第 79 回湘南科学史懇話会のご案内(茅ヶ崎市勤労市民会館、2016 年 7 月 30 日(土) ) 「経済学と実存主義から公共哲学、統合学、共生科学へ ――我が知的遍歴ないし発展と普遍的課題」 講師:山脇直司さん(公共哲学、星槎大学教授) 講演概要 私の知的遍歴は 1967 年に始まる。それは貧困問題解決のための経済学研究と幼児期から の形而上学的関心から発した実存主義への傾倒に始まり、予期せぬ形で起こった大学紛争 (闘争)を経て、本格的な哲学研究への転向、ミュンヘン大学への留学と学問論に関する 学位論文という形でまず形成された。 この時期に形成され、現在まで至る私の学問思想は、 1)哲学は諸学問を横断する学問であると同時に、人間の死生観にかかわる根源的な学問 であること、 2)自然科学的な方法論と学問する主体、社会科学的な方法論と学問する主体、哲学の方 法と哲学する主体は、相互に区別されながらも関連し合うこと、の二つである。 その後、1988 年 4 月から 2013 年 3 月まで東大駒場キャンパスで、学部学生、大学院生 を相手に、社会思想史、社会哲学(後に公共哲学) 、相関社会科学方法論などの授業を受け 持ち、いくつかの単著を出しながら、知の遍歴は続き、今日に至っているが、今回の発表 では、その遍歴ないし発展を紹介しながら、私が考える現代の普遍的な課題を提示して、 参加者の方々と討論していきたい。 講師プロフィール 山脇直司(やまわき なおし) 1949 年 3 月 26 日 青森県八戸市生まれ、八戸高校、一橋大学経済学部、上智大学院哲学 研究科を経て、1978 年 4 月から 1982 年 3 月までミュンヘン大学哲学部に留学(主専攻哲 学、 副専攻神学と日本学) 、 1983 年 12 月に学位授与(哲学博士)。 学位論文は Die Kontroverse zwischen Kritischem Rationalismus und Transzendentaler Sprachpragmatik、Anton Hain 1983 ( 『批判的合理主義と超越論的プラグマティックとの論争』)。1982 年 4 月東海 大学文学部専任講師、1985 年 4 月同助教授、1986 年 4 月から 1988 年 3 月まで上智大学文 学部哲学科助教授、1988 年 4 月から東京大学教養学部社会科学科助教授、1993 年 4 月同 教授、1996 年 4 月から 2013 年 3 月まで東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻 教授。2013 年 4 月から通信制の星槎大学教授、現在は同副学長。他に日本共生科学会会長、 統合学術国際研究所長を務める。 著書に『ヨーロッパ社会思想史』 (東大出版会 1992) 『包括的社会哲学』 (東大出版会 1993) 『新社会哲学宣言』 (創文社 1999) 『経済の倫理学』 (丸善、2002) 『公共哲学とは何か』 (ち くま新書 2004) 『社会福祉思想の革新』 (かわさき市民アカデミー2005)『グローカル公共 哲学』 (東大出版会 2008) 『社会とどうかかわるか』 (岩波ジュニア新書 2008) 『社会思想史 を学ぶ』 (ちくま新書 2009) 『公共哲学からの応答:3.11 の衝撃の後で』(筑摩選書 2011) Glocal Public Philosophy---Toward Peaceful and Just Societies in the Age of Globalization (Lit Verlag 2016)などが、編著に『科学・技術と社会倫理:その統合的思考 を探る』 (東大出版会 2015)などが、訳書にローベルト・シュペーマンの『進化論の基盤を 問う:目的論の歴史と復権』(東海大学出版会、1986)『原子力時代の驕り:後は野となれ 山となれでメルトダウン』 (知泉書館、2012) 『幸福と仁愛:生の自己実現と他者の地平』 (東 大出版会、2015)などがある。論文は、公共哲学やドイツ観念論などに関するもの多数。 日時:2016 年 7 月 30 日(土) 14:00~18:00 場所:茅ヶ崎市勤労市民会館(〒253-0044 茅ヶ崎市新栄町13-32) 電話 0467- 88- 1331 FAX 0467-88-2922 http://www.chigasaki-kinro.jp/ 参加費:1,000 円 連絡先:猪野修治(湘南科学史懇話会・代表) 〒242-0023 大和市渋谷 3-4-1 TEL/FAX 046-269-8210 Email:[email protected] http://www008.upp.so-net.ne.jp/shonan/home.htm
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