特集 ~皆様の街を訪問中!~ 縁(ゆかり)パートナーを紹介します 中国経済産業局では、地方創生の一層の推進に向け、市町村との更なる連携強化を図 るため、平成28年1月に「縁(ゆかり)パートナー」制度を創設し、 「出身地」 「学生 時代を過ごした」など各市町村に縁を持つ職員を「縁パートナー」として任命しました。 パートナーは、担当する市町村等からの相談等の窓口となるほか、地域のプロジェクト などにも協力していきます。 現在、各パートナーは、担当市町村を訪問させていただくなどの活動を開始しており、 今回は、その取組の幾つかをご紹介します。 旬レポ中国地域 2016 年 6 月号 1 縁(ゆかり)パートナーの取組 ① 山口県長門市 長門市縁(ゆかり)パートナー 仲谷 宰(中小企業課) 伊東 直人(消費経済課) 大谷 宗宏(出向中) 長門市のゆかりパートナーは、今年2月25日~26日に長門市を訪問し、長門市役 所職員と※「まち・これ長門~未来創造隊(仮) 」設立に係る検討会を行いました。この 検討会の開催に当たっては、事前に「農商工連携」、 「観光」、 「移住・創業」の3つの検 討テーマを選定し、テーマごとに長門市役所職員と当局職員(ゆかりパートナー以外の 関係課も参加)のチームを構成し、RESAS(地域経済分析システム)などのデータ を用いて課題の洗い出しを行いました。 ※「まち・これ長門~未来創造隊(仮) 」 ないものねだりをするのでなく、「まち」にある地域資源・魅力を見つめて「コレ」クションしなが ら、 「まち」づくりの「これ」からを考える未来創造に向けた官民の検討会。 検討会当日の25日は、各チームが地 域の方々を訪問して意見交換を行い、こ れまでに仮説として立てた課題の検証を 行いました。 翌26日には、 株式会社 YMFG ZONE プランニング 矢儀社長から地方創 生に関し学んだ後、各チームで現状と課 題を議論し、その結果と今後の取組につ いて長門市の大西市長に報告させていた だきました。 この中で、今後の取組としては、国と チームでの討議の様子 市、行政と民間の間で「ともに考え、ともに試行錯誤する」関係性を構築するため、本 検討会メンバーに民間(地域のキーパーソン)を加えた検討体制「まち・これ長門」を 設立し、平成28年10月を目途に第1回会合を行い、具体的な政策提言を行うことと しています。 大西市長からは、「各チームが徹底的にヒアリングを行って現場を把握した上で、長 門に合った取組をしていくことが大事である」との講評をいただきました。 旬レポ中国地域 2016 年 6 月号 2 また、検討会後に長門市役所が参加職員に行ったアンケートでは、「中国経済産業局 とともに地域課題の段階から議論するという取組が大変意義深かった」との意見を多く いただくことができました。 ところで、私たちがこの検討会を行うに当たって意識したことが3つありました。ま ず1つ目は、第1次産業やサービス業が中心となっている長門地域の課題や実状をしっ かり把握するということ。2つ目は、地域にとって持続的に効果がある取組を行うため、 長門市役所とともに所管の枠を超えて責任を持って考えるということ。そして3つ目は、 戦略的に対象を絞った上で目指すべきゴールを明確にするということです。 この問題意識を忘れず、本当に地域にとってよいことが何かを長門市や地域の方々と ともに悩んでいきたいと思います。 ② 岡山県倉敷市他 倉敷市縁(ゆかり)パートナー 秀川 佳苗(産業技術連携課) 清水 貴雄(消費経済課) 仲田 亮(参事官(自動車・航 空機・産業機械担当) ) 5月21日に、9回目を迎える「※おかやまローカルアソシエイト (略称:OLa) 」 が開催されました。今回は「広げよう交流の輪!! ~全てを超えて繋げよう 未来のロー カルへ~」をテーマに、岡山県内のみならず、県境を越えて広島県やはるばる長崎県か らも集まり、 “楽しみながら”情報交換・意見交換等を行いました。 当日は、 「倉敷市縁(ゆかり)パートナー」の取組(「旬レポ中国地域2016年4月 号『私の縁(ゆかり)を訪ねて [岡山県倉敷市]』」を参照)を通じてお知り合いになった 中野実行委員長(玉島味噌醤油(資) :倉敷市)より、 「縁パートナー」の制度紹介の場 を設けていただき、会合後の交流会では、参加者の方々から個別のご相談や新プロジェ クトのご提案等を頂戴することができました。 今回のように、地域の方々と直接顔を合わせ、地域のことや事業について意見交換や 相談を気軽にできる関係構築をしていくことこそ、「縁パートナー」として地域の方々 との連携強化を図る上で重要であると改めて実感しました。 ※「おかやまローカルアソシエイト」 岡山県を中心とした各地域の産学官民農の広域的なネットワークの形成による活発な交流を促し、産 業の発展及び農業の振興を図るとともに、地域経済の活性化に寄与することを目的に、平成24年9 月に発足。 