地域密着型金融の取組み状況 (平成27年度)

地域密着型金融の取組み状況
(平成27年度)
Ⅰ.全体的な取組み状況
1.お取引先企業に対するコンサルティング機能の発揮
¾ 創業・新事業支援では、「経営コンサルティング室」を主体に創業相談等に対応し、平成27年度は創業融資実行68件の実
績となりました。また、新たな取り組みとして「とかち・イノベーション・プログラム」や「おびしん女性創業セミナー」
を実施しました。
¾ 成長段階における支援では、各種経営相談のほか、ビジネスマッチング・商談会の機会提供により、地域の事業者への販路
拡大の支援につながりました。また、海外展開の意欲をもつ事業者・生産者への最新の情報や具体的なビジネスチャンスを
提供すべく支援態勢の強化を図りました。
¾ 経営改善支援では、平成27年度は経営改善支援先として176社を選定。そのうち38先に対して、経営コンサルティング室
担当者の直接訪問による改善計画策定支援、進捗状況モニタリングおよび経営に関するアドバイスを実施し、正常先へのラ
ンクアップ率は目標5.0%に対し、8.5%となりました。
¾ 事業再生支援では、お取引先企業の再生支援、経営改善を効果的に行うために積極的に外部機関との連携を図りました。ま
た、事業承継やM&Aへの対応等、事業者のライフステージに合わせ、木目細かなニーズに対応しました。
2.地域の面的再生への積極的な参画
¾ 「とかち酒文化再現プロジェクト」、「十勝産のしお創りプロジェクト」、「十勝ラクレットの共同熟成庫の新設に向けた支
援」、等への取組みにより、地域の新産業創出、観光振興、地場産品の高付加価値化等、地域の活性化に向け、積極的な取組
みを行いました。また、ふるさと納税を梃子にした取組みを含め、管内各市町村の面的再生にも積極的に参画しました。
3.地域やお取引先に対する積極的な情報発信
¾ 経済指標概況(月次)や景気動向調査(季刊)など、地域の経済・産業に関する情報発信を当金庫ホームページなどで継続し、
地域の事業者へ有益な情報の提供に努めました。
¾ その他、各種セミナーや相談会、研修等を随時開催しており、お取引先の皆様に対して積極的に情報を発信しました。
¾ 身体の不自由な方、高齢者等への介助技術を学び、すべてのお客様へのコミュニケーション、応対能力向上に向け、サービ
ス介助士の育成に取り組みました。
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Ⅱ.個 別 取 組 み 策
1.コンサルティング機能の発揮
(1)事業者ニーズに対応したコンサルティング機能の発揮①
具体的取組策
①事業者のライフステージに沿ったコンサルティングの実施
写真を添付(コンサル室に送付依頼)
・とかち・イノベーション・プログラム
実施内容
【年度目標】創業融資件数 50件以上
【実績】創業融資件数 68件
・創業融資取組68件(うち、経営コンサルティング室での関与先16件)
・相談先数:創業相談24件、経営相談121件(経営コンサルティング室実績)
・地方創生に向けて、地域の創業や新事業展開を促進する「とかち・イノベーション・プログ
ラム」を主催、11月16日の事業化支援セッション(参加者134名)では、10個の事業アイ
デアの発表を実施
・創業を考えている女性を対象とした「おびしん女性創業セミナー」(参加者30名)を全6回
開催
【年度目標】経営改善支援先選定率10%以上 【実績】10%
・経営改善支援先38先に対して、経営コンサルティング室の直接面談による経営改善計画
の進捗モニタリング、経営改善に関するアドバイスを実施
【年度目標】ランクアップ率5%以上 【実績】8.5%
・平成26年度ランクアップ事例2件を当庫ホームページ上で公表(6/26)
・補助金申請支援先数:ものづくり関連43件(採択21件)、創業関連5件(全件採択)
・中小企業庁管轄の「専門家無料派遣事業」の活用9件
・独立行政法人中小企業基盤整備機構の事業承継支援メニューを活用し、事業承継コー
ディネーターによる個別相談同行支援20件
・ 「帯広しんきん事業承継セミナー2015」を開催(10/15・参加者41名)
・帯広しんきん事業承継セミナー2015
・北海道中小企業再生支援協議会へ関与要請1件
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Ⅱ.個 別 取 組 み 策
(1)事業者ニーズに対応したコンサルティング機能の発揮②
具体的取組策
実施内容
②事業者ニーズに即したテーマでの情報提供
・当庫の季刊誌「ネクストウエーブ」の誌上経営相談にて「補助金・助成金」、「販促活動」、
「クラウドファンディング」、「新分野進出の考え方」に関する情報を提供
・帯広商工会議所主催「踏み出せ!その一歩!創業セミナー」へ講師派遣(12/8)
③営業店職員のコンサルティング能力向上への支援
