Ⅰ 国際関係 04・01 50ヵ国以上の首脳らが参加して開かれた第4回核

會田 裕子・大野圭一郎 編
細川 洋嗣 (共同通信)
Ⅰ 国際関係/Ⅱ 日本関係/Ⅲ 地域別
2016 年 4 月 1 日− 30 日
Ⅰ 国際関係
04 ・ 01 50 ヵ国以上の首脳らが参加して開かれた第 4 回核安全保障サミットが核物質や核施
設の防護・保安は国家の根本的な責任だとし核テロ阻止の取り組みを「永続的な優先課
題」と位置付けるコミュニケを採択、閉幕(← 3 月 31 日、ワシントン)、日米両政府は
同サミットで核テロ阻止に向けた協力強化策を盛り込んだ共同声明を発表
オバマ米大統領がイラン核問題解決に向けた最終合意をまとめた欧米など 6 ヵ国による
首脳会合を開き合意の着実な履行を確認(ワシントン)
05
スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)が 2015 年の世界の軍事費が前
年比 1% 増の 1 兆 6760 億ドル(約 186 兆円)だったと発表、1 位は米国で 2.4% 減の 5960
億ドル、2 位中国は 2150 億ドルで 7.4% の増、前年 4 位だったサウジアラビアが 3 位に上
昇し 5.7% 増の 872 億ドル、ロシアが 4 位で 7.5% 増の 664 億ドル
06 国際人権団体アムネスティ・インターナショナルが 2015 年の世界の死刑に関する報告書
を発表、25 ヵ国・地域で前年比 54% 増の少なくとも 1634 人の死刑執行、日本は 3 人
WHO が 2014 年の世界の糖尿病人口(18 歳以上)が推定 4 億 2200 万人に達し 1980 年の推
定 1 億 800 万人から 34 年間で約 4 倍に増えたとの報告書を発表
07
WTO が発表の 2015 年の貿易統計によるとモノに限った中国の貿易総額が 3 兆 9570 億ド
ル(約 430 兆円)と 3 年連続で首位、2 位から 4 位は米国、ドイツ、日本
11 先進 7 ヵ国(G7)の外相が広島市の平和記念公園を訪れ原爆資料館を見学、慰霊碑に献
花、原爆投下国の米国など核保有国の現職外相による訪問は初、外相会合は各国指導者
の被爆地訪問を希望する「広島宣言」を発表し閉幕(← 10 日)
13 世銀が国際金融機関アジアインフラ投資銀行(AIIB)と協調融資を実施することで初合
意、AIIB が 2016 年に実施する総額約 12 億ドル(約 1300 億円)の融資に世銀が参加
ユニセフが OECD や EU に加盟する 41 ヵ国の子どもがいる世帯の所得の格差を数値化し
小ささを順位付けした調査報告書を発表、最も格差が小さかったのはノルウェーでアイ
スランド、フィンランドと続き日本は 34 位
14 ユネスコが執行委員会で記憶遺産の運用指針となるガイドラインの改定に関する決議を
採択、
「透明性の確保」
「論争につながる可能性への配慮」などを明記、旧日本軍による
「南京大虐殺」の資料の登録で日中間の対立を招いたことから改定を決定
15 北朝鮮が日本海側で新型中距離弾道ミサイル「ムスダン」
(射程 2500 ― 4000 キロ)と推
定される弾道ミサイルの初の発射実験を実施、24 日、北朝鮮の朝鮮中央通信が潜水艦発
射弾道ミサイル(SLBM)の水中からの試験発射を実施し「再び成功」と報道、韓国側
は失敗との見方、国連安保理が「強く非難する」との報道声明を発表、28 日、ムスダン
と推定される弾道ミサイルを 2 発発射、韓国軍によるといずれも失敗、習近平中国国家
主席がアジア相互協力信頼醸成会議(CICA)外相会合の開幕式で演説、北朝鮮の核問
題に関し中国は朝鮮半島で戦争や混乱が起きることを「絶対に許さない」と強調、核実
国際問題 No. 652(2016 年 6 月)● 51
国際問題月表
験やミサイル発射を続ける北朝鮮を牽制(北京)
20 ヵ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が国際的な課税逃れを阻止するため連