旬レポ中国地域 2016 年 6 月号 3 パネルディスカッションの様子 「縁(ゆかり)パートナー」の制度紹介の様子 また、2月に訪問させていただいた倉敷市役所のご担当者より、 「近年地域企業の方々 の知財に対する関心が高まっている」とのお話を伺いましたので、当局で知財を担って いる特許室の立場から、3月に再訪問し、関係施策の紹介や知財セミナーのご提案等を させていただきました。 以上のように、「縁パートナー」の活動を通じてできたご縁が、少しずつではありま すが、地域を元気にするための取組につながっているように思います。今後も倉敷市の 活性化のために共に取り組んで参りたいと思いますので、ご相談・ご依頼等ございまし たら、ぜひご連絡ください。 ③ 岡山県矢掛町 矢掛町縁(ゆかり)パートナー 中前 陽香(経営支援課) 矢掛町の「縁(ゆかり)パートナー」として、今年の4月25日に矢掛町を訪問しま した。矢掛町は、観光振興に熱心に取り組まれており、その一環として、今年の3月に 「ふるさと名物応援宣言」を行っておられます。「ふるさと名物応援宣言」とは、市町 村と地域の皆様が一体となって、地域資源を活用した商品やサービスなどの「ふるさと 名物」を応援することを宣言するものです。矢掛町は、宿場町として栄えた本陣・脇本 陣を中心とした「宿場町矢掛の街並み観光」を「ふるさと名物」としています。現在、 矢掛町では、この歴史ある町並みにゆかりのある商品や観光産業を地域一体となって支 旬レポ中国地域 2016 年 6 月号 4 援することを検討されています。 今回、「ふるさと名物応援宣言」を皮切りに、今後どのようにして矢掛町の街並み観 光を振興、発展させていくか、私たちも、地域の皆様とともに考えていきたい、力にな りたい、と思い、お伺いしました。実際に、矢掛町の街並みを見学させていただくと、 そこでは、「うなぎの寝床」とよばれる間口が狭く奥行きが長い作りの町屋や、江戸に 向かう篤姫が宿泊された本陣など、普段目にする機会があまりない古き良き街並みが並 び、その中で、江戸時代から代々製法が受け継がれてきた「柚べし」といった銘菓や醤 油・酒など「矢掛ブランド」を代表するお店が活気に満ちあふれていました。 地域の人々が大切に町を守り、盛 り上げていこうという想いを感じる とともに、地域に愛着と誇りを持ち、 大切に守り続けていく、また、来訪 された方を明るく、丁寧におもてな そうとする意識、行動こそが、観光 振興やまちづくりの重要な要素の 1 つであるということを学ばせていた だきました。これからも、ご当地の ゆるキャラ「やかっぴー」とともに、 矢掛町を盛り上げていくお手伝いを させていただきたいと思います。 (参考)ふるさと名物応援宣言「宿場町矢掛の街並み観光」 http://www.chugoku.meti.go.jp/info/press/h28/0318.pdf ④ 島根県益田市 益田市ゆかりパートナー 津和野町ゆかりパートナー 大谷義隆(電力・ガス取引監視室) 原田昌子(産業技術連携課) 吉賀町ゆかりパートナー 宇山正樹(企画担当) 島根県益田市において、地域経済分析システム(RESAS)の研修会を開催しまし た。益田市と近隣の津和野町、吉賀町の職員の方々も参加しての研修会となり、それぞ れの市町の「ゆかりパートナー」もオブザーバーとして参加しました。 旬レポ中国地域 2016 年 6 月号 5 研修会ではRESASの一般的な利用方法、全国・島根県と比較した益田地域の分析 データについて意見交換を行い、地域の特性を色々な角度から分析できることを紹介す るとともに、人口拡大計画を掲げる益田市の今後の施策展開への支援ツールとして活用 を提案しました。 一方、今回の研修会では、益田市のデータのみ提示させていただいたので、今後、津 和野町、吉賀町にも個別にお伺いして、RESASの活用方法についてご提案できれば と思っております。 石西エリア(益田・津和野・吉賀)では、これからの季節、ホタル祭りや海や山での レジャー、神楽鑑賞など、ご家族で楽しめるイベントが満載です。夏休みの旅行先の一 つに是非いかがでしょうか。 研修会の様子 ■ ~ 島根県西部公式観光サイト 終わりに http://www.all-iwami.com/ ~ 縁パートナーの活動の一部をご紹介しましたが、パートナーは、今回紹介したような 取組を通じて中長期に渡って地域とお付き合いをさせていただくことで、皆様と「顔の 見える関係」が構築できることを目指していますので、引き続き、よろしくお願い申し 上げます。 なお、縁パートナーが不在の市町村もありますが、各県全域を担当する「地域パート ナー制度」も別途設けています。 何かご相談等ありましたら、各市町村の縁パートナー或いは地域パートナーまで、ご 連絡ください。 ■ ウェブサイト「縁(ゆかり)パートナー、地域パートナーについて」 http://www.chugoku.meti.go.jp/info/partner/index.html 経済産業省 中国経済産業局 広報誌 旬レポ中国地域 2016 年 6 月号 Copyright 2016 Chugoku Bureau of Economy , Trade and Industry. 6
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