ブリッジレポート(2146) 2016 年 5 月 16 日 Bridge Report 若山 陽一 社長 http://www.bridge-salon.jp/ UTグループ(2146) 会社名 UTグループ 株式会社 証券コード 2146 市場 JASDAQ 業種 サービス業 社長 若山 陽一 所在地 東京都品川区東五反田 1-11-15 電波ビル 事業内容 製造・建設・設計開発分野の正社員派遣事業を展開。待遇向上とキャリアアップの諸 制度により、業界 No.1 の従業員定着率を誇る。 決算月 3月 HP http://www.ut-g.co.jp/ - 株式情報 - 株価 発行済株式数(自己株式を控除) 399 円 DPS(予) 36,851,500 株 配当利回り(予) - EPS(予) - 時価総額 ROE(実) 14,704 百万円 PER(予) 43.64 円 売買単位 39.3% BPS(実) 9.1 倍 100 株 PBR(実) 111.16 円 3.6 倍 *株価は 5/16 終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPS は前期末実績。 - 連結業績推移 - 決算期 (単位:百万円、円) 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 EPS DPS 2013 年 3 月(実) 27,854 1,473 1,388 922 4,526.29 2,600.00 2014 年 3 月(実) 30,779 1,824 1,754 934 23.96 13.50 2015 年 3 月(実) 36,478 2,232 2,157 1,168 30.29 0.00 2016 年 3 月(実) 44,050 2,462 2,421 1,497 40.40 0.00 2017 年 3 月(予) 47,840 2,530 2,430 1,620 43.64 - *予想は会社予想。2016 年 3 月期より当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益(以下、純利益については同様)。 * 13 年 7 月、1 株を 200 株に分割。利益配分は総還元性向 30%以上を予定。 UTグループの 2016 年 3 月期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。 ―目次― 1.会社概要 2.2016 年 3 月期決算 3.2017 年 3 月期業績予想 4.中期経営計画と戦略 5.今後の注目点 1 ブリッジレポート(2146) 2016 年 5 月 16 日 http://www.bridge-salon.jp/ 今回のポイント ・16/3 期は前年同期比 20.8%の増収、同 12.3%の経常増益。売上及び全ての利益が期初予想を上回った。製造派遣事業、エンジ ニア派遣事業共に旺盛な需要に順調な採用で応えた結果、期末技術社員数が 10,926 名と過去最⾼を更新。契約単価の上昇で売 上総利益率も向上した。4 月 30 日現在、1,305 名のバックオーダー(3 か月以内に採用が必要な人員)を抱えている。 ・17/3 期予想は前期比 8.6%の増収、同 0.4%の経常増益。現在、熊本地震の影響を精査中だが、ひとまず売上高で 2 億円、営業 利益で 2 億円と試算し(待機人員の増加による下押し)、業績予想に織り込んだ。影響を最小限に抑えるべく、待機人員の一時的な 他工場へのシフト、顧客工場稼働停止期間分の振替稼働、更には休日稼働によるリカバリー等の施策を講じる他、採用の効率化 等で販管費のコントロールにも取り組んでいく。 ・今期からスタートした新中期経営計画では、最終の 21/3 期に、売上高 1,450 億円(16/3 期 440 億円)、EBITDA 100 億円(同 25.7 億円)、営業利益 82 億円(同 24.6 億円)の達成と人材業界における日本を代表するリーダー企業を目指している。同計画の達成に 向けコミットメントを変更しており、50%としていた総還元性向を 30%に引き下げると共に、新たに安全性指標であるグロス DE レシ オ 1 以下(21/3 月期に実現)を加えた(「EBITDA の成長率 30%以上」は維持)。財務の健全性を維持しつつ、既存事業の成長と積 極的な M&A で 30%以上の EBITDA の成長(新中期経営計画 5 か年の平均)を目指す考えだ。 1.会社概要 顧客開拓力と業界No.1の従業員定着率を強みとする製造派遣・請負を事業基盤に、エンジニア(設計及び建設技術者)派遣を育成中。 M&A への積極的な対応も含めて、既存事業の強化と新規分野への展開で人材業界における日本を代表するリーダー企業となる事 を目指している。同社自身は純粋持株会社としてグループを統括し、実際のサービス提供は連結子会社 7 社が担う。 UT グループの主な企業 UTグループ(株) UT エイム(株) 東京都品川区 製造派遣・請負 UT パベック(株) 大阪府守口市 製造派遣・請負(電池製品加工・組立て・包装業務・製造等) UT テクノロジー(株) 東京都品川区 設計開発エンジニア派遣・請負 UT コンストラクション(株) 東京都品川区 建設エンジニア派遣 UT システム(株) 東京都品川区 IT エンジニア派遣・受託(ソフトウエア・ハードウエアの開発・運用管理) UTライフサポート(株) 東京都品川区 社内福利厚生 UT ハートフル(株) 東京都品川区 特例子会社(障がい者雇用推) 【コーポレートブランディングの刷新】 創業21年目を迎えた2015年を新たな創業の年と位置づけて社名変更を行い、新たなビジョンを策定すると共にブランドマークを刷新 した。 ・古くは法隆寺等の建造物から、現代では道具や印刷用紙にも用いられる「白銀比」(1:√2≒1:1.414)によ り構成 ・UT グループの個々とチームワークとその結束を体現し、更に、社員や事業が成長するデザインとして採用 ・緑は、成長するキャリア、イキイキとした働き方、社員に安心と安定した職場を提供する姿を表す ・黒は、当社のサービス品質を担保する姿勢を表す 新コーポレートメッセージ 「Upward Together」 ・「はたらくカで、イキイキをつくる。」をミッションに、お客様と協力しながら共にビジネスを成長させるという、UT グループの社会的使 命を表明するメツセージ。 ・自分の能力の限界を解き放ち、チームで挑戦する事により更に能力やスキルを高めていくという姿勢を表している。 2 ブリッジレポート(2146) 2016 年 5 月 16 日 http://www.bridge-salon.jp/ 【事業内容】 事業は製造派遣事業とエンジニア派遣事業に分かれ、16/3 期の売上構成比は製造派遣事業 87.1%(15/3 期 91.2%)、エンジニア派 遣事業 12.9%(同 8.8%)。製造派遣事業の業種別売上構成比は、半導体・電子部品分野 50.6%(同 47.3%)、環境・エネルギー分野 (太陽電池・2 次電池等)20.0%(同 21.0%)、自動車関連分野 15.7%(同 15.7%)、住宅分野 5.9%(同 7.5%)、その他 7.8%(同 8.5%)。 一方、エンジニア派遣事業は、更に設計開発技術者派遣 6.1%(同 5.7%)、建設技術者派遣 3.8%(同 3.1%)、及び 2015 年 3 月に子 会社化した UT システム(株)を主体とするソフトウエア開発技術者派遣 3.0%に分かれる。 製造派遣事業 10/3 期には 91%を超えていた半導体・電子部品分野の構成比が、近年、大きく低下しているが、この間、同分野向けの売上自体は 増えている。パナソニック バッテリーエンジニアリング(現 UT パベック)の子会社化や自動車関連分野の開拓により、環境・エネルギ ー分野と自動車関連分野の売上を大きく伸ばす事で、半導体・電子部品分野は売上を増やしつつ構成比を半減させた。中期的な目 標として、電池を中心に環境・エネルギー30%以上、自動車関連 20%程度としており、半導体向けについては、現在の売上水準を維 持しつつ 40%以下への引き下げを目指している。 製造派遣分野の主な取引先 半導体・電子分野 自動車関連分野 環境・エネルギー分野 住宅関連 パナソニックグループ、ソニーグループ、ロームグループ、東芝グループ、浜松ホトニクスグループ トヨタ自動車グループ、アイシン精機グループ、オムロングループ、三菱自動車グループ パナソニックグループ、日立製作所グループ、ジーエス・ユアサグループ LIXIL、YKKAP エンジニア(設計技術者、建設技術者、ソフトウエア開発技術者)派遣事業 2016 年 3 月末現在の UT グループのエンジニアは 904 名(2015 年 3 月末 702 名)。16/3 期は「One UT」によるグループ内のキャリア チェンジで、製造派遣事業の社員 130 名がエンジニア派遣事業へ異動した。また、2016 年 4 月には 231 名の新卒社員が入社したた め、1,100 名体制に。下期には新卒社員の稼働が見込まれる。 【主要経営指標の推移】 14,000 売上高と技術社員稼働数の推移(百万円) 12,000 12,000名 10,000名 10,000 8,000名 8,000 6,000名 6,000 4,000名 4,000 2,000名 2,000 0 0名 売上高 技術社員数 3 ブリッジレポート(2146) 2016 年 5 月 16 日 http://www.bridge-salon.jp/ 主要指標の推移 (単位:百万円、人) 14/3-1Q 2Q 3Q 4Q 6,563 7,990 8,111 8,113 87 519 523 694 技術社員数 6,795 名 7,665 名 7,641 名 顧客工場数 381 377 407 売上高 営業利益 15/3-1Q 2Q 3Q 4Q 16/3-1Q 8,329 9,056 9,554 9,538 10,254 266 557 694 714 538 7,768 名 7,916 名 8,663 名 8,807 名 9,299 名 413 416 429 430 438 2Q 3Q 4Q 10,740 11,302 11,754 528 648 748 9,546 名 9,858 名 10,343 名 10,926 名 441 447 453 456 2.2016 年 3 月期決算 (1)連結業績 (単位:百万円) 15/3 期 売上高 構成比 16/3 期 構成比 前期比 期初予想 予想比 36,478 100.0% 44,050 100.0% +20.8% 40,000 +10.1% 売上総利益 6,760 18.5% 8,747 19.9% +29.4% 7,560 +15.7% 販管費 4,528 12.4% 6,284 14.3% +38.8% 5,160 +21.8% 営業利益 2,232 6.1% 2,462 5.6% +10.3% 2,400 +2.6% 経常利益 2,157 5.9% 2,421 5.5% +12.3% 2,240 +8.1% 当期純利益 1,168 3.2% 1,497 3.4% +28.2% 1,320 +13.4% ※数値には(株)インベストメントブリッジが参考値として算出した数値が含まれており、実際の数値と誤差が生じている場合があります(以下同じ)。 