阿弥陀堂の新調する獅子口瓦製作中(PDF) 『真宗』2013年3月号掲載

 御影堂と阿弥陀堂両堂の屋根
にも苦労が多いそうです。
れ ま す が、あ ま り
年十月号でもご紹介したとおり、
重で下部が変形し
度に成形すると自
にも大きな瓦は一
と﹁丸 瓦﹂が 最 も 多 く 使 用 さ れ
土 練↓成 形↓乾 燥↓焼 成↓い ぶ
に 葺 か れ て い る 瓦 に は、
﹁平 瓦﹂ 瓦 の 作 り 方 は、本 誌 二〇一 二
ていますが、﹁獅子口瓦﹂や﹁隅
てしまいます。そ
やく もの
業となります。
成までは一時も気が抜けない作
失 敗 し て し ま う こ と も 多 く、完
あ っ て も、何 ら か の 原 因 に よ り
作業が進められてきたもので
し ま い ま す。慎 重 に か つ 丁 寧 に
一緒に窯入れした瓦まで傷んで
ま い、そ の 瓦 自 体 は も ち ろ ん、
窯の中でそれ自体が爆発してし
気 泡 が 含 ま れ て い た り す る と、
分的に水分が多く残っていたり、
成 形・乾 燥 さ れ た 粘 土 の 中 に 部
となります。なお、焼成途中で、
も慎重に焼成されてでき上がり
こ の 後、窯 入 れ を 行 い、こ れ
し↓冷却という過程を経て行わ
やくがわら
て し ま い ま す。こ の た め、二 ∼
三ヵ月かけて四十度前後でゆっ
く り と 乾 燥 さ せ ま す。時 に は、
毛布をかぶせて急激な温度の変
成形が済み乾燥中の大棟獅子口瓦のパーツ
巴 瓦﹂な ど〝役 瓦〟や〝役 物〟
と呼ばれる特殊な種類の瓦も屋
根の一部には使われています。
阿 弥 陀 堂 で は、
〝役 物〟の 瓦 に
も 損 傷 が 多 く 見 受 け ら れ た た め、
今回の御修復で新調する必要が
あ り ま す が、使 用 枚 数 が 少 な く
形 状 も 特 殊 で あ る こ と か ら、そ
の多くは一つひとつ手作業で造
られています。
とりわけ﹁大棟獅子口﹂などは、
瓦 自 体 も 非 常 に 大 き い た め、製
作にかかる日数も長く、技術的
こ で、少 し ず つ 粘 土 を 組 み 上 げ
て、少 し 乾 い て は 次 の 部 分 を 繋
げていくといった作業が繰り返
されます。
化 が な い よ う に、ま た、部 分 的
に乾燥度合いが進んでいる箇所
全体として少しずつ慎重に乾燥
焼入れするまでに十分に乾燥し
ま た、組 み 上 げ た 後 も、窯 に
降り棟獅子口瓦の成形
に は 加 水 を お こ な っ た り し て、
厚 み も あ る 巨 大 な 瓦 は、部 分 的
が 進 め ら れ ま す。こ れ に よ り 成
ます。
形 当 初 か ら 六% 前 後 ま で 収 縮 し
に 乾 燥 の 度 合 い が ち が う た め、
急 激 に 乾 燥 さ せ る と、ひ び 割 れ
が生じたり、形が変形したりし
頭部の経の巻
胴の一部分
獅子口瓦(経の巻)
頭部の経の巻製作
阿弥陀堂屋根の棟の両端に葺かれる鬼瓦の一種。雨の
侵入を防ぎ、装飾として多くの寺社建築などで用いられ
ています。
くだり
すみ
ち ご
阿弥陀堂の大棟、降棟、隅棟、稚兒棟などの棟の端に
は将棋の駒のような五角形の箱の上に 3 本の巴瓦をのせ
ひれ
ており、大棟には、足元に雲を図案化された鰭瓦もつい
ています。特にこの巴瓦にはお経の巻物の断面に似てい
るところから「経の巻」とも呼ばれています。
成形の最後に記される刻印
2
て い る こ と が 必 要 な の で す が、
大棟獅子口瓦
(経の巻)
の成形
降ろす前の阿弥陀堂大棟獅子口瓦
阿
弥
陀
堂
の
新
調
す
る
獅
子
口
瓦
製
作
中
御
修
復
の
あ
ゆ
み
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