16闘華6月号 - ユニオン東京合同

ユニオン東京合同 機関紙
闘
と う
華
2016 年 6 月 10 日発行
No.107
発 行:ユニオン東京合同
発行人:三角 忠
か
闘 華
東京都千代田区三崎町 2-17-8 皆川ビル 301 朔気付
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目立った成果もないサミット
労働者・民衆の反撃は、新自由主義の打倒に向かう
世界の帝国主義的強盗どもが一堂に会した伊勢志摩
新自由主義と安倍が、社会に弱肉強食のような風潮を
G7サミット(首脳会議)は、新自由主義の危機と矛盾
蔓延させ、労働者は非正規ばかりにしようとしてきたな
が深まるなかで、相互の対立を激化させ、戦争と貧困、
かで、新自由主義の社会には政治的腐敗と安全崩壊が広
分断と抑圧をさらに加速する超反動的な会議であった。
がり、
差別・排外がのさばろうとする気配も広がったが、
安倍の空疎な自己主張は空振りで他の6か国からまと
労働者階級は確実に反撃をしている。
もに相手にされず、新自由主義列強の矛盾の相互激突と
戦争と基地、福祉の解体と貧困の蔓延、偽装と腐敗の
きしみをさしあたって表面的には取り繕っただけで、な
広がりに労働者の怒りの反撃がたたきつけられている。
にひとつ、矛盾の解決への合意などはなかった。新自由
戦争と基地に対する、沖縄の怒りは沸点を越えている。
主義列国には戦争と安全破壊、非正規と貧困を拡大し、
舛添の傲慢かつ私利私欲の意地汚さに都民は辟易して
差別と排外主義を強めるしかないことを世界に示した、
いる。大手不動産・大手自動車メーカーの偽装・捏造に
と言えよう。
「消費者」は怒りたぎり、暮らしと未来への希望のなさ
に非正規労働者、卒業までに奨学金という借金が増えて
戦争への一里塚としてのオバマ広島来訪
も職につけない学生、貧困の拡大で高齢者も、障がい者
もともと欺瞞だった2009年プラハ演説でノーベ
も、若い親たちもみんな怒っている。
ル平和賞を掠め取ったオバマは任期を残すところ1年
労働者民衆は巨大な規模で潮流的に変化を始めてい
もないなかで、少しも核の廃絶に進むどころか、この3
る。沖縄では、怒りを絶やさずに、粘り強く闘いへ向か
0年間の米大統領の中で最も少ない600個の核弾頭
っている。ヘイトデモへのカウンターは闘いの蓄積のう
を削減しただけで、自らは特権的に核を持つが気にいら
えで、ヘイトデモを中止に追い込んだ。
ない国の核の保有には偏狭な態度をとり、そして今後3
新自由主義と安倍、ブラックな新自由主義企業、戦争
0年間で1兆㌦(約110兆円)をかけて核兵器の近代
と差別の勢力がしていることに、本気で各所で勇気をも
化(核弾頭の小型化と弾道ミサイルと運搬手段の精度向
ってぶつかりはじめている。阻止できる、覆せる、闘い
上)を進めるつもりのうえで、広島にやってきた。
が起こっている。知恵を絞れば対抗・抵抗・反撃ができ
アメリカの反核団体が発表した報告書『1兆ドルの大
る。反動に屈しない民衆の闘いのうねりを作ろう。組合
惨事』が明らかにしていることは、オバマが推進する計
はそうした闘いの一翼を担いつつ、力と勇気をもらい、
画は、「米国保有の全核兵器を刷新し、高性能化するも
自分の持ち場に責任をもって、屈せずに闘う。自分のた
の」であり、「核戦争を始めるための計画」である。原
めにすることでも、その影響を受けるのは自分一人では
爆投下への謝罪や反省を一切述べず、その国家犯罪を居
ない。闘いの大変な局面の時ほど、仲間がいることを意
直り、平和には縁遠い姿をごまかすため、オバマは広島
識して、闘おう。そうした闘いの一つ一つの集積が社会
に来訪し、安倍は、中身のなさをオバマとのツーショッ
を変える。権利剥奪と労働力の使い捨てという攻撃に、
トで取り繕った。このようにして、新たな核戦争を準備
労働者らしい生き方と努力、新しい工夫の創造で打ち破
するオバマと安倍を絶対に許してはならない。
ろう。組合は闘う。頑張ろう。
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■■ブリタニカ分会から■■
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義務的団交事項と認められる組合の組合員の労働条件
