PLAY with KEEN

LET'S HANG OUT ! PLAY with KEEN
LET'S HANG OUT !
COLUMN
今年もあの季節が
やってくる
PLAY with KEEN
ARTWORKS: GRAVITYFREE
PHOTOGRAPHY: SUKO MEGUMI
TEXT: KIKUCHI TAKASHI
ウッドストックを起因とするアメリカのフェス・カルチャ
ーは、ヒッピームーブメントを内包しながら、時代の変化に
さほど流されることなく歩みを進めてきた。例えば全米最大
規模のフェスと言われるボナルーも、少なからずヒッピーや
カウンターカルチャーの要素を含んでいる。
アメリカの野外フェスにおいて、
しばらくの間、
足元を支え
ていたのがビルケンシュトックだった。カウンターカルチャ
ーを 60 年代から牽引してきたバンド、グレイトフル・デッド
のショーでは、ビルケンシュトックを履いたデッドヘッズが
れていた。裸足を愛するデッドヘッズにとって、ビルケン
のサンダルはうってつけの存在だった。
2000 年代に入ると、野外フェスの足元のスタンダードが
いつしかビルケンから KEEN へと変化。つま先をガードし裸
足のまま履いても快適な NEWPORT は、ヒッピーだけではな
く、その息子たちの世代にも受け入れられた。
2003 年にアメリカ西海岸でスタートした KEEN。日本で
も 2004 年に発売を開始した。夏フェスという文字がマスコ
ミで流れはじめ、フェスの裾野が広がろうとしていた時代だ。
レインウエアやシューズなど、アウトドアのアイテムと野外
フェスがリンクしはじめた時でもある。
既存のマーケットではなく、新しいゾーンに踏み込んでい
く。KEEN はそんなことを考えていたのだろう。しかもオル
タナティブな視点を持って、草の根的に広まっていく道を選
んだ。そのひとつの道がフェスという場であり文化だった。
2006 年に KEEN は日本のジャムバンド Dachambo とアン
バサダー契約を結ぶ。今や彼らはフェス番長と呼ばれ、特
にオルタナティブなフェスには不可欠なバンドに成長し
たが、当時はフジロック出演が一回のみだった。2007 年
には Dachambo のツアーバスをペインティングユニット
Gravityfree の手で完成させた。オーガニックな雰囲気が満載
のラッピングバスで Dachambo は全国のフェスを巡った。
、
Dachamboが 2007年に開始した野外フェス「HARBESTA」
Gravityfree がフジロックのキッズ ランドなどのデコレー
ションを手がける Bubb と組み、2010 年にはじまった「ARTh
。KEEN はそんな「ハイブリッド」なフェスに積極的
camp」
に参加し、日本でもフェスシーンに欠かせない存在になって
いった。フェスというシーンが、音楽だけではなくアートや
ファッションまでも含んだ総合的なカルチャーであるという
ことを、日本で広めるひとつのファクターに KEEN がなった
と言っても過言ではないだろう。
去年から KEEN はフジロックの協賛もはじめた。日本を代
表するビッグフェスへの協賛は、この 10 年の草の根的な歩み
とは違うベクトルという印象を持つかもしれないが、カウン
ターカルチャーやオルタナティブという大きなフィールドを
視点におけば、
スタンスを変えていないことがわかる。KEEN
は今もなおオルタナティブな道を歩み続けている。
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RECOMMEND
フェ ス で 履 きた い
KEEN BEST3
ARTIST INTERVIEW
音楽やアートといったカルチャーとの繋がりを大切にし、今では野外フェスシーンのスタンダードとなった KEEN 。
長年その歩みを共にしてきたブランド公式アンバサダーである2組のアーティストに、フェスカルチャーと KEEN の関係性を訊いた
P H OTO G R A P H Y: G OTO TA K E H I R O
GRAVITYFREE
