運輸安全マネジメントに関する取り組み

2016年6月10日
2016年度 運輸安全マネジメントに関する取り組み
小田急バス株式会社は、輸送の安全を確保するため、社長以下全社員が一丸となって安全で快適な輸
送を実現すべく事故防止に取り組んでまいります。
1.輸送の安全に関する基本的な方針
(1)社長及び役員は、輸送の安全の確保が事業経営の根幹であることを深く認識し、社内において輸
送の安全確保に主導的な役割を果たしてまいります。また、現場における安全に関する声に真摯に
耳を傾けるなど現場の状況を踏まえるとともに、
「安全方針」の定着を図り、社員に対し輸送の安全
確保が最も重要であるという意識を徹底してまいります。
安全方針
「安全はすべてに優先する」
●安全確認の励行
●法令の遵守
安全宣言
私たちは、お客さまに安全・快適なサービスを提供し、
地域に貢献することを宣言いたします。
小田急バス株式会社
取締役社長
1
下岡
祥彦
2016年度
年間目標 「イエローストップの励行」
2016年度 月間目標
月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
月間安全目標
月
歩行者・自転車の事故撲滅
10月
新入学生の動向に注意
追突事故の撲滅
11月
停車時、車間距離の保持
交差点の事故撲滅
12月
右左折時、確認の励行
歩行者・自転車の事故撲滅
1月
飛び出し・追越に注意
追突事故の撲滅
2月
速度に応じた、車間距離の確保
車内事故の撲滅
3月
発車時の着席確認の励行
月間安全目標
歩行者・自転車の事故撲滅
高齢者の動向に注意
追突事故の撲滅
停車時、車間距離の確保
交差点の事故撲滅
信号標識、確認の励行
歩行者・自転車の事故撲滅
追越すまでは目を離さない
追突事故の撲滅
速度に応じた、車間距離の確保
車内事故の撲滅
バス停到着時、確認の励行
(2)会社は、輸送の安全に関する計画の策定、実行、チェック、改善(Plan Do Check Act)を確実に
実施し、安全対策を不断に見直すことにより全社員が一丸となって業務を遂行し、絶えず輸送の安
全性の向上に努めてまいります。また、輸送の安全に関する情報については、積極的に公表いたし
ます。
2.輸送の安全に関する重点施策
輸送の安全に関する方針に基づき、次に掲げる事項を実施いたします。
(1)輸送の安全の確保が最も重要であるという意識を徹底し、関係法令および安全管理規程に定めら
れた事項を遵守いたします。
(2)輸送の安全に関する費用支出および投資を積極的かつ効率的に行うよう努めます。
(3)輸送の安全に関する内部監査を年2回実施し、必要な是正措置又は予防措置を講じます。
(4)輸送の安全に関する情報の連絡体制を確立し、社内においてヒヤリ・ハット等必要な情報の伝達、
共有をいたします。
(5)輸送の安全に関する教育および研修の具体的な計画を策定し、これを的確に実施いたします。
(6)健康管理の充実により事故防止を図ります。
(7)小田急シティバス株式会社と相互に協力・連携し、一丸となって輸送の安全性の向上に努めます。
2
3.輸送の安全に関する目標および当該目標の達成状況
2015年度は、自動車事故報告規則第2条に規定する事故件数が6件となり、有責事故件数対前年
20%削減はできませんでした。本年度は、2014年度を基準に有責事故件数を20%削減及び重大
事故0ならびに出勤時飲酒反応者0を目標に、引き続き「安全・安心・信頼」を年間スローガンとし事
故防止に努めてまいります。
さらに2012年6月に設立した小田急グループバス事業者の分科会において、情報交換及び情報の
共有を図り、引き続き事故防止に取り組んでまいります。
2015年度自動車事故報告規則第 2 条に規定する事故件数
車内人身事故
4件
車外人身事故
1件
衝突事故
1件
車両故障
45件
4.輸送の安全に関する計画
輸送の安全に関する目標を達成すべく、次のとおり計画を策定いたしました。
(1)教育関係
社内教育体制の整備を行うとともに、年間教育計画に基づき教育の充実を図り、外部機関を活用し
た教育実施により、運行管理者および運転士の資質向上を図ります。
生田研修所
安全運転訓練車
モックアップ(模擬バス)
①運輸安全マネジメントを定着させるために外部機関による安全マネジメントコンサルティングを引
き続き導入いたします。
安全マネジメントコンサルティングによる研修
②「運転士教育大綱」および「運転士作業標準」に基づいた教育を実施し、運転士の資質向上を図る
とともに運転技能の平準化および事故防止に努めてまいります。
③年間教育計画に基づき、本社では定期的に各種運転士教育等を実施しする他、営業所単位でも運行
管理者による運転士の指導教育を継続してまいります。