前年同期比 20.8%の増収、同 12.3%の経常増益 売上高は前期比 20.8%増の 440 億 50 百万円。旺盛な需要に順調な採用で応えた結果、製造派遣事業の期末技術社員数が 10,022 名と前期末に比べて 16.6%(1,425 名)、エンジニア派遣事業の期末技術社員数が 904 名と同 28.8%(202 名)、それぞれ増加した(両 事業合計で同 1,627 増の 10,926 名)。期末の顧客工場数は前期末に比べて 18 工場増の 456 工場。 利益面では、単価の上昇で売上総利益率が 19.9%と 1.4 ポイント改善。人件費や採用関連費用を中心に販管費が 62 億 84 百万円と 同 38.8%増加したものの、売上総利益の増加で吸収して営業利益が 24 億 62 百万円と同 10.3%増加した。保険解約返戻金(76 百万 円)の計上等による営業外損益の改善で経常利益は 24 億 21 百万円と同 12.3%増加。固定資産除却損(68 百万円)の計上等で特別 損益が悪化したものの、税効会計の影響で当期純利益は 14 億 97 百万円と同 28.2%増加した。 4 月 30 日現在、1,305 名のバックオーダー(3 か月以内に採用が必要な人員)を抱えており、引き続き採用活動を強化していく考え。 セグメント別売上・利益 (単位:百万円) 15/3 期 製造派遣 エンジニア派遣 調整額 連結売上高 製造派遣 エンジニア派遣 本社費用 連結営業利益 構成比 16/3 期 構成比 前期比 33,219 91.2% 38,333 87.1% +15.4% 3,189 8.8% 5,699 12.9% +78.7% 70 36,478 - 18 44,050 3,376 92.9% - +20.8% 4,166 90.9% +23.4% 259 7.1% 418 9.1% +61.4% -1,403 - -2,122 - - 2,232 - 2,462 - +10.3% * 管理会計上の数値のため未鑑査。 4 ブリッジレポート(2146) 2016 年 5 月 16 日 http://www.bridge-salon.jp/ 販管費の内訳 (単位:百万円) 15/3 期 構成比 16/3 期 構成比 前期比 人件費 2,186 48.3% 2,857 45.5% +30.7% 採用関連費 1,106 24.4% 1,614 25.7% +45.9% 減価償却費 51 1.1% 68 1.1% +33.4% 支払手数料 397 8.8% 681 10.8% +71.5% 4 0.1% 43 0.7% +815.6% 782 17.3% 1,019 16.2% +30.4% 4,528 100.0% 6,284 100.0% +38.8% のれん償却額 その他 販管費合計 (2)セグメント別動向(各セグメントの売上・利益は管理会計上の数値のため未監査) 製造派遣事業 15/3 期 構成比 16/3 期 構成比 半導体・電子部品分野 157 億円 47.3% 193 億円 50.6% 環境・エネルギー分野 70 億円 21.0% 76 億円 20.0% 自動車関連分野 52 億円 15.7% 60 億円 15.7% 住宅分野 25 億円 7.5% 22 億円 5.9% その他 28 億円 8.5% 29 億円 7.8% 売上高 383 億 33 百万円(前期比 15.4%増)、営業利益 41 億 66 百万円(同 23.4%増)。電子部品を中心に半導体・電子部品分野が前 期比 23%増と伸びた他、自動車関連分野も同 15%増と高い伸びを示した。また、環境エネルギー分野も同 10%弱増加した。旺盛な 人材需要に月間 500 名の採用体制で応えた結果、製造派遣事業単独で期末在籍者数が 1 万名を超えた(前期末に比べて 1,425 名増 の 10,022 名)。更に採用力を強化し、月間 750 名の採用体制の構築に取り組む考え。圧倒的な動員力を強みに選別受注を進め収益 性の向上を図ると共に、インストアシェアの引上げを目指す(インストアシェアは解約リスクと逆相関の関係にあり、インストアシェア が高いほど解約され難いと言うのが、東日本大震災の時の経験則)。 エンジニア派遣事業 売上高 56 億 99 百万円(前期比 78.7%増)、営業利益 4 億 18 百万円(同 61.4%増)。上期に採用を集中し、下期に収益貢献させる施 策が奏功し、下期は売上・利益の伸びが加速した。既存事業会社の成長に加え、前期末に子会社化した UT システム(株)が寄与した。 また、グループ内でのキャリアチェンジ制度である「One UT」を利用して、130 名がエンジニアへキャリアチェンジした(キャリアチェン ジする事で収入が月額 7 万円程度増加する)。 2016 年 4 月に新卒 231 名が入社しており、2017 年 4 月入社は 350 名を予定している。 