・(独)中小企業基盤整備機構の支援メニューを活用して講師を招聘し「売上向上の考え
方と具体策研修」を実施 (5/30・参加者27名)
・職員向けに事業承継研修を実施 (10/15・参加者23名)(2/19・30名参加)
(2)売れる商品づくり、儲かる商品づくりへの支援
具体的取組策
実施内容
①株式会社オフィス内田相談会とフォローアップの実施
・株式会社オフィス内田相談会を毎月1回2日間(年12回24日間)開催
(十勝の生産者・事業者等85先に対して相談対応)
・相談会参加事業者に対するフォローアップの実施
②大学、試験研究機関や各方面の専門家と連携した相談会
の開催
・帯広畜産大学、とかち財団、当金庫による「ものづくりワンストップ相談会」を四半期に1
回開催(年4回、十勝の生産者・事業者等11先に対して相談対応)
・ものづくりワンストップ
相談会
③希少農産物の販売と販路を有する首都圏企業等との共
同商品開発(「とかちピーナッツプロジェクト」など)
・当庫がコーディネートし、帯広畜産大学とNTTデータ経営研究所が共同してピーナッツ4
品種の試験栽培を行い、栽培データを蓄積
・北海道経済連合会の富山県視察等に参加し、薬用植物・漢方薬に関する情報を収集
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Ⅱ.個 別 取 組 み 策
(3)販路の開拓・拡大への支援
具体的取組策
①国内外事業者とのビジネスマッチング、商談会の実施や出
展支援
・「FOODEX JAPAN 2016」の「北海道十勝物産館」
②台湾やイタリア(ミラノ)等における、海外市場調査や観光等
のプロモーションの展開支援
実施内容
・住生物産株式会社との個別商談会を開催(十勝の生産者・事業者4先が参加)
・信金中央金庫優待カタログに当庫紹介先4社が採用
・「インフォメーションバザールin Tokyo 2015」を北洋銀行と共同開催
(十勝の生産者・事業者等23先が出展)
・札幌市・札幌卸商主催、帯広市・当庫共催「卸売キャラバン隊商談会 in 帯広」を開催
(十勝の10社が参加)
・信金中央金庫北海道支店「北海道産品カタログ」に当庫紹介先2社が採用
・「株式会社東武との個別商談会」を日本政策金融公庫と共同開催(十勝の13社が参加)
・太陽のマルシェ「北海道・十勝の幸」(東京都勝鬨)の出展を支援(試食品提供用キッチ
ンカーなど)
・「FOOD HOKKAIDO 2015 ~北海道 食の輸出大商談会~」に当庫紹介の1社が参加
・「富士山・東北海道広域ビジネスマッチング『食&農』こだわりの逸品展示会2015」
(静岡県沼津市)に特別協力(十勝の生産者・事業者等13先が出展)
・「東北海道6金庫合同『食の商談会2016』in釧路」を開催(十勝の6社が参加)
・「シティ・スーパー(香港・上海)、ダイショー(タイ)との個別商談会」の開催に協力
(十勝の生産者・事業者等15先が参加)
・「FOODEX JAPAN 2016」への「北海道十勝物産館」の出展を支援(十勝の生産者・事業
者等22先が出展)
・2015年ミラノ国際博覧会北海道実行委員会が出展したミラノ万博「北海道の日」の試食
に供する十勝の特産品の募集に協力(十勝から7社・団体の14品目を提供)
・JICA草の根技術協力事業 マレーシア派遣事業に参加し、現地食品関連産業の視察と
ハラルビジネスの調査を実施
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Ⅱ.個 別 取 組 み 策
2.地域の面的再生への積極的な参画
(1)新産業の創出や地場産業の強化①
具体的取組策
①「とかち酒文化再現プロジェクト」の推進と酒蔵の復活に
向けたビジネスモデルの検討
実施内容
・4月に「札幌国税局新酒鑑評会」で「純米吟醸 十勝晴れ」が金賞を受賞、11月には
「2015年秋季酒類コンクール純米吟醸・純米大吟醸部門」第1位を受賞
・新たに大吟醸「十勝晴れ」を醸造し、11月に発売
・平成26年度に酒米の栽培面積および醸造量を倍増したことにより、「純米吟醸 十勝
晴れ」の通年供給を実現
(酒プロ写真添付)
・連携機関会議メンバー
②十勝ラクレットの共同熟成庫など地域の共同インフラの
新設に向けた支援
・「十勝品質の会」の「品質管理基準検討委員会」(年3回開催)等に参画し、「十勝チー
ズモールウォッシュ」の共通仕様書の策定や地理的表示保護制度への登録に向けた
検討を実施
・「十勝チーズモールウォッシュ」の共同開発・熟成・販売を目的として「十勝品質事業協
同組合」を設立し、アドバイザーとして参加
・「十勝品質事業協同組合」では、展示商談会や北海道物産展に出展したほか、帯広
市内中心部の飲食店内に共同熟成庫のプロトタイプを建設(平成28年度には大型共
同熟成庫を建設し、事業を本格化させる計画)
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2.地域の面的再生への積極的な参画