を議題にする団体交渉申し入れを行った場合は誠実に
5月25日正午から1時間、ブリタニカ・ジャパン㈱
対応することを求めるものでした。
が入居している西五反田八丁目ビル前でビラまき情宣
原告は、中労委の判断は、原告は2014年3月、4
をし、
団交要求行動を行った。
ビル前は人通りが少なく、
月、5月の事務所閉鎖、解雇に至る過程では、原告もあ
ビラのはけがよくない。ビルへの出入りも、昼休み時間
っせん申請や、会議室を外に借りるなど条件を出して提
だというのにパラパラの状態だ。そうした状況を打破す
案したのに組合が拒否したとか、また先行4件併合不当
るべく、声を大にしてマイク情宣を行った。
労働行為事件は裁判で和解し、命令を履行したので解決
奥井直彦は、今年1月に「相談役」になり、小槌健太
しているなど主張しましたが、この点に関しても、中労
郎が社長となっている。
しかし、
誰が社長になろうとも、
委は、それらも含んで命令を判断したことを記述してい
日本ブリタニカ㈱の事業閉鎖、340名全社員解雇の事
ます。
実は消えない。
そして、
当然のことながら小槌健太郎は、
中労委は「和解で一定解決している」との点に対し、
使用者責任を引き継いでいる。
「原告は自ら進んで命令を履行したのではなく、緊急命
組合の団交要求に対する会社側の対応は、これまで通
令の決定で、履行しなければ過料が科せられるという状
り、社長、相談役、労務担当全員が「居ません」である。
況において、原告が提訴した取り消し訴訟を終了させる
直接団交要求行動から見えてくるブリタニカ・ジャパン
ために和解をし、履行したのであって、組合が申し立て
の社内状況は、新しい顔ぶれの社員(?)が増えている
た本件再審査で問題となっていた原告の団交対応につ
ように感じられる。
いて、一定の解決を見ていたなどと言うことはできな
今後もビラやマイク情宣を通じて姿勢を暴いていく
い」
、と断じました。
ことをはっきりさせて、この日の闘いの総括とした。
補助参加人(組合)は、準備書面(1)で、命令の必
要性と、原告のこれまでの和解に対する態度から原告
(全日本育成会)の和解に臨む態度は不誠実なものばか
■■手をつなぐ育成会分会から■■
りで信用できないこと、そのため「和解したから一定の
解決をみた」などとは言えないこと、不当労働行為は繰
1.5月11日(水) 中労委命令取り消し訴訟
り返されているので、命令が取り消されてはならないこ
今回は、被告である中労委から準備書面(1)
、また
とを書面で明らかにしました。
補助参加人(組合)の準備書面(1)を提出しました。
また、
「解散して清算手続き中」としていることにも
中労委の準備書面(1)では、中労委が命じた「誠実
重大な点を隠蔽していることを明らかにしました。社会
対応命令」が中労委の権限を逸脱したものではなく、将
福祉法人は解散しても、同時に実質的同一性のある団体
来に向けて同種又は類似の不当労働行為が繰り返され
を作り、役員も同じで、事業を続けていて、雇用だけを
る可能性が高い場合に「命令」を出すことは、これまで
遮断させようとしていることを隠蔽して、裁判に臨んで
も認められていることを主張しています。 過去の判例
いること、また使用者性の継承があるので命令の効力は
から、奈良学園事件、第一小型ハイヤー事件の2件の命
失われないので、命令は取り消されてはならないことを
令が有効と関西と北海道の各高等裁判所で判断された
明らかにした。
ことを用いて、このような具体的な行為を示さず将来の
次回は、原告(全日本育成会)が書面を提出し、法廷
不当労働行為の防止のために出された命令が有効であ
ではなく、7月5日に進行協議を行うことになった。
ることを説明し、労働委員会の裁量の範囲内であること
を示しました。
2.5月23日(月)都労委調査
そして、本件においては、今後も第8回団体交渉まで
都労委の不当労働行為事件では、今回は、組合が準備
の場合と同様の対応に及ぶことが懸念される、同様の対
書面を提出しました。主に解雇に関する不当労働行為の
応に及ぶことを防止するから、将来の不当動労行為の防
内容を法理に該当することを示すものとしました。
止の範囲を出ていないことを示しました。
① 「法人格の見直し」は予定されていた。
また、原告(全日本育成会)は「組合員の労働条件」
特に、被申立人全日本育成会が2013年5月31日