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④習熟教育の一環として、外部の自動車教習所と連携し本年度も引き続き新入運転士の運転技術の向
上に努めてまいります。
⑤適性診断システム(ナスバネット)を活用し、自社で適性診断の受診および
カウンセリングを行い、指導の平準化を図るとともに事故防止教育の充実を
図ってまいります。
⑥グリーン経営認証事業者として安全運転訓練車を活用したエコ運転技術の向上に努めてまいります。
⑦飲酒運転防止インストラクターを拡充し各種教材を活用した飲酒運転防止教育を実施す
るとともに、アルコール検知器を個人貸与し酒気帯び出勤の撲滅を図ってまいります。
また、飲酒および酒気帯び運転防止の取組みとして従業員家族宛に協力要請を引き続き
行います。
⑧接遇研修の充実を図り、接客接遇サービスの向上に努めてまいります。
(2)設備投資
①2015年度は、バス前照灯LEDヘッドランプを装着可能全車両に導入いたしました。
②2016年度は、38両の新型車両を導入いたします(一般路線バスは全車両ノンステップバス)。
③デジタルタコグラフ一体型ドライブレコーダーおよび車外注意喚起放送装置を引き続き導入し事故
防止に努めてまいります。
④オートマチック車両を引き続き導入し、車内室内灯、デイライトランプ、車外照射灯などのLED
化を図ってまいります。また、反転式スロープ板や車体設置式車椅子固定装置を導入し、車椅子乗
降の簡易化および時間短縮を図ってまいります。
⑤バスジャック対策として空港連絡バス代替車両の屋外天井部に車両番号を表示してまいります。
⑥道路交通法改正による自転車に対する事故防止のため、今後も左リアタイヤに巻き込み防止カバー
の設置に努めてまいります。
⑦新型料金機の導入と共にカラー液晶運賃表示器を導入してまいります。
⑧主要停留所にバスロケーションシステム(接近表示機)を増設するとともに、運行の円滑化および
お客さまの利便向上に引き続き努めてまいります。
左リアタイヤ巻き込み防止カバー
空港連絡バス(バスジャック対策)
(3)安全運動
各種安全運動を以下のとおり年4回実施することにより、輸送の安全性向上に努めてまいります。
①春の全国交通安全運動 4月中旬
②夏の事故防止運動
7月
③秋の全国交通安全運動
9月下旬
④年末年始自動車輸送安全総点検12月上旬~1月上旬
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(4)立会い指導
毎月4日を「安全の日」、毎月15日を「事故0の日」と位置付け本社員および営業所管理職による
立会い指導・点呼立会いを実施し運転士への安全意識向上に努めてまいります。
(5)統括運行管理者会議
毎月、安全統括管理者と統括運行管理者が安定輸送に向けた意見交換を行い、コミュニケーション
を図るとともに情報の共有を行っております。
(6)健康管理の充実
①定期健康診断の実施(年2回)
②産業医による健康相談の実施
③保健師による健康相談会の実施(年 1 回)
④春季健康診断時ストレスチェックの実施
⑤安全運動講習会の中で健康管理の重要性を取り上げ、充実を図る
⑥2015年度は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)簡易検査を全運転士に実施し、今後は新入運転士を含
め引き続き定期的に実施。
5.輸送の安全に関する教育および研修計画
(1)安全統括管理者巡視
毎月、安全統括管理者が各営業所へ出向き、営業所長および統括運行管理者、運行管理者、整備管
理者と輸送の安全に関わる意見交換を行う他、社長も安全統括管理者巡視に同行し、従業員とのコミ
ュニケーションを図ってまいります。
(2)経営管理部門で安全管理に従事する者
毎月、運輸安全マネジメント委員会を開催し、情報の共有を図ることにより輸送の安全性向上に努
めてまいります。
(3)現業部門の代表者
毎月、運輸部会議および整備担当者会議を開催し、本社部門と営業所部門の代表者による意見交換
等を含め、情報の共有を図り輸送の安全性向上に努めてまいります。
(4)運行管理者および整備管理者等
安全運動講習会の直前に、社長以下本社員および運行管理者ならびに整備管理者等を対象とした講
習会を開催する他、運行管理者においては外部機関の講習を毎年受講してまいります。
また、新任統括運行管理者および新任運行管理者ならびに新任運行管理補助者には速かに昇格者研
修を実施し、知識習得を図るとともに安全意識の向上に努めてまいります。
(5)研修所における新人運転士基本走行訓練に現役乗務員を指導員として導入し、運転技術の向上に
努めてまいります。
外部機関による運行管理者研修
安全とサービスに関する講演会
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(6)運転士