携強化の声明を発表、景気を下支えする政策総動員でも合意し機動的な財政出動の活用
を強調し閉幕(← 14 日、ワシントン)
17 OPEC のサウジアラビアなど主要産油国が原油安の要因である供給過剰の緩和に向け増
産凍結を目指し協議したが合意できず、サウジが増産凍結を拒否するイランの参加を求
め足並みに乱れ(ドーハ)
19
日本と米国、韓国が外務次官協議を開き 5 回目の核実験の兆候がみられる北朝鮮に対し
圧力を強化することが重要との認識で一致(ソウル)
20
国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」(RSF、本部パリ)が 2016 年の世界各国の
報道自由度ランキングを発表、1 ― 3 位はフィンランド、オランダ、ノルウェー、米国
41 位、ロシア 148 位、中国 176 位、北朝鮮 179 位、最悪の 180 位はエリトリア、日本は特
定秘密保護法などの影響で「自己検閲の状況」として前年の 61 位から 72 位に
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が難民や移民を乗せた大型の密航船が地中海で
沈没し約 500 人が死亡した恐れがあるとの声明を発表
22
国連が温暖化対策の新枠組み「パリ協定」の署名式を開催(ニューヨーク)、日本や米
中など 175 ヵ国・地域が署名、国際条約・協定の署名初日に調印する国の数で過去最多
【IS 関連情勢】
04 ・ 01
オバマ米大統領が核安全保障サミットで過激派組織「イスラム国」(IS)が核を使
ったテロを起こす可能性を警告、各国の情報共有を強化し連携を深める方針を表明
05 ラブロフ = ロシア外相がシリア和平協議仲介役のデミストゥラ国連特使と会談しアサド
政権と反体制派の直接対話の必要性を訴え、国連仲介を全面的に支援と表明(モスクワ)
ロジャーズ米サイバー軍司令官が IS による米国や同盟国に対するテロ攻撃を防ぐため IS
にサイバー攻撃を仕掛けていると米上院軍事委員会の公聴会で証言
08
ケリー米国務長官がイラクの首都バグダッドを予告なしに訪問、アバディ首相やジャファ
リ外相らイラク政府高官のほか同国北部クルド自治政府トップのバルザニ議長とも会談
13 オバマ大統領が国家安全保障会議(NSC)を開き IS 対策を協議、会議後に声明で IS 幹部
の殺害を含む掃討作戦の加速を表明
17 シリア地元紙『アルワタン』によるとシリア選挙管理当局が人民議会選挙(13 日)の結
果を発表、アサド政権を支える与党バース党を中心とする統一名簿の立候補者 200 人全
員が当選し圧勝
18 オバマ大統領がプーチン = ロシア大統領と電話でアサド政権と反体制派の戦闘が再燃し
たシリア情勢を協議、一時停戦を維持するため緊密に連携することで一致
19
シリア北西部イドリブ県で野菜市場などを狙った空爆がありシリア人権監視団(英国)
によると民間人少なくとも 44 人死亡、2 月末の一時停戦発効後一度の攻撃では最大規模
の被害
20
オバマ大統領がサルマン = サウジアラビア国王と会談(リヤド)、両国の戦略的関係の
重要性を再確認、オバマ氏が IS 対策強化の重要性を強調
21 オバマ大統領が湾岸協力会議(GCC)首脳会議に出席し「われわれは IS との戦いで団結
国際問題 No. 652(2016 年 6 月)● 52
国際問題月表
している、多くの分野でわれわれの関係は深化している」と発言(リヤド)
24 オバマ大統領がメルケル = ドイツ首相と会談(ハノーバー〔ドイツ〕
)
、会談後にオバマ
氏がシリアでの戦闘再燃に深い懸念を示した
25 オバマ大統領が IS 掃討作戦への支援を強化するため特殊部隊を中心に最大 250 人の米軍
要員を追加派兵する方針を表明(ハノーバー)、28 日、シリア外務省が追加派兵方針を
非難する声明発表
シリアの首都ダマスカス近郊でイスラム教シーア派地区を狙った車爆弾テロがあり保健
省当局者によると少なくとも 15 人死亡、80 人以上負傷、IS 系のニュースサイトが「IS
