本日の日本株式市場の下落について

楽読
(ラクヨミ)
2016年6月13日
Vol.
1,111
本日の日本株式市場の下落について
6月13日の日本株式市場では、日経平均株価が前日比582円(3.51%)安の16,019円と大きく下落しました。
英国において、EU(欧州連合)離脱の是非を問う国民投票を今月23日に控え、各種の世論調査で、離脱支
持派の比率が残留支持派を上回りました。離脱の場合、今後2年間で英国経済が約3.6%縮小するとの試算
(英財務省)もあるなか、欧州経済の先行きに対する不透明感が増しました。こうしたことなどを背景に、ユー
ロが大幅に下落し、主要通貨に対し円が買われたほか、欧米の株式市場が下落した一方、国債が買われて
長期金利がさらに低下するなど、投資家のリスク回避的な動きが強まりました。さらに、国内で朝方発表され
た法人企業景気予測調査では、4~6月期の大企業全産業の景況判断指数(BSI)はマイナス7.9と、2四半
期連続のマイナスとなり、企業景況感の悪化を改めて示す内容となったことも、嫌気されました。
こうしたなか、今週14~15日にFOMC(米連邦公開市場委員会)、15~16日には日銀金融政策決定会合が
予定されています。米国では、5月の非農業部門雇用者数が予想を大きく下回ったことなどから、利上げ観測
が後退しており、今回のFOMCでは利上げが見送られるとみられています。一方、日本では、4月末に日銀
が金融政策を現状に据え置き、円高が加速したことなどから、今回、日銀がどのような判断を行なうのか、市
場の注目が集まっています。仮に、追加金融緩和が行なわれるならば、株式市場では、金利低下を背景に
不動産株や不動産投資信託(REIT)の上昇が期待されます。特に、日銀の買入対象資産であるJ-REITは、
資金調達の多くを借入に頼っており、金融緩和によって借入コストが低下すれば、分配金の増加にもつなが
ると考えられます。
英国のEU離脱が決定した場合、世界の金融市場の変動が大きくなる可能性があるものの、米国の個人消
費は足元で回復傾向にあるほか、インフレ率も緩やかな上昇が続いています。今後、米国の経済指標がさら
に改善し、米国の利上げ観測が再び高まるようであれば、金利差を背景に米ドルが買われ、円安を追い風に
日本株式市場も上昇基調に転じると期待されます。
日本株式と欧州株式の推移
(円)
円相場(対米ドル、対ユーロ)の推移
(2015年1月初~2016年6月13日※)
※欧州株式は6月10日時点
21,000
日経平均株価
(左軸)
20,000
(ポイント)
125
140
120
130
115
120
380
17,000
360
16,000
340
15,000
320
300
15/10
16/1
150
対ユーロ(右軸)
円安
110
110
対米ドル(左軸)
105
100
円高
14,000
15/7
(円)
420
18,000
15/4
※日本時間15時時点
130
400
15/1
(2015年1月初~2016年6月13日※)
440
19,000
ユーロ・ストックス600(右軸)
(円)
16/4
(年/月)
100
90
15/1
15/4
15/7
15/10
16/1
16/4
(年/月)
(信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成)
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