2015/ コモディティ・マーケット・ トピックス 6/16 投資情報部 シニアコモディティアナリスト 津賀田 真紀子 金、リスク回避鮮明に。時間外で年初来高値を更新 米追加利上げ見送りによるドル安継続で投資用需要が急増 英国のEU離脱等、イベントリスクに対するヘッジ 鉱山会社の売りヘッジ買い戻しの動きが活発化 逃避資金流入が 背景に 6/3 の米雇用統計の発表を機に、金の価格が大幅に上昇している。指標であるニュー ヨーク商品取引所(COMEX)の金先物相場は、6/15 終値で 1 トロイオンス=1,285.80 ド ルとおよそ 1 ヵ月半ぶりの高値を回復した。6/14~15 における米連邦公開市場委員会 (FOMC)の追加利上げ見送りにより、ドルの代替資産として金の需要が高まっていること が背景にある。ドル安はドル建てで取引される金の割安感につながるため、金利を生ま ない金にとって買い材料視されやすい。 英国の欧州連合(EU)離脱問題をはじめとするイベントリスクに対するヘッジ需要も高 い。英国が実際に離脱した場合、英ポンドが急落し、英銀行の自己資本比率に大きな 影響が出る可能性があるが、これを改善させるために海外資産を売却すれば、他国の 金融市場に大きな影響を及ぼすとみられているためだ。 鉱山会社の売り ヘッジ買い戻し また、年初から業績安定・収益確保を目的とした鉱山会社の売りヘッジが急増していた が、ここへきて買い戻しの動きが活発化していることも相場を押し上げている。 CFTC 商業筋建玉 NY金先物価格とドルインデックス (週次:2015/1/2~2016/6/10) (1オンス=ドル) 1,400 (千枚) 250 90 200 NY金先物(左目盛) 1,350 ドルインデックス(右逆目盛) (週次:2014/1/7~2016/6/7) 150 92 100 1,300 50 94 1,250 0 ▲ 50 1,200 ▲ 100 96 1,150 ▲ 150 ▲ 200 98 ▲ 250 1,100 ▲ 300 100 1,050 買残 売残 買残-売残 ▲ 350 ▲ 400 1,000 15/1 15/4 15/7 15/10 16/1 16/4 ▲ 450 102 (年/月) 14/1 14/7 15/1 15/7 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 1 1 16/1 (年/月) 2016/6/16 コモディティ・マーケット・トピックス 世界的な金の調査・研究機関であるワールド・ゴールド・カウンシルが 5 月に発表した最 投資向け需要が 急拡大 新の報告によると、2016 年第 1 四半期の世界の金需要は前年同期比+20.5%の 1,289.8 トンと、この時期としては過去最高を更新した。インドの宝飾品需要が減少した一方、上 場投資信託(ETF)経由の投資需要が大幅に伸びたことが影響している。 世界最大のドル建て金 ETF である SPDR(スパイダー)ゴールド・シェアの現物保有高 は、6/10 時点で 893.92 トンと 2013 年 10 月以来の高水準となっている。 一方、非商業筋による買いも旺盛だ。米先物取引委員会(CFTC)建玉報告によると、非 非商業筋のネット ロングは高水準の まま 商業筋のネットロングは 6/7 時点で 228,619 枚と 2011 年 8 月と同等の水準にある。 今後は四半期末を控えていることから、利益確定売りに押される展開も考えられるが、米 追加利上げが年後半に持ち越しになったことを考えると、一時的な売りにとどまる可能性 が高いと思われる。NY 金先物相場は次回、FOMC が利上げを実行するまでは、1 トロイ オンス=1,200~1,350 ドルで推移するのではないかとみている。 世界金需要 世界金需給 (四半期:2014/3~2016/3) (トン) 1,400 (トン) 200 150 1,300 100 1,200 50 1,100 0 ▲ 50 1,000 ▲ 100 過不足(右目盛) 需要(左目盛) 供給(左目盛) 900 ▲ 150 800 14/3 14/6 14/9 14/12 15/3 15/6 ▲ 200 15/9 15/12 16/3 (年/月) 280 260 240 220 200 180 160 140 120 100 80 60 40 20 0 買残-売残(左目盛) NY金先物(右目盛) 公的機関 投資用 宝飾品 14/9 14/12 15/3 15/6 15/9 15/12 16/3 (年/月) 出所:ワールド・ゴールド・カウンシルのデータよりみずほ証券作成 SPDRゴールドシェア現物保有高とNY金先物価格 CFTC 非商業筋建玉とNY金先物価格 (週次:2014/1/7~2016/6/10) 工業用 14/6 出所:ワールド・ゴールド・カウンシルのデータよりみずほ証券作成 (千枚) (四半期:2014/6~2016/3) (トン) 1,400 1,300 1,200 1,100 1,000 900 800 700 600 500 400 300 200 100 0 (1オンス=ドル) 1,500 (1オンス=ドル) 1,400 1,350 (週次:2013/7/5~2016/6/10) SPDR現物保有高(右目盛) NY金先物(左目盛) 1,400 1,300 1,200 