エンジニア派遣事業の技術社員数と稼働率の推移(人) 1,000 98.0% 800 96.0% 600 94.0% 400 92.0% 200 90.0% 0 88.0% 15/3-1Q 2Q 3Q 4Q 16/3-1Q 技術社員数(人) 2Q 3Q 4Q 稼働率 5 ブリッジレポート(2146) 2016 年 5 月 16 日 http://www.bridge-salon.jp/ (3)財政状態、キャッシュ・フロー(CF)、ROE 財政状態 15 年 3 月 (単位:百万円) 16 年 3 月 15 年 3 月 16 年 3 月 現預金 7,201 6,511 短期有利子負債 2,039 1,654 売上債権 5,017 6,267 未払費用 2,135 2,575 未払法人税・消費税等 2,019 1,049 長期有利子負債 4,363 5,085 12,803 12,891 3,624 4,248 繰延税金資産 流動資産 653 571 13,194 13,863 有形固定資産 68 152 無形固定資産 945 1,136 負債 純資産 投資その他 2,199 1,974 負債・純資産合計 16,427 17,139 固定資産 3,213 3,262 有利子負債合計 6,403 6,739 ※ 有利子負債=借入金+社債+リース債務 期末総資産は前期末に比べて 7 億 12 百万円増の 171 億 39 百万円。借方では、期末にかけての売上の増加で売上債権が増加した 他、無形固定資産が増加。貸方では、業容の拡大で未払費用(派遣社員の給与)が増加した他、好調な業績を反映して純資産が増 加した。流動比率 176.9%(前期末 159.3%)、固定比率 169.3%(同 159.3%)、自己資本比率 23.9%(同 21.4%)、投下資本利益率 16.0%(14.2%)。 キャッシュ・フロー(CF) (単位:百万円) 15/3 期 16/3 期 前期比 営業キャッシュ・フロー(A) 3,131 517 -2,613 -83.5% 投資キャッシュ・フロー(B) -679 -334 +345 - フリー・キャッシュ・フロー(A+B) 2,451 182 -2,268 -92.5% 515 -789 -1,304 - 7,117 6,511 -606 -8.5% 財務キャッシュ・フロー 現金及び現金同等物期末残高 営業 CF は期末にかけての運転資金の増加で減少したものの、5 億 17 百万円を確保した。一方、M&A に伴う支出がなくなったため、 投資 CF のマイナス幅は縮小。財務 CF がマイナスになったのは、自社株買いや短期借入金の返済等による。 ROE 12/3 期 ROE 13/3 期 14/3 期 15/3 期 16/3 期 30.88% 31.67% 32.15% 35.28% 39.32% 売上高当期純利益率 3.65% 3.31% 3.04% 3.20% 3.40% 総資産回転率 2.74 回 3.09 回 2.85 回 2.56 回 2.62 回 レバレッジ 3.08 倍 3.10 倍 3.71 倍 4.30 倍 4.41 倍 *ROE(自己資本利益率)は「売上高当期純利益率(当期純利益÷売上高)」、「総資産回転率(売上高÷総資産)」、「レバレッジ(総資産÷自己資本、 自己資本比率の逆数)」の 3 要素を掛け合わせたものとなる。ROE = 売上高当期純利益率 × 総資産回転率 × レバレッジ *上記は決算短信及び有価証券報告書のデータを基に算出しているが、算出に際して必要となる総資産及び自己資本は期中平残(前期末残高と当 期末残高の平均)を用いている(決算短信及び有価証券報告書に記載されている自己資本比率は期末残高で算出されているため、その逆数と上記 のレバレッジは必ずしも一致しない)。 6 ブリッジレポート(2146) 2016 年 5 月 16 日 http://www.bridge-salon.jp/ 3.2017 年 3 月期業績予想 【熊本地方を震源とする地震の影響について】 九州地方を中心に顧客企業の 20 工場が被災したが、建物や設備に影響がなかった工場も多く、ゴールデンウィーク明けには大半の 工場で生産が再開された。ただ、上期の受注額の 50%程度を占めるとみていたソニーセミコンダクタマニュファクチャリング(株)の生 産再開が遅れており、2016 年 5 月 13 日現在、400 名が稼働していない。業績への影響を最小限にとどめるべく、生産中止の工場に 勤務する従業員の一時的な他工場へのシフト、顧客工場稼働停止期間分の振替稼働、更には休日稼働によるリカバリー等の施策を 講じる考えだが、一先ず、400 名が 2 か月間稼働しない事を前提に 2 億円の減収・営業減益要因として業績予想に織り込んだ(現在、 震災の影響を精査中)。 もっとも、新型車や次世代スマートフォン等で人材需要が旺盛なため高単価・高採算案件の選別受注が可能である等、足元の受注環 境は良好だ。加えて、顧客の外部労働力に対するニーズの高まりや、EICC 等、製造分野における CSR(企業の社会的責任)重視の 動き(同社が優位性を発揮できる)を考えると、熊本地震の影響が一巡した後の見通しは暗いものではない。 尚、EICC(Electric Industry Code of Conduct:電子業界行動規範)は、電子機器業界のサプライチェーンにおいて、労働環境が安全で ある事、労働者が敬意と尊厳を持って扱われる事、更には製造プロセスが環境負荷に対して責任を持っている事、を確実にするため の基準が規定されている。 【労働関連の法改正が外部労働力の活用を後押し】 2015 年 9 月 30 日に改正労働者派遣法が施行された。今回の法改正で無期雇用(正社員)の派遣社員については派遣期間の制限が なくなる等、規制緩和が進む一方で、派遣事業が届出制から許可制へ変更された他、キャリア支援や教育訓練が義務付けられる等、 規制が強化された面もある。