の兵士が政権軍兵士を狙って車を爆発させた」と報道、事実上の犯行声明
29
シリア人権監視団がシリア北部アレッポでの政府軍と反体制派の過去 7 日間の戦闘で子
どもを含む民間人少なくとも 202 人が死亡と発表、政府軍による「連続虐殺」と非難
30 バングラデシュの中部タンガイル近郊の村で少数派ヒンズー教徒の男性が刃物で殺害さ
れ IS が犯行声明
【パナマ文書】
04 ・ 03 プーチン = ロシア大統領周辺の人物らがタックスヘイブン(租税回避地)の企業を
使って巨額融資を受けるなど総額約 20 億ドル(約 2200 億円)の金融取引をしていたこ
とが「国際調査報道ジャーナリスト連合」
(ICIJ)が入手したパナマの法律事務所の内部
文書(パナマ文書)で判明、グンロイグソン = アイスランド首相やサッカーのメッシ選
手、香港の俳優ジャッキー・チェンさんら各国の指導者や著名人が税率がゼロかきわめ
て低い租税回避地を利用している実態も浮上
05 習近平中国国家主席の姉の夫がタックスヘイブンとして有名な英領バージン諸島のペー
パーカンパニー 2 会社のオーナーになっていたことがこの日までに判明、中国共産党序
列 5 位の劉雲山政治局常務委員と同 7 位の張高麗筆頭副首相の親族もタックスヘイブン
にある法人を利用していたことが判明
07 グンロイグソン首相が辞任、プーチン大統領が汚職疑惑を否定、キャメロン英首相が亡
父がパナマで開設したファンドに一時投資していたことを認めた
13
OECD が加盟各国の財務当局者を集めた緊急会合を開き課税逃れの包囲網を強化するた
め租税回避地に関して情報共有の強化を進めることで一致(パリ)
15 法人設立への関与が指摘されたソリア = スペイン産業・エネルギー・観光相が辞任表明
19
IMF など 4 機関が国際的な課税逃れの防止で協力すると発表、銀行の口座情報を交換す
る枠組みへの参加を目指す国に対し国際的な税務の知識を提供するなどして支援
Ⅱ 日本関係
04 ・ 01 家庭が電力会社を選べるようになる電力小売りの全面自由化が開始、東京電力や関
西電力など大手電力 10 社の地域独占が崩れ約 8 兆円の市場が開放
企業や自治体に女性の登用目標など行動計画の策定・公表を義務付けた女性活躍推進法
が全面施行
06 九州電力の川内原子力発電所(鹿児島県)の周辺住民らが再稼働差し止めを求めた仮処
分申し立ての即時抗告審で福岡高等裁判所宮崎支部が差し止めを認めなかった鹿児島地
国際問題 No. 652(2016 年 6 月)● 53
国際問題月表
方裁判所決定を支持、住民側の抗告棄却
国政選挙や地方選挙の投票日に駅やショッピングセンターなどに設置される「共通投票
所」で有権者が投票できるようにする改正公職選挙法が参議院本会議で可決、成立
安倍晋三首相がポロシェンコ = ウクライナ大統領と会談(東京)、ウクライナ情勢をめ
ぐる和平合意の完全履行を要請
13 IMF が各国の財政状況を分析した報告書を発表、日本に機動的な景気対策の実行を可能
にするためにも消費税率を予定どおり 2017 年 4 月に 10% へ引き上げるべきと提言
14
午後 9 時 26 分に熊本県熊本地方を震源としてマグニチュード(M)6.5 の地震が発生、
16 日午前 1 時 25 分には M7.3 の地震、同県益城町ではいずれも震度 7 を記録、気象庁に
よると同じ場所で震度 7 が起きたのは観測史上初、死者は 28 日までに熊本県で 49 人、
震災関連死とみられる人は 16 人、政府が 25 日の持ち回り閣議で激甚災害に指定
東京地方検察庁特捜部が 2014 年の東京都知事選後に運動員へ法定外の報酬を支払ってい
たとして公選法違反(運動員買収)の疑いで落選した元航空幕僚長の田母神俊雄容疑者
ら 2 人を逮捕
19 政府が人口減少対策の 5 ヵ年計画「地方版総合戦略」を 47 都道府県と 1737 市区町村の計
1784 自治体が 3 月末までに完成させたと発表
