=53個 よって、16×47+24×53-8=2016人 ⑧ 距離一定の時、速さの比と時間 の比は逆比になることから、時間 の比を整理すると、右グラフのよう になる。 以上より、 200×6=1200m 200m -2- ① ⑤ ① (円-赤正方形)×2で求められる。 157÷3.14=50cm2・・・青正方形 50×2=100cm2・・・赤正方形 (157-100)×2=114cm2 ① 30の倍数-11の倍数=153度 or207度 207+33=240度 ⇒ 33÷5.5=6分より、8時6分 ② 11の倍数-30の倍数=153度 or207度 11×27-30×3=207度 297÷5.5=54分より、3時54分 153 度 207 度 -3- 90-12=78度 【1番分析】 大設問1番から、難度の高い問題が出題された。特に(4)は正答率が低かったと予想 する。また、(2)(3)も、想定された正答率よりも低い結果になったのではないかと感じる。 東大選抜Ⅰとはいえ、1番はある程度正解を取らせる問題を出題すべきだったのではな いかと思う。 2番 -4- 原液の濃度を35とすると、 1 35× =5 ・・・ 470×7 mL 7 28 <方法1> 2 1 35× =7 5 2:28=1:14より、 470×7× 1 =235mL・・・(ア) 14 <方法2> 470×7× 1 658 1 = =219 mL ・・・(イ) 15 3 3 28 2 4個入り:1500÷4=375円(1個) 2 6個入り:2200÷6=366 円(1個) 3 なるべく6個入りを買う ①5640-2200×2=1240円 1240÷440=2個 ②5640-2200=3440円 3440-1500×2=440 2200 2 1 1500 0 2 440 2 1 計 14個 15個 1500 3 2200 0 440 2 計 14個 以上より15個・・・(ア) ③5640-1500×3=1140円 1140÷440=2個 以上より4×3+2=14個・・・(イ) -5- 【2番分析】 大設問2番は、(1)が平均算。(2)が差集め算となり、比較的馴染みのある問題形式で あった。恐らく、2番の出来が大きく算数の合否を分けたのではないかと感じる。 問題そのものは1番よりも手が出しやすく、正答率も1番よりは高かったのではないかと推測 する。 3番 4× 2 2 =2 cm 3 3 ① ① ⑧ -6- ⑧ 4× 1 4 = cm 9 9 ① ⑧ 頂点Aに水面がつくことから、 ③ 水の入っていない体積は三角すいの形となるので、 底面積は①×3=③ ⑥ 以上より、3:9=1:3 【3番分析】 大設問3番は、今回の問題構成で最も点数が取りやすい問題であったと考える。2番以 上に、大きく合否を左右する問題になったと推測する。最低でも(1)(2)を正解しないと、 合格可能性は低くなったのではないかと感じた。 -7- 4番 -8- (1) 5秒後 12 15秒後 12 12 12 25秒後 12 12 12 12 6 6 35秒後 12 12 12 12 12 6 12 6 12 12 12 12 12 12 12 12 (2) □秒後 2.4× 2 =0.96 5 6÷0.96=6.25 以上より、35+6.25=41.25秒 -9- 3 誤答予想 40秒後 12 12 12 12 12 10.5 12 12 1.5 シの左から0.6、シの上から1.2÷2=0.6が入ってくると考えてしまった受験生が多 く、残り6を、6÷(0.6+0.6)=5秒と考え、35+5=40秒と誤答した受験生が多か ったのではないかと推測する。 (3) 41.25秒後 12 12 12 3 12 12 12 ケ 12 12 2.4÷4=0.6 0.6×2=1.2 12÷1.2=10秒後 0.6×10=6 51.25秒後 12 12 12 9 12 12 12 6 12 12 12 2.4÷3=0.8 (12-9)÷0.8=3.75秒後 55秒後 12 12 12 12 12 12 12 9 12 12 12 3 (12-9)÷1.2=2.5秒後 57.5秒後 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 4.5 以上より、57.5-41.25=16.25秒 -10- 1.5 (4) 57.5秒まで ア5秒 イ10秒 ウ20秒 エ20秒 オ カ10秒 キ10秒 ク16.25秒 ケ16.25秒 コ サ20秒 シ16.25秒 ス10秒 セ ソ 12 12 12 12 5.25 12 12 12 12 3.75 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 10.5 12 12 12 12 6.75 63.75秒後 7.5÷1.2=6.25秒 72.1875秒後 6.75÷0.8=8.4375秒 63.75+8.4375=72.1875秒 73.125秒後 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 4.5 7.5 1.5÷1.6=0.9375秒 72.1875+0.9375=73.125秒 75秒後 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 4.5÷2.4=1.875秒 73.125+1.875=75秒 以上より、下記の表の通り。 -11- ア5秒 イ10秒 ウ20秒 エ20秒 オ17.1875秒 カ10秒 キ10秒 ク16.25秒 ケ16.25秒 コ15.625秒 サ20秒 シ16.25秒 ス10秒 セ12.5秒 ソ11.25秒 ウ・エ・サ 20秒 【4番分析】 大設問4番は、非常に時間がかかる上に、設問の意図が受験生には伝わりにくく、恐らく (2)から、誤答予想の通り、40秒と捉えてしまったために(2)(3)(4)と不正解になってし まった力ある受験生が多かったのではないかと考える。 優秀な受験生を選抜する意味合いを考えたとき、果たして、本問題がその選抜に有効に 機能したかどうか、疑問が残る。 【参考】 (H18 桜蔭) 2006年桜蔭中に同様の問題が出題されている。桜蔭中の問題には、 「1つの容器からいくつかのとなり合う容器に流れていく水の量は同量です」という一文が注 意書きとして記述されている。このような文章があれば、受験生は勘違いせずに問題を解き 進めることが出来たのではないかと考える。 -12-
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