①安全運動期間前に全員を対象とした安全運動講習会を開催し、安全運行に関する意識向上を図って
まいります。
②事故発生後は速やかに事故防止委員会を開催し、事故の原因究明および再発防止策を図るとともに
安全運転訓練車を活用した事故防止教育を実施してまいります。
③3年に1度の適性診断をナスバネットで実施し、受診結果に基づいたカウンセリングを行い、各自
の癖や注意点を把握することにより事故防止に努めてまいります。
④2013年度に製作したモックアップ(模擬バス)の料金機を代替するとともに、カラー液晶運賃
表示器及びブレーキ、アクセルペダルを設置し、正しい運転姿勢が取れるようにハンドルの位置合
わせを可能にするなど、より実車に近い設備に改修し事故防止および接客接遇サービスの研修を実
施いたします。
⑤運転ヒヤリハット情報を共有し、事故防止に努めてまいります。
⑥新入運転士教育においては、外部の自動車教習所と連携し、引き続き運転技術の向上に努めてまい
ります。
外 部 教 習 所
⑦指導運転士においては、担当部署による運転および接客接遇サービスの向上ならびに指導の平準化
を図ってまいります。
指導運転士教育(仕事の教え方)
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⑧運転士教育計画に基づき、経験に応じた各種研修を行い輸送の安全確保に向けた意識の向上を図っ
てまいります。
日常点検研修光景
車椅子設置訓練
接遇研修光景(身だしなみ確認)
視覚障がい者対応
モックアップ(模擬バス)活用接遇研修
外部機関による省燃費研修
6.輸送の安全に関する内部監査結果および改善措置
運輸安全マネジメントの実施および浸透状況を確認するため、本社担当部署による内部監査を年2回
実施し、問題点については速やかに改善しております。
7.輸送の安全に関する予算・実績額
車両購入および安全装置の設置ならびに輸送の安全に関する研修等は、次のとおりとなります。
項目
2015年度実績額
2016年度予算額
1,149千円
1,280千円
29,580千円
34,750千円
1,554千円
4,400千円
204千円
200千円
1,100千円
2,250千円
デジタルタコグラフ導入費
218,936千円
10,920千円
新型車購入
598,390千円
827,000千円
16,545千円
24,600千円
適性診断受信費
運転士外部研修費
安全にかかる研修・講習費
飲酒運転防止インストラクター資格取得
アルコールチェッカー(個人貸与)
停留所等設備に関する費用
616,000千円
新型料金機およびカラー液晶運賃表示器
合
計
866,358千円
7
1,521,400千円
8.行政処分の公表
1-(1)監査指摘事項
2014年5月、武蔵境営業所において東京運輸支局の一般貸切監査が実施され、誤った認識が原
因で指摘がございました。
①チャート紙の未装着および保管(運輸規則第26条)
②運行管理者の適切な指導がなされていなかった。
1-(2)処分の内容
輸送施設の使用停止(20 日車)
1-(3)当該処分に基づき講ずる措置
①チャート紙を取り付け、記録されたチャート紙は乗務記録に添付することを義務付けました。
②運行記録計による記録をとり、乗務記録とともに保存することを義務付けました。
③運行管理者に指導監督をおこないました。
1-(4)処分を受けた日
2015年1月27日
2-(1)監査指摘事項
2015年2月、吉祥寺営業所において東京運輸支局の一般乗合監査が実施され、指摘がございま
した。
①点呼の実施結果の記録が不適切であった。
(道路運送法第 27 条第 2 項および旅客自動車運送事業運
輸規則第 24 条第 4 項)
②運転者に対する国土交通大臣が告示で定める輸送の安全確保についての指導が不適切であった。
(道
路運送法第 27 条第 2 項および旅客自動車運送事業運輸規則第38条第1項)
③自動車事故報告書の届出を怠っていた。
(道路運送法第 29 条)
2-(2)処分の内容
輸送施設の使用停止(10 日車)
2-(3)当該処分に基づき講ずる措置
①予備運転士は事前に出庫前準備を済ませ点呼簿に記入いたします。
②運転士教育は運輸規則第38条1項・2項の指針に基づき実施いたします。
③重大事故(車両故障)報告書は対策を講じ30日以内に運輸局へ報告することを徹底いたします。
2-(4)処分を受けた日
2015年11月4日
9.安全管理体制図(別添1)
10.運輸安全マネジメント体制組織図(別添2)
11.安全統括管理者
小田急バス株式会社
取締役
須
藤
孝
12.安全管理規程(別添3)
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