(1)新産業の創出や地場産業の強化②
具体的取組策
実施内容
③「十勝産しお創りプロジェクト」の支援と製塩事業者選定
に向けた取り組みの加速
・「十勝産しお創りプロジェクト」では、経済産業省の「小規模事業者地域力活用新事業
全国展開支援事業」に採択され、試作した塩を活用して水産加工品を開発
・広尾町商工会を主体とした専門家等を含むプロジェクトが発足
・製塩設備について、苫小牧高専、帯広市内設計業者、当庫の3者による共同研究を
開始(平成28年3月、共同研究契約を締結)
・十勝産しお創りプロジェクト
④未利用水産資源の情報収集と活用方法の検討
・「十勝産しお創りプロジェクト」の加工品開発グループは、未利用資源の「砂エビ」、
「キュウリウオ」を使用した加工食品数種を試作し、関係者による試食会を実施
・試作品のひとつである「魚醤」については、複数の飲食店に試供し、評価を聴取
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Ⅱ.個 別 取 組 み 策
(2)十勝あるいは各市町村の「面的再生」
具体的取組策
実施内容
①ふるさと納税を梃子にした商品販売促進、移住促進、企
業・工場誘致活動の支援
・管内19市町村等で構成される十勝地域産業活性化協議会と当庫は、首都圏の企業等を
対象に、都内で「北海道十勝地域 企業立地セミナー」を開催
・上士幌町が首都圏・関西圏のふるさと納税者等を対象に東京・大阪で開催した「上士幌町
もっと伝えたい、もっと知りたい上士幌フェア」において、特産品のPRや販売、移住・定住
や観光等のPR、アンケート調査等に職員を派遣し協力
・広尾町のふるさと納税制度の積極活用に向け、「十勝産しお創りプロジェクト」の一環として
専門家の紹介や水産加工品の開発などの支援を実施
②帯広市中心市街地活性化支援
・「旧ホテルみのや」をリノベーションして活用する「街なかコミュニティ・ホテル事業」(平成28
年3月「HOTEL NUPKA」開業)の実現に向けて、交流人口受入れ促進や中心市街地活性
化の観点から意見交換等を実施
・十勝の関係団体等と連携し、円滑なインバウンド対応を可能にする4か国語の飲食・宿泊・
物販・バス・タクシー向けの指差し会話シート等を作成・配付
③十勝川温泉中心市街地再整備事業への支援
・インバウンド需要の取り込みを支援する一環として、スパ・飲食・物販販売用設備や熟成設
備を備えた多目的施設の事業化を支援すべく、十勝川温泉旧雨宮館跡地の再整備事業
に参画
④帯広市中心市街地における大学生や若者等の交流拠点
整備事業への支援
・帯広畜産大学の学生たちがまちなかに居住し、まちなかでの研究・学習など実践的な活動
を通して住民との交流を創出する「十勝カレッジSILO(サイロ)」の設置に協力
・「十勝カレッジSILO(サイロ)」の活動の一環として、帯広市内中央公園で開催した「十勝ジ
ンギスカン会議」の開催を支援(帯広畜産大学の学生や十勝14の精肉店や焼き肉店等が
出店、来場者は市民等約1,500人)
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Ⅱ.個 別 取 組 み 策
3.地域のお取引先に対する積極的な情報発信
(1)金融・経済・産業に関する情報共有化
具体的取組策
実施内容
①十勝の食産業に資する道外著名人によるセミナー等の開催
・佐藤伸一シェフ
・フランス・パリで日本人として初めてミシュラン2つ星を獲得した帯広市出身
の佐藤伸一シェフの凱旋イベントを実施
・佐藤伸一シェフのトークセッション「十勝の大地に育まれ」には、帯広調理師
専門学校生、生産者、飲食店経営者など109名参加
・食事会「ミシュラン二つ星 佐藤伸一の世界」(北海道ホテル)には、50名が
参加
のトークセッション
「十勝の大地に育
まれ」
②「フードビジネスサポートネットワーク会議」の実施
・第12回フードビジネスサポートネットワーク会議「十勝から海外へ!『食』の
海外展開事例」では、海外展開を実践されている十勝の企業経営者3名を講師
として招聘し、経験談などを披露(参加者72名)
(2)接遇応対能力の向上
具体的取組策
実施内容
①「ホスピタリティ」を理論と実践で学び、目配り・気遣い・心配りが出
来る人財育成を目指し、CS意識の向上を目指すため、サービス介
助士の育成と研修を実施
・CSの先進金庫である、巣鴨信用金庫に5名を視察研修に派遣。視察研修終了
後、伝達研修として、「CS向上おもてなし研修~巣鴨信用金庫を視察して
~」を実施(53名受講)
・「サービス介助士」資格取得の金庫内公募を実施。希望者に通信課程、実技
教習、検定試験を経て15名が資格取得
・サービス介助士
実技教習の様子
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