PDF) 『真宗』2015年4月号掲載

時間をかけて万全な安全対策が行
る た め の ワ イ ヤ ー を か け る な ど、
かじめ倒す方向をコントロールす
を倒す方向や角度を確かめ、あら
作業では、はじめに伐採する木
木 は﹁ギ ィ ∼﹂と い う 音 を 出 し、
檜 が 揺 ら ぎ は じ め ま す。す る と、
と、辺 り 一 面 に 檜 の 芳 香 が 漂 い、
近くにチェーンソーが入っていく
り進められていきます。木の芯の
認しあいながらチェーンソーで伐
物を数百年支えていくこ と に な る
命を終え、これからは材として建
百年育ってきた木が、今、まさに
ました。一瞬の出来事ですが、数
い音とともに勢いよく地面に倒れ
け 声 の 直 後、
﹁ビ シ ッ﹂と い う 鋭
が 響 い て 倒 れ る こ と︶
﹂と い う か
木の上にワイヤー(中央)をかけ固定する
伐採後
の諸殿は単にその
聖人の墓所にはじまり、そこにや
大きさを誇るものではなく、親鸞
いった真宗本
御影堂や阿弥陀堂、御影堂門と
れました。
れていることをあらためて知らさ
んや全国のご門徒の願いが込めら
に あ っ て も 、 そ こ に 関 わる職人さ
になるように﹂との敬いの心か
︵芽 が 出 て︶成 長 し、や が て 大 樹
の根株に種が落ち新しい命が宿り
せ て い た だ く﹂と の 誓 い と、﹁こ
の梢と根株の間の幹を大切に使わ
た︵写 真 左 頁・下︶。こ れ は、﹁こ
先の部分︶をその根株にさしまし
が、切り倒した木の梢︵幹や枝の
こずえ
伐採が終わった後に職人さん
ます︶
。
て製材され、別途に使用されてい
に伐採された周辺の木もあらため
ら伐採を進めていくのです︵事前
は木の一本一本に御礼を言いなが
採する必要があるため、職人さん
事前に邪魔になる周辺の木をも伐
た、目的の木を伐採するためには、
持ちが自然と起こってきます。ま
御影堂門耐震補強に使用する木を調達 その二
本誌二月号では、御影堂門の耐
震補強に用いる木材は年輪が細か
く目の詰まった密度の高いものが
求められ、このような良材を求め
て調査した結果、愛知県豊田市の
山林に樹齢百五十年∼二百年︵推
定︶の良質な檜が見つかり、伐採
の運びとなったことについてお伝
えしました。今回は、その伐採作
われます︵写真・下︶。
職人さんの﹁木が泣い て、寝 る ぞ
ということに深い感動と感謝の気
業についてお伝えします。
高 さ 十 五m も の 大 木 は そ の 後、
ー︵※伐採時、森にこのような音
さんも、実は真宗大谷派のご門徒
所有者︶さんも木を伐られた職人
今回お世話になった山主︵山の
ら 行 わ れ る の だ そ うです。
熟練の職人さんに よって交互に確
伐採前
伐採中1
で あ り、
﹁門 徒 と し て 本 山 に 届 け
るための用材を伐るご縁をいただ
き本当にありがたいことだ﹂とそ
の喜びを語られ、一本の木の調達
がて人々が集い教えを聞き、信仰
の根本道場︵帰依処︶として受け
継がれてきた願いを、次世代につ
なげていかねばならないと強く思
うものでした。
梢(こずえ)を根株にさす
御
修
復
の
あ
ゆ
み
伐採中2
30
2015年
(平成27年)4 月
真 宗
真 宗
31 2015年(平成27年)4 月