という内容は範囲が広すぎて防御できないとして取り
発行「夢―全日本手をつなぐ育成会創立60周年記念
消されるべきだと主張しましたが、中労委は本件命令発
誌」には、
「これからに10年に向けて」として、
「育成
出後、法人が清算手続き中である状況においても、なお
会の10年ビジョン」が掲載されて、主に取り組むこと
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として「法人各の見直し」があげられていた点について
いる」わけで審査を適切に進めるために速やかに回答し
は説明が一度もないのです。
てほしいものです。
そして全日本育成会執行部としては「社会福祉法人と
片や組合は、今回提出した証拠の中の発達障害連盟へ
いうより、社団法人に近い」認識であったことも示され
の2014年度の決算書の収入の部の「受け取り入会金
ているのであり、
「社会福祉法人の維持か、別法人格へ
0円」で新規の入会金はなかったことを書証をもって示
の転換か」ということを、時間をかけて議論していく必
しました。
つまり、
育成会連合会が新規で申し込みをし、
要があると記載されていました。このように育成会執行
何らか新規「入会金」を支払っていれば、この入会金に
部は「育成会の10年ビジョン」を示した後、数か月後
数字が入るところが、
「0円」であるので、全日本育成
の2014年1月には理事会懇談会で、突然「従来の事
会からの継承継続の可能性が高いのではないかという
務局体制を敷いて運営を継続していくことは困難であ
ことを、事実をもって報告しました。
「新規の入会でも
るとの考えを示した」のです。時間をかけて検討すると
入会金が0円のときもある」というのでしたら、そのよ
しながら、突然事務所を閉鎖して、労働者を解雇すると
うに連合会が説明すればいいのに、そういった説明もし
いう話になったのですが、この点に関して、全日本育成
ないのです。きちんと、迅速に経過を説明すべきです。
会からこれまでに説明はないのです。
労働委員会に来ている、被申立人育成会連合会の補佐
② 法人格を変更すれば、基本財産要件も変わる。社団
人小出隆司氏、片桐嗣宣氏は公益委員や使用者側委員の
法人であれば1億円から、300万円に変わる。
言っていることをよもや理解できていないことはない
認識が社団法人に近いとなれば、法人格の変更は、社
とは思いますが、創立60周年記念誌の編集委員長であ
団法人にした場合、基本財産要件は300万円となり、
り、
「育成会の10年ビジョン」を執筆者である片桐嗣
これまで「1億円を切ったから赤字」と言って問題にし
宣氏が、全日本育成会副理事長時代に書いたものです。
ていましたが、基本財産が1億円→300万円となるの
したがって、これらの法人格の変更問題についての片桐
であれば、
「倒産状態」論も、解雇する必要もなくなる
氏が説明し明らかにすることが、今後不当労働行為事件
のです。
の解明につながるものです。恥ずかしがり屋さんなので
③ 全員解雇の不自然。
しょうか、毎回のように補佐人として出席はしているも
組合は、このような急な方針の変更とその説明をしな
ののあまり発言したこともないらしい片桐氏の言動に
いこと、全員解雇の方針だったことが不自然であること、
も今後注目していきましょう。
なぜなら、はじめから機関誌「手をつなぐ」は続けて発
次回調査
2016年7月12日(火) 15時~
行するとしながら、編集担当職員までやめさせる必要が
あったのかという問題があります。
3.6月2日(木)解雇撤回・地位確認無効裁判 第
月刊で発行している機関誌を、4月から翌3月まで1
2回和解協議
年間をサイクルとしているのに、4月号、5月号を発行
前回の第1回和解協議に先立って、原告側から、陳述
して、続けて発行する6月号から編集方針を変えること
書(2)
(闘華2016年5月号に掲載)に続き陳述書
にならないのであれば、編集者の募集をしなかったのが
(3)を提出しました。そして原告側陳述書(2)に対
不自然なのです。しかし、被申立人両会は、これまでの
して、今回「被告全国連合会」
(労働委員会における「被
求釈明にも回答していないで自ら明らかにしないとい
申立人育成会連合会」と同一)から書面回答があること
う態度を固めています。これらの点が不当労働行為とい