日本における言論・表現の自由の現状を調べるため来日したデービッド・ケイ国連特別
報告者が記者会見し特定秘密保護法で報道は萎縮しているとの見方を示しメディアの独
立が深刻な脅威に直面していると警告
20 三菱自動車が燃費試験で意図的に燃費を良くみせる不正行為があったと発表、対象は計
62 万 5000 台、26 日、同社は調査内容を国土交通省に報告し 1991 年から約 25 年間にわ
たり法令と異なる不正な試験方法で燃費データを計測していたと発表、米環境保護局が
三菱自動車に対し米国で販売した車について燃費データに関する追加試験を新たに行な
うよう命じることを明らかに
安倍首相がバレラ = パナマ大統領と会談(東京)、企業の課税逃れを防止するための情
報交換を可能とする協定締結に向け早期の協議入りで合意
21 全国の警察が 2015 年度に実施した取り調べのうち裁判員裁判対象事件で全過程の録音・
録画(可視化)を試行したのは 1543 件だったことが警察庁のまとめで判明、実施率は
48.6% で 2014 年度の 17.6% から大幅増
22 高市早苗総務相が靖国神社を春季例大祭に合わせ参拝、超党派議員連盟「みんなで靖国
神社に参拝する国会議員の会」も参拝、安倍首相は 21 日に「真榊」と呼ばれる供物を奉納
24 夏の参院選の前哨戦となった衆院北海道 5 区、京都 3 区の補欠選挙が投開票され北海道 5
区は自民党新人の和田義明氏、京都 3 区で民進党前職の泉健太氏が勝利
25 ハンセン病患者の「特別法廷」問題で最高裁判所が調査報告書を公表、審査せずに法廷
設置を許可した手続きを違法と認め元患者らに謝罪、記者会見で違憲の疑いを指摘した
が報告書では憲法判断は避けた
26 政府が閣議で 2015 年の特定秘密保護法の運用に関する報告書を決定、秘密を扱う公務員
らの身辺を調べる「適性評価」の対象となったのは 9 万 6714 人で拒否した職員らが 38 人
だったと明記
27 原子力規制委員会が北陸電力志賀原発(石川県)1 号機原子炉建屋直下を通る断層を「活
国際問題 No. 652(2016 年 6 月)● 54
国際問題月表
断層」と指摘した有識者調査団の評価書を受理
28 宇宙航空研究開発機構(JAXA)が 2 月に打ち上げたエックス線天文衛星「ひとみ」の運
用断念を発表、人為ミスと搭載ソフトの問題が重なり 3 月に軌道上で異常な速度で回転
して太陽電池パネルが脱落したと推定
日銀が金融政策決定会合でデフレ脱却の目安となる 2% の物価上昇目標の達成時期を
「2017 年度前半」から「2017 年度中」に再び先送り
Ⅲ 地域別
●アジア・大洋州
04 ・ 02 ベトナム国会がチュオン・タン・サン国家主席の後任にチャン・ダイ・クアン公安
相を選出、ベトナム共産党内での序列は党トップの書記長に次ぐ事実上のナンバー 2、7
日、ベトナム国会がグエン・タン・ズン首相の後任にグエン・スアン・フック副首相を
選出、9 日、新内閣が発足
04 カンボジア下院が内閣改造案を賛成多数で承認、1990 年代から外相を務めるホー・ナム
ホン副首相兼外相が外相職を外れ新外相にはプラク・ソコン郵政相が就任
05 ミャンマー下院が国政全般について助言を行なう「国家顧問」の役職を新設しアウン・
サン・スー・チー外相を任命するとの法案を可決、スー・チー外相は兼任を 4 閣僚から
2 閣僚に減らし教育相、電力・エネルギー相は別の人物に
スー・チー外相が王毅中国外相と会談(ネピドー)、新政権発足後スー・チー氏が外国
閣僚と会うのは初
中国政府が海外で購入した商品に課す関税を引き上げ、税関当局が空港での検査を強化、
政府は「爆買い」が国内消費の低迷要因になっているとみており関税引き上げにより国
内での買い物を促す狙い
韓国統一省が北朝鮮が国外に設けたレストランの男性支配人 1 人と女性従業員 12 人の計
13 人が集団で韓国に亡命したと発表、7 日、13 人がソウルに到着
07 スー・チー外相が新設の役職「国家顧問」として声明を出し政治犯を早期釈放する方針