もっとも、同社においては、無期雇用派遣を展開し、優れた財務体質を有し、かつキャリア支援体制の整 備も進んでいるため、改正労働者派遣法の施行は追い風となる。 また、2013 年 4 月 1 日に施行された改正労働契約法(無期労働契約への転換)の影響も注目される。同法の下では、2013 年 4 月 1 日以降に締結された有期労働契約(アルバイトや契約社員との契約で上限 3 年)が更新され 5 年を超えた時(2018 年 3 月末以降)、 有期労働契約者が無期雇用(正社員雇用)を希望すれば、使用者は希望に応じなければならない。このため、固定費負担の増加を 嫌う企業が、2018 年 3 月を前に有期労働契約者から派遣契約者に切り替える等の対策を講じるとみられており、同社にとっては大き なビジネスチャンスである。同社は転籍を含めて対応していく考えだ。 (1)連結業績 (単位:百万円) 16/3 期 実績 売上高 構成比 17/3 期 予想 構成比 前期比 44,050 100.0% 47,840 100.0% +8.6% 売上総利益 8,747 19.9% 9,180 19.2% +5.0% 販管費 6,284 14.3% 6,650 13.9% +5.8% 営業利益 2,462 5.6% 2,530 5.3% +2.8% 経常利益 2,421 5.5% 2,430 5.1% +0.4% 当期純利益 1,497 3.4% 1,620 3.4% +8.2% 前期比 8.6%の増収、同 0.4%の経常増益 上期は震災の影響による待機人員の増加が2 億円の減収要因となる。一方、待機人員の人件費は稼働時と同様に発生するため、売 上が上がらない中でコストだけが発生し、限界利益が 2 億円減少するとみている。採用効率の向上を図る事で採用費を売上比 3%以 内にとどめる等、販管費のコントロールに努めていくが、営業利益は新中期経営計画の下限値(27 億円)から約 2 億円を減じた 25 億 30 百万円にとどまる見込み。ただ、引き続き人材需要は旺盛であり、期末には技術社員数が 12,000 名を超えると共に業種分散も進 むため、収益基盤の一段の強化が進む見込み。 7 ブリッジレポート(2146) 2016 年 5 月 16 日 http://www.bridge-salon.jp/ 半期業績 (単位:百万円) 17/3 期 上期 予想 売上高 構成比 前年同期比 17/3 期 下期 予想 構成比 前年同期比 22,400 100.0% +6.7% 25,440 100.0% +10.3% 営業利益 900 4.0% -15.6% 1,630 6.4% +16.8% 経常利益 850 3.8% -21.4% 1,580 6.2% +18.0% (2)セグメント別の取り組み 製造派遣事業 営業面では、適正契約条件の案件に的を絞り新規獲得の営業を進めると共に既存顧客のインハウスシェアの拡大に努める。採用面 では、月間 750 名採用体制の構築に向けた体制の整備を進める。また、従業員のキャリア形成支援の強化と定着率の向上にも取り 組み、この一環として、教育研修の充実とスキル向上により従業員の処遇改善が可能になる仕組み作りを進める。期末までに技術 社員 11,000 名体制を構築したい考え。 エンジニア派遣事業 採用・営業面では、採用インフラの整備、中途採用活動の拡大、及び通年の新卒採用によりエンジニアの増員を図ると共に、営業強 化により新規優良顧客を増やし、マッチング率を向上させる(稼働率の向上につながる)。また、製造派遣事業との連携により、製造 派遣事業の顧客をエンジニア派遣事業に取り込んでいく。教育面では、シーメンス社との提携により導入しているシーメンス TPP プロ グラムが社員の教育・育成に成果をあげている事を踏まえ、同様の教育・育成メニューの導入・提供に取り組んでいく。この他、「One UT」を推進する事で、効率的なエンジニア確保と社員の処遇改善につなげていく。当事業は前期比 20%の増収を目指しており、早期 に第 2 の事業の柱としたい考え。 4.中期経営計画と戦略 16/3 期に終了した中期経営計画では、技術社員数及び売上高が過去最高を更新する事ができ、契約単価の向上により売上総利益 率の改善も進んだ。有効求人倍率が上昇する厳しい採用環境が続いたが、採用コストを含めた販管費のコントロールでも一定の手 応えを感じている。こうした実績を基盤として、17/3 期からは新中期経営計画の達成に向けた経営を進めていく。 【数値目標】 (単位:億円、人) 15/3 期 実績 16/3 期 実績 17/3 期 目標 18/3 期 目標 19/3 期 目標 20/3 期 目標 21/3 期 目標 売上高 364 440 450~620 840 1,040 1,240 1,450 EBITDA 22 25 29~40 53 66 82 100 営業利益 22 24 27~35 44 54 66 82 当期純利益 11 14 17~22 29 35 44 55 9,299 10,926 11,600~14,700 18,500 21,900 25,400 29,000 技能社員・エンジニア在籍数 新中期経営計画では、ビジョンとして「日本全土に仕事をつくる」を掲げ、「はたらく力で、イキイキをつくる」と言うミッションを遂行する 事で、最終の 21/3 期に、在籍者数 29,000 名、売上高 1,450 億円、EBITDA 100 億円、営業利益 82 億円、当期純利益 55 億円の達成 と、人材業界における日本を代表するリーダー企業を目指す事になる。 