Painting Unit
Gravityfree が活動をはじめた 2001 年頃、ライブ
日本でも、自分たちで 2010 年に立ち上げたアート
ペインティングは一部のパーティー以外ではほとん
を主体としたキャンプイベント ARTh camp や、新
ど行われていなかった。
潟県越後妻有で開催されている大地の芸術祭に、空
「ライブペインティングが定着したのはフェスの存
き家をコンバーションした DEAI というインスタレ
在がとても大きいと思います」(djow /デジョー)
ーションで共同参加するなど、アーティストとブラ
Gravityfree がフジロックのフィールドオブヘブン
ンドという範疇に留まらない挑戦が行われている。
でライブペインティングをはじめたのは 2005 年。
「東日本大震災の時に、石巻で復興を目指したイベ
「フェスで学んだことは多い。食べ物や服の素材な
ントをしたんですけど、炊き出しを手伝ってくれた
ど、音楽だけじゃなくライフスタイルにまで広がっ
り、靴を被災者に配ってくれたり。ブランドとして
ていった。フェスで描いていなかったら、自分たち
も、熱いものを持っていると思います」
(djow)
も今とはだいぶ違っていたと思う」(8g /エイジ)
Gravityfree は一昨年から南米ツアーもはじめ、そ
「昔は遊び場という感覚だったけど、今はいろんな
の成果は KEEN のシューズデザインとなって表現
音楽や人に出会える大切な場。環境がよく、集中して
されている。彼らがデザインした NEWPORT H2
絵も描けるし、一番の仕事場かもしれない」(djow)
の GALAPAGOS モデルは、昨年春にエクアドルを
Gravityfree と KEEN は、2007 年 の Dachambo バ
巡ったツアーでのインスピレーションから生まれた。
スのペインティングがきっかけで関係が生まれた。
フェスで学んだ地球環境への視野はより深まり、彼
その後も KEEN 本社があるアメリカ・オレゴン州ポ
らの舞台は世界へと広がっている。
ートランドで KEEN US 主催のフェス STAND に出
演、バイオディーゼルとベジオイルを使ってアメリ
カ西海岸を北上するエレメントツアーへの参加など、
KEEN のサポートによるアメリカでの活動も多い。
スタイリッシュなハイキングシューズ
ハイブリッドフットウェアの 真 髄
KEEN 定 番 モデ ル の 進 化系
1. PYRENEES(LINT )
2. NEWPORT H2(GALAPAGOS )
3. JASPER ROCKS SP
KEEN の人気モデル・TARGHEE が持つ、険しい山道
南米大陸の沖合に浮かぶガラパゴス諸島に生息する
キャンプやフェスを想起させる森、土、光を表現し
でも安定した歩行を可能にする高機能ソールシステ
ウミイグアナやゾウガメ、アカシュモクザメなどの
た配色を施したデザインは、日本屈指のジャムバン
ムに、クラシカルなレザーアッパーを融合させ、ヨ
稀少動物をモチーフに、実際にガラパゴスを訪れた
ド・Dachambo とアートディレクター・吉本多一郎
れる仕上がりに。KEEN 独自
ペインティングユニット・Gravityfree が描いたアー
によるもの。アウトドアシーンだけでなく、スニー
の防水透湿素材「KEEN.DRY」も採用しているので
トワークをプリント。軽量かつ水陸両用で、どのシ
カーとしてタウンユースでも活躍してくれる KEEN
耐水性も抜群。ショーツやレギンスとの相性も良く、 ーズンにも、どんな天候にも対応する優れた機能性
を代表するラインのアップデートモデル。 ● 税抜
様々な場面で重宝する一足。● 税抜価格:¥21,000
を持つ。● 税抜価格:¥13,000 サイズ&重量:25.0
価格:¥13,800 サイズ&重量:25.0 ∼ 28.0、29.0、
サイズ&重量:25.0 ∼ 28.0、29.0cm 片足(27cm)
∼ 28.0、29.0cm 片足(27cm)405g(M)/ 22.5 ∼
30.0cm 片足(27cm)435g(M)/ 22.5 ∼ 25.0cm