を表明、8 日、中部バゴー地域の司法当局がテイン・セイン前政権下で抗議デモを行な
って拘束されていた学生活動家ら 60 人以上を釈放
10 インド南部ケララ州コーラム近郊のヒンズー教寺院で大規模な爆発を伴う火災があり少
なくとも 110 人死亡、300 人超負傷、祭りの花火の火が倉庫に燃え移り爆発
香港民主化を求めた 2014 年の大規模デモ「雨傘運動」を主導した学生団体の代表らが新
たな政党「香港衆志」を立ち上げたと発表、香港の大学でつくる「香港専上学生聯会
(学聯)」の羅冠聡 = 前代表が主席に就任
12 張盛和台湾財政部長(財務相)が AIIB への参加について 5 月に任期が満了する馬英九政
権下での参加は見送る方針表明
13
韓国で総選挙(300 議席)の投開票、保守与党セヌリ党は 122 議席で革新系の最大野党
「共に民主党」の 123 議席を下回り第 1 党から転落、「共に民主党」から分裂した「国民
の党」が 38 議席を獲得し第三極として躍進、野党勢力は過半数を制した
19 アフガニスタンの首都カブール中心部の国防省付近で爆発、治安部隊と武装集団との間
の銃撃戦となり併せて 64 人が死亡、少なくとも 347 人が負傷、反政府武装勢力タリバン
国際問題 No. 652(2016 年 6 月)● 55
国際問題月表
が犯行声明
26 ターンブル = オーストラリア首相が次期潜水艦共同開発の相手をフランス企業に決定し
たと発表、日本は選ばれず
27 チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ 14 世から政治的実権を委ねられているチベット亡
命政府(インド北部ダラムサラ)首相選(20 日)で現職のロブサン・センゲ氏が再選
●中近東・アフリカ
04 ・ 07 ケリー米国務長官が湾岸諸国の外相らと会談しアバディ = イラク政権の安定に向け
て各国に協力を求めた(マナマ)
08
サルマン = サウジアラビア国王がシシ=エジプト大統領と会談(カイロ)、両国を結ぶ
橋を紅海上に架けることで合意
09
ジブチの大統領選挙(8 日)で現職のゲレ大統領が約 87% を得票し 4 選を果たしたとブ
ルハン内相が発表
16 エロー = フランス外相とシュタインマイヤー = ドイツ外相がリビアの首都トリポリを訪
問、国連が仲介するリビア統一政府の樹立を後押しする姿勢を示した
18 エルサレムでバスが爆発し近くにいた別のバスや自動車も巻き込まれ約 20 人が負傷、21
日、イスラエルはパレスチナのイスラム原理主義組織ハマスが関与した自爆攻撃と発表
21
ネタニヤフ = イスラエル首相がプーチン = ロシア大統領と会談(モスクワ)、シリアで
イスラエル軍と作戦行動を継続するロシア軍との偶発的な衝突を避けるため協議したい
と発言
22
ケリー国務長官がザリフ = イラン外相と会談(ニューヨーク)、2015 年の核合意に基づ
く対イラン制裁緩和について協議
25 サウジアラビア政府が長期化する原油相場安を受け石油依存からの脱却を目指す包括的
な経済改革策を発表、ムハンマド・ビン・サルマン副皇太子がこの一環として世界最大
の石油会社である国営サウジ・アラムコの新規株式公開(IPO)を実行と表明
26
南スーダンの反政府勢力トップのマシャール前副大統領が和平協定に基づき 2 年以上前
に内戦状態に陥ってから初めて首都ジュバに帰還し第 1 副大統領に就任し政権復帰、キ
ール大統領が 29 日までに大統領派と反政府勢力の双方が参加する挙国一致の閣僚名簿を
発表、移行政権が発足
28 赤道ギニア政府が大統領選挙(24 日)で現職のヌゲマ大統領が 93.7%を得票し再選と発表
30 バグダッドで政治改革の遅れに抗議する市民らのデモ隊少なくとも数百人が政府施設や
各国大使館が集まる旧米軍管理区域内に突入し一部が連邦議会議事堂を埋め尽くした、
イラク治安当局が非常事態を宣言
●欧 州
04 ・ 04 EU とトルコが 3 月に合意した難民・移民対策の新枠組みの履行に着手、EU がギリ