【戦略】 (1)従業員・求職者向け戦略 「安心」、「つながり」、「成長」、をキーワードに進めていく。「安心」。社員が安心して働く事ができる環境を提供するべく、仕事の種類 や数を増やすと共に、各現場での同社のインストアシェアを高める事で派遣人員削減や解約のリスクを低減する。「つながり」。仲間 や会社とのつながりを感じる事ができる仕事の提供を目指す。具体的には、キャリアカウンセリングの充実や経営と現場のギャップ をなくす施策による課題を明確と早期解決で定着率の向上を図っていく。「成長」。仕事を通して成長を感じる事ができる教育研修等 の環境を提供する事で、従業員のスキル向上と年収アップにつなげていく(5 年以内の技術職社員の平均年収 20%アップを目指して いる)。 8 ブリッジレポート(2146) 2016 年 5 月 16 日 http://www.bridge-salon.jp/ (2)顧客企業向け戦略 「マッチング」、「リスク」、「人材戦略策定支援」、をキーワードに進めていく。「マッチング」。顧客企業に質と量の両面から人材活用の 提案を行っていく考え。具体的には、採用・配属方法、配属期日、安定稼働、定着、キャリア形成支援等、様々な提案により、顧客企 業のニーズに応えていく。「リスク」。労働関連の法令や CSR を遵守して顧客企業のリスクを低減する。このため、法改正に伴うリスク だけでなく、CSR 対応に加え、労務リスク・風評リスク等の低減のための施策も提案していく。「人材戦略策定支援」。顧客企業の人材 活用の課題を見つけ出し、解決策を提案していく。この一環として、ツールの作成やセミナーの実施、社員活用コンサルティング、人 材紹介エージェント、国外労働者の活用等、様々な切り口から人材戦略を支援していく。 【コミットメント】 新中期経営計画では M&A にも力を入れていくため、これまで以上に資金ニーズが高まる。このため、下記の通り、資金確保を念頭 に総還元性向を引き下げると共に、新たに安全指標であるグロス DE レシオを新設した。 EBITDA 成長率 総還元性向 グロス DE レシオ(新設) 30%以上 50%以上 30%以上(新中期経営計画 5 か年の平均成長率) 30%以上 1.0 以下(21/3 期に実現) 尚、総還元性向は、純利益のうち、株主に還元した額(配当総額+自社株買い総額)の割合を示す。一方、グロス DE レシオは、企業 の資金源泉のうち、負債が資本の何倍に当たるかを示す指標。一般に、この数値が 1 以下であれば、財務内容が健全とされる。 株主還元にあたっては、PEG レシオ(注)による株価水準の判断(PEG レシオ 2 倍超で割高、同 1 倍未満で割安)をベースに配当と自 己株式取得の割合を総合的に判断して最適な株主還元を実施していく考え。 (注) PEG レシオ (Price Earnings Growth Ratio) = PER ÷ 年間 EPS 成長率 5.今後の注目点 2015 年9 月施行の改正労働者派遣法では、派遣会社に財務基準が課された事に加え、キャリア支援や教育訓練が義務付けられた。 優れた顧客資産を持ちながら、事業規模的に規制強化への対応が難しい派遣会社が少なくないようだ。また、現在でも、大企業の傘 下でグループ企業への派遣を中心に事業展開している派遣会社が少なくないが、グループのコアコンピタンスや収益性等の観点か ら、その存在が見直されるケースが増えている(外部労働力の活用に舵を切るケースが増えている)。製造派遣大手にとって M&A に よりシェアアップを図るチャンスである。事務派遣市場で大手の寡占が進んでいったように、製造派遣市場も、今後、大手による寡占 化が進むと思われる。同社は市場の成熟をビジネスチャンスととらえ、積極的に M&A に対応していく事でシェアアップを図っていく考 えだ(期初に、M&A を担当する事業開発部が新設されている)。 また、M&A に頼らないオーガニックな成長にも取り組み、採用体制の強化に加え(月間750 名採用体制の確立)、キャリア開発部の新 設やジョブローテーションの導入で、「One UT」や難易度の高い業務へのステップアップの支援等にも力を入れる(社員の満足度向上 は離職率の低下につながり、低い離職率は顧客への大きなアピールとなる)。採用・動員力で差別化を図り、大型・高単価案件の受 注につなげていく考えだ。また、東日本大震災の時の経験から、インハウスシェアがトップであれば解約リスクが低くなる事もわかっ ている。 現在、製造業派遣トップの日研総業(株)が 13,000 名規模で事業展開しており、同社はこの後塵を拝するが、早晩、射程圏にとらえる 事ができそうだ。円が急伸したため製造業各社の人材需要に不安を抱く向きがあるかもしれないが、「製造現場での外部労働力活用」 と「製造派遣市場における大手による寡占」と言う大きな流れに注目すべきと考える。 9 ブリッジレポート(2146) 2016 年 5 月 16 日 参考資料 http://www.bridge-salon.jp/ コーポレート・ガバナンスについて ◎.取締役、監査役の構成 取締役 監査役 3 名、うち社外 1 名 3 名、うち社外 2 名 ◎.コーポレート・ガバナンス報告書 同社は.コーポレート・ガバナンス・コード適用以降のコーポレート・ガバナンス報告書を 2015 年 12 月 15 日に提出しており、.コーポ レート・ガバナンス・コードの基本原則を全て実施している。 