になっていましたが締め切りの5月26日を過ぎても
うファクターをいれなければ説明できません。したがっ
提出されず、出てきたのは遅れて5月30日でした。
て、全員解雇型の不当労働行為であると説明しました。
その内容では、
「発達障害連盟に機関誌編集発行を業
また被申立人育成会連合会は、前回3月の調査で「発
務委託している」としながら、
「発達障害連盟は全日本
達障害連盟と、国際育成会連盟への加入申込書を提出し
育成会で編集担当をしていた男性職員2名が作った会
た」という書証を提出したものの、それが理事会によっ
社に2014年10月から編集を外注している」こと、
て承認されたものか、どうかがわからないので、その点
また10月までは「ボランティア」として作業していた
を明らかにする書面を4月末までに提出することにな
ことが記載されていました。
っていたのに提出しないで、調査の当日になって、公益
つまり、編集担当をしていた男性職員2名は、201
委員が連合会に確認したところ「さらに3週間ほどかか
4年4月号、5月号を全日本育成会から発行し、6月号
る」という回答でした。そもそも自ら書証を提出したこ
からは全国連合会から発行し、で続けて同じ業務に携わ
とに関連していることについて、いつまでも「調査して
っていたのです。1年半経過した裁判の中でついに「告
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白」しました。
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うように釈明を求めました。
連合会の準備書面
(7)
は、
そして、会員管理業務についても、
「分室」と称して、
主語、述語、誰が誰に何をしたのか、はっきりしない文
しが夢翔会のMI職員、久保会長の娘のK氏が「ボラン
章なので、その部分を書き出したら、A4 用紙に10枚
ティア」をしてくれたが、
「ボランティアでは申し訳な
ぐらいになったので、とにかく、裁判官に対し、原告側
い」からと「2015年4月から、しが夢翔会に業務委
が不明な点があるので釈明を求めたいと申し出たら、は
託した」と書いてあるのです。全日本育成会から連合会
じめは難色を示しましたが、最終的に裁判官も釈明を求
に移行した時期の雇用関係については、編集業務も、会
めることを認め、早めに提出することとなりました。
員管理業務も、
「ボランティア」という言葉が使われて
原告側は、6月8日付で被告全国連合会に対する求釈
いますが、これはどういうことなのか、はっきりしても
明事項をまとめて提出しました。
らわないと困るのです。
次回の裁判は、進行協議として行われることになって
そのため、釈明要求に下図のようにボランティア雇用
います。7月1日(金)14:00
に関連する不明な部分の図を作り、これに記入してもら
育成会における「ボランティア」という名の違法雇用の蔓延
名称
A
ボランティア
をする以前の
職務・職掌
B
C
ボランティアの
募集(誰が、い 有償・無償
つ募集したか)
D
E
F
ボランティア ボランティアの 現在の職務・
の期間
内容と頻度
職掌
1 MU氏
被告全日本育
成会職員
?
?
?~2014年9月
被告全日本育成会
職員と同等
?
2 S氏
被告全日本育
成会職員
?
?
?~2014年9月
被告全日本育成会
職員と同等
?
滋賀県育成会
3
職員
滋賀県育成会
職員
公募ではなく、滋
賀県育成会職員で
ある指揮、命令系
統において行われ
ている
4 MI氏
5
K氏(久保会
長の娘)
県育成会職員就業時
間中であり、被告全
2014年6月~現在
国連合会から職員へ
の支払いはない。
繁忙期には
(未払い)残業
滋賀県育成会
職員
?
?
?
?~2015年3月
?
しが夢翔会職員
?
?
?
?~2015年3月
?
?
※1 なお、MU氏、S氏が設立した会社に、2014年10月から業務が外注され、両氏はその後も編集業務に関わっている。
※2 2015年4月から、しが夢翔会に委託された。MI氏と、K氏は、その後も継続されている。
反対運動も盛り上がり、成立したものの対象犯罪を殺人
◆ ユニオン東京合同は物申す◆
などの 4 つの犯罪に限定し、
通信事業者の立会いを義務
づけ、あらかじめ裁判所に届けるという制約を課せられ
刑訴法等改悪弾劾!
