御影堂と阿弥陀堂両堂の屋根 にも苦労が多いそうです。 れ ま す が、あ ま り 年十月号でもご紹介したとおり、 重で下部が変形し 度に成形すると自 にも大きな瓦は一 と﹁丸 瓦﹂が 最 も 多 く 使 用 さ れ 土 練↓成 形↓乾 燥↓焼 成↓い ぶ に 葺 か れ て い る 瓦 に は、 ﹁平 瓦﹂ 瓦 の 作 り 方 は、本 誌 二〇一 二 ていますが、﹁獅子口瓦﹂や﹁隅 てしまいます。そ やく もの 業となります。 成までは一時も気が抜けない作 失 敗 し て し ま う こ と も 多 く、完 あ っ て も、何 ら か の 原 因 に よ り 作業が進められてきたもので し ま い ま す。慎 重 に か つ 丁 寧 に 一緒に窯入れした瓦まで傷んで ま い、そ の 瓦 自 体 は も ち ろ ん、 窯の中でそれ自体が爆発してし 気 泡 が 含 ま れ て い た り す る と、 分的に水分が多く残っていたり、 成 形・乾 燥 さ れ た 粘 土 の 中 に 部 となります。なお、焼成途中で、 も慎重に焼成されてでき上がり こ の 後、窯 入 れ を 行 い、こ れ し↓冷却という過程を経て行わ やくがわら て し ま い ま す。こ の た め、二 ∼ 三ヵ月かけて四十度前後でゆっ く り と 乾 燥 さ せ ま す。時 に は、 毛布をかぶせて急激な温度の変 成形が済み乾燥中の大棟獅子口瓦のパーツ 巴 瓦﹂な ど〝役 瓦〟や〝役 物〟 と呼ばれる特殊な種類の瓦も屋 根の一部には使われています。 阿 弥 陀 堂 で は、 〝役 物〟の 瓦 に も 損 傷 が 多 く 見 受 け ら れ た た め、 今回の御修復で新調する必要が あ り ま す が、使 用 枚 数 が 少 な く 形 状 も 特 殊 で あ る こ と か ら、そ の多くは一つひとつ手作業で造 られています。 とりわけ﹁大棟獅子口﹂などは、 瓦 自 体 も 非 常 に 大 き い た め、製 作にかかる日数も長く、技術的 こ で、少 し ず つ 粘 土 を 組 み 上 げ て、少 し 乾 い て は 次 の 部 分 を 繋 げていくといった作業が繰り返 されます。 化 が な い よ う に、ま た、部 分 的 に乾燥度合いが進んでいる箇所 全体として少しずつ慎重に乾燥 焼入れするまでに十分に乾燥し ま た、組 み 上 げ た 後 も、窯 に 降り棟獅子口瓦の成形 に は 加 水 を お こ な っ た り し て、 厚 み も あ る 巨 大 な 瓦 は、部 分 的 が 進 め ら れ ま す。こ れ に よ り 成 ます。 形 当 初 か ら 六% 前 後 ま で 収 縮 し に 乾 燥 の 度 合 い が ち が う た め、 急 激 に 乾 燥 さ せ る と、ひ び 割 れ が生じたり、形が変形したりし 頭部の経の巻 胴の一部分 獅子口瓦(経の巻) 頭部の経の巻製作 阿弥陀堂屋根の棟の両端に葺かれる鬼瓦の一種。雨の 侵入を防ぎ、装飾として多くの寺社建築などで用いられ ています。 くだり すみ ち ご 阿弥陀堂の大棟、降棟、隅棟、稚兒棟などの棟の端に は将棋の駒のような五角形の箱の上に 3 本の巴瓦をのせ ひれ ており、大棟には、足元に雲を図案化された鰭瓦もつい ています。特にこの巴瓦にはお経の巻物の断面に似てい るところから「経の巻」とも呼ばれています。 成形の最後に記される刻印 2 て い る こ と が 必 要 な の で す が、 大棟獅子口瓦 (経の巻) の成形 降ろす前の阿弥陀堂大棟獅子口瓦 阿 弥 陀 堂 の 新 調 す る 獅 子 口 瓦 製 作 中 御 修 復 の あ ゆ み 1 42 2013年 (平成25年)3 月 真 宗 真 宗 43 2013年(平成25年)3 月
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