倫理綱領 - 社会福祉法人 そうそうの杜

社会福祉法人
そうそうの杜
倫
この綱領は、社会福祉法人
理
綱
領
そうそうの杜が地域での自立生活や地域で生活を希望され
る人への支援のあり方の最低基準を定めるものとする。あくまでも最低基準であるのでそ
こで妥協するのであれば意味はない。我々は生業としてこの仕事に従事しているので、こ
こから更なる向上を目指すことで支援の意味があることを認識し、スタッフ個々人が使命
感や責任感を持ち、当事者の希望や思いが優先され、そこを支援し続けることが我々の使
命である。
この綱領は、全員で定期的に点検し、見直し必要があれば変更していくものとする。
● この綱領は平成 16 年 9 月 18日制定する。
●
平成 17 年4月 1日改定
● 平成 18 年4月
1日改定
● 平成 19 年 4 月
● 平成 20 年 3 月
7日改定
31 日改定
●平成 21 年 3 月 31 日改訂
●平成 22 年 3 月 31 日改定
●平成 24 年 4 月 2 日改定
●平成 25 年 3 月 29 日改定
●平成 26 年 3 月 29 日改定
●平成 27 年 7 月 4 日改定
1.
目的
そうそうの杜の支援は、理念に基づきそうそうの杜に関わる全ての人の地域の「くらし」
に視点を据え、生きづらさや障害故に支援を必要とする人が地域の中で生き生きとした『そ
の人らしい』生活ができるように支援し続けることを目的とする。
2.
利用者に関して
利用者は、障害や年齢状況そのものがその人の全てをあらわすものではなく、また障害
や年齢によってその人の尊厳が決められるものではない。基本的に障害や年齢故に社会生
活を送るのが困難な部分に焦点を当てながらも、環境要因や個人的な要因に着目しエンパ
ワメントの視点から活動へ繋げていく支援をしていくものであり過不足のないものが求め
られる。
エンパワメントの視点からみると、現在に至るまでの家族、学校集団、学校卒業後の集
団、一般社会、地域や近隣との関係など様々な要因が複雑に絡み合って今がある。あくま
でも我々は指導という視点ではなくその人の全人格を包み込みながら支えるという視点で
支援すべきである。
支援の基本原則は、その人の背景を十分に探りながらストレングスの視点からアセスメ
ントをしてチームとしての共通理解を持ちながら支援にあたること。
絶対行ってはならないことは、独断でやること。スタッフ個人の考えややり方を利用者
に押し付けること。人の意見をきかないことなどである。また支援の未熟さを誤魔化して
正当化しないこと。
このような関係の中で何らかの支援を必要とする人が自己決定を中心に据え、一つ一つ
の行動に対して自信を持って社会への参加ができることを目指していく。以上のことを踏
まえ、障害当事者としての意識の向上や権利性を保障していくと同時に当事者活動につい
て積極的に取り組んでいく。
1)利用者に対して言葉使いは丁寧に行い、基本的には敬語で接すること
2)利用者の暦年齢に応じた対応をすること(子供扱いをしない)
3)基本的には敬称をつけて呼ぶこと。愛称・ちゃん付けで呼ぶことは認めない。
4)一人一人の利用者の状態を良く把握し必要に応じて対応できるようにすること
5)利用者のことば、行動をいつも「なぜ?」と考え、待つことで自発的な行動が喚起さ
れるように支援する。
6)暴力・暴言があれば理由のいかんに問わず解雇の対象とする。
7)利用者との関係性を高め、常にその関係を振り返ることを怠ってはならない。
8)日々の活動(業務や活動)の中で無意識に権利侵害していることがあるので十分気を
配ること
9)自分の思いを押し付けない。こちらが良かれと思っていることも利用者にとっては不快
に感じる場合があることを頭においておく。
10)金品の授受。貸し借りは絶対しないこと。
11)利用者の黒子的存在であることを忘れないこと。
*虐待に関して
障害者虐待には 5 つの類型がある。
1.身体的虐待
2.性的虐待
3.心理的虐待
4.放棄・放置(ネグレクト)
5.経済的虐待
虐待に関しては、スタッフ自身が内容を熟知し絶対にやってはならない。また無意識の
虐待、権利侵害など虐待事象までには至らないけれども見逃してはならない行為について
も敏感に反応できるよう日頃から心がけて支援に携わること。
3.意識に関すること
障害者や高齢者を中心とした利用者・支援対象者に対して型どおりの支援では困難なこ
とが多い。我々支援者に求められるものは創造性と柔軟性である。人が人を支援するので
あるから失敗も起こり得ると思われる。しかしこれを「ごめんなさい」で済ますことは無
責任であり、はなはだ信頼性にかけることである。
この仕事に携わっている以上は報酬を得てのことであり、そこに職業人として責任を求
められる。
また個人情報保護の観点から、業務上プライバシーに関わることが多いので個人情報に
関する取り扱いはより慎重に行い外部に漏らしてはいけない。
これは、退職後についても同様で個人情報を漏らさないようにしなければならない。
1)障害者や高齢者支援に関する仕事を生業としている以上、自分自身の知識・技術を向
上させ支援に携わること。
2)スタッフ自身が自分に自信を持ち且つ謙虚であること。自分自身のことをこれでいい
んだと認めること。
3)研修等は、積極的に参加すること