Ⅰ コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方及び資本構成、企業属性その他の基本情報 1.基本的な考え方 当社は、当社グループの業務の健全かつ適切な運営の確保を行うため、グループ全体の管理を一元的に行います。 1.コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方 当社は、株主重視の観点から意思決定のスピードアップを図り、変化に柔軟に対応していくこと、経営の透明性の観点から経営チェッ ク機能の充実を図ること、経営の健全性の観点から法令を遵守し、社会倫理に反することがないようにすることを.コーポレート・ガ バナンスの基本的な方針・目的と考えております。 2.当社グループとしての.コーポレート・ガバナンス 当社は、UT グループの純粋持株会社として、各グループ事業会社の独立性を尊重しながら、UT グループ コンプライアンス・リスク 管理委員会等を通して、横断的に管理・調整し、グループ経営管理体制の強化に努めます。 3.監査役制度の採用とコンプライアンス委員会の設置 当社は、経営の監視機能を重視して、監査役制度を採用しております。また、社外の弁護士も参加する UT グループ コンプライアン ス・リスク管理会議を設置し、コンプライアンスの徹底を図ります。 Ⅱ 経営上の意思決定、執行及び監督に係る経営管理組織その他のコーポレート・ガバナンス体制の状況 3.現状のコーポレート・ガバナンス体制を選択している理由 当社では、経営執行に関する監督は、監査役による監査体制を強化・充実させることにより充分に機能するという考えから、従来の 監査役制度を継続しております。また、取締役4名の内、1 名が社外取締役、監査役3名の内、2名が社外監査役であり、代表取締役 と定期的に意見交換を行い取締役の業務執行の適法性、妥当性について確認しております。また、内部監査室、会計監査人と情報 交換をし、相互連携を図るとともに、各担当部門と連携をとり、監査の実効性を高めており、経営の適正性、適法性を確保できる十分 な監視機能が働いていると判断しております。 Ⅳ 内部統制システム等に関する事項 1.内部統制システムに関する基本的な考え方及びその整備状況 1.当社の取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制 当社はコンプライアンス全体を統括する組織として、総務法務担当部署長を委員長とし、取締役・弁護士も参加する「UTグループコン プライアンス・リスク管理会議」を設置しております。「UTグループコンプライアンス・リスク管理会議」は法令、定款等に違反する行為 を未然に防止するため、経営上の重要な事項の決定に際して事前に検証を行っております。コンプライアンス推進については、「UT グループコンプライアンス・マニュアル」を制定し、当社グループの役員および社員等が、それぞれの立場でコンプライアンスを自ら の問題として業務運営にあたるよう、研修等を通じ指導しております。また、当社は内部通報制度や相談ダイヤル制度を設け、当社 グループの役員および社員等が、社内においてコンプライアンス違反行為が行われ、また行われようとしていることに気がついたと きは、取締役、総務法務担当部署、常勤監査役または弁護士等に通報しなければならないと定めております。内部監査室を設置し、 取締役会が定めた基本方針に基づく内部統制システムの整備及び運用状況について内部監査を実施しております。 2.当社の取締役の職務の執行に係る情報の保存および管理に関する体制 当社は、法令・社内規程に基づき、文書等の保存を行っております。また、情報の管理については、情報セキュリティ管理規程、個人 情報保護方針を定めております。 10 ブリッジレポート(2146) 2016 年 5 月 16 日 http://www.bridge-salon.jp/ 3.当社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制 当社は、リスク管理全体を統括する組織として「UTグループコンプライアンス・リスク管理会議」を設け、有事においては、社長を本部 長とする「緊急対策本部」が統括して危機管理にあたることとしております。当社は平時においては各部門においてその有するリスク の洗い出しを行い、そのリスクの軽減等に取り組むとともに、有事においては「有事対応マニュアル」に従い、会社全体として対応す ることとしております。 4.当社の取締役の職務の執行が効率的に行われていることを確保するための体制 当社は、取締役及び執行役員による機動的な業務遂行を図るため、職務分担を定期的に見直し、権限体系及び意思決定ルールを 整備するとともに内部牽制機能を確立するため、会社組織の分掌事項を定期的に見直し、各組織の権限や責任者の明確化を図り、 コーポレート・ガバナンスの強化を実現しております。また、定例の取締役会を毎月1回開催し、重要事項の決定並びに取締役の職 務執行状況の監督等を行います。業務の運営については、将来の事業環境を踏まえ中期経営計画および各年度予算を立案し、グ ループ全体の目標を設定し、各事業子会社においては、その目標達成に向け具体策を立案・実行することとしております。なお、変 化の激しい経営環境に機敏に対応するため、取締役の任期は1年としております。 5.当社及び子会社からなる企業グループにおける業務の適正を確保するための体制 (1)当社の子会社の取締役、執行役、業務を執行する社員、法第 598 条第 1 項の職務を行うべき者その他これらの者に相当する者 ((3)及び(4)において「取締役等」という。)