たのである。そのため日ごろから罪にもならないような
治安管理強化をはね返す労働組合
はだ「使い勝手」の悪い治安法になってしまい、実際、
の団結を固めよう
暴力団の覚醒剤関係に適用されただけであった。
事件を犯罪に仕立てあげようとする警察にとってはな
しかし、今回の改悪によって、窃盗などに対象犯罪が
5月24日、盗聴拡大・裏切りと密告の司法取引、
「一
拡大し、通信事業者の立会いなしに警察内の密室で盗聴
部可視化」をテコに、かえって自白誘導・強制という冤
できるようになったのである。
罪拡大を内容とする刑訴法等改悪案が強行制定された。
司法取引について言えば、これまでも冤罪の温床であ
すでに「闘華」紙上で、この改悪が闘う労働運動にも
る代用監獄(検察が留置取調のためにひきつづき警察の
治安管理の網をかぶせるものとして、その危険性を明ら
留置場で被疑者を取り調べること)を利用して、共犯関
かにし、反対してきた。
係での分断を狙ったり、狭山事件無実の石川一雄さんに
通信傍受法(=盗聴法)の改悪を改めて注視する。
「お前がやったと言わなければ、兄貴をしょっぴくぞ」
1999 年に盗聴法改悪案が国会上程された時は、民主党
と脅してウソの自白をでっちあげ、実質的には司法取引
はおろか公明党も部分的ではあれ反対を表明。院外での
が先取り的に行われてきた。これを密室での取引ではな
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く、仲間を裏切り、自分だけは助かりたいという心理に
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だから、沖縄にとって、戦争は「敗戦」になっても、
つけ込んで他の被疑者に全部罪をなすりつけようとす
基地があり続け、米軍の兵隊や軍属がアメリカのルール
る、あるいは、その取引の結果、あらたに逮捕状を出し
で暮らしていて、そこは治外法権なのであった。生活と
無実の人を罪に陥れる事態にも発展するのである。
目と鼻の先の場所にあるアメリカ軍の基地では、戦闘訓
通常国会がまだ会期末にはなっていないこの日強行
練が繰り返され、戦争に密着した状態が1945年以降
成立させたのは、
まぎれもなく 5 月末伊勢志摩サミット
も途切れることなく現在まで続いているのである。
の国際協調の柱「対テロ戦争」の一環である。絶対に許
せない。
戦争・基地と闘ってきた、沖縄の歴史
最終的に民進党が屈服。政府改悪案に賛成したとは言
本土復帰から数えても、沖縄での米軍犯罪件数は58
え、参院法務委員会最終日の与党賛成論でさえ、この改
96件に上る。うち凶悪事件が1割(574件)を占め
悪案に対する人権侵害のおそれを指摘しているほどで
る(沖縄の米軍及び自衛隊基地(統計資料)平成 28 年
ある。
3月:沖縄県)。そのたびに、沖縄県民は抗議し行動を
同時に、厚労省村木事件を奇貨として「可視化」を推
起こして、日本政府は、米国に事故の再発防止を申し入
進しようとした日弁連執行部が結局「一部可視化」と引
れるが、本気じゃないのは見透かされている。日米地位
き換えに、すでに挙げた警察の治安管理強化のお先棒を
協定の見直しだって要求できないでいる。そのたびに、
かつぐような改悪に、推進役として率先協力してきたこ
沖縄県民は不条理を押し付けられてきた。
とを徹底的に弾劾しなければならない。
米軍の兵士、軍属による事件が起きると日米地位協定
栃木「今市事件」は裁判員制度を利用して「可視化」
改定が俎上に上がるが、本質は、戦争のための基地や米
をテコに有罪判決が下された。
軍駐留にある。戦争を優先し治外法権、国内法の適用免
さらに治安弾圧の強化が、これに止まらず、狙われて
除で米軍に特権を認め、日々、命を爆音禍や墜落、演習・
いることを直視する必要がある。産経新聞 5 月 29 日号
犯罪被害の危険にさらし続ける。人民の主権を侵害され、
は「刑事司法改革関連法が成立したが、これだけでは十
殺されても地位協定一つ改定できない「見殺しする政
分ではない。法務省幹部は『これでテロ対策に本腰をい
府」なのだ。
れることができる』と話し、テロ対策の焦点は今後、長
年の懸案となっている『共謀罪』創設に移る」と予告し
積もった怒りが解き放たれる日
ているのである。
今年の4月に沖縄で若い女性が行方不明になり、5月
「治安維持法」よりもさらに悪質巧妙になった安倍政
に死体で発見されるという、米軍属による女性死体遺棄
権の一連の治安管理強化を通した、監視国家化・警察国
事件が起きた。3週間も遺体を遺棄したまま逃げていた。
家を許さず、労働組合の階級的な団結を固め闘おう。
戦争と基地があるから起こった許せない事件だ。この事
件に対して、沖縄の怒りは高まった。一体いつまで蹂躙
されなければならないのか。米軍基地の前で座り込みし
沖縄県民と連帯して、基地撤去を闘おう!