4)利用者の支援場面において判断や支援の方法が分からない場合は、他のスタッフの意
見を取り入れて対応すること。自分自身の判断で不明確なまま取り込んでしまわないこと。
5)自分自身のプライバシーに関することで、最後まで付き合う覚悟があれば構わないが
それがなければ一定の距離を保ちながら支援を行う(携帯電話番号やメール・ライン等の
コミュニケーションツール全般)
6)利用者のプライバシーの守秘義務は当然であるが、支援上の共通認識は必要でありス
タッフ間では意思疎通を十分図ること。
7)パソコン上に個人情報を残さないこと(特にインターネット接続機は要注意)
法人内で管理している、データシステム以外には、残さない。
(富士データシステム・グーグルアップス・共有フォルダ)
8)携帯電話の使用に関して
携帯電話については、基本的に業務中は、個人の携帯電話を携帯しないこと。業務上必
要性がある場合には所属長を通じて届出をし、認められた者だけが使用できる。
携帯電話の場合、業務中に電話やメール等のやり取りを業務連絡・確認以外にすること
は認めない。
9)他のスタッフが権利侵害をしていると感じた場合は、遠慮せずに伝えること。難しい
ときは上司に報告すること。
10)他の人がしているからと同じ方法を真似するのではなく何故その方法なのかを常に考
えること。
4.スタッフの集団に関すること
そうそうの杜は平成 7 年 4 月に無認可作業所としてスタートし、小規模の組織としてス
タートした。その中で自由な発想で事業を展開することができた。現在は社会福祉法人と
して社会的な責任を伴う組織として規模が大きくなってきている。
その中でそれぞれの事業の責任を誰が担うのかという問題に直面している。当然数が多
くなればその弊害も出てくるものである。
基本的には、組織が先にありきではなく、個人が組織を形成しているという視点に立っ
て利用者支援の基本姿勢を持つことであり、業務を捉えていくべきである。
1)支援に関することであれば切磋琢磨することでお互いの向上を目指すこと。
2)他のスタッフの利用者に対する権利侵害を見かけた時には、対等の立場で意見をする
こと。また、報告をすること。お互いが意見しやすい環境をつくる。
3)財産等の預金や現金や金品の預り等に関しては、複数のスタッフの管理の下に管理し
可能であれば第 3 者機関を間に入れる。さらに記録を作成し残す。
4)正職とパートの雇用形態の違いはあるが利用者の支援上においては同じ立場であり対
等な立場である。利用者からすれば正職もパートも関係ないということを念頭に置い
ておく。
5)スタッフとしてお互いに向上させていく建設的な意見は必要であるが感情的になり、
明らかに批判ありきのような言動は、組織の混乱を招くので慎まなければならない。
6)コンプライアンスを常に念頭において業務を遂行する。
コンプライアンスとは、法人内規程・マニュアル・法人としての倫理・社会貢献
の遵守等という。
5.事故発生について
事故発生時のマニュアルを熟読し常に念頭に入れ業務を行う
1)基本的にその場での事故処理を済ました後、スタッフ個人の判断で勝手には動かない。
必ず所属長に連絡するか、管理者に連絡を入れ指示を仰ぐ
2)車両事故に関しては、業務上運転の必要性があるのでスタッフの責任にはできないが、
明らかに道路交通法上の違反や不注意から起こした事故や違反の場合は本人に責任を取
ってもらうこともある
3)利用者対応に関しては、利用者の障害の状態、特性等を良く理解した上で、常に安全
に活動ができるよう配慮すること
4)スタッフの力量や知識・理解の上では経験や技術等に開きがあるので、所属長やその
場での責任者は十分配慮してプログラムを実施すること
●災害時の対応については、事故発生時マニュアルを熟読しておくこと。
6.
組織運営について
個人は、社会福祉法人そうそうの杜の一員として誇りと義務を担っていることを自覚す
ること。そのためには、法人の歴史をよく理解し、社会人として求められる社会的常識を
備え、個人の生活も含めて自律した姿勢が求められる。
組織と個人は表裏一体の関係で成立するもので、個人の集合体が組織となる。そこで個
人に対しては、組織の一員としての役割や責任を当然のごとく求められる。
一定求められる役割を遂行することが組織の一員としての求められる義務である。
また法人の資源が多岐に渡っているために、情報を共有化できるように特に役職者は徹
底するように努めること。役職者以外も情報収集に努め、意識を高めて情報を共有する。
1)帳票類(出勤簿・休暇届・事務的書類等)に関しては、遅滞なく提出すること
・出勤簿…出勤時に押印
・休暇届…基本的に事前申請、病気等のやむを得ない場合は事後速やかに提出
・超過勤務手当…基本的に事前承認
・支出承認表・出張連絡簿等
2)社会福祉法人そうそうの杜の全体の運営については理事会・評議員会の決議が優先す
る。現場においては全体会議が意思決定機関として機能する。
3)業務に関しては、他のスタッフと連携をして業務に対応すること
4)報告・連絡・相談等は常時行うこと。特に利用者に関する日々の支援の中で起こった
ことは細かなことを含め所属長と管理者に報告すること。
5)これらを、最低限と捉え、更に良い形を作り続ける為にも、いつも「なぜ?」
と言う観点を忘れない事。