582g(M)/ 22.5 ∼ 25.5cm 片足(24cm)471g(W)
25.0cm 片足(24cm)325g(W)
片足(24cm)352g(W) 8 月発売予定
ーロピアンテイスト
DACHAMBO
フェス 番 長 と 呼 ば れ、 音 の 旅 を 続 け る バ ン ド
Dachambo が最初に出演した野外イベントは、2001
スという言葉が一般的に広まる以前で、DJ とバン
ヘッズを集めた。そんな HARBESTA に KEEN は協力
ドをクロスオーバーさせたアンダーグラウンドの
催)に、KEEN がオフィシャルスポンサーとして参加決
「野外でもいろんな遊び方がある。新しい遊び方を、
後、2004 年に福岡のサンセットライブに出演を果た
これからもどんどん Dachambo として提供していき
し、翌 2005 年にはフジロックのステージにはじめて
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Dachambo は今年、結成 15 周年を迎えた。ベスト
盤のリリースと、秋には 5 年ぶりの HARBESTA 開催
を視野に置いている。
「KEEN とはお互いオルタナティブなところをリス
ペクトし合っています。そして一緒にアグレッシブ
来たな、という感じがしました」(EIJI / B)
に進んで行こうというスタンスがある。同じバスに
2005 年に代々木公園でフリーパーティーとして
乗っている仲間のような存在です」(AO)
自ら開催した HARBESTA を、2007 年にはキャンプ
インフェスとして主催。バンドによるバンドとファ
は。ハッシュタグは「♯ FUJIROCKEEN」
。他にも、キャ
ンプサイトに設置される「よろず相談所」への参加や、
環
ンのためのキャンプインフェスは、おそらくこれが
定。フェス期間中はブースを出展、無料で KEEN シュー
境活動の一環として
「フジロックの森」
へのサポートも行
日本初だった。
のタトゥーシールも配布される。同時に、SNS 上でフォ
みるのもいいかもしれない。
うとのこと。今年のフジロックは KEEN と共に楽しんで
たいですね」(HATA / Machine)
自由空間 に身を置いたことで、新しいフィールドに
スティバル 16(7/22 ∼ 24、新潟の苗場スキー場にて開
ズの貸出を行う。シューズをレンタルすると KEEN ロゴ
を惜しまなかった。
イベントがパーティーと呼ばれていた時代だ。その
大切な存在であるっていうことを知って。みんなが
トコンテストも実施する予定なので、ぜひ参加してみて
や台湾の CAMP AMIGO など世界で活動中
HARBESTA は毎年のように会場を変え、2011 年
にはフリーフェスとして開催し、1万人を超える
向のエネルギーというか、場を作るのにお客さんも
今年 20 回目のアニバーサリーを迎えるフジロックフェ
むライブペ
インティングが人気。日本だけでなく、アメリカのボナルー
うことがしたくなって」(AO / Vo&G)
年のバレアリックサンライズだった。まだ野外フェ
「パーティーやフェスで、バンドとお客さんの双方
フジロックで KEEN を体感しよう!
ティングユニット。現場の空気感や音の流れを
Musician
立った。
INFORMATION
Gravityfree djow(デジョー)と 8g(エイジ)によるペイン
「自分たちで楽しむ場所は自分たちで作らなければ
ならない。ファンへの感謝祭じゃないけど、そうい
Dachambo バスの走行距離は 20 万キロを超えた
けれど、Dachambo と KEEN の旅は終わらない。
Dachambo 2001 年結成。2004 年にファーストアルバム
『 aphrodelic ngoma 』をリリース。フェス番長の異名をとり、
全国のフェスをペイントされたバスで巡る、音の旅人たち。結
成 15周年記念のベスト盤のリリースが予定されている
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