たり、国会前行動が広かったり、沖縄県議会は、5月2
6日に臨時会を開き、先の米軍属による女性死体遺棄事
戦争と基地に対する沖縄の苦悩と怒り
件に対する抗議決議と意見書を全会一致で可決した。抗
先の戦争で沖縄は、米軍との激しい地上戦が3か月も
議決議と意見書は遺族への謝罪と完全な補償などに加
続いた。日本軍約28,000人と一般市民92,00
え、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設断念のほか、
0人と、多くの住民を巻き込んだ。1945年の敗戦を
在沖米海兵隊の撤退も求めた。在沖米海兵隊の撤退を求
迎えても、沖縄は、米軍のアジアに対する重要な基地と
める県議会決議は初めてである。可決した抗議決議と意
して米軍隊が駐留し続けた。日本に返還される1972
見書は「元海兵隊員の米軍属によるこのような蛮行は、
年までアメリカの支配下であった。同じ日本なのに沖縄
県民の生命をないがしろにするもので断じて許されな
に行くにはパスポートが必要だった。
い」と批判した。こうした事態は、言うまでもなく労働
沖縄の人たちは、ベトナム戦争に直結した基地のなく
者・県民の怒りの激しさが議会をつき動かしているのだ。
なる本土復帰を本当に望んでいた。
「これで日本になる、
5月26~27日にアメリカを含む帝国主義的強盗と
基地はなくなる。米軍はアメリカに帰る」はずが、本土
も言える伊勢志摩サミットが開かれたが、戦争政治とみ
復帰後も、日本政府とアメリアの協定により、米軍の基
せかけの協調の虚飾を振りまいたが、沖縄県民の苦しみ
地はそっくり残ることになったのだ。
は何も解決される気配はなかった。
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2016 年 6 月 10 日発行
そして、沖縄県議会議員選挙が、6月5日に開票され
No.107
を見てしまい、怖くて怖くて逃げ去りました。その後、
た。全48議席のうち27票を、過半数を超えて新基地
何度も川崎駅前で繰り返され、私たちを守るために抗議
を絶対に作らせないとする勢力の議員が当選した。まさ
する方々が、大変な思いをしながらあなた方に抗ってく
に沖縄の怒りで闘い続けてきた労働者、沖縄県民の闘い
れていることは知ってはいましたが、私は怖くて逃げる
が議席を獲得した。
ことしか、沈黙することしかできずにいました。
」
しかし、基地反対勢力が過半の議席を占めたとしても、
「2015年11月8日。あなた方が、私たちが暮ら
すぐに基地がなくなるわけではない。沖縄の闘いに連帯
す桜本に来ると知り、とても困惑しました。私たちが暮
して本土こそ沖縄の基地撤去の闘いに立ち上がろう。
らす桜本は共生の街です。そこへ『朝鮮人は出ていけ』
と主張するあなた方が来るならば、私たちは見過ごすわ
けにはいかない。きちんと抗わなければならない。子ど
川崎のヘイトデモを実力で中止に追い込んだ
もやハルモニ方を守らなければとの思いで路上に立ち
ました。
」
ヘイトとは、国籍や、民族などへの差別を転倒した吐
「私たちの思いはあなた方に届かず、1月31日に再
け口のようにし、権利を侵害し、生きること自体を奪お
びあなた方は、桜本に向かってきました。
『差別はやめ
うとするものである。
陰険な差別より、
せっぱつまった、
て、共に生きよう』と発信した私たちの思いは届かず、
とげとげしさが特徴だが、そうしたヘイトがはびこる傾
心が殺されました。
」
向に対し、やむにやまれぬカウンターが、在日する人た
「差別をやめて、共に生きようのメッセージを発信す
ちを中心になされてきた。そうした階級的な関係を背景
ると『文句があるなら帰れ』と攻撃を受けます。私たち
にヘイトスピーチ対策法ができた。
は、文句があるのではありません。共に生きようとラブ
ヘイトスピーチ対策法が施行されて初めてとなるヘ
コールを送っているのです。
イトデモが6月5日に予定されていた。このデモの大き
私たちが暮らすこの地域社会が、誰にとっても暮らし
な「意味」は、法成立を反動の側から打ち破ろうとした
やすい、優しい社会になるように役割を果たしたい。た
ものだ。
だそれだけの思いで『差別はやめて共に生きよう』と発
川崎市川崎区桜本は、2015年12月、2016年
信しているのです。
1月と2回のヘイトデモの襲撃を受けていたことから、
どうか、その思いを受け止めてください。そして、私
桜本で、長年在日コリアンの問題に取り組んできた社会
たちは出会い直しましょう。
福祉法人青丘社が、ヘイトデモを法人事務所から半径5
あなたがあなたらしく、私が私らしく生きられる、そ
00メートル内でのデモを禁止する仮処分を申請して