1,150 1,100 750 700 1,100 1,050 14/7 14/10 15/1 15/4 15/7 15/10 16/1 900 800 1,200 14/1 14/4 950 850 1,300 1,250 (トン) 1,000 650 1,000 16/4 (年/月) 1,000 13/7 (注)CFTC 非商業部門建玉は 6/7 現在 14/1 14/7 15/1 15/7 16/1 600 (年/月) 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 22 2016/6/16 コモディティ・マーケット・トピックス 金融商品取引法に係る重要事項 ■国内株式のリスク リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。株価の下落や発行者の信用状況の悪化等により、投 資元本を割り込むことがあり、損失を被ることがあります。 ■国内株式の手数料等諸費用について ○国内株式の売買取引には、約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託手数料をご負担いただ きます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税込み)を乗じた金額を委託手 数料としてご負担いただきます。 ○株式を募集等により購入する場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。 ○保護預かり口座管理料は無料です。 ■外国株式のリスク ○外国株式投資にあたっては、株価変動リスク、発行者の信用リスク、為替変動リスク(平価切り下げ等も含む)、国や地域 の経済情勢等のカントリーリスクがあります。それぞれの状況悪化等により投資元本を割り込むことがあり、損失を被るこ とがあります。 ○現地の税法、会計基準、証券取引に関連する法令諸規則の変更により、当該証券の価格に大きな影響を与えることがあ ります。 ○各国の取引ルールの違いにより、取引開始前にご注文されても、始値で約定されない場合や、ご注文内容が当該証券の 高値、安値の範囲であっても約定されない場合があります。 ○外国株式において有償増資等が行われた場合は、外国証券取引口座約款の内容に基づき、原則権利を売却してお客さ まの口座に売却代金を支払うことになります。ただし、権利売却市場が存在しない場合や売却市場があっても当該証券の 流動性が低い場合等は、権利売却ができないことがあります。また、権利が発生しても本邦投資家が取り扱いできないこ とがあります。 ○外国株式の銘柄(国内取引所上場銘柄および国内非上場公募銘柄等を除く)については、わが国の金融商品取引法に基 づいた発行者開示は行われていません。 ■外国株式の手数料等諸費用について ○外国委託取引 国内取次手数料と現地でかかる手数料および諸費用の両方が必要となります。現地でかかる手数料および諸費用の額 は金融商品取引所によって異なりますので、その金額をあらかじめ記載することはできません。詳細は当社の担当者まで お問い合わせください。国内取次手数料は、約定代金 30 万円超の場合、約定代金に対して最大 1.08%+2,700 円(税込 み)、約定代金 55,000 円超 30 万円以下の場合、一律 5,940 円(税込み)、約定代金 55,000 円以下の場合、約定代金に対 して一律 10.8%(税込み)の手数料をご負担いただきます。 ○国内店頭(仕切り)取引 お客さまの購入単価および売却単価を当社が提示します。単価には手数料相当額が含まれていますので別途手数料お よび諸費用はかかりません。 ○国内委託取引 当社の国内株式手数料に準じます。約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託手数料をご負 担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税込み)を乗じた金額を 委託手数料としてご負担いただきます。 ○外国証券取引口座 外国証券取引口座を開設されていないお客さまは、外国証券取引口座の開設が必要となります。外国証券取引口座管理 料は無料です。 外貨建商品等の売買等にあたり、円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決定した為替 レートによるものとします。 商品ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面や目論見書またはお客さま向け 資料等をよくお読みください。 商 号 等 : みずほ証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 94 号 加入協会 : 日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、 一般社団法人第二種金融商品取引業協会 広告審査番号 : MG5690-160616-20 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 33
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