シャのレスボス島など東部の島へ対岸のトルコから不法に渡った移民ら約 200 人をトル
コのディキリに送還、EU はトルコ国内からシリア難民を域内に正規に移住させる手続
きに入り第 1 陣がドイツなどに到着
06
オランダで EU とウクライナが 2014 年に調印した自由貿易協定(FTA)を柱とする連合
国際問題 No. 652(2016 年 6 月)● 56
国際問題月表
協定の是非を問う国民投票を実施、反対が賛成を大きく上回り結果に拘束力はないがオ
ランダ政府は協定の批准手続きに変更を迫られることに
09
ベルギー同時テロでベルギー当局がモハメド・アブリニ容疑者ら 6 人を 8 日に逮捕した
と発表、2015 年 11 月のパリ同時多発テロに絡んで国際手配されていた同容疑者がブリ
ュッセル国際空港でのテロで空港から逃走した 3 人目の実行犯であることを確認、本人
も認める供述
12 イタリア下院が上院の議員定数削減や権限縮小などを柱とする憲法改革法案を賛成多数
で可決、上院は可決済み、法案の賛否を問う国民投票を 10 月にも実施
14
EU 欧州議会がテロ対策の一環として EU が導入を図ってきた旅客機の乗客予約記録
(PNR)を集める制度の法案を賛成多数で可決、各国は 2 年以内に国内法を整備(ストラ
スブール〔フランス〕)
20 NATO とロシアの共同行動のための意思決定機関 NATO ロシア理事会の大使級会合開催
(ブリュッセル)、ウクライナ危機を受けた NATO とロシアの政治対話は約 2 年ぶり
EU 統計局が EU28 ヵ国で 2015 年に保護が認められた難民らは前年比 72% 増の 33 万 3350
人に上ったと発表、出身国別ではシリア国籍が最も多く約 16 万 6100 人と半数を占めエ
リトリア国籍、イラク国籍と続いた
22 オバマ米大統領がキャメロン英首相と会談(ロンドン)
、会談後の記者会見で EU 離脱の
是非を問う 6 月の国民投票で英国が残留を選択するよう強く促した
24 オーストリア大統領選挙で難民対策の厳格化を訴える右派自由党のホーファー国民議会
(下院)第 3 議長が首位、リベラル政党「緑の党」出身のファン・デア・ベレン元下院議
員と 5 月に決選投票
セルビア議会選挙が実施され EU 加盟を目指すブチッチ首相が率いる中道右派の与党「セ
ルビア進歩党」が単独過半数を確保
29
ケニー = アイルランド暫定首相率いる第 1 党の統一アイルランド党と第 2 党の共和党が
統一アイルランド党の少数政権を樹立させることで合意
●独立国家共同体(CIS)
04 ・ 02 旧ソ連アゼルバイジャンのアルメニア系住民が独立を宣言している西部ナゴルノカ
ラバフ自治州でアルメニア系武装組織とアゼルバイジャン軍との間で激しい戦闘が発生、
4 日、エルドアン = トルコ大統領がアゼルバイジャンへの支持を強調、6 日、アリエフ =
アゼルバイジャン大統領がラブロフ = ロシア外相と会談(モスクワ)、国際法に基づく
平和的解決を望んでおり対話を継続するとの意向を表明、7 日、メドベージェフ = ロシ
ア首相がナゴルノカラバフ紛争で停戦合意を順守するよう双方に呼び掛け(エレバン)
、
13 日、アルメニア国防省が 2 日の戦闘のアルメニア側の犠牲者が 92 人に上ったと発表
12 ラブロフ外相が北方領土問題をめぐり 4 島の帰属問題解決に向けた交渉を「拒否しない」
と明言、14 日、プーチン = ロシア大統領が同問題について妥協は可能との認識を示した
13
キルギス議会が新首相にジェエンベコフ大統領府第 1 副長官を選出、アタムバエフ大統
領が承認
14
ウクライナ最高会議(議会)がグロイスマン議長の首相就任を承認
26 放射性物質による史上最悪の被害をもたらした旧ソ連ウクライナのチェルノブイリ原発
国際問題 No. 652(2016 年 6 月)● 57
国際問題月表
事故から 30 年、事故を起こした 4 号機前で追悼式典開催、ポロシェンコ = ウクライナ大
統領が「最終解決には程遠い」と発言
28 ロシアが極東アムール州に新設したボストーチヌイ宇宙基地からの初のロケット打ち上