んな地域社会を私は諦めていません。
いた件で、横浜地裁川崎支部は6月2日に訴えを認める
あなたのこの地域社会をよりよくしたい思いをお手
決定を出していた。また川崎市もヘイトデモのための公
伝いさせてください。差別がなく、誰もが力いっぱい生
園使用を許可しない決定をしていた。
きられる地域社会で私たちと共にいきてください。
しかし、ヘイトデモの主催者は、場所を川崎市中原区
どうか、私たちのこの思いを受け止めてください」
に変えて、再度デモへの呼びかけが行われてたことから、
一見、加害者と被害者という構図であるが、それをも
6月5日には、数百人のカウンターが集まり、ヘイトデ
打ち破ろうとする、なんと魂の強いメッセージであろう
モをさせない闘いとなり、ヘイトデモ隊は中止に追い込
か。そして、なんと勇気ある行動だろうか。
まれた。
相手は、自分たちに危害を加えるといっている相手に
対して、手紙を手渡そうとするのである。それも一度は、
「ともに生きよう」~桜本からの手紙
デモ申請に来たときに渡そうとしたら、ひどい言葉を浴
その混乱した中で、桜本の在日3世の女性が、デモ主
びせられ、
その時は、手紙は受け取ってもらえなかった。
催者の男性に手紙を渡した。
でもあきらめず何度も、手紙を差し出す本当にすごい
神奈川新聞のホームページ
勇気だ。
(http://www.kanaloco.jp/article/177372/2/)
に、
「桜
差別・排外主義を煽るヘイトスピーチに対して、
「お
本からの手紙」として紹介されている。ぜひ、この手紙
前が出ていけ」と言い返すのではなく、
「共に生きよう」
を知ってほしくて、一部紹介する。
とメッセージする。これは、桜本が長年培ってきた「と
「2013年に私はあなたが川崎駅前でデモをして
もに生きる」
「誰もが自分らしく暮らせる地域社会」を
いる姿に触れました。
「朝鮮人は死ね」と主張するデモ
目指してきた実践のたまものだと思う。
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ユニオン東京合同 機関紙
闘
華
2016 年 6 月 10 日発行
労働組合の立場から見れば、
これはまさに
「職場問題」
No.107
東芝不正会計事件でもそうであったが、
「根性」や「や
ではないだろうか。職場でいろいろな国の人たちと一緒
る気」では達成できないものなのである。
に働き、労働条件の改善を求めるときに、共に同じ職場
企業のコンプライアンスが問われている。三菱自動車
で働く仲間として、
資本と闘う仲間なのだから。
だから、
は新車を発表しては、
「燃費が良くなった」
「エコカー減
排外的な考え方が広がることは、団結破壊となる。団結
税が受けられる」と商品を売って会社は利益を得て、実
破壊とどう向き合うのか、という労働組合の課題だ。ヘ
際は、燃費はよくなってない、エコカー減税の趣旨にも
イトが蔓延しない社会・ヘイトがなくなる社会に向けて、
合ってないのに、エコカー減税を受けさせてしまったの
共に闘っていこう。
であるから行政庁にも、消費者にも信頼を損なう結果と
なった。
企業の中で、コンプライアンスの問題を言っていくの
は、大変なのだ。新自由主義の世の中では、不正と偽装
は常に肥大する傾向がある。それを安全や、コンプライ
アンスに基づくように会社に言っていくのは労働組合
の役割でもある。
企業が危険な経営を行えば、結局その「つけ」は労働
者に回ってくる。東芝も大規模なリストラが行われた。
安全・保安が生活と命を守る
今回も三菱自動車の製造現場は大打撃だ。この大企業
三菱自動車、またですか!!
燃費偽装で、労働者・中小企業へ打撃
の不正によって、関連の労働者や下請け中小企業まで、
幅広く雇用不安・倒産不安の打撃が走っている。三菱自
グループと直接取引する1次下請けは、名古屋製作所が
「企業による偽装」のニュースが後を絶たない。今度
は三菱自動車による「燃費」偽装が発覚した。4 車種で、
ある愛知県が278社で最も多く、岡山県も156社。
これらで5~10%が、かさ上げされていたというもの。
特に倉敷市は主力工場・水島製作所があり “三菱自動
車の企業城下町”といえる。
今回の燃費試験の不正は燃費が良くなるように「恣意
的な」データを作り上げたことが特徴であり、それは道
水島製作所は軽自動車の生産ライン停止で、全従業員
義的にも許されない。国土交通省と消費者庁も恣意的な
約3600人のうち軽自動車の生産に携わっていた約
データで消費者を誤認させたとしたら「景品表示法」の
1300人は自宅待機の状態が続いた。岡山県によると、
不当表示にあたるとして調査を進めているらしいが、一
水島製作所と周辺の下請けなどで働く人を含めると、県