の職務の執行に係る事項の当社への報告に関する体制 当社は、グループの事業を統括する持株会社として、グループの企業価値を最大化する観点から、子会社に対し、適切に株主権を 行使する。当社内に、グループ管理統括責任部署として経営企画担当部署を設置し経営企画担当部署責任者をグループ管理統括 責任者としております。当社は「関係会社管理規程」に則り、子会社に対し、経営状況、業務執行状況及び、財務状況に関する定期的 な報告を受け、子会社の取締役等の職務の執行が効率的に行なわれているか確認することとしております。また、関連会社の経営 については、その自主性を尊重しつつ、事業内容の定期的な報告と重要案件についての事前協議を行うこととしております。 (2)当社の子会社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制 グループ共通の「UTグループコンプライアンス・マニュアル」に則り、相談・通報体制の範囲をグループ全体としております。 (3)当社の子会社の取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制 当社は、子会社と経営管理契約を締結し、子会社に対しグループの経営戦略、リスク管理、コンプライアンス等の基本方針を示すとと もに、グループ方針に基づく子会社の事業戦略、事業計画等の重要事項の策定を当社の事前承認事項とすること等により、子会社 の経営管理を行うこととし、孫会社の経営管理は、原則として、子会社を通じて行うこととしております。 (4)当社の子会社の取締役等及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制 当社企業グループ各社にコンプライアンス推進担当者を置くとともに、UTグループコンプライアンス・リスク管理会議がグループ全体 のコンプライアンスを統括・推進する体制としています。当社の内部監査部門が、「内部監査規程」に基づき法令や定款、社内規定等 への適合等の観点から、子会社の監査を実施しております。 7.当社及び子会社からなる企業グループの取締役及び使用人が監査役に報告するための体制その他の監査役へ報告をするため の体制 (1)当社の取締役及び会計参与並びに使用人が当社の監査役に報告をするための体制 取締役は会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実があることを発見したときは、法令に従い、直ちに監査役に報告いたします。 また、常勤監査役は、重要な意思決定の過程および業務の執行状況を把握するため、取締役会の他、UTグループコンプライアン ス・リスク管理会議などの重要な会議に出席するとともに、主要な稟議書その他業務執行に関する重要な文書を閲覧し、必要に応じ て取締役またはスタッフにその説明を求めることとしております。なお、監査役は当社の会計監査人である仰星監査法人から会計監 査内容については説明を受けるとともに、情報の交換を行うなど連携を図っております。 (2)子会社の取締役、会計参与、監査役、執行役、業務を執行する社員、法第 598 条第 1 項の職務を行うべき者その他これらの者に 相当する者及び使用人又はこれらの者から報告を受けた者が当社の監査役に報告をするための体制 当社監査役は、子会社の役職員に対して業務執行に関する報告を求めることができ、報告を求められた子会社の役職員は速やかに これに応じることとし、その点について子会社の役職員に周知しております。子会社の役職員は、法令違反やその可能性を発見した 場合には、速やかに当社監査役に報告をすることとしています。内部通報制度の状況について、子会社の担当部署が当社監査役に 11 ブリッジレポート(2146) 2016 年 5 月 16 日 http://www.bridge-salon.jp/ 定期的な報告を行うこととしております。 (3)前2項により当社監査役へ報告した者に対して当該報告をしたことを理由とする不利益な取扱いを行う事を禁止し、その旨を役職 員に周知徹底しております。 9.その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制 監査役は、代表取締役社長及び会計監査人並びに当社及び事業子会社の内部監査室長と定期的に意見交換を実施しております。 10.財務報告の信頼性を確保するための体制 当社は、会社の財政状態及び経営成績を適正に開示するため、適正な会計方針を適用して、適時に正確に会計処理を実施するとい う経営者の姿勢に基づき、次の体制を構築・運用しております。経理業務に関する規程を定めるとともに、財務報告に係る内部統制 の体制整備と有効性向上を図っております。そのため、全役職員は、財務報告に係る内部統制の重要性を強く認識し、自らの権限と 責任の範囲で、内部統制の基本的要素(統制環境、リスクの評価と対応、統制活動、情報と伝達、モニタリング、ITへの対応)の適切 な整備および運用に努めております。 UT グループの適時開示情報の他、レポート発行時にメール でお知らせいたします。 既にご登録済みの方で、登録内容に変更がある場合や 登録解除の方は、こちらよりご変更ください。 (株)インベストメントブリッジの発行するブリッジレポートや投 資家向け会社説明会の映像情報をつぶやいています。 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