たたみ 阿 弥 陀 堂 の﹁ 畳 ﹂ おもて が 行うというものです。また、参詣 より藁の差込み等を行 い、隣の畳 また、畳床には、損傷の程度に 替えるという工夫です。 このため、このたびの御修復に 席・外陣等の畳表については、 ﹁裏 との隙間や不陸︵段差︶があれば、 の部分を取り替える﹁表替え﹂を お い て は、 ﹁畳 工 事﹂と し て、全 返し﹂という作業を行うことにな 補正しながら修復がなされまし 用の限界に達していました。 般にわたり修復することになりま り ま し た。こ の﹁裏 返 し﹂と は、 た。そして、茣蓙の部分を止める 阿弥陀堂の内陣本間など、一部 土壁や障子の和紙など、 日本間︵和 にも優れています。畳のみならず、 夏は湿度を吸収するなど、機能性 たたみおもて たたみべり きたい﹂とのお言葉をいただきま わら 阿弥陀堂の畳は、参詣席・外陣 した。修復方針としては、内陣の 畳表は表と裏の両面を使用するこ 装飾である畳縁の縫い付け作業で ふ りく においては二十五年ほど前に一部 一部においては、畳の芯にあたる とができるため、表側が傷めば裏 が施されています。 を新調したため、畳表に部分的な 畳床をそのまま使用し、い草の茎 す。 は、細部にわたる緻密な作業が求 した。 には、畳師が手縫いで作り上げる たたみどこ 補修が必要なだけでしたが、その 側がきれいなうちに裏返して張り 現 在、重 要 文 化 財 められ、専門業者の職人の方々に 御修復後の阿弥陀堂の畳は、紋 ざ に指定されている建 は、ひと縫いひと縫い丁寧に作業 ご を 乾 燥 さ せ て 織 っ た 茣 蓙 ︵ 畳 表︶ 造 物 の 畳 に は 必 ず、 ﹁真 宗 本 廟 を は じ め と し て 京 都 に 縁 が そ の 輪 郭 を ぴ た り と あ わ せ、 ことが決められてい は、まだまだ日本が誇るべき畳文 いただいております。阿弥陀堂の ま す。藁 床 は 通 気 性 化を継承する素地があります。こ くなっていることが判明したため、畳 伝統的な藁だけで作 に 優 れ、弾 力 に 弾 む のたびの御修復に携わり、この経 の枚数が増加しました。 心地よい、い草の香りとともに参 た め、正 座 時 の 足 の 験を活かして、技術、文化、願い 伝統技術の﹁有職畳﹂といわれる 室︶に用いられる建材は日本の風 高麗小紋から派生したものと考え の紋が使用されています。これは、 参詣席の畳縁には、東本願寺固有 立つものについては日常的な営繕 ごとに修復されますが、傷みが目 め、両堂の参詣席の畳は約三十年 拝者や観光客の方々が訪れるた 真宗本 廟には、年間数万人の参 四方を縫い付けたら、重なりあった縁を整えます の一部と外陣の畳寸法が旧来より小さ こ ※れまでは四〇一枚とされていました が、今回の修復調査時において、内陣 拝者を迎えてくれるでしょう。 痛 み を 軽 減 し て く れ、 をしっかりと次代に引き継いでい 畳が用いられており、縁の仕上げ 土に適した、心地よい知恵が息づ 含 む た め 冬 は 暖 か く、 また藁の層が空気を 畳 工 事 に 携 わ る 職 人 の 方 か ら は、 紋縁を付け終わったら、床に表を張ります 畳作りに用いられる道具類 ゆう そく には熟練の技術を要します。 られ、東本願寺の中では豆小紋と のなかでそのつど修復がなされて いています。 呼んでいます。畳縁の縫い付け作 います。 また、御影堂、阿弥陀堂の外陣・ 業では、紋を一定に合わせ、畳を こ れ ら 畳 工 事 に わ た る 工 程に 敷いた際に整然と見えるよう、配 慮がなされます。 い草の畳表に、予め紋縁を縫いつける作業 られた畳床を用いる 本山で用いられる紋縁 紋の大きさが大きくなるほど上間に用いられます (左から豆小紋、高麗小紋、中紋白、中紋黒、大紋白) 他の畳すべては畳表が劣化し、耐 ※の畳敷 席 に 分 か れ、四 一 八 枚 も たたみじき 阿 弥 陀 堂 は、内 陣・外 陣・参 詣 御 修 復 の あ ゆ み 畳を裏返し、肘を使って力強く表を縫い付けていきます 66 2015年 (平成27年) 10月 真 宗 真 宗 67 2015年(平成27年)10月
© Copyright 2024 ExpyDoc