種の詐欺的行為だ。
内で製作所に関わる雇用は約1万4千人に上る。まさに
「岡山県が直撃弾を食らったような話で、大変深刻な事
態」
(伊原木隆太知事)となっている。企業の不正が、
燃費競争の過熱でコンプライアンスが制御不能
中小企業1万4千人を追い込んだ。
こんなに「燃費」が注目されるようになったのは、京
岡山県などは、行政として1万4千人のダメージをな
都議定書が採択された1997年のこと。世界的に地球
んとか、救済するための手段を講じている。
温暖化問題への関心が高まるなかで、トヨタ自動車がハ
イブリッド車「プリウス」を発売した。この頃からエネ
企業としてのコンプライアンスは、情報の公開と、法
ルギー消費量が少ないことはエコノミーかつエコロジ
令順守、自己(自社)規制など行うことが基本である。
ーであるとの論調が広まり、新車購入時の判断材料とし
しかし、労働者一人がコンプライアンスの是正などを言
て「燃費」が注目されるようになった。自動車メーカー
っても、会社の不正が会社のためと考える空気が蔓延し
各社は、
「燃費のいい」軽自動車を次々に発表して、燃
ていたら、会社を辞めさせられることにもなりかねない。
費競争が過熱し、三菱自動車では 2 年間で実に 5 回もの
だから、労働組合がきちんと歯止めをかける必要がある
目標修正が行われた。この引き上げが開発現場にプレッ
のである。
御用組合では、会社がダメになるばかりでなく、地域
シャーを与えたことは言うまでもないが、問題は、この
社会も崩壊に追い込まれることにもなりかねない。
ような実現不可能な目標を会社から与えられ、短期化に
職場闘争で、世の中変えよう。安全・保安をきちんと
実現せよという、会社の注文により生じた現象であった。
闘う労働組合をよみがえらせよう。
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ユニオン東京合同 機関紙
闘
華
2016 年 6 月 10 日発行
No.107
◆ ◆ ユニオン東京合同のお知らせ ◆ ◆
組合活動日誌
阿佐ヶ谷市民講座
沖縄戦後史が育んだもの
辺野古新基地建設反対の力
月 日 曜
活動内容
10 火 定期執行委員会
■日時:6月16日(木)18:30~
11 水 全日本育成会事件中労委命令取り消し訴訟
■場所:劇団展望
杉並区阿佐ヶ谷南 3-3-32
5
■講師:戸越利明さん (東京経済大学准教授)
19 木
労働法改悪阻止 厚労省前情宣
阿佐ヶ谷市民講座
23 月 育成会分会都労委調査
■主催:阿佐ヶ谷市民講座実行委員会
25 水 ブリタニカ社前情宣
■参加費:千円
31 火 山田書院労組千葉鎌取闘争
安倍政権は辺野古新基地建設を
断念しろ!6・26新宿デモ
6
2 木 育成会地位確認解雇無効裁判 第2回和解協議
10 金 定期執行委員会
スケジュール
■日時:6月26日(日)13時集会・14時デモ
月 日 曜
■場所:新宿アルタ前
活動内容
15 水 労働法制改悪阻止・厚労省前昼抗議行動 12:00~
■主催:辺野古へ基地建設を許さない実行委
16 木 阿佐ヶ谷市民講座
三里塚50周年!これからも闘うぞ
★
6 19 日 米軍基地撤去・国会包囲闘争
農地を守り、沖縄・福島とむすぶ
7・3東京集会
26 日
安倍政権は辺野古新基地を断念しろ! 6・26新宿デモ
★
これでいいのか精神医療!6・26集会 文京シビックセンター
3 日 三里塚50周年:これから闘うぞ!
■日時:7月3日(日)10:00~
★
7 17 日 大間原発反対!現地集会
■場所:すみだ産業会館ホール
24 日 医療観察法廃止!全国集会
JR総武線「錦糸町」南口 丸井ビル8F
★
★印は左側に詳細があります
■資料代:500円
■主催:三里塚芝山連合空港反対同盟
闘争支援カンパのお願い
7・24医療観察法廃止!全国集会
ユニオン東京合同では、解雇撤回・地位確認を闘うブ
リタニカ分会、育成会分会の2つの解雇争議を闘ってい
ますが、闘争には費用が掛かります。裁判するにも弁護
士費用や、調査や情宣費用、ビラや分会ニュースなど印
刷代、コピー代がかかります。遠征すれば交通費もかか
ります。組合財政が大変切迫している折、ぜひとも、皆
さまのご支援をよろしくお願いいたします。
■日時:7月24日(日)13時
■場所:中野区産業振興センター
■講師:中島 直さん(医療法人社団新新会多摩あおば病院)
「医療観察法は廃止されるしかないー
批判的関与の現状と課題」
■主催:全都実行委員会
郵便振替口座 00110-8-120661
加入者名:ユニオン東京合同
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