げを実施、国営宇宙開発企業ロスコスモスが打ち上げ成功と発表
●北 米
04 ・ 13
米海軍のイージス駆逐艦ドナルド・クックがバルト海の公海上で 11、12 両日にロシ
ア軍機から繰り返し異常接近を受けたと米欧州軍が発表
19 カービー米国務省報道官が中国海軍が 17 日に南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸
島で病人搬送のため哨戒機を使用したことについて不快感を表明
21 ドイツのフォルクスワーゲンが排ガス規制逃れ問題で米国の不正車両約 60 万台の所有者
らに損害を賠償し改修が難しい車両を買い取ることで米環境保護局などと合意
25 フィリピンのイスラム過激派アブサヤフが 2015 年 9 月に拉致した 4 人の人質のうちカナダ
人男性 1 人を殺害、トルドー = カナダ首相がアブサヤフを強く非難する声明を発表
米国防総省が 2015 年 9 月までの 1 年間の「航行の自由」作戦に関する年次報告書を発表、
中国が東シナ海上空に設定した防空識別圏で同作戦を実施したことを明らかに
27 米通商代表部(USTR)が貿易相手国の知的財産保護に関する状況を分析した報告書を発
表、中国によるサイバー攻撃などを通じた企業機密の窃取を「引き続き重大な問題」と指
摘、対策強化を急ぐよう求めた
●中南米
04 ・ 14 タックスヘイブン(租税回避地)の企業に貿易上の厳しい条件を課すアルゼンチン
の政策をめぐる同国とパナマの通商紛争で WTO の紛争処理手続きの「最終審」に当た
る上級委員会が WTO ルール違反だとするパナマの訴えを退けた
16 エクアドルの太平洋岸でマグニチュード(M)7.8 の地震が発生、18 日、非常事態宣言、
19 日までに死者が 525 人、負傷者は 4000 人以上、行方不明者は 200 人以上
27 ブラジル保健省がカストロ保健相の辞任を発表、ジカ熱やインフルエンザの感染拡大阻
止が課題のなか五輪開幕を約 3 ヵ月後に控えての保健相交代に
国際問題 第 652 号 2016 年 6 月号
編集人 『国際問題』編集委員会
発行人 野上 義二
発行所 公益財団法人日本国際問題研究所(http://www.jiia.or.jp/)
〒 100−0013 東京都千代田区霞が関 3−8−1
虎の門三井ビルディング 3 階
電話 03−3503−7262(出版・業務担当)
*本誌掲載の各論文は執筆者個人の見解であり、執筆者の所属する
機関、また当研究所の意向を代表するものではありません。
*論文・記事の一部分を引用する場合には必ず出所を明記してくだ
さい。また長文にわたる場合は事前に当研究所へご連絡ください。
*最近号
15 年 5 月号 焦点:揺れる EU
15 年 6 月号 焦点:グローバル問題の多発と国際機関の対応
15 年 7・8 月号 焦点:台頭する中国とその周辺国・地域
15 年 9 月号 焦点:戦後 70 年と日米関係
15 年 10 月号 焦点:ブラジルの光と影
15 年 11 月号 焦点:新段階に入ったASEAN 地域統合
16 年 12 月号 焦点:変動する国際関係のなかの中央アジア
16 年 1・2 月号 焦点:新安保法制と日本の安全保障
16 年 3 月号 焦点:中国「新常態」の行方
16 年 4 月号 焦点:アフリカ―そのさらなる発展への課題
16 年 5 月号 焦点:曲がり角にあるサミット
***
■『国際問題』配本サービス(実費・完全予約制:年 10 回/ 5150 円、JIIA 会員割引有)
配本サービスおよびバックナンバーの購入をご希望の方は、JIIA ウェブサイトもしくは上記電話番号にお申し込みください。
■ JIIA ホームページ『国際問題』読者アンケート(URL http://www2.jiia.or.jp/ENQ/)
特集・論文に関するご意見・ご感想や、今後の『国際問題』についてのご要望等をご自由にお寄せください。
国際問題 No. 